-某ゴミの島・地下-
そこには、外見が、蜘蛛のような形状で、足の一本一本が何かの探知機になっている風貌だった。ネガティブに認定されていない組織『メデス』の地下要塞『アウーメス』である。
-アウーメス・居間(兼司令室)-
そこには、四つの影があった。
一つは、ちょび髭を生やして、赤いマントを羽織っている中年オヤジ。
一つは、熊に鷹の翼が生え、それが白衣を着ている怪人。
一つは、赤い胸当てに目開きの鉢巻き(タートルズ見たいな奴)を顔につけている。身長の低い男。
一つは、青い着物のような上着をきて、ダメージジーンズをはいてエレキギターを携帯している男。
メデスの首領『グラス総統』と三幹部『ベアルド』『バニッシュ』『長親』である。
グラス「うむ。諸君、よく集まってくれた」
バニッシュ「総統、どうしたんですか?」
グラス「これを見るのじゃ」
グラスは、新聞を三人に渡した。
バニッシュ「・・・『新兵器開発の疑い』?」
長親「これって、確か未知兵器開発の疑いのある研究所でしたよね?」
グラス「そうじゃ。ワシらの情報網では、実はここはウィチスの研究施設だったんじゃ」
バニッシュ「それで、どうするんですか?」
グラス「ウィチスの兵力は、プレシャスを使って生み出された怪人も多い、そこでそこに忍び込んでプレシャスまたは、めぼしい怪人を頂くんじゃ」
バニッシュ「なるほど!」
グラス「よし!博士、ツールの用意を頼む」
ベアルド「しょーがねえな・・・」
-その夜・ウィチス秘密研究所-
厳重な扉があった。その中には、一人の少女と数人の女性がいた。
少女は、どことなく自虐的な雰囲気があり儚そうだった。
一人目の女性は、秋葉原にいそうなゴスロリ衣装でノートPCを持った女の子でおろおろしている。
二人目の女性は、鳥の羽を使った髪飾りをつけたコギャルで、唸る感じで考えている。
三人目の女性は、首に大きな宝石のペンダントをつけたお嬢様風の少女は、完全に困っている様子だった。
ウィチスに囚われた少女と、ウィチスの女性部隊『ウィチスレディース』の仕官『侵食隊長ウィルスグレムリン』・『鉄扇隊長ファンハーピィ』・『宝護隊長アミュレットフレイア』である。
そして、その部屋には監視カメラがあった。
-モニター室-
モニター室には、その様子を監視するデモピューターとマジトラーがいた。
マジトラー「あの少女が?」
デモピューター「そう、あの闇の福音にも匹敵する氷の魔法の使い手だよ」
マジトラー「確かか?ここ数週間、全くなにもしないではないか?」
デモピューター「力は確かだけど・・・」
マジトラー「確かだが?」
デモピューター「彼女を洗脳しやすいように、目の前で両親を殺したのがまずかったのか、一切反応を示さないんだ・・・」
マジトラー「とりまいているやつらは?」
デモピューター「仕事不真面目で独房入りをもし渡されたんだけど、万一ここが、ばれた時のための戦力として配備しましたが、独房ってあそこしかなくって・・・・」
-通路-
ベアルドのツールのおかげで、首尾よく潜入した、グラス・バニッシュ・長親の三人(ベアルドは、外で待機中)。
グラス「よし、首尾よく潜入したぞ」
バニッシュ「で、総統。目的のプレシャスとかってどこにあるんですか?」
グラス「バニッシュ君が、知っているんじゃないのかね?」
バニッシュ「え~、総統が知ってるんじゃないんですか?」
グラス「ワシが知ってるわけないじゃないか・・」
バニッシュ「でも、言いだしっぺは、総統ですよ」
グラス「う~む、首尾よく忍び込めたと思ったのに、肝心の物がどこにあるのかわからんとはな・・・」
バニッシュ「案内の人に聞いてみますか?」
グラス「こうなったら、適当に部屋を見てまわって、めぼしいものを頂いていこう。機械があれば、ベアルドの発明の材料になるだろうしな」
バニッシュ「了解です」
一時間経過・・・・・
一時間、施設内を探索した一行だったが、ベアルドのツール1『ミエナナイコート』のステルスで、完全にウィチスの監視網を欺いていた。また一行の背中には、風呂敷包みが背負わされていた。中には、ウィチスの魔械技術の発明が、たくさん入っていたが、プレシャスは、いまだに見つかっていなかった。
長親「・・バニッシュさん」
長親が、何かを見つけ、指を刺した。それは、一つの扉で、『関係者以外立ち入り禁止』と書かれていた。
