貞操逆転世界の悪徳皇子になった俺、ひたすら魔石を食べて強くなり、破滅フラグを回避します 作:ナロウ・ケイ
■称号:うわばみ
条件:1日の間にお酒を大量(10人前)摂取する
効果:
・酒に強くなる
・毒耐性+
・《加護:酩酊神》
■称号:
条件:一度に10人以上の相手を「魅了」状態にする
効果:
・
・精力+20%ボーナス
・《特攻:異性》
■称号:稀代の
条件:1日の間で、ギャンブルで金貨1万レオール以上を稼ぐ
効果:
・幸運+10%ボーナス
・《特殊:直感+》
■称号:獅子寮の若頭
条件:舎弟を合計50人以上抱える
効果:
・
・自然回復+10%ボーナス
…………。
……。
原作【ナイツ オブ カルマ】では称号システムなるものが存在していた。解説すると、ある一定の条件を満たすことで実績解除と見なされ、称号が与えられるというものである。与えられると言っても目に見えるようなものではない。称号はいつの間にか授かっているものだ。称号を授かることで、基礎能力や特殊技能に
この世界風に言い換えると、『噂好きな精霊たちの噂になるようなことを成し遂げると、
それゆえにこの世界は、名誉を酷く重んじる。自分の名前を大事にし、先祖代々の名前を大事にし、名誉あるものたらんと振舞う。恥も外聞もかなぐり捨てて、という訳にはいかない。
俺みたいに自由奔放な振る舞いをする貴族が少ないのは、この称号の存在のせいでもある。無論、この世界に"称号"という概念はない(気付きようがない)のだが『栄誉を積み重ねていくと報われる』といった迷信は強く信じられている。
俺のように称号取得条件をたくさん知っているというのは、ちょっとした知識チートかもしれない。
それはそうとして、である。
俺の記憶が正しければ、昨日の出来事で称号をたくさん取得できてもおかしくはなかった。たくさんお酒を飲み、媚薬効果でたくさん相手を魅了し、その上で一夜の賭け事でたくさん荒稼ぎした。「うわばみ」「
(いやー、久々にお酒を飲むことが出来て楽しかったなあ)
こんなに堂々と飲酒できたのは、生まれ変わってから初めてのことである。もちろん貴族同士の付き合いで、祝い事に呼ばれて軽く一口お酒を含むことはあったものの、こんなに羽目を外して浴びるように飲むことはできなかった。
とにかく旨かった。あの酒は、クラフトコーラっぽいスパイス味が効いていて、ほんのり樽の薫香まで移っていて、つまみによく合いそうな美酒だった。
幼少期から魔石の毒素で鍛えてきたおかげか、全然酒に悪酔いしなかった。平気の平左衛門というやつだ。むしろロナのほうが酒気で少し酔っていたぐらいである。
一方で。
「……此度の酒乱騒ぎについて、申し開きはありますか? 一回生のルーク殿」
「ありません、教官殿」
「……。分かりました。《勇猛の獅子》寮を50点減点とします。また、貴方を含めた一部の生徒には反省文を課します」
残念ながら、昨夜の《勇猛の獅子》寮の乱痴気騒ぎが監督教官にも伝わったようで、減点処分は免れえなかった。当然と言えば当然のことである。酒を飲んで騒ぐのは大丈夫でも、大々的に騒いで何人も酔いつぶし、食堂に迷惑をかけたのがよくなかったと判断されたのだ。これでも現代基準では到底考えられないぐらい緩い判断だが、まあ、中世基準ではそんなものなのだろう。
減点といっても、個人ではなく寮に課される減点処分なので、実質的には反省文だけで事が済む。寛大な措置と言える。
「残念です。新入生で最も入試得点の良かった模範的優等生である貴方を《勇猛の獅子》寮に入れたというのに……この有様では……」
「力及ばず申し訳ありません」
素直に頭を下げる。頭を下げることを躊躇してはいけない。偉い立場であればこそ謝罪に価値が出てくる。
一応弁明すると、俺はこれでも効果を出していたほうなのだ。
