機動戦士ガンダム Stellar Bless 改訂版を作成中 作:木星市民
亀更新ですがよろしくお願いいたしますm(_ _)m
1話 黒髪の兄弟
「カインは工廠かい?」
「はい、昨晩からのようです」
「我が弟ながら、良くやるよ」
黒髪の青年は秘書らしき女性に弟の所在を聞くと肩を竦めた。そして、壁に取り付けられたレバーを握るとまるで重力を無視するか如く、滑るように長い廊下を移動する。
青年がふと分厚い窓の外を見ると深い闇のような黒色と孤独に浮かぶ母なる青き星、地球が見えていた。
宇宙世紀0075。人類は増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。
窓から途切れ途切れに見える地球から興味を無くしたように目を逸らし、青年は目的の場所に向かった。
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目的地に着いた青年の眼前には、広大な空間を所狭しと人々が動き回っていた。
「お疲れ様、カイルはどこかな?」
「お疲れ様です、若旦那! カイル様は第6区画にいらっしゃると思います」
近くを通った作業員を呼び止め、弟の居場所を聞き、移動を始めた。
「シュテルン級戦艦、コメット級護衛艦、アストラ級航宙母艦、対艦戦闘機オービタル。そして……」
青年は広大な空間を占領している艦船や付随する艦載機を見ながら、その名を呟いていく。やがて、銃を持った兵士が警備しているドアの前に辿り着いた。
「レオン様、中にお入りですか?」
「あぁ、カイルに用事があってね」
カイルは兵士が開けたドアの先に入ると真っ先に目に付いたのは巨大な身体からコードが延びている
そして、その近くで腕を組み、ぷかぷかと浮かぶ黒髪の少年。
「カイル、ご飯は食べたかい?」
「あっ!! おはようございます、レオン兄様。さっき、ホットサンドを食べました!」
レオンに呼ばれたカイルは満面の笑みを浮かべ、ボサボサの髪を整えながら出迎えた。
「なら、良かったよ。けど、また会議に来なかったね! カイルもシュミットファクトリー社の幹部なんだから必ず出席しないと父上に謹慎って言われるよ!」
「……気をつけます」
若干12歳のカイルはコメット級護衛艦などの開発が認められ、シュミットコーポレーションの傘下のシュミットファクトリー社の研究開発部門長を任さられている。
特に次世代兵器開発を担当しており、今は連邦から流れてきたモビルスーツの情報を元に型式番号SGRW-01【グラウ】を作り上げた。
「グラウは完成したって、聞いていたけど何を悩んでるんだい?」
「僕が
カイルは手元にあるパソコンを見ながら、溜め息を付き目を伏せた。
「反応値を最大にしても、しっくりこなくて。どうしようかなと悩んでたらいつの間にかに日を跨いでました」
乾いた笑みを浮かべ、カイルは兄の言葉を待っている。
「カイル、シュミット家の歴代の天才たちの中でも君が1番だろう。しかし、一族の事や才能なんて忘れて、君には自由に生きて欲しいし、私は応援する。
後、君が1日も考えて答えが出ないなら、今の状況では改善することは出来ないはずだよ。明日の出発もあるから今日はゆっくりと休みなさい」
グラウは半年前に完成されており、3日後に宙賊の拠点で実戦テストを行う予定である。更にそのテストパイロットにはカイルも含まれていて、不安材料を減らすために最後まで調整していたが上手くいかずに半年に1度の家族会議を忘れて、徹夜でデータの洗い出しをしていた。
カイルはレオンに手を引かれて、2人が住む屋敷へと戻って行くのであった。
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カイルは屋敷でメイドたちに捕まり、風呂場に連行されて、隅々まで洗われていた。
「今が宇宙世紀75年12月、本編開始まで後4年。どうにかモビルスーツ、MS搭載型戦艦の開発は間に合った。
一族に関しては兄様が継ぐことが確定して、開発に専念することが出来たから兄様には頭が上がらないよ…」
カイルのフルネームはカイル・ユウキ・シュミット。木星圏の開発を独占している一族企業であるシュミットコーポレーションの現社長の次男であり、転生者である。
前世では幼少期に見た機動戦士ガンダムに魅了され、MSを現実に造り上げる為に人生を捧げた男であった。
その最後は日米合同の次世代兵器開発の主任を務め、大詰めを迎えた所で他国の襲撃を受け、兵器と共に爆炎と共に消えた。
「本編では木星船団公社が木星の資源採取を担当してたみたいだけど、ほとんどウチがやってるし、運び屋みたいになってるんだよなぁ」
シュミット家は西暦の段階で独自の宇宙ステーションの建造に成功。いち早く宇宙資源の開発に乗り出し、巨万の富を手に入れた。その後、惑星間航行船スターゲイザーを建造し、木星圏の開発権を独占した。
連邦からの嫌がらせやアナハイム・エレクトロニクス社の台頭もあり、全盛期ほどの権力は無いが連邦やコロニー政府への影響力は未だ強い。
シュミット家当主のカイルの父も中立の立場を宣言しており、連邦、コロニーのどちらからに肩入れするようなことはしていない。
戦闘艦などの開発はあくまでも自衛目的であると伝えているが、両政府から疑われている。
「転生する時に神様に会わなかったけど、なんか特典でも貰ったんかなぁ。MSの操作や開発もスムーズに出来るし、ニュータイプみたいな動きする時もあるからなぁ。
まぁいいや。グラウだと反応が悪いし、早めに後継機の開発に取り組もう。確かあそこに資料を置いてたハズ…」
資料を読み漁っていたカイルは巡回していたメイドに起きていることを気づかれ、ベッドまで連行された。
「……過保護な人が多すぎる」