バニッシュ「総統、ここ怪しいですよ」
グラス「よし、入ってみよう」
三人は、その部屋に入った。すると、そこには、培養カプセルに入った合成生物らしき生き物が、多数いた。
グラス「な・・ななな、不気味すぎるぞ、バニッシュ君!」
バニッシュ「下手な動物園より種類がいますね。ウィチスの怪人の素体でしょうか?・・・・あ、総統あれを!」
バニッシュが、部屋の隅に置かれていた金庫に気がついた。
バニッシュ「開けてますか?」
グラス「いや・・・バニッシュ君・・なんか知らないけどやな予感がするんじゃが・・・」
バニッシュ「でもすごいプレシャスが、入っているかもしれないじゃないですか」
グラス「そういわれるとそうなんじゃが・・・よし、開けてみよう」
バニッシュは、ツール2『アケアケール』という、小型ノートパソコンを使い、電子ロックを解除した。そして、金庫を開けた。中には、何かの資料のようなものが入っていた。
バニッシュ「・・・総統!見てください」
バニッシュは、資料をグラスに渡した。
グラス「むむむむ・・・『フリーズナイト計画』・・・・【報告、魔法世界第17該当地にてきわめて強力な氷の力を持つ少女を発見・・。この少女を計画中の世界氷結化に適任と判断。少女の住む町を破壊しつくし、両親を殺害。洗脳を容易にしようとする。追加報告、この少女の力を持ってすれば、我々ウィチスが、世界を手にするのもそう遠くないだろう・・・。以後、この少女の力を使った計画を『フリーズナイト計画』と呼称する。】・・・・何ということじゃ・・・」
バニッシュ「酷いことをしますね・・・。目的のためにたった一人の女の子の未来を奪うなんて」
バニッシュの言葉には怒りがこもっていた。口には出していないが、長親も怒りの表情になっていた。
グラス「全くじゃ・・・ん?まだ、続きがあるな・・・【しかし、少女は、あの一件で心をまるで凍りつかせたかのように何にも反応しなくなってしまった・・・これでは、フリーズナイト計画に大幅な支障が出ることだろう・・・とりあえず、本署において監視体制をとる】・・・どうやらここにいるらしいの」
バニッシュ「連れ出しましょう!」
グラス「そうじゃな、こんな所に女の子閉じ込めるのも許せんし、ウィチスの計画も潰せるし一石二鳥じゃ」
バニッシュ「長親、ここの施設の監視カメラにダミーを流せ」
長親「了解です」
長親は、アケアケールとは違う小型の機械ツール3『ダマシダマシ』を近くの合成獣を維持するものと思われる機械の隣に設置されているパソコンからダミーデータを送信した。これにより、この施設の警備網に大きな穴が開いた。
長親「ついでに・・・・よし」
ついでの作業をしたあと、グラスたちと合流した。
バニッシュ「総統、隣に続くドアがあります」
グラス「よし、行ってみよう」
隣の部屋に入る一同・・・すると、そこには、女性四人がいた。
グラス「うおっ!?人がいたぞ、バニッシュ君」
バニッシュ「大丈夫です、総統。女性に頼んで、黙っていてもらいます」
バニッシュは、女性陣に近づき・・・
バニッシュ「すいませんが、騒がず静かに・・・・」
すると、魔械仕官三人が、本来の姿に変身した。
グラス「魔械仕官じゃ!」
ウィルスグレムリンとアミュレットフレイアは、バニッシュの頬を両方からつねり、ファンハーピィは、ぐりぐりしだした。
バニッシュ「助けて~!助けてください、総統!!」
グラス「こら!バニッシュ君が、騒いでどうするんじゃ・・・ん?」
グラスは、椅子に座っていた少女がいないことに気がついた。
ぎゅ
グラス「ん?」
その少女を見つけた。いつの間にかグラスの隣まで来ていて、マントを掴んでいた。
ハーピィ「え、嘘でしょ!?」
フレイヤ「全く反応しなかった子が・・・」
グレムリン「どうしてでしょう?」
少女「・・・」
グラスは、しゃがみ少女の顔を覗き込んだ。
グラス「君、名前は?」
少女「・・・」
フレイヤ「その子は、過去の記憶を抹消されていて、名前は・・・今はないんです・・」
グラス「それはいかんな・・・・そうじゃ、『姫川 弓(ひかわ ゆみ)』・・・と、言うのはどうじゃろうか?」
少女「(コク)」
グラス「じゃ、今日から君は、弓君じゃ」
弓「(ポッ)」
バニッシュ「総統、早く脱出しないと気づかれてしまいます」
そういいバニッシュが、手近の棚にひじを置くと・・・・
ジリリリリリリリリリリ!!