俺がこの《勇猛の獅子》寮に入った理由、それは《勇猛の獅子》寮の生徒たちを叩き直すためである。
そして俺が入ったことで俺の舎弟は増えていった。舎弟になるのを拒んだやつや、俺に対して中立的な立場の奴にしても、俺を意識して努力し始めた。
結果、教科のうち、実学的な分野、つまり『魔術基礎』『魔道具Ⅰ』『調薬Ⅰ』等の出席率や成績は良くなり、『剣術基礎』『体術基礎』等の体技系の教科に至っては学年一位を輩出するほどになった。
相変わらず座学系の教科は壊滅的なものの、一歩前進はしている。かつての頃を思うと改善は著しい。授業に意味はないとばかりに、あらゆる教科を適当に手を抜いていた《勇猛の獅子》寮の生徒たちが、一部の授業とはいえ熱心に取り組みだしたのだ。
そう、俺は結果を出してなかった訳ではないのだ。
「……貴方には感謝もしています。《勇猛の獅子》寮の立て直しの話、あれをただの口約束ではなく、きちんと守ってくれようとしているのですから」
「ありがとうございます」
「であればこそです、ルーク殿。貴方のような純真無垢な少年が、お酒で羽目を外すような真似をなさっては困るのです」
純真無垢、という言葉に俺は思わず目を剥いた。
原作の悪徳皇子ルーク・マギデリックの印象に引っ張られているせいか、はたまた自己評価が杜撰なせいか、全然そんなことも思いもよらなかった。自分のことは、強いて言えば、ちょっと顔がいいだけの生意気で常識知らずな田舎の芋貴族ぐらいだろう、と思っていた。
まさか純真無垢という形容詞であらわされよう日が来るとは、想像だにしなかった。
「貴方が解毒術と治癒魔術に精通していることに驚きましたよ、ルーク殿。独自で薬学を修めていることも知りませんでした。ですが、それは別に、生意気な不良生徒を酔いつぶしていいということになりませんからね?」
「……失礼しました、教官殿。ご迷惑をおかけしました」
「結構です。……全く、婿入り前の美少年がお酒の席で先輩を酔いつぶすばかりでなく、脱衣ポーカーに明け暮れるなんて、もう」
気まずい。
脱衣ポーカーは最後の方、お酒がなくなってしまったので、深夜のノリで提案しただけのものだ。掛け金をしっかり稼げている自信がなかったので、称号獲得のために念には念をという訳だ。勿論勝算はあった。精霊たちが"勝てるよー""相手は強いよー"と教えてくれるので、結局
「……ところで、一つ良いですか?」
「はい、何でしょう」
「……。まさかとは思いますが、賭け事で不良たちに借金を作らせてから、その返済のためということで、過去問を集めさせたり、講義の
「……なんででしょうね」
俺は目を逸らさずにしらを切った。
不良生徒たちは改心したのだ。間違いない。そうである。不良生徒たちは何故か知らないが、講義の板書をよく取るようになって、過去試験でどんな問題が出たのかを調べるようになっただけだ。借金の棒引きとして俺がこき使っているだなんて、まさかそんなこと、あるはずがない。自発的にそうやっているだけだ。
結果的に、座学系の教科も黙々と取り組むようになった生徒たちが増えた。
表面だけ見れば、ただそれだけである。いいことである。学校は学び舎であるべきだ。
「……いいでしょう。
「分かりました」
説教はここまでだった。
あきれ顔だった教官も、諦め半分といった様子であった。俺以外にもたくさん問題児がいる《勇猛の獅子》寮のことだ、多分俺にばかりかかずらっていられないのだろう。監督教官の寛大さに感謝しながら、俺は迷宮へと戻るのだった。
自発的に板書を書き写したり、過去問の解き方を図書館で調べるようになって、《勇猛の獅子》寮の不良娘ちゃんは偉いね!
2024/11/10:
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