機動戦士ガンダム Stellar Bless 改訂版を作成中 作:木星市民
ギリギリ間に合った!
「……何じゃこりゃ」
谷を越え、山を越え、予言者が住むという隠れ里に辿り着いた。まるでファンタジー小説に出てくるエルフの里ようなツリーハウスであるが道には原付バイクが走っており、違和感がカイルを襲っていた。
「ようこそ、ポラリス様」
「予言者の里へ」
双子は走り出すと里の入口の前で腕を広げ、カイルを出迎えた。リナはノリノリな感じでやっているがレイは恥ずかしそうにしており、広げた腕を震わせていた。
「ババ様の所まで案内しますね」
双子の後ろをついて行く。道を歩いていると買物客や遊んでいる子供たちから騎士様や守護者様とリナとレイは呼ばれ、果物や花の冠を貰っていた。
「なんで2人は騎士様って呼ばれているの?」
「着いてからお話します」
レイはぴしゃりとカイルとの会話を終わらせて、歩き始めた。双子の性格は対象的である。レイは物静かで物事を冷静に見ている。姉であるリナは天真爛漫であり、虫を捕まえてはカイルに持ってくる。
「案外、似てないな」
「ボクとリナですか?」
「うん」
カイルは小さく漏れてしまった言葉にレイが反応したことに驚いた。そして、レイは双子の違いを話し始めた。
「運動能力は断然リナですね。猪を追っていたら、追い越したんですよ。我が姉ながら人外かと思いました。後、子供や年配の方に人気ですね。その代わり、精神年齢が幼いのでもう少し成長して欲しいです」
「レイは?」
「ボクはあまり人付き合いが上手く無いですね。運動も下手くそです。後、会話も苦手です」
「レイはね、リナより運動は出来ないけど傷の手当が上手なんだ。皆、遊んでくれるのに、レイは頭が良いから勉強とか困った時は皆、レイを頼るんだよ? リナがお姉さんなのに」
「……リナ」
「姉さんと呼びなさーい」
レイはリナなことを笑顔で語るが自分のことになると一変し、顔から感情が消え失せ、欠点しか言わなかった。しかし、
手に持っていたツヤカブトをカイルに渡し、レイを捕まえると褒めているのか愚痴っているか分からないが優しい笑みで語っている。
リナの拘束から脱出し逃走したレイであったがリナのタックルを食らい、盛大に地面とキスしたがその後、ピクリとも動かなかった。
「レイ、死んだフリは止めなさい。リナもポラリス様の前でお転婆しないの」
「「お母さん!!」」
双子はすぐに立ち上がり、長身の女性に抱きついた。女性はそのまま、2人を持ち上げると小脇に抱え、カイルの前で来ると片膝をついた。
「初にお目にかかります、
「ルナ殿、重くないですか?」
「このくらいは問題ありませんよ?」
リナとレイは小柄である。しかし、細身のルナが軽々と2人を抱えている姿には違和感しかなく、カイルは挨拶もそこそこに質問してしまった。
5分くらい歩くと木々の先に注連縄がされた赤色の鳥居と高床式の家が見えてきた。高床式の家の形状に既視感があり、鳥居のこともあって、日本の神社に来たような感覚に陥っていた。
「申し訳ありません。しきたりで護衛の方々は全員、そちらの家でお待ち下さい。お食事などの家事は里の者がしますので、ご安心を」
「カイル様のお傍を離れる訳には行きません」
「ジュリアン大尉、俺は大丈夫。信じてくれ」
少し言い合いはあったが、陸戦隊は待機することに納得した。そして、鳥居をくぐるとスッキリとした気分になったが、胸の騒めきが激しくなった。
階段を登り、入口の前まで来るとルナが2人を下ろし、ノックなどせずに扉を開けた。
「ババ様、ポラリス様をお連れしました」
「おお、そうかいそうかい。まぁ座りなさいな」
部屋の中には
「よく来られた、ポラリス様。わしのことはババと呼ぶといい」
「はぁ」
「カイル様。ババ様はああ見えて、60歳だから気をつけ……」
「リナ、女の年齢を簡単に話すなぁ」
ババ様から放たれた赤色の果物がリナの顔に直撃し、話している途中に撃墜された。割れた果物を見るとザクロのような中身をしていた。
「ふむふむ、なるほど。そういうこと」
倒れているリナを放置して、ババ様はカイルを舐め回す様に見て、独りで納得した様に頷いていた。
「どうかされましたか?」
「先代の予言に3つの光が産まれ、1つになる時がいまいち理解できないなかったのじゃが、ポラリス様を見ることで納得できたわい。
じゃったら、ワシに求められているのは対話の手助けかのぉ。ちょっとゆっくりとしきや」
ブツブツと呟くとババ様はルナと一緒に奥の部屋に入っていった。リナとレイは慌てる様子も無く、果物も食べていた。
「2人は今から何をするか、分かる?」
「リナは分かんない! カイル様を案内することしかお願いされてないし!」
「ボクも分からないです。儀式内容は予言者と補助役の女性しか知らないんですよね。カイル様も果物を食べて、待っていいと思います」
レイに促され、置かれた果物の中からザクロを手に取り、かぶりついた。しかし、カイルはあまりの辛さに驚き、果汁ジュースを流し込んだ。
「辛っ!」
「これ、ザクロじゃないね。ザクロモドキだ」
カイルはジュースを飲み干した後、ザクロモドキについて、リナに声をかけようとしたが身体が揺れて、床に崩れ落ちた。
