機動戦士ガンダム Stellar Bless 改訂版を作成中   作:木星市民

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閑話 夢

【人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって、既に半世紀が過ぎていた。

地球の周りの巨大な人工都市は人類の第二の故郷となり、人々はそこで子を産み、育て、そして死んでいった。

宇宙世紀0079、地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。

この一ヶ月あまりの戦いでジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。

 

人々はみずからの行為に恐怖した。戦争は膠着状態に入り、八ヶ月あまりが過ぎた】

 

懐かしいなぁ、ばぁちゃん家で見たガンダムだ。いつも煎餅とオレンジジュースがあって、楽しい日々だ。

 

「・・・は将来は何になりたいの?」

 

「俺はガンダムのパイロットになる!」

 

当時はアニメと現実の区別がついてなくて、ガンダムが存在するって思ってたんだよなぁ。しかも、インターネットで調べたらZガンダムが自衛隊に配備されてるような高度なコラ画像もあったし。

 

小学校高学年でガンダムは無いって知って、絶望したけど無いなら作れば良いって考えたんだっけなぁ。

 

「・・・・・・は、なんで周りに馬鹿にされるのに勉強するの?」

 

「ガンダムは俺の夢だからね。しかも、人間が宇宙で暮らせるようになれば、資源や環境とかの問題は解決すると思うんだ」

 

彼女の名前は思い出せない。けど、同じ美術部で可愛いくて、俺がガンダムを作るって公言しても、彼女だけは笑わなかった。

 

「本当に県外の学校に行っちゃうんだね」

 

「うん。もっと勉強したいし、可能性がある限り、俺は追い続けるよ」

 

「じゃあ、これ。お守りと私のメルアド。1日1回はメールしなさいよ」

 

「お、おう」

 

中学卒業式。俺は彼女からお守りとメールアドレスを貰って、翌日には飛行機で旅立った。

 

家族ごと引っ越してしまったから、故郷に帰ることは無かった。

 

「ねぇ、私が居るのに海外の大学に行くって正気?」

 

「何故に君が居ることで、海外の大学に進学しては行けないんだ?」

 

「分かって言ってる? それとも勉強のやり過ぎで脳みその思考回路が壊れた?」

 

中学で縁が切れたと思っていた彼女は長期休みになるとことある事に俺の自宅に現れた。

 

最初は家族旅行のついでと話していたが、回数を重ねる毎に1人で来ることが増え、最終的にはウチをホテル代わりにしていた。

 

彼女の好意については薄々分かっていた。だが、家族を巻き込んで夢を突き進む俺は海外の大学への進学を決めており、彼女とはそこで縁が切れると思い、気づいてない振りをし続けていた。

 

しかし、高校3年になると彼女が国内最難関大学に合格し、また一緒に登校出来るねと言われた時に、海外の大学に進学すると言ったら、かなり詰められ、喰われた。

 

「あっちで浮気したらあんたを殺して、私も死ぬから」

 

「分かってる」

 

彼女はこの時くらいから独占欲を発揮し、俺をタジタジにすることが増えていた。俗に言うヤンデレぽかった。

 

いつの間にかに決まったことだが、実家の俺の部屋は彼女が使う事になり、俺は外堀も内堀も埋められていた。

 

左手の薬指に怨念まがいの愛情がこもったお揃いのシルバーリングを身につけ、海外に行った。

 

「やっと一緒に住めるわ」

 

「まじで来るとは思わなかった」

 

大学生活はとても充実した。夢を同じくする同志と出会い、研究開発に没頭し、成果も上げた。在学中にスカウトされ、卒業後は軍の兵器開発部門に配属され、国籍も変えた。

 

更に研究開発に没頭していたら、彼女から襲撃された。彼女は医者となり、更にはこの国で医者として活動するための研修を終えていた。

 

「なんで、俺に拘る?」

 

「貴方しか居ないから」

 

何度も彼女にぶつけた質問。彼女は解答を変えることは無く、俺の目を真っ直ぐ見て、答えていた。

 

「ありがとう、これからもよろしく頼む」

 

「もちろんよ」

 

たった一年で俺は彼女が居ない生活が出来なくなり、結婚した。

 

「主任、ようやくですね!」

 

「あぁ!」

 

彼女との結婚後、仕事も私生活も順調であり、俺は日米合同の次世代兵器開発計画の主任となった。

 

ガンダムでは無いが、陸上ではパワードアーマーとして、少しアタッチメントと設定を変えれば、宇宙でも活動可能となるSF映画に出てくる兵器だった。

 

サイコミュやインテンション・オートマチック・システムから着想を得て、戦闘サポートAIが搭乗者の思考を読取、機体操作の補助をするというOSも作り上げた。

 

試験も終わり、開発メンバーとデータを洗い出しているとドアが吹き飛び、銃弾が部屋の中で飛び交っていた。

 

俺は腹を撃たれ意識が朦朧とする中、警報装置を押し、データを送信した。そして、最後に見たのはパワードアーマー(我が子)に乗る若いテストパイロットだった。

 

研究所を襲撃したのはどこの人間か分からない。しかし、MSを熱望し、駆け抜けた日々は楽しかった。

 

後悔は彼女との楽しく愛しい日々が失われたこととMSに乗れなかったこと。

 

「……生きてくれ、みは……」

 

 

~~~~~~~

 

「起きて下さい、カイル様! 今日は会議があります!」

 

「……ありがとう」

 

「あれ、カイル様。怖い夢でも見られたんですか? 涙の跡が……」

 

「どうだろう? 楽しく愛しくて、悲しい夢かな?」

 

寂しいかったらいつでも添い寝しますよと言って、メイドは出て行った。俺は起き上がり、食堂へと向かった

 

【元気な一日は朝食からだよ!!】

 

「そうだな」

 

後ろから彼女の元気な声が聞こえた気がした。




今回は夢の中の話でしたので一人称視点で書いてあります。

本編は三人称視点へ戻りますm(_ _)m
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