「う〜ん、あ、このユーチューバー新しく動画出してる」
「凪ー!聞いてく「帰れ!!!」酷い!?」
酷くない!二日連続で不可思議なモノを持ってきたんだから警戒するのは当たり前でしょ!どうせまた怪しい店から怪しいモノを買ってきたに決まってる!
「少しはゆっくりさせてよ!こっちは理解出来ないようなモノを見て疲れてるんだからさ!」
「待ってくれって!今度は凪も気に入るからよ!」
「…本当に〜?」
「もちろん!」
…しょうがないから聞くだけ聞いてみよう。他の人の所に持って行かれて騒ぎになるよりマシだし。
「なんと今回は空を飛ぶ折り鶴を買ってきたんだ!」
「え、剣なのにご飯系じゃない」
「おい!?俺そこまで食いしん坊じゃないぞ!?」
十分食いしん坊だよキミは、大食い大会に出たら余裕で優勝出来るんじゃない?って思うくらいには食べるもん。
「まぁいいや、とにかく見てくれ!」
「……そう言えば今まで買ってきた物の値段ってどのくらいだったの?」
「ん?え〜っと、ピザが100円で、空飛ぶ魚は大体500円くらいだったか?」
「よくその値段で買おうと思ったね!?」
驚きだよ!普通に値段も怪しいじゃん!買う前に値段でおかしいなって気付こうよ!
「ちなみにこの折り鶴も100円だった」
「だから怪しく思いなよ!!空飛ぶ折り鶴がその値段で売られてるっておかしいでしょ!!」
剣は僕のツッコミをスルーしていそいそと折り鶴を取り出す。机の上に置かれた折り鶴はそのまま紙で出来た羽で机から机を飛んで移動する。まるで本物の鳥のような行動だ。
「ねぇ、なんかセロハンテープとか千切り始めたんだけど」
「店主が言うには巣作りだとか…」
「…なんだかサイズがサイズだからなのか、ちょっと可愛いかも?」
折り紙くらいだと手乗りサイズだもんね。特に悪さをするわけではないから、これはこれで癒されるかも。
「お前、ペット飼ってみたいって言ってたよな?」
「まぁね。でも、しっかりと面倒を見れる自信が無いから諦めたけど」
「この折り鶴は特に餌とかも必要ないし、良いと思うぞ!こいつだったら捕まる心配もないしな!」
捕まる心配がない?これだけゆったりとしてるし、紙だからすぐにでも潰れてしまいそうだけど。
「見てろよ?……オラァ!!」
「…!」
「え、はや!?」
剣が虫取り網を持って(どこから持ってきたそれ)折り鶴を捕まえようと網を振るとあっという間に逃げて見せた。その後は待ち伏せをしたりこっそりと近寄ってもすぐに逃げられて捕まる様子が見えない。
「店主曰くこいつは誰にも捕まった事がないそうだ」
「え、じゃあその店主どうやってこの折り鶴を商品にしたの」
「企業秘密だって言われたぞ!」
お願いだからもうちょっと疑いを持って。
「ゼェ…ゼェ、とにかく、この折り鶴はお前のとこに置いてくからしっかり面倒見てやれよな!じゃ!そう言う事で!」
「え?ちょっと剣!?まさか最初からそのつもりで買ってきたんじゃ」
「また明日ー!」
「剣さーん!?」
話の流れ的にそうじゃないかと思ってたけど本当に置いていったんだけど!?僕にこの子の面倒を見れるとは思えないんですけど!?ねぇ!?
「あ!次に来る時まで鶴の名前考えてやれよ〜!」
「それはキミがやるべきじゃないかな!?ちょっと!帰るな!!!」
逃げ足の速い友人に振り切られて家に戻ったら、折り鶴の巣がビーズとか付箋とかで大分と豪華な見た目になっていた。
−−−なんと言うか、声があったら絶対に満足気な鳴き声を上げていただろう佇まいだった
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著作Eberstrom様
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