秘密結社 鷹の爪〜崩壊世界の征服〜   作:黄緑亀

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今週も張り切って世界征服!

3rdのプレイヤーからは聖母とか、最強の母親とか言われるセシリア様ですけど、チャプター6のセシリア様は間違いなく変態だったと思います

今回はゲージシステムが大活躍します。かなりの独自設定を含みます。まあ前回からですけど





15.夢から覚めて

「ねえ、キアナ?」

「何?どうしたの?」

 

「今私のこと、ママって言った?」

 

「あっ」

 

…母親と再会出来た上に、自分の名を読んでくれた事は嬉しかったが、ここでようやく自分のミスに気づいたキアナ。今は第二次崩壊当時だし、セシリアの娘は今赤ちゃんなのだ。

 

「もう一度、言ってくれる…?」

 

「…ママ?」

 

「…録音完了。はぁ〜もう、大満足!」

 

「…え?」

 

「あのね、貴方の声、私が想像していた、大きくなった娘の声にそっくりなの!いつまでも聴いていられるわ!」

 

キアナは困惑した。セシリアは当時最強の戦乙女と聞いていたため、学園の先生や委員長みたいに真面目な人物だと思っていた。しかし、セシリアはずいぶんとおしゃべりで、性格は丸く、自分のイメージとは大きく異なっているようだ。いや、これは、ゲージを回復させるためのテコ入れとして、セシリアの性格が改変されているのでは……

 

15

 

「何でゲージが下がるのぉー!?

ママの性格は原作通りなのぉー!?」

 

「強者の余裕ね。親しみやすくてあたくしは好きよ」

 

「テレサ…そうだね……」

 

ポイポンが壊れた時のように見方を変える「逆に言えば」の発想。これにキアナは納得し、改めてセシリアを見たのだが…

 

「キアナ!キアナ!キアナ!キアナぁぁあああわぁああああああああああああああああああああああん!!!

あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!キアナキアナキアナぁああぁわぁああああ!!!

あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いだなぁ…くんくん

んはぁっ!私の娘のキアナたんの白色ブロンドの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!!

間違えた!モフモフしたいお!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!

……以下略」

 

「やっぱり嫌ー!」

 

「ゲージが下がって、ギャグのレベルも下がってるわね…。今ではもう知らない人の方が多いルイズコピペなんて…

……あーでも声優が一緒」

 

「もういいよ。私の両親が変態なのは分かった」

 

ゲージによって崩壊していくセシリアとテレサを見て、キアナは冷静になれた。そして、両親のキャラも受け入れた。諦めたとも言う。

 

「今回の任務、ママには諦めて欲しかったけど、ここまで来ちゃったからには、帰るわけにもいかないよね。

だから、私も一緒に行くよ!」

 

「ありがとう、キアナ」

 

「私がセシリア様を守るわ!」

 

「守られる事にならないようにね〜」

こうして、キアナ、テレサ、セシリアの3人は、雪原に聳え立つ「塔」正式名称、バビロン実験室の内部に突入した。

 

10

 

「あ、ゲージが…」

「あれっ?」

 

ゲージの減少を認識した瞬間、気づいたらキアナは1人になっており、檻で塞がれた監獄のような部屋にいた。しかし、よく考えると自分でここに入ったような気がする…

 

「ええっ?ここはどこ!?」

「空間が揺らいだ?いや、もしかして、ゲージの所為で私の行動が省略されたの?」

 

「原作コピーゲージ、一体どれほどの力があるの…」

 

ここで冷静になったキアナは、自分の目の前に落ちている破れた汚いノートに気づく。ゲージによって全てが省略されそうになっている時にこのノートを見つけた事で時間が止まり、元通りになったのだ。それはまるで、どんなに原作をコピーしてしまっても、このノートだけは無視してはいけないと、この空間全体が強く訴えてくるようだった。

 

「…これを、読めって事?」

「分かったよ…うわ、汚い字…」

 

『医者は今日から日記を書けと言った。私は日記を書いた事がない。何を書けばいいのかな』

 

「医者?ここは病院なの?」

 

『今日の治療も辛かった。でもストップはダメだって。治療がストップした子はみんな医者に連れていかれて戻ってこない』

 

『怖い…連れて行かたくない。もうこの小さくて黒い籠の中にいたくない。ママに抱っこして欲しい…ママ…どこにいるの…』

 

「あれ…続きが破られてる。

…待って、最後に何か書かれてる」

 

『ママ、会いたいよ。でも、泣くのは我慢する。私にはママが教えてくれた魔法の呪文がある』

 

『心の中で唱えれば、何でも願いが叶う魔法の呪文。ママに合わせてくれる、魔法の呪文ーー』

 

『Ich☆liebe☆dich』

 

「あれっ?私、なんで全部読めたんだろう?ドイツ語なんて習ってないのに…」

 

5

 

「キアナ!何か見つけたの!?」

 

「あ、セシリア様」

 

セシリアとは別行動になっていたらしく、別れて実験室を捜索する流れはどうやら、ゲージによって省略されていたらしい。

 

「これを見て」

 

「日記?この塔でこんな事があったなんて…でも、ここが医療機関なんて聞いた事がないわ…」

 

「え?」

 

「嘘ね。医者や治療といった言葉は」

「医者を名乗って母親から子供を引き剥がして、毎日辛い『治療』を受けさせて…こんなに怖がらせて…」

 

4

 

「…ねえセシリア様。」

「何?キアナ」

 

「私も小さい時、ママと別れたの…だからこの子の気持ちが分かる…

心が空っぽで、誰にも頼れなくて…」

 

悲しそうに語るキアナを見て、セシリアは彼女を両手で抱き寄せた。母親のように、優しく両腕と、自分の胸で包み込む。

 

