貞操逆転世界の悪徳皇子になった俺、ひたすら魔石を食べて強くなり、破滅フラグを回避します 作:ナロウ・ケイ
時系列は「天恵の儀編」と「学園編」の間の話です。次の展開が思いつかなかったので、一旦閑話で箸休めとなります。次の話はしばらくお待ちくださいませ。
『君たち四人も"英傑"扱いに慣れてきたころかな? 僕は未だに"皇子"扱いに慣れなくてね。最近窮屈で仕方がないから、君たちと旧交を温めたいんだ。つまらない縁談避けのために、遊びに来てくれないか?』
歯に衣着せぬ物言いとはまさにこのこと。皇子からのお誘いの手紙は、貴族特有の無駄に形式ばった文章とはかけ離れた、極めて直截な表現だった。
だが、エイルたち四人組は、どちらかというと腹芸は苦手で、真っ直ぐで裏表のない人の方が好きである。
皇子からの招待状を受けて、四人は一も二もなく帝都へ遊びにやってきた。旅費と滞在費が気がかりだったが、そこは流石の皇子といったところで、皇子個人の持ち出し費用でリザード馬車を用意してもらっていた。一体どこからそんなお金を捻出できるのだろうか、と四人は不思議に思ったが、
かくして、四人の子供たちの帝都お泊り旅行は始まった。
地方の女騎士家系のエイル、惣賀衆のくのいちのイオリ、修道院育ちのアナスタシア、画家一族の不良娘キルケの四人は、帝都からちょっと離れた場所に住んでおり、お祭りなどがなければわざわざこんな栄えた首都まで足を運んだりするきっかけがなかった。今回の皇子の招待は、憧れの帝都を堪能できるという意味で、絶好の機会だった。
「まあ、大道芸人ですわ! ワイン瓶でお手玉なんて器用ですわね!」
「む、拙者もあれぐらいできるでござる、あれぐらいなら、腕の速さと視野の広ささえあればさほど難しくないでござるよ」
「あら~、メドシェン地方のメロー種10年物のワインですね~? そろそろ飲み頃かしら~?」
「……何で分かるんだお前、目ぇ良すぎないか?」
馬車に揺られながら、四人は華やかな帝都の光景にやんややんやとはしゃいでいた。
「ふふん! 相手の技量を推し量るのは、くのいちの基本にござる!」
「ござるじゃねえよ、アホ聖女の方だよ」
「アホじゃないですぅ、聖三祝文全部諳んじれますぅ」
べろべろばー、と子供みたいな煽り方で聖女アナスタシアが賢者キルケに喧嘩を売っている間に、馬車はどんどん中央の小高い丘の方に向かっていた。
馬車の先には立派な宮殿があるが、おそらくはそこには向かわず、横に逸れてどこかの邸宅に止まるのだろう。それにしても、立派過ぎる住まいである。あの皇子は本当に皇子なのだな、とごく当たり前のことを思い知らされる光景だった。
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…………。
「遠路はるばるお疲れ様。どうぞゆっくりしていって……ん?
四人の来客対応で、侍女たちがゆっくりと廊下の調度品を案内したり、お茶菓子などを持ってきたりしている間に、待望の皇子がようやくやってきた。
どうやら直前まで政務を執り行っていたらしく、今も片手に書類の束を抱えている。この年齢で一人前に仕事をこなしている時点でおかしいのだが、皇子は顔がいいだけではないらしい。
「あはは……お気になさらず……」
「……へっ、ちょっと言い争いになってね、わりいわりい」
馬車の中でちょっと揉め事があっただけ。やんごとなきお方に聞かせるには、あまりにも外聞が悪い。
皇子はちょっと気にしている素振りだったが、空気を察したのかあまり深くは聞いてこなかった。大人な対応である。こういうところが格好いい。四人全員が、皇子のさり気ない配慮に心がぐらついた瞬間であった。
「せっかく遠くから帝都に来たんだから、二週間ぐらい遊んでいくだろう? ご実家の親御さんには了承をいただいているから、ゆっくり羽根を伸ばすといいよ」
逆に言うと、二週間ほど鬱陶しい縁談やら宴会を断れるいい口実になってほしい、ということなのだが。
含みのある言葉の真意に気付いたのは
……………………。
…………。
貴族しか立ち入れないはずの帝国宮廷を、皇子直々の案内で散策した四人は、その栄華に感激を覚えていた。
たくさんの武具。
たくさんの書物。
たくさんのお酒。
キツそうな修行。
「わ、わ、やっぱり衛兵詰所と武器庫は見応えありますわね⋯⋯! こちらは『竜殺しの剣』の模造品で、こちらは『青薔薇の甲冑』の模造品⋯⋯!」
「はー⋯⋯やっぱり帝国宮廷の書庫はすげえな⋯⋯。こいつは古ドヴェルグ語の南北の比較だな、で、こっちは共通
