前回までのあらすじ
どうも、島根の吉田です。僕たちは、本部に連れ去られたキアナさんを助けるため、敵対組織であるネゲントロピーと手を組んで、空中戦艦で本部に殴り込んだんですよね。でもテレサ学園長、大切な生徒が連れ去られたとはいえ、そこまでしますかね?姫子さんなどの偉い人も賛成してるし、僕は何か裏があると思っています。
まあ、そんな事を考えても仕方ありません。実際キアナさんは取り戻せた…というか戻ってきてくれたんですから。でも、何だか様子がおかしいんです。いつもの元気で明るい雰囲気は無くなって、高そうな服を着てるし、なんか喋り方も変わってるし、何よりあの冷酷な表情。僕には分かります。あれはDXファイターがこっちにボンバーしてくる時の目です…
「…なーんて、戦闘が始まるかと思いました?そんな事は起こってませんよ!ただキアナさんが芽衣さんの首を掴んで持ち上げてるだけです」
「なんだ。それなら安心じゃな……いやいやいや!やばい状況でしょ!止めなきゃいけないでしょー!」
前回のやりとりの直後、刀を抜いた芽衣が、キアナに向かって行ったのだが…突然、芽衣の周りの空間に穴が空き、そこから槍のような物が発射された。芽衣はギリギリで避けたのだが、耐性を崩して倒れ、そこをキアナに首を掴まれ持ち上げられた。吉田くんが戦闘と認識できない程の、わずか数秒の出来事だった。
「…キアナちゃん……目を…覚まして………」
「うわー!芽衣くんが苦しそうに呻き声を上げてるー!菩薩峠くん!キアナくんを止めてくれー!」
「(やっと出番が貰えた)…パパ」
総統の命令で、菩薩峠くんは力を解放する。まずは芽衣を掴んでいる手を離させ、その後にいつものように空中エビ反り状態に変えていく。
「…なにっ……身体が……人類!…お前の力か!」
総統達が知っているキアナとはかけ離れた、殺意に満ちた表情と口調で抵抗するキアナ。それと同時にまた空間に穴が空いて槍が出現し、菩薩峠に刺さろうとしてきた。どうやら空間の穴と、そこから出現する槍はキアナの能力と見て間違いないだろう。
「…危ない」
菩薩峠くんはキアナに向けていた力を解除して、出現した槍を止めるのに使った。
「……どうやら私の身体を抑える事は出来ても、能力までは抑えられないようだな…」
「……人類よ……お前達では何をしても…誰をもってしても…私には勝てない……死ね…!」
再び槍の攻撃が迫るーー!
「うわあああ優しく殺してえー!キリングミーソフトリー!キリングミーソフトリー!」
ーーしかし、槍が総統を貫く事は無かった。
槍は総統に刺さろうとした瞬間、青白いビームに撃たれて破壊された。
「テレサ学園長も姫子も、菩薩峠もいたのに、随分とピンチじゃねえか。オラッオラッオラッ」
「そ、その声はー!」
「そうだー、DXレオナルドだー。オラッ」
「DXレオナルドー!?」
そこに立っていたのは、右手に小型ビーム砲のような物を付けたレオナルド博士。後ろには、残りの鷹の爪メンバーも全員いる。
「誰でもDXボンバー。これを右腕に付けて台詞を叫ぶとボンバーが出せる。DXファイターグッズの1つだ。どうだ?ヒーローっぽい登場だったろ?」
「かっこいいぞー!モテモテじゃー!」
「吉田さーん、大丈夫ですかー」
「けっこうピンチだが、お前が囮になってくれれば少しは休めそうだ。いけフィリップ」
「NOO〜」
「芽衣さん!大丈夫ですか!」
「ウェンディちゃん…ありがとう!」
「あたくしもいるわよ!機甲部隊、出撃!」
「「テレサ学園長!」」
「芽衣、艦長、キアナを取り戻したい気持ちは分かるけど、一人で行っちゃダメよ。まずは律者を無力化しないといけないんだから!」
「…はい、そうですね…学園長」
「え?今律者って…」
テレサと合流して、鷹の爪団も全員集合して、ここから反撃開始という時、自分でも今の状況をよく理解してない事は分かっているが、テレサの口から出た”律者“という単語には驚き、総統と吉田くんは固まる。
それを察したウェンディが口を開き、説明を求めた。
「あのー、すみません、律者ってどういう事なんでしょう。この2人にも説明してあげてください」
「崩壊3rdのWikiとかストーリーをネットで調べなさい。ストーリーは7〜9章よ」
「いや自分で調べさせるのー!?」
「なるほどな、分かったぜ」
「丁寧な説明感謝じゃなー」
「これでいいのかよ!あと絶対丁寧ではないだろ!」
「うるせえなーウェンディ、口も悪くなってるし。そんなにツッコミばっかしてるとコウモリになるぞ?」
「何でコウモリなんですか…というかツッコまれてる自覚はあるんですね…」
「俺達鷹の爪団の説明シーンなんて、こんな感じでいいのさ」