「…かわいそうな子」

「え?」

 

キアナは顔を赤くして離れようとするが、セシリアの抱擁は固かった。

 

「恥ずかしがらなくてもいいのよ。私の胸の中で少しお休み…」

「ありがとう、マ…ううん、違う……セシリア様」

 

3

 

キアナは諦めたのか、親に甘えるように自分もセシリアに抱きついた。母親の抱擁というのは、芽衣先輩や先生とはまた違う、どこか恥ずかしいが、優しい温度と感覚がした。

 

2

 

「少し良くなった?」

 

数十秒ほど経過して、セシリアが声をかけるが、キアナは腕の力を強くして、離れるのを拒んだ。

 

「嫌…ずっと一緒…」

 

「そう言ってもらえて嬉しいわ、でも、ずっとこうしている訳にもいかない。私達は第二律者を…」

 

「じゃあ、一緒にそいつを倒す!一緒にそいつの所に行って、一緒に戦う!」

 

「そ…それは…」

 

「まさか、1人で律者に挑もうなんて思ってないよね!?私が一緒にいるのに!?」

「……」

 

セシリアは言葉に詰まった。どうやら図星だ。

 

「ねえママ…この空間は、今とても不安定なの…ゲージの影響で、揺らいだり、早送りになったり、時が飛ばされたり…今、この手を離したら、もう2度と会えないかも…

そうなれば、私は凄く悲しむよ。さっきよりもね。ママが律者に勝って、生き残っても、もう2度と会えないなんて嫌!

だから、離したくない!絶対に2人で、律者の所まで言って、倒すんだから!」

 

「…分かったわ。一緒に、この戦いを終わらせましょう」

 

1

 

セシリアの言葉に反応して、ゲージが減り、ついに1となるーー

 

「来た!時間が飛ぶ…!」

時が飛ぶ…正確には、原作コピーゲージという大きな力が働き、時が「省略」される。物語は終わりへと向かい、空間の消滅の準備を整える。次の瞬間にはキアナは銃を構え、セシリアは槍で第二律者を貫いていた。

 

「…なんで…うそでしょ…何の緊張感も、戦闘描写も無いなんて…」

「日記の続きも、実験の秘密も読んでねえな…」

「ゲージは残しとけよ…」

 

第二律者はそう言い残すと、傷が広がり、そこから消滅した。

 

自分の身体に激しい疲労を感じる。省略された時の中で、私達はどんな事をしたのか分からないが、律者と激しい戦闘があった事は確かだろう。

 

「安らかに眠れ。第二律者」

 

「やったよ!第二律者を倒したよ!」

 

「キアナ!どうしてここに!?」

「テレサ!?ふふん、遅かったね」

 

1人になってから会えてなかったテレサが遅れて合流した。しかし今のキアナは何も気にせず、どうせトイレにでも行ってたのだろうと思い、自分の手柄を自慢する。

 

「第二律者は私とセシリア様で一緒に倒したよ!」

 

テレサは一緒に喜んでくれるか、自分が参加できなかった事を悔しがるかとキアナは思っていたが、テレサの反応は、どちらにも当てはまらなかった。

 

「え、何を言っているの…ここには、誰も居ないわよ?」

 

「バカな事言わないでよ…私の隣にセシリア様が

いるじゃ……」

「ええ!?ママ!?」

 

最後にキアナが見たのは、先程までセシリアといたのに、自分とテレサ以外誰もいない、律者との戦いの痕跡すら見られない空間だった。

 

夢の世界が崩れていく……

 

 

 

 

*   *   *

「おーい、いつまで機械を見てるんだー?

スイッチを入れなきゃ、夢は見れないぞ?」

 

「おい黙れ吉田!キアナがじっくりマシンを観察してくれてるじゃねえか。性能だけじゃなくて、デザインにも拘ってるんだよ。キアナには分かるみたいだぜー?」

 

鷹の爪団の部屋では、夢選び機を見つめて停止するキアナを見て、いつものように周りが話し合っていた。見たこともない機械に目を奪われるのは不思議な事ではなく、誰もキアナの異変には気づかない。テレサ以外は…

 

「ねえキアナ、どこか具合が悪いなら…」

 

ーー突然、煙幕が発生して、狭い部屋に充満した。そして何者かが部屋に侵入し、テレサやウェンディが制圧される。

 

「離して!ううっ…」

「どこ触ってるんですか!」

 

「変な所は触ってません!」

 

煙の中から聞こえた、中性的な声。その声の主は、学園では知らぬ人はいない人物。

 

「我々の任務が邪魔されないために、皆さんには一時的に退いていただきましょう」

「フカ!どういうつもりなの!?」

「その声…委員長?」

 

キアナ、テレサ、2人の戦乙女に緊張が走る…

一方鷹の爪団は…

 

「あのー総統、僕あの男知らないんですけど。テレサさんとは友達なんですかね?」

「わしに聞かれても困るよ吉田くん…ていうか、あの人女じゃろ?」

「ええー男でしょー。本人に聞いてみます?」

「やめよう吉田くん、今そんな事聞いていい雰囲気じゃ無いじゃろ」

「そうですねー」

 

テレサとフカが鷹の爪団の方を向いた。

 

「「そんな話をする雰囲気でも無いでしょう!(無いわよ!)」」

 

「「すみませーん!!」」

 

ーーTo be continuedーー







チャプター5、6を書くのは難しかったです
まあそれは置いといて
鷹の爪団が長野県の観光プロモーションキャラに起用!?
島根か鳥取じゃなくて!?
鷹の爪Neoの「おしゃれ世界征服」で長野県の冬をイメージしたファッションが登場したけど…あれは絶対関係ないでしょうね…


冷やし中華は?

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