「はわわ、地下貯蔵室にはとても美味しそうな酒樽⋯⋯。こちらはザクロ酒樽ですね、そしてこちらは
「す、凄いでござる、皇子の動きを真似する団体演舞、衛兵たちが相当キツい動きをしてるでござる⋯⋯」
イオリだけ目の付け所が少しズレていたが、皇子はイオリの気付きに対して一番嬉しそうにあれこれ解説していた。
単語も聞いたことがないもので、健康のための『
特に皇子は、
やたらと筋肉が好きなのは、もしかしたらこの皇子の好みなのかも知れない。
後、皇子が直々に、上半身の服を脱いで演舞指導するのはいかがなものだろうか。刺激が強すぎて目に余る。覗きに来ている貴族令嬢たちもいて、本当に良くない。
とにかく、四人にとって宮廷内部の見学は、丸一日をかけてもとても楽しいものだった。
……………………。
…………。
「ルーク様、お風呂はあの侍女と一緒に入られますのね⋯⋯」
「まあなー、信頼のおける従者なんだろうよ。まあ、普通そういうのは同性の側近なんだけど⋯⋯変わってるよなアイツ」
ルーク皇子と別れた四人は、客人用の浴場で身を清めていた。
それにしてもあの皇子は本当に変わっている。
この世界の常識で考えると、情欲の強い女なんかにあっさり柔肌を晒すなんて、本当に無謀な行為である。ちょっと盛りがついている女であれば、襲われてもおかしくない。更に言えばあんな美少年がそんなことをするなんて、無邪気にも程がある。いかに心の底から信頼の置ける従者だったとしても、異性にあんなに堂々と裸体を晒せるだろうか。
きっとあのロナという侍女は、自制心がとても強いのだろう。亜人だと聞いているが、果たして黒アールヴには発情期がないのだろうか。獣人族とかであれば一瞬で理性が蒸発すると思うが。
「……。嫉妬で頭壊れそうですわ⋯⋯」
「そうかぁ⋯⋯?」
ぷくぷくぷく、と口元のお湯に息を吐き出して、妙につまらなさそうにエイルが不満を垂れる。従者。理想。女騎士家系の彼女にとって、あんな天真爛漫で眉目秀麗な皇子の側近として暮らせたらどれほどよかっただろうか⋯⋯ということだろうか。
あの皇子の無防備な姿を眺め放題な、そんな素敵な毎日が待ち受けていると考えたら、まあ、羨ましいといえば羨ましい。
キルケにしても、会話の随所に知性と奥ゆかしさを感じられるルーク皇子は、かなり好みの男子像だった。顔がいい。声がいい。上半身が素敵。非の打ち所がなかった。
「⋯⋯まあ、腹立つな、何か腹立ってきた」
「ですわよね!」
妙なところで意気投合してしまったエイルとキルケが、「忍法、こちょこちょの術!」とイオリにちょっかいを出され、きゃあきゃあと湯船で暴れるのは、それから間もなくのことだった。
……………………。
…………。
「何かすっごい声が聞こえたでござるが、気のせいでござるか?」
「⋯⋯? 聞こえませんでしたわ? 一番耳のいいイオリのことですから、例えば遠くの衛兵たちの馬鹿騒ぎとかを拾ったのではなくて?」
「いや⋯⋯その、すっごいえっちな声でござる⋯⋯」
「私、興味津々ですわ」
部屋の中で夕涼みを堪能していると、イオリが突如気になることを報告してきた。音が反響する《木霊の
その一方で、イオリの聴力は群を抜いている。もしかしたら本当に、すっごいえっちな声を聞いたのかもしれない。果たしてこの敷地内で《囁きの
そういえば、あの皇子と侍女、どこに行ったのだろうか。絶対に立ち入ってはいけないと厳命されている場所があるのだが、もしかして声の発生源はそこからだろうか。
もやもやする気持ちを半分抱きながら、エイルはそんなことをあてどなく考えていた。
「何というか⋯⋯その、うわあ⋯⋯」
「え、え、ちょ、詳しく、イオリ、何ですのその顔、えっ」
突如イオリはそのまま床に耳をつけて、急に無言になった。
何とも言えない表情で、食い入るように聞き込んでいる。僅かに足元をもじもじさせている。本当に凄いらしい。
一体どんな声なのだろうか。
「わ、わあ、ちょっ、凄い、凄いでござる⋯⋯」
「ちょっと!? イオリ!?」
まさか急におっ始めないだろうか、とエイルが心配になった刹那、イオリは突如立ち上がった。
「⋯⋯お花摘みでござる」
「⋯⋯⋯⋯」
これにはエイルのみならず、アナスタシアもキルケも、絶対に嘘だと確信したが、深くは突っ込まないことにした。その代わり、戻ってきたらあのござる娘から詳細を聞き出そうと決意した。
……………………。
…………。
「お待たせ、じゃあそろそろ寝ようか」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