棚の上にあった警報スイッチをうっかり押してしまった。
グラス「うおおお!ばれてしまったぞ!」
マジトラー「何事だ!?」
デモピューター「フリーズナイトの部屋に侵入者!モニターに映します」
監視モニターに、グラス達の姿が映し出された。
マジトラー「メデスか・・・」
デモピューター「そのようです」
グラス「脱出じゃ!」
フレイヤ「私たちもついていっていいですか?」
グラス「なんじゃと?」
ハーピィ「ここ、退屈だし~」
グレムリン「それに、男ばかりのところでは、この子の女の子のモラルに関わると思いますし・・・」
グラス「う~む・・・まあ、いいか。ついてきなさい。長親!壁をぶち破るんじゃ!!」
そういわれた長親は、マイクを取り出し・・・・・
長親「@#W*|&Z$~~~~~~~!!!!」
マイクに向って奇声を上げた。すると、壁にひびが入り、砕け散った。
グラス「ううう~む。やはり、長親の奇声は、破壊工作にうってつけのようじゃな・・」
そう言っているが、長親以外の者は、耳がキーンとしていた・・・。長親、以外の一人を除いて・・・・。
ハーピィ「ス・テ・キ」
そして、メデスは、穴から逃亡した。
マジトラー「おのれ!メデス!追撃隊を出して、フリーズナイトを奪回し、裏切り者共を消せ!」
デモピューター「大変だよ~!!SPDが、大挙して押し寄せてきましたよ~!!」
マジトラー「くっ!こしゃくな真似を!!」
長親の仕込である。ここの施設の情報をSPDに詳細なデータを、送っていたのである。このSPDの介入で、追撃が不可能になり、撤退するのが、やっとになってしまった。
メデスの面々は、別所で待機していたベアルドのワゴン車で撤退していた。
-一年半後・現在-
メデスに保護された弓達は、メデスにせきをおいていた。弓は、あの事件以降、前より感情が、表れるようになり、メデスに懐いている。メデスの力になりたいために、メデスとバニッシュから戦闘術(弓矢を使ったものと氷系の魔法)。ちなみに、バニッシュのことを『お兄ちゃん』と呼ぶ。
フレイヤは、バニッシュと共に雑務を行っている。
ハーピィは、長親の声に魅了され、長親にべったりである。
グレムリンは、コンピューター技量の高さを見込まれ、ベアルドの助手をやっていた。
この間に、『とある事件』が発生し、その事件の最中、弓達は、新しい力を手に入れていた。
そして、恒例の会議中・・・・ではなく、みんな何か出かける準備をしていた。
グラス「諸君、準備できたかね?」
バニッシュ「はい!全員準備完了です!」
バニッシュ「うむ」
フレイヤ「それにしても、天然温泉ですか~」
どうやら、彼らは温泉に行くらしい。
グラス「うむ。麻帆良の山の奥に非公開の温泉を掘ったんじゃ。そこで、少々骨休めするんじゃ」
ハーピィ「混浴かい?」
グラス「いや、ちゃんと仕切りは作ってある・・・では、明日行くのじゃ!」
こんな感じで、裏方でウィチスの計画が次々と潰れていたりしています。次回をお楽しみに。