「よくないでしょ…ネットで見てって…」
「映画でもこのやり方をやったんだぜ」
「何やってるのー!?」
「じゃあ俺検索して調べるから、スマホ貸して」
「えっ……これでよければ」
そう言ってウェンディは、かつて最新型のスマートフォンだった、ウニのような謎のオブジェを手渡したが…
「バカヤロー!これで検索が出来るかー!」
吉田くんはそう言ってスマホ(だったもの)をどこかに投げてしまった。
「おいウェンディ!お前が説明してくれ!」
「やっぱりこうなるのか…」
5連続のツッコミで体力を消耗したウェンディは、戦う前から疲れてしまって、呼吸が荒くなっていたが、それでも命の恩人である鷹の爪団に、今の状況の説明を始めた…
「えーと、キアナさんは今、第二律者…いや、“空の律者”に覚醒してるんですよ。キアナさんの身体は、第二律者再臨の為の器だったんです」
「なるほどなー。本部は律者目当てでキアナを誘拐した訳か」
「はい……いや意外ですね…こんなに早く理解できるなんて…」
「前に菩薩峠が誘拐されて、同じような事になったからさ…」
「…人類よ、話は終わったか?」
律者の声がその場に響いた。咄嗟に全員で辺りを見回したが、律者の姿は見つからなかったが…芽衣が見つけた。上だ。律者は上空を堂々と“歩いて”いた。
「機甲部隊はどうしたの!?」
「あのおもちゃの事か?」
律者が指を刺した先には、“穴”から出てくる大量の崩壊獣。その足元には、まるでポイポンのように破壊された機甲が散らばっている。
「そんな……あれだけの量を…」
「話なら終わったぜ」
吉田くんが律者に向かって答えた。
「よよよ吉田くーん!まだ終わってないって嘘ついて殺すのを遅らせてもらおうよー」
総統が提案する。
「グッドアイデアですね」
「いや殺される前提になってるのは良いのー!?」
最後にウェンディがツッコむ。
ここ最近では、もう定番の流れだが、その一つ一つが場の空気を乱し、律者を刺激した。
「戦争……欺き……嫉妬……貪欲…」
「お前達人類は……存在そのものが間違っている…!」
律者の怒りを表すように無限に湧き出る崩壊獣は世界中に破壊を齎し、崩壊エネルギーで空が、破壊の炎と爆発によって大地が、それぞれ赤く染まっていた。
「どうしよー、キアナくんはラスボスみたいな事言ってるし、ここも地上の様子も絶望的じゃあー」
『お前、良い加減にしろよオラー!!』
いつのまにか艦に戻っていたレオナルド博士が大音量の艦内放送で律者の独白を遮り、律者に向けて砲撃した。
「…フッ……」
律者が手を前に突き出すと、空間に無数の穴が空き、博士の砲撃が吸い込まれていく。その後再び展開された穴からは、先程吸い込んだ砲撃がこちらに向かってきた。
『うわーー!』
砲撃はハイペリオンに集中し、博士のいる部屋を衝撃が襲った。
『痛えー!ケガしたよー!助けて!ちょっとこっち来い!吉田!総統!フィリップ!菩薩峠!』
「もー博士ー、大人でしょー!?自分で何とかしてくださいよ!」
「行ってあげなさい!」
テレサが言った。
「そんな!みんなで戦うんじゃ無いんですか!」
吉田くんが言い返したが、テレサと芽衣はこう答えた。
「…このまま戦っても、全員揃って死ぬだけよ。あのレオナルドの事よ。あなたたち五人で、何か作戦があるんでしょう?」
「ここで私達が時間を稼ぎますから、早く!」
「団員の僕達よりも博士を信用してますね」
「まあ博士は女性の信頼を得るのだけは上手いからのー」
「総統、それだと詐欺師か何かです」
「…分かりましたよ。でもその代わり、みなさん絶対無事でいてくださいね。この戦いが終わったら、みんなで島根名物あご野焼を、仁田米と一緒に食べましょう」
「いやこういうのって鍋とかでしょ。あご野焼って何?」
「ふん、戦って、生きて帰る理由が、また一つ増えたわね。行くわよ芽衣!ウェンディ!」
「はい!」
「あご野焼で良いんだ!?」
ウェンディのツッコミと同時に、鷹の爪団は艦内に走り出した。
「総統!走りながらですけど、アレをやりましょう!」
「よーし、鷹の爪団!作戦開始じゃー!!」
「「た〜か〜の〜つ〜め〜」」
「……で、どんな作戦があるんでしょう?」
「知らん!」
ーーTo be continuedーー
おまけ
吉田「あれが空の律者の力か…マジやべえじゃん。ラスボスじゃん。僕達が前に戦った律者は、機甲でワンパン出来たんですけど、今回はそうもいかないみたいだな。なあウェンディ」
ウェンディ「いや……だって…あの時は雨が降ってたし…」
吉田「そんな理由でワンパンされる律者がいるかよ!」
ウェンディ「だって靴のつま先が濡れると気持ち悪いじゃないかー!」
冷やし中華は?
-
夏の食べ物
-
冬の食べ物