夜も近づいてきたころ。
執務を終えてきた、と語る皇子と侍女の空気が、どことなく怪しかった。言葉では上手く表せないのだが、黒アールヴの侍女の様子が少しおかしい。髪の毛やら服やらを慌てて整えたような気もするし、一日中仕事で忙しくてくたびれただけのような気もする。明確にこれがおかしいと指摘できるものはないのだが、どことなく違和感があった。
断言は出来ないのだが、頬がほんのり紅潮しているような気もする。私は殿下の第一の侍女なんです、みたいな“女を出してる感”とでも言えばいいのか分からないが、口元をもにょもにょ緩めているのが妙に引っ掛かる。
突っ込んだらいけないのだろうか、と四人は逡巡したが、あえて触れないことにした。
などと考えていると。
「今日はせっかくだから、皆同じ布団で寝るかい? みんなの話を色々聞かせてほしいんだ」
「!?」
とんでもない提案に四人は耳を疑った。一体何を考えているのだろうか、この皇子は。
寝台に腰かけながら笑みを浮かべる皇子には、年齢に似つかわしくない不思議な色気があった。薄着の寝間着。鎖骨がちらりと見えるその姿で、男女一緒の布団で寝るなどと、よくもそんなことを平然と言えたものだ。
もしかして本当に、自分たち四人のことを
侍女が人数分のハーブティを準備する音が聞こえてきた。よく眠れるように、という気配りなのだろう。
「ほら、寝落ち友達って奴さ。寝る前に色々とそれぞれの思い出話とかを語ろうじゃないか」
皇子の提案の趣旨は、分からなくもない。いわゆるお泊り会のような感覚なのだろう。友だちと夜通し語り合うのは、それだけで特別感があって楽しいことだ。
問題は、当の本人である皇子が異性に対してあまりにも無邪気で無防備であること。自分がどれぐらい隙だらけなのか無自覚にもほどがある。もしかしたら逆に自分の価値に自覚的なのかもしれないが、わざとからかっているのだとしたらそれはそれで腹立たしい話である。
「……受けて立ちますわ」
「そんな勝負みたいな言い方しなくても」
ハーブティを片手に苦笑する皇子とは対照的に、四人は僅かに緊張を覚えていた。
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…………。
「全然眠れなかったですわ……」
「……不覚」
「神よ、お許しください……」
「……予想通りだったな、畜生」
皇子と一緒の寝台で寝ることになった四人は、途中抱き着かれたりとかで落ち着かず、結局さほど眠ることが出来ずに翌朝を迎えることになった。
話は面白かった。皇子の政務の愚痴もちらほらあったが、見たことも聞いたこともない料理の話(芋を揚げたお菓子や、牛乳と砂糖でつくる氷菓など)とか、絵札を使った新しい娯楽の話とか、聞くだけでわくわくするような話題がたくさんあった。
とにかく皇子は色々新しい発想を持っていた。これなら確かに、玩具作りとか娯楽産業で儲けを生み出していてもおかしくない。皇子の羽振りの良さも頷ける話だった。
だがその後が良くなかった。よく眠れるようにハーブティを振る舞ってもらい、旅疲れをほぐすためにと全身マッサージを受けたのだが、そんなことをされて落ち着くはずがない。当の皇子はあっさり可愛い寝息を立てていたが、思春期真っ盛りの四人にはあまりにも刺激が強すぎた。髪からほんのりいい匂いがするのも、非常に来るものがあった。
この日、一番一線を超えたのは
『俺はこのまま政務があるからこの辺で。また夕方ぐらいに時間を作るよ、庭園を見るとか市場に出かけるとかで時間を潰してくれ』
などと皇子は颯爽と着替えて出て行ってしまったが、本当に自由な御仁である。
同い年の異性の目の前で着替えるな、と苦情を言う暇もなく、本当に忙しそうに出かけて行った。夜はしっかり眠れて元気一杯、ということらしい。大事件があったというのに呑気なものである。活力に満ち溢れているというか、はきはきしているというか、きっと明朗闊達とはあんな振る舞いをいうのだろう。
「……朝の水浴び、いかがかしら」
「……だな。皇子も良いよって言ってたもんな」
眠気抜きと、あと変な寝汗を搔いてしまったというのもあって、四人は朝の水浴びをすることにした。
当の皇子からは、お湯ぐらい客人用に湧かすから朝風呂でもいいよ、と破格の待遇を提案されていたが、流石に気が引けたのでそれは遠慮した。
……………………。
…………。
「皆様、殿下とは仲良く過ごしておりますか? 四英傑の皆様を困らせていたりはしませんか?」
「あら、侍女頭さま、ご機嫌よう。おかげさまで楽しく過ごしておりますわ」
