今日はネットで剣が良くいく商店街の怪しい店について調べてるんだけど、どこにもそんな情報は載ってなかった。これだけ怪しいモノを売ってたら普通、何処かには載ってると思ったんだけな。
「う〜ん、やっぱり剣と一緒に店に行って確認するしかないのかな?」
「よぉ!凪!今日はちょっと変わったもんを持ってきたぞ!」
「出たな諸悪の根源」
「ん?なんのことだ?」
呑気にしてるキミが今絶賛の悩みの種なんだよ。こんなのが世間に知られたらどうなるか。
「おっと、そうだ。折り鶴の名前は決まったのか?」
「……ペーパー」
「お〜シンプルこそ最強だな!」
笑顔でサムズアップしてくる剣にスリッパを顔に投げつけてからソファに寝転がった。後ろから「なんで!?」と声が聞こえてくるけど知らない、自分の胸に聞いてみるといい。
「このおバカさんの事は放って僕と一緒に動画見ようね〜ペーパー」
「…?」
「なぁ、それ俺のこと言ってる?絶対俺のこと言ってるよな?」
「僕にはなんのことかさっぱり」
スマホを片手に昨日見れなかった動画を見ようとするとマッチの箱がスマホの前に差し込まれた。
「頼むから聞いてくれって!今回買ってきたのはこれ!魔法のマッチだ!」
「…はぁ、はいはい、今度はどんなぶっ飛んだアイテムを持ってきたの?」
「なんとこのマッチ、擦っても火が付かないんだ!」
それただの不良品を捕まされたんじゃないの?それだけ聞くとただのガラクタにしか聞こえないよ?
「ただ付かないんじゃない、これは擦ると周囲が冷えるんだ!」
「…………ごめん、なんて?」
「周囲が冷える!」
「どうしてそうなるの!?」
それもう異常現象じゃん!周りに影響が出るタイプじゃん!なんでマッチ一本を擦っただけでそうなるの!?
「あ、それと温度計もセットで貰った」
「はい?」
「店主が言うにはこいつは0°になると雪とみぞれを降らすらしいから、そうなる前にマッチ箱の蓋を閉じろだってさ、後擦ったら風が吹くから物とか飛ばされないようにだってよ。これ説明書な」
説明書を受け取って中身を見ると、開封してから15分経ったりマッチを擦ると周囲の温度が下がって、時間経過と共に強風が吹くらしい。
「これ家じゃ出来ないじゃん、どこかに試せる場所……」
「ん?俺は俺の家で試したけど?」
「何やってんのこのおバカ!?家に家族の誰かが居たらどうするつもりだったのさ!?」
「安心しろ!俺の両親は夫婦で水入らずの旅行に出掛けてて居ない!」
剣のお父さん!お母さん!このおバカな息子を自由にさせないでください!この人とんでもない事家でやってますよ!?
「めっちゃ寒かった!」
「だろうねぇ!もう黙ってくれないかな!?」
ほんとに、もう、頭が痛くなってくる。怪しい店の商品は温度や天気まで変える事が出来るの?
「さぁさぁ、早速使ってみてくれ!効果は保証するぞ!」
「今の話を聞いて僕が家で使うと思う!?」
「凪の家には庭があるだろ?そこで使えば」
「余計に使えるわけないじゃないかこのおバカ!帰れ!!!」
庭でやるって、庭で育ててる花が枯れちゃうしご近所さんにもバレちゃうでしょうが!
「え〜」
「え〜じゃない!ご近所さんに迷惑でしょうが!あと家の庭は花育ててるから!」
「じゃあ今度良さそうな場所探してそこで使おうぜ!それまでマッチはお前のとこに置いとくぜ!じゃあな!」
またか!こんな危険物を置いてくんじゃない!持って帰ってよ!
「って、もう居ないし………」
運動神経だけは良いんだから、今度やってくる時スリッパを投げる数増やしてやる。こんなのどこで使っても噂になるから無理に決まってるでしょ。
−−−僕はひんやりとしたマッチ箱を持って、どこに隠そうかと頭を悩ませた
SCP_foundationはクリエイティブ・コモンズ表示-継承3.0ライセンス作品です(CC-BY-SA3.0)
著作AsmodeusDark様, Anonymous様, Sirslash47様
SCP-649 - 冬でいっぱいのマッチ箱
http://scp-jp.wikidot.com/scp-649
著作Eberstrom様
SCP-368 - 折り鶴
http://scp-jp.wikidot.com/scp-368