いつか帰る場所   作:シャケナベイベー

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ファイノン:CV日野聡!?!?!?
オイオイオイ、俺はファイノンが出たら引くよ絶対。
今回は…マダム・ヘルタと復刻のロビンが狙いです。ロビン持ってないんだよね俺


もう明後日にはオンパロスだって……早くね?


氷雪の中の炎

 まず、俺の知るブローニャについて軽く説明しようと思う。

 本名ブローニャ・ザイチク。聖フレイヤ学園所属の戦乙女であり、カールした銀髪と小柄な背丈が特徴的な俺の友人だ。

 

 ──では、今目の前に立っている少女はどうだろう。髪の色や形、顔の作りこそよく知る『ブローニャ』の物だがその目に宿る炎は俺の知らない『ブローニャ』だ。

 

「別人……別人、か。姫子さんと言い羅刹と言い……この宇宙は摩訶不思議だ」

「? どうしたの?」

「いやこっちの話」

 

 首を傾げる大守護者に手を振る。いかんな、どうにも感傷的になってしまう。

 改めてベロブルグ大守護者『ブローニャ・ランド』を見る。

 

「さっき言ってたようにこの子達から俺のことは聞いてるんだろうけど改めて名乗らせてくれ。アクト・アステル。つい最近星穹列車の一員に加わったしがない旅人だ。よろしくなブローニャさん」

「こちらこそ。私はブローニャ・ランド。このベロブルグを訪れた貴方が素晴らしい思い出を残せるように頑張るわ」

 

 互いに握手を交わし微笑みを向ける。そしてブローニャは俺の後ろにいる星となのかに目を向けた。

 

「その、こう言った手前何ももてなしをしない訳には行かないのだけど……実は今、少し困ったことになってて……」

「困ったこと?」

「実は──「大守護者様、失礼いたします」えぇ、入って」

 

 扉が開き、一人の鎧を纏った金髪の青年が中に入ってくる。彼の名前は『ジェパード』と言うようで星やなのかと面識があるらしく二人は親しげに彼に声を掛けている。

 

(……『存護』の行人か)

 

 確かヤリーロVIは『存護』の運命を歩む者たちが多かったと聞くから彼もその系譜なのだろう。あの琥珀の王の一瞥を受けたのならその意思はまさに石のように硬い筈だ。意思だけに。

 と、ジェパードさんが俺の方を見て一瞬怪訝そうな顔をする。すわ考えを読まれたかと焦ったが彼は再度ブローニャに視線を戻した。

 

「大守護者様、件の事態につきまして報告があります」

「聞かせて」

「幾人かのシルバーメイン、ゼーレさんと共に付近を捜索したところ、やはりそこに姿がありました。ゼーレさんも間違い無いと」

「……そう」

「何かあったの?」

 

 浮かない顔をするブローニャさんに星が話しかける。それに俯いた顔のまま、ブローニャが重い口を開いた。

 

 

 ───お母様が戻って来たのだ、と

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「……で。俺はあまり詳しい事情を知らないんだがその『お母様』とやらがそんなにまずいのか?」

 

 雪原の中を移動しながら何の気なしにそう聞いてみる。事情を話していた時のブローニャの顔は暗く、少なくともただ事ではないと感じ取るくらい簡単だったからだ。

 

「……私のお母様は『カカリア・ランド』と言って、先代の大守護者だった人なの」

「カカリア……なるほど。それで?その人と今回の事件に何の関係がある?」

「すまない御客人。理由を聞きたいというあなたの気持ちは理解しているが、これはとても込み入った事情で──」

「良いのジェパード……母は、カカリアは星核が原因でこの星に起きた大寒波を何とかしようとしていたの。でも、母は大守護者になってから星核に洗脳されてしまって……」

 

 そこで言葉を切ったブローニャは顔を俯かせる。

 彼女の母は……カカリアは足掻いたのだろう。大守護者として、何よりこの星を愛するものとして寒波を何とかしようとし、しかしその元凶である星核に洗脳された……というところだろう。

 ジェパードさんがブローニャの肩に手を置き、そのまま説明を引き継いだ。

 

「そんなカカリア様の暴走を止めてくれたのが星穹列車の人達なんだ」

「うん!あの時はホント大変だったよー…」

「成る程。星が初めて開拓の旅に訪れたここで、その事件を解決したってことか」

「大変だった」

 

 腰に手を当て、まるで『褒めろ』と言わんばかりにズイッと顔を近づけてくる星を押し返して先に進む。やれやれ、顔は良いんだが如何せん奇行が目立つような気もするな……ブローニャ達のところに来るまでにゴミ箱に執着したり凍った柵を舐めようとしたり大変だった……