年配の侍女が明るい冗談と共に、紅茶とお菓子の配膳にやってきた。お礼と一緒に受け取ったエイルは、柔らかい笑みを浮かべたこの侍女を見ながら少し考えた。
彼女はいわゆる侍女頭の立場にある。近侍・従者の立場にあるロナとは立場が異なり、この帝都にあるルーク皇子の邸宅の家事全般に権限を持っている侍女という扱いになる。この邸宅に仕えている使用人は全て、彼女が教育し、指導しているのだ。
話を聞くところによると、昔は、皇子の身の回りの世話は全てロナが行っていたらしいが、大きい邸宅を買った際、人手が必要になるだろうということで、この侍女頭が新たに雇われたのだという。
「ふふふ、ならば良かったです。四英傑様の方が公的には偉い立場にあるのに、振り回されてばかりではないかと心配でして……」
主君に向かって失礼な冗談だが、これは裏を返せば、そんなことを放言しても問題ないぐらいの信頼を勝ち得ているという証拠でもある。主君であるルーク皇子もまた、懐が深いというべきか。
流石に家臣に舐められているという訳ではないと思うが、主人を諫めるような発言でも罰しないというのは、公明正大な人柄でないとできないことである。ましてや皇女・皇子のような皇族の立場だと珍しいことである。
「お見逸れいたした。ルーク皇子は、まっこと天晴れな人物にござる。本当に色んな人に慕われているでござるな」
「ええ、殿下は素晴らしい方ですよ。開明的で優しいお方です。たくさん色んな侍女を雇われていますが、皆に優しく気をかけて下さる方です。殿下を慕っていない侍女たちは一人もいませんよ」
私なんか、他の貴族から送り込まれた人間だったんですけどねえ、と。
しれっとそんな爆弾発言を残した年配の侍女は、そのままおほほほ、と笑いながらそそくさと立ち去って行った。意味が分かった
他の貴族から送り込まれた。つまり密偵だったということだ。
「え……? 密偵……?」
驚いたのはそれだけではなかった。蜘蛛の侍女と蝙蝠の侍女(護衛役として四人の傍について来ている侍女である)に話を聞いたところ、殿下の
曰く、暗殺を試みた人間を、護衛の侍女として雇ったり。
曰く、影で邪教団に情報を流していた人間を、侍女として寝返らせたり。
曰く、他の貴族の密偵としてやってきた人間を、侍女として鞍替えさせたり。
と、話を聞くととんでもないことをやっていた。思った以上に常軌を逸している。異性に隙だらけとか無防備とか、それどころの話ではない。命がいくつあっても足りないようなことを平然とやってのけているというか、本当に貴族なのか怪しいことをやっているというか。
ルーク皇子に仕えている侍女たちは、全員人当たりが良くて全員優しいんだな、と呑気に考えていた四人の価値観が根底から覆った瞬間だった。
頭がおかしいのかあの皇子は。
「……………………」
そういえば妙に、識字率が高い侍女ばかりだと思ったのだ。教育をしっかり受けていて、所作に素養が感じられる者たちばかり。
理由が分かれば何のことはない。密偵役で送り込まれたのなら、外に手紙を出すので、読み書きを仕込まれているのは当然のことだった。
また、ぽんこつだったらすぐに首を切られるので、侍女としての働きぶりも優秀な人物ばかりが集まるのは当然と言えば当然の話だった。
お馬鹿。
「これぞ天下人の器、まっこと見事にござる」
「寛大な方なのですねー」
一風変わった皇子かと思っていたが、思った以上に命を張っていた。毎日熱心に訓練ばかりしているなと思ったが、それぐらいして当然だった。信頼のおける侍女と四六時中べったりだと思っていたが、今思うと合理的だった。
合理的とは。
こんな針の筵に平然と座っている奴だとは思ってもいなかった。これで侍女たちから熱烈な忠誠を誓ってもらっているというのも信じがたい話である。給金払いがよくて、職場環境もしっかり整えられていて、仕える主君も、優しくて眉目秀麗な明るい皇子。人選だけが地獄みたいな職場。その一点だけで全部台無しである。
あの皇子は本当に心臓が鋼で出来ているに違いない。
(……。なんでしょうね、あの皇子、放っておけないですわね……)
全くもって度し難い。
ある一面では大人顔負けの立ち振る舞いをするのに、ある一面ではつい世話を焼いてあげなくてはと思ってしまう、そんな危うさがどこかにある存在。庇護欲が刺激されているような気がする。
「本当にルーク皇子は、仕方がないですわね。仕方ないですわねー……」
そんなことを考えている自分の口元が、すっかり緩んでいることに気付いたのは、そばにいた