「おや、手間が省けた。では、儀式をするかの。リナ、レイは離れるんじゃ」
リナとレイが倒れたカイルに駆け寄り、呼吸や脈の確認して、生きていることに胸を撫で下ろしたタイミングでババ様たちが戻ってきた。
カイルの周りに香炉が置かれ、部屋に煙が充満していく。更に補助役の女性たちが楽器を奏で始め、儀式が始まった。
「手順は覚えておるか?」
「もちろんですとも」
カイルの周りで二人が静かに舞い始める。彼女たちは柔らかな絹の衣をまとい、煙の中で幻想的に姿を浮かび上がらせる。
ババ様は長い黒髪を優雅に揺らし、もう一人は静かな微笑みを浮かべながら、滑らかにステップを刻む。彼女たちの動きは、煙と一体となって流れるようだ。
舞は古代の儀式を思わせるもので、静かに室内の空気を震わせ、神秘的な力を呼び覚ます。カイルは遠のく意識の中、その美しさに心を奪われた。
~~~~~☆
「ここはどこだ?」
「やぁ、カイル君。待ってたよ」
「お前は誰だ? 光の玉?」
「ハハハ、混乱するのは無理もないよ。オレも最初は混乱した」
「何故か知っている気がする」
「君は俺の人生を見ている筈だよ」
「………いや、そんなはずが無い。空想上の産物だ」
「君だって、前世ではサイコミュみたいな物を作り上げただろ? しかも、ニュータイプじゃなくても使える物を」
「前世も知っているのか」
「知っているというか、聞いて見ていた。教えてくれた人はもう君と1つになってしまったから、消えてしまったけど」
「わけが分からないことを言うな」
「君には分からないだろうね。けど、オレは知っている。彼は満足してたよ」
「口調が全く違うぞ、アムロ・レイの紛い者」
「まぁ、紛い者と言えば紛い者だな。オレは第二次ネオ・ジオン戦争時に捨てられたアムロ・レイの
なんの因果か、自我が芽生えた時には宇宙世紀0064年。子供の魂に異世界から来たと言う魂と仲良く同居していたよ。
オレたちの
君は
君は既に
この世界は
「じゃあ、この世界は俺が生きた世界の延長線上にあるのか?」
「それも違う。君が1回、過去の夢を見ただろ? あの時、
何故、君だけが転生したかは分からない。だが、君はこの世界を生きる人であり、世界の一部だ。傍観者になるな。精一杯生きろ」
「分かってる! 俺はサイド2の虐殺やコロニー落としを防げた!! だが、原作の流れを変えたら俺のアドバンテージが無くなることが怖くなって、助けなかった。
俺はサイド9と家族が守れたらそれで良かった。けど、今回の旅で色んな人と会って、楽しかった。人も景色も守りたいと思った。けど、多くの人を見殺した俺にそんな資格があるのか!?」
「勘違いをしている。君はどんなことが起きる予測できただけだ。もっと言えば、地球やサイド2を守る義務は無い。
君の使命であり、シュミット家の義務であるサイド9の平和を守り続けているだろう。今まではそれで十分だろう
これからどうするかを考えろ。君の周りには、多くの仲間が居て、助けてくれる大人たちがいる」
「ありがとう、少し心が楽になった気がする」
「それで良い。そういえば、口調は15年も一緒に居れば、口癖も口調も変わる」
「なるほど。ずっと一緒に居たのか」
「そうだ。だが、これからは違う。オレも君と一緒になって消える」
「消えたら、このニュータイプの力も消えるのか?」
「現金なヤツだな、もう少し悲しめ。君が転生の特典だと思っているその力は元からあった才能だ。そこにオレが居たことで、開花が早まっただけだ。もうそれは君の力だ」
「俺の力……」
「カイル・ユウキ・シュミット、君は君だ。前世の記憶やオレが居たことに縛られずに自由に為すべきと思ったことを成せ」
「うん、ありがとう」
「1つ、頼みがある。シャアのことだ。
「頑張ってみるよ」
「よし、話したいことは話した。時間もそろそろだな。最後になるが、予言にあった闇とは長い付き合いになる筈だ。気をつけろ」
「分かった」
「君の中から今度はオレが君の人生を見させて貰うよ」
~~~~~~☆
「あぁ、分かったよ」
「カイル様が起きたよ!」
カイルの横に居たリナが大きな声でカイルが起きたことを伝えに奥の部屋に走って行った。
「身体がダルいな、寝過ぎたかな」
「起きたかい、ポラリス様。対話も上手くいったようで良かったわい。起きてすぐで悪いが護衛を止めてくれんか?」
「えっ?」
ババ様の肩を借りて、窓から外を見ると今にも鳥居を突破しようとしている陸戦隊員とそれを止めている里の住人が揉めていた。
「俺、どのくらい寝てました?」
「3日」
ババ様から端的に告げられた日数を聞き、焦ったカイルは脚が縺れながらも外に向かい、陸戦隊に無事な姿を見せた。
「さて、お主らの旅支度もするかのう。ポラリス様を頼んだぞ、守護の騎士よ」
「「はい!」」
運命の歯車は廻りだし、長きに渡る戦いが始まろうとしていた。
※この小説は独自の設定で書かれております※
広いお心で見てね
10月5日は21時くらいに更新予定!
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