「…へ〜此処が例のお店」
「おう!良い雰囲気だろ!何と言うか、こう。サイエンス的な感じで!」
「寧ろ怪しさ増したよ」
僕は今、剣に連れられて商店街にある怪しいモノやとんでもないモノを売ってるお店に案内して貰った。このお店、結構目立つ場所にあるにも関わらず誰も気に掛けない。在るって事は分かってる筈なのにあんな商品を売る店が、今まで噂にもならないのはなんで?
「おや、いらっしゃい剣くん、今日はお友達も一緒かい?」
「はい!俺の親友の凪って言います!」
白衣を着た店員が手に持っていた漫画を置いて立ち上がり僕達に近づいてきた。商店街のお店の人にしてはなんだか研究者っぽく見えるけど、コスプレなのかな?このお店のコンセプトって化学とかそんな感じかな?
「やぁ、私はそうだな……この店に合わせてドクターとでも呼んでくれ」
「はぁ、どうも初めまして、ドクターさん」
「今日はどんな商品をお求めかな?時間が沢山あるからゆっくり見ていくと良い」
そう言ってドクターと名乗った店員はカウンターに座り直して漫画を読み始めた。良いのかそれで…。
「う〜し!早速店を見て回ろうぜ!一見すると普通に見えるやつもここじゃ普通じゃねえからさ!あそこにある鍵とかもな!」
剣が指を指した場所にはなんともアンティーク的な雰囲気を醸し出す鍵とか沢山の鍵穴が置いてあった。明らかに鍵の形と鍵穴の形が合ってないと思うんだけど。
「あの鍵は売られちゃいないんだがなんと、ありとあらゆる鍵を開けることが出来る!」
「…え、それダメじゃん」
「まぁまぁ売られてないしさ」
「じゃあなんで置いてあるの?」
「鍵を無くした時の貸し出し用だってよ。まぁ誰も借りてないみたいだけど」
だろうね。あんな怪しい鍵を借りようだなんて誰も思わないでしょ、そもそも何でも開けれる鍵だなんて物騒な物を貸し出さないでよ!空き巣とかが借りてったらどうするの!
「うっかり家の鍵を忘れた時には凄く便利なのに誰も借りてくれないんだよねぇ、どうしてだろうね?」
「怪しいからでしょ」
「う〜ん、もう少しポップな感じにすれば親しみが出るかな?」
ポップな感じにしても商品が怪しいって言ってるの!むしろ怪しさ倍増だよ!どうしてお店の雰囲気とかそう言うのは気にするのに肝心な商品について適当なの!?
「ん?……何これ、カップの画像が表示された…キーボード付き自販機?」
「これ色んな液体が出るコーヒー自販機だってよ。俺は使った事ないけど、凪…使ってみるか?」
「コーヒー自販機なのに色んな液体?」
こりゃまた奇怪なモノが置いてあるね。ここに来る時は僕の常識を捨てた方が良いのかもしれない。正直、来るべきじゃなかったのでは?と思う。ここ絶対一般人が立ち寄っちゃダメな場所だよぉ…なんで剣はそんな平然とした顔で入れるのさ。
「とりあえずお金入れてなんか注文しようぜ!」
「あぁ、それ買う時はこっちを使っておくれ、その自販機は少し特殊でね」
「ん?何円なんだ?」
「え〜、まぁ、うちの商品を買ってくれた特典って事で」
すっごい適当、もしかして勘定するの面倒になりました?ドクターさん。
「ほら、好きな飲み物をこのキーボードで文字を入力して注文するんだぜ」
「…じゃあぶどうフ◯ンタで」
「おっけフ◯ンタな……あ、やべ、味の入力忘れた」
「え」
それって大丈夫?これ色んな液体出るんだよね。
そう思っていたら紙コップに入ったぶどうフ◯ンタが普通に出て来た。どうやら名称だけを入れるとスタンダードな味が出てくるみたい。
「…これって変わったモノも液体になるのかな?」
「あまり変な物を入力しない方が良いよ。この間、キャラメルのジンギスカン味を入力したらそれがジュースになって出てきてねぇ、あれは辛かった」
「なんでそんなチャレンジ精神を出しちゃったんですか」
僕は一口食べてダメだった物をコップ一杯分……考えただけで恐ろしい!
「だから注文する時は慎重にね」
「お、おう。もちろん分かってるぜ?」
「…剣、絶対変なの注文するつもりだったでしょ」
「そそそそ、そぉんな事ないぜぇ?」
僕の目を見て言いなさい。こら。
−−−上擦った声で誤魔化す剣を僕は見張り続け、どうにか無難な物を注文させた
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著作不明
SCP-005 - 合い鍵
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著作Arcibi様
SCP-294 - コーヒー自動販売機
http://scp-jp.wikidot.com/scp-294