 

「とにかく急ぎましょう。そこにゼーレもきっといるはず」

「だね。ジェパードの言う通りなら何とかしなきゃ!」

「……ゼーレ、ね……」

 

 ブローニャの口から出た名前に思わず笑みを浮かべる。別の世界であっても二人は仲良しらしい。良いことだ。

 そうして長いこと歩いてようやく雪原を抜けた先、この世界の人達が『常冬峰』と呼ばれる場所に着いた。

 

「ゼーレ!」

「来たわねブローニャ……と、星達も居たのね。ありがとうジェパード」

「いや、何のこれしき。隊の者たちに怪我が無いようで安心した。ありがとうゼーレさん」

「気にしないで……で?そっちのアンタは?」

 

 長い黒髪に鋭い青い目の少女が俺を見る。その姿と先程ブローニャが名前を呼んでいたことから彼女こそがこの世界のゼーレなのだと確信した。

 

(いや俺の知ってるゼーレと性格違いすぎない???)

 

 俺の知ってるゼーレ……本名ゼーレ・フェレライは温和で心優しい少女で、なぜか俺のことを「アクトお兄ちゃん」と呼んで慕ってくれていた。

 だがそんなゼーレは所謂二重人格で時たま言動がキツく、瞳が赤くなる人格が表に出てくることもあった。見た目は心優しいゼーレで口調はキツめなゼーレのようだ。

 

(いや……いくらなんでも面影を重ね過ぎだな。要反省だ)

「?ちょっと、アンタ名前は?」

「……あぁ、すまない。俺はアクト。アクト・アステルだ。新しい列車の一員なんだよ」

 

 気を取り直して自己紹介する。ゼーレは「そうなの?じゃ、よろしくね」とだけ言って下がってしまった。

 

「それでゼーレ、お母様は?」

「いるわよ。ほらあそこ」

 

 ゼーレが指差す先……常冬峰の一番高いところに人影が見えた。女性的なフォルムにまるで氷の鎧を纏ったかのようなその姿……アレこそカカリアなのだと。

 

「あれは……あの時の」

「星核の力を得たときの姿だ」

「でもあそこに立ってるだけなんでしょ?」

「それが不気味なのよ。仕掛けてくるでもないし……」

 

 確かに、ゼーレの言う通り暫定カカリアはその場から微動だにしない。俺たちの存在に気づいていないのか、はたまた気付いていて無視しているのか。

 

「どうする?」

「僕は仕掛けるべきだと思う。あれはカカリア様ではないし、何もしないとはいえ、野放しにもしておきたくない」

「私も賛成よ……ブローニャ、アンタは?」

「え……わ、私?」

「カカリアはアンタのお母さんでしょうが。許可取らないでどうすんのよ」

 

 ゼーレの言葉にブローニャは思案するように顔を俯かせる。

 そして時間にして数秒ほど、答えを出そうと顔を上げたブローニャを手で制した。

 

「……どうやら、向こうはやる気みたいだぜ」

「え?」

「ッ、動くぞ!退避だ!」

 

 ジェパードさんがそう叫んだ瞬間、俺たちめがけて氷の槍が飛んできた。なんとかその場から跳躍し躱すことが出来たが、反応が一瞬でも遅ければ直撃していたに違いない。

 

「どうするブローニャ?相手はこっちを排除対象として捉えたみたいだが」

「……総員、戦闘準備!!」

 

 顔を上げたブローニャは大守護者として号令を出す。ジェパードが盾を、ゼーレが鎌をそれぞれ構える。

 

「う〜……姫子たちに連絡しておいた方が良かったかも……」

「でもやるしかない」

「俺のナナシビト最初の仕事がこれほど大変そうなものとはなぁ」

 

 なのかが弓を、星が炎の槍をそれぞれカカリアに向ける。そして俺もまた自身の剣の切っ先をカカリアへ……どこか既視感のある姿をした敵に向けた。

 

 

「その姿(虚妄の母)を見てるとどうにもやり切れないが……まぁやるだけやってやるさ。同じ名前をした奴を知ってる俺としては色々と複雑だけどな」

 

 カカリアが氷の槍を打ち出し、それをジェパードが盾で防ぐ。なのか、ブローニャが銃と矢で後方から攻撃、俺、星、ゼーレで近接戦だ。

 

「……いくぞ!」

 

 その合図と共に俺達はカカリアに向けて走り出した。




次回は虚妄の母との戦闘
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