キャラ達が世界観や設定を学ぶ鷹の爪NEOの1話みたいな話です
ーー鷹の爪団がハイペリオンの艦長に就任した日、その夜ーー
戦乙女達は学園の寮に帰る。一方鷹の爪団はというと、ハイペリオンを所有する組織、天命の極東支部に用意された艦長専用の一室にて、の集会を開いていた。
「えーこの度は、巨大空中戦艦ハイペリオン号の征服記念パーティを開催します!」
「よっしゃー!別世界万歳!異世界万歳!」
綺麗なホワイトボードの前に集まり、グダグダな集会ではなく、今回は盛大なパーティが行われていた。いつもは水に塩か砂糖で味付けして楽しむ彼らの手元には酒とジュースが、いつもコピー用紙やおがくずを乗せている彼らの食卓の皿には食堂から貰った文化的な食事が乗っていた。
ホワイトボードは学園から借りた物だ。キアナ達について行って学園まで行った吉田くんだが、そこで学園長のテレサと遭遇。低身長の大人同士、二人は少ない会話で意気投合。いつも集会で使われるホワイトボードを貸して欲しいという吉田くんの願いにテレサはすぐにOKを出してくれた。
「いやー今回のMVPは間違いなく吉田くんじゃよー。でかしたぞ、本当にのう」
「いえいえ、総統の指揮と博士の技術があったからですよ」
「全部俺のおかげだぞオラッ」
「僕なんて、いきなり人と目が合って思いっきり取り乱しちゃう様な奴ですよ」
「いやーあれは態度に出さなかっただけでわしもビックリしてたんじゃよ。
そんでいきなり見たこともない綺麗な女性に手をつかまれてのう…」
「僕たちの世界には女性キャラなんてほぼいませんでしたからね。なんなら主役である鷹の爪団にもヒロインはいません」
「一番可愛い俺がヒロインだろーが」
「それでのう、田中理恵似の綺麗な声で話しかけられて…」
「僕らの世界の人の声は大体、FROGMANとかいう、いい年してフラッシュアニメ作ってるようなおっさんの声ですからね」
「俺なんて機械を通した声だぞバカヤロー」
その時、部屋のドアが開いて、スキンヘッドの男が部屋に入ってきた
「あっ、来たかフィリップ!おせーぞ!」
男の名はフィリップ。鷹の爪団の外部契約戦闘員で、凶悪そうな見た目に反して小心者であるため、何かと雑用や面倒ごとを押し付けられる苦労人だ。
「吉田さーん、この世界に関する情報を集めて来ました…って、何してるんですか皆さん…」
「今俺たちは鷹の爪団創立60周年記念ダンスパーティしてるんだよ。お前に見せてやるよ」
「これってそんな名前だったのかね吉田くん」
「参加は、させてくれないんですね…」
「のう吉田くん、フィリップに何をさせてたんじゃ?」
「フィリップには特別任務として、この世界についての情報収集と、ハイペリオンに乗る人物の名前を覚えてもらい、ついでに学園についても調べてグミを買って来るように頼んでおいたんです」
「おおナイスじゃ吉田くん!よし、フィリップ!早速調べた事を教えてくれ」
一人で幾つもの仕事を押し付けられ、またも食事にありつけなかったフィリップだが彼は涙を堪え、それでも愛する団員に向かって話し始めた…。
「はい…
この世界は並行世界の地球で、大陸の形や言語は私たちがいた世界と同じですが、大きく違うところが一つ。それはこの世界は、『崩壊』と呼ばれる災害に見舞われているんですよ…」
「あの時ヘルシータイガーを封印なんてしなければ、今頃僕たちはDXファイターに負ける事なんか無かったのにな」
「それは『後悔』です…
崩壊は、崩壊エネルギーによって引き起こされるようで、人をゾンビにしてしまったり、崩壊獣という怪物を生み出したり、そのほかにも色々な形で様々な被害や混乱をもたらしています。」
「何だよそれ!めちゃくちゃやばいじゃねーか!」
「うむ…。ハイペリオンに積んであった武器や機械は、そのゾンビや怪物と戦うためのものだったのじゃな…」
「はい…
ですが人々は崩壊に対抗するための手段を確立しているようで、その一つが『戦乙女(ヴァルキリー)』です。どういうわけか彼女らは崩壊エネルギーに耐性があり、各地でゾンビを倒したり人命救助を行なっているようです。キアナさんや姫子さんもこの『戦乙女』なんですよ」
「なるほどね、どうりでキアナのやつ、あんなに力がある訳か。あいつら、この世界の正義の味方ってことか」
「うん?という事は彼女らを率いるわしらってもしかして…」
「そうですね。姫子さん率いる戦乙女部隊が所有する戦艦の艦長である今の僕たちもまた、戦乙女を率いて崩壊と戦う正義の味方でしょう…」
悪の秘密結社に所属しながら、こっそり正義の味方に憧れている(夢覗き機によって総統にはバレているが)フィリップは少し嬉しそうに伝える。
「何ちょっと嬉しそうなんじゃ。悪の秘密結社であるわしらが正義の味方の戦艦で指揮を取っているなど…」
「いいじゃないですか総統。悪の秘密結社が正義の組織に潜んでいたなんてよくあることです。というか僕もうここを離れたくありません」
「吉田の言う通りだ。俺もせっかくの住処と食事を手放したくないぜ」
「まあー、皆そう言うと思ったわい。実はわしもそう思うんじゃ」
「とりあえず、俺たちが正義の味方側にいる事については文句なしって事で。まあハイペリオンにはもうあらゆる機能を改造済みだから、逃げたくなったら逃げちゃいな」
「さすが博士!仕事が早すぎ!」
「よーし、それじゃあ鷹の爪団は明日から戦乙女部隊に潜伏し、仕事をこなしながら裏で、世界征服に向けて暗躍じゃー!」
「おお!凄く悪の秘密結社っぽいですよ総統!」
「「た〜か〜の〜つ〜め〜」」 「イシクラッ」
その後も集会は続いた。総統が世界征服を実現した後の事について語り出し、吉田くんは踊りだし、菩薩峠くんはスプーンをフォークに変え、フォークをスプーンに変えて遊び出し、博士はジュースの残りから作ったゲームで遊んでいた。
そしてフィリップは戦乙女を率いて正義のために戦う自分を想像していた。彼は悪の秘密結社なのだが…
やがて菩薩峠くんの眠いという発言をきっかけに集会は終わり、パーティの片付けを全てフィリップに任せた後、部屋に一つしかないベットに身を寄せ合い、明日こそは世界征服と意気込んで眠るのだったーーー
フィリップだけは床で寝かされているのだったーー
短くてごめんなさい
導入で4話も使った事は反省しています
次回から3rdの本編へ入ります。キアナ達の物語が鷹の爪団によって滅茶苦茶にされていくのをお楽しみに