機動戦士ガンダム Stellar Bless 改訂版を作成中 作:木星市民
「「「お義母さん、行って来ますー」」」
「皆、気をつけてねー」
私は24歳にして、5人の母親になりました。
サイド9、3バンチコロニー【アハウバウ】。シュミットファクトリーの本拠地であり、カイルさんの箱庭。
毎日、誰の脳みそか分からない生体AIの調整。居なくなっていく、子供たち。そして、お転婆だけど皆の太陽だった彼女。
私は精神すり減らし、死のうかと悩んでいる時にアナハイムの作業員に変装したシュミットの諜報員さんと出会いました。
研究所の内部構造などと引き換えに救出されることとなりましたが、本当に来てくれるかは分かりませんでした。
「エリカさん、お弁当です」
「ありがとうございます!」
あの
しかし、彼はまた私を救ってくれた。
彼は覚えてないと思います。私の家は貧しくて、ハイスクールに行けるか分かりませんでした。そんな時にシュミットコーポレーションの奨学金【アンビション】を知り、応募しました。
世帯収入や本人の夢、学力など多くの条件がありましたが、僅か10人の枠に入ることが出来ました。おかけでハイスクールとカレッジの入学金や付随する諸経費はシュミット家が全て支払ってくれました。
フォン・ブラウンの工業大学に進学が決まり、ハイスクールの卒業式が近づいた頃、私はシュミットコーポレーションから呼ばれて、ルナ・ノヴァに行きました。
私が進学を決めた工業大学はアナハイム社が運営していたので、ライバルの大学にうちの奨学金で行くのかと怒られると思っていました。シュミットの工業大学は倍率が高すぎて落ちたんです……
案内された会議室に居たのは10歳くらいの天使のような黒髪の男の子。私は彼を見て、惚けてしまいました。今思えば、あれが一目惚れであり、初恋だったのです。
『初めまして、エリカさん。僕はカイル・シュミット。エリカさんがハイスクールの卒論として、僕たちに提出してくれた神経接続型義肢の訓練方法について、話したくて呼んだんだ』
彼は楽しそうな笑みを浮かべて、説明を求めてきた。私が説明が終わると納得した顔をしていた。
『面白い。大学もBMI関連の学部だったね、期待してる』
その日、交通費と金一封を貰い、予約して貰ったホテルに泊まって、翌日にはフォン・ブラウンに帰りました。
その後、カイルさんと会うことはありませんでしたが、大学の入学式の後にBMIの教授に呼ばれ、助手として教授の研究に参加することになりました。
後で教授から聞いたのですが、シュミット家から優秀な生徒が入学するからよろしくと言われて、私の卒論が送られて来たそうです。
その後、教授との連名で新しい神経接続型義肢と訓練方法の研究開発に成功して、表彰もされました。そして、シュミット家からも金一封と返済免除通知が来て、私とシュミットを繋ぐものは無くなりました。
シュミットファクトリーに落ちましたが、アナハイムの内定が決まり、これから親孝行をしようと思っていた時、唯一の肉親である父は事故に巻き込まれて亡くなりました。
カレッジを卒業したあとはアナハイムで研究に打ち込み、あの研究所に移動させられ、地獄の日々でした。
「おはようございます!」
「おはようー」
久しぶりに再会したカイルさんは私を覚えていませんでした。私は研究所で彼の名前を聞くたびに、喜んでいたのに。
いえ、私も再会した時、天使のようではなく、ちょっとイカつい系の進化した彼に驚いて、他人行儀になってしまいました。
「さて、朝礼始めるぞー」
「「はーい」」
彼はまた、私を助けて、何も見返りを求めずに居場所を渡して、居なくなってしまいました。
しかし、ここは彼の故郷であり、箱庭。私は彼が望む物をここで作ります。
シュミットファクトリー、第6研究所6班脳波通信システム開発部。今度こそ、彼の記憶に残るために頑張ります!
そういえば、子供達がカイルさんを見て、2人とか3人とか言っていましたが、あれは何だったんでしょうか?
カイルは全く覚えていませんが、エリカ博士と繋がりがあります。