いつか帰る場所   作:シャケナベイベー

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オンパロス編がついに完結を迎えましたね!!
ありがとうオンパロス、フォーエバーオンパロス





でもですね、俺は完全無欠のハッピーエンドが良いんです。そしてこれはスタレの二次創作です。つまり……分かるな?


どうか試練を乗り越えて

「……遅くないか?」

 

 ファイノンが『紛争』の試練に向かってしばらく。痺れを切らしたようにモーディスが呟く。確かに想定していたよりも時間が掛かっていた。

 

「ライア。恐らくだが──」

「分かっています。どうやら私たちの予想していた通りになってしまったようですね」

 

 アストラスとアグライアが互いに難しい顔をする。

 その時、何かに気付いたトリノンが声を上げた。

 

「……ファイノンの声が…途切れました……!」

「一刻の猶予もない、か」

「あれをやるか?」

 

 モーディスが声を掛ける。彼の提案にアグライアは一つ頷いた。

 

「ええ。メデイモス、準備をお願いします」

「あれって?」

「予備プランだ。もし試練で何かあった時、俺が奴を試練から引きずり出すというな」

「それは…良いのか?試練に何か影響が出るのでは……」

 

 丹恒の疑問にアストラスが「いや…」と首を振る。彼の黄金色の目は憂いを宿して水盆を見つめていた。

 

「試練を中止するという事例はかつて複数回起こったことだ。まだまともに火を追う旅が機能していなかった頃、このような方式では無かったが擬似的な試練を行い、危うく多くの黄金裔が犠牲になるところだったからな」

「ともかく、今はファイノンの救出することが最優先です」

「なら、異邦から来た三人の勇士たちにも助力を頼みたい」

 

 モーディスの目が星、丹恒、アクトに向く。三人にとってもファイノンは仲間であるためこの提案を断る理由などない。

 

「それは…どうなのでしょう。いくら試練への介入が不可能ではないとは言え命の危険がないとは限りません。天外からの客人である御三方には火を追う旅で命を危険に晒すようなことはしてほしくありません…ここはやはり、私とモーディス様とアストラス様で向かうべきかと……」

「ファイノンは俺たちにとっても仲間だ。仲間を見捨てるような事をナナシビトは絶対にしない」

「大丈夫だよキャス。私たちに任せて!」

 

 不安げなキャストリスに星が自信満々に答える。そしてモーディスもまた、死を纏う聖女に目を向ける。

 

「無事に「救世主」を連れ戻せれば後はアグライアの金糸が俺達を引っ張り上げる…キャストリス、何かあればこの三人の安全を優先しろ。俺は自分の身くらい守れる」

「…わかりました」

 

 モーディスの言葉にキャストリスは大人しく引き下がる。それと入れ替わりでアストラスが前に出た。

 

「なら俺も行こう。あの馬鹿弟子には一言言わんと気が済まないからな」

「貴方は私たちと共にここで待機ですよアストラス」

 

 戦意を昂らせるアストラスをアグライアが諭す。騎士は隣の「金織」に不満げな視線をぶつけた。

 

「ニカドリーとの戦いによる疲労が色濃く残っているでしょう。本来ならば昏光の庭で療養していてほしかったのですが」

「俺より若い奴らが動いているのに大人しく待っていろと?」

「そう言っています」

 

 二人の間に火花が散る。その光景にトリノンはアワアワと慌て、アクトは自分のそっくりさんの頑固さに遠い目をした。

 やがてアストラスが息を吐き出し、手をひらひらと振る。

 

「分かった分かった。金織殿の命令に従うとしよう…そういう訳で助力はできそうにない。すまないな」

「構わない。連れ戻したらありがたい言葉を言ってやれ」

 

 モーディスの言葉にアストラスは思わず吹き出し、「そうさせてもらおう」と言って下がる。

 そうしてアグライアが四人の前に立ち、祈言を唱える。

 

 

 

 

 

 

「ここは……」

 

 目を開けた時、アクトが立っていたのは創世の禍心だった。しかしその様相は大きく様変わりしていた。柱は倒れ、あちこちに瓦礫が散乱し、水盆の水は枯れている。まるで何かが暴れたかのようだ。

 

「これが『紛争』の試練なのか?」

「無論違う」

 

 アクトは瞬時に剣の切っ先を声のした方に向ける。そこに立っていたのは一人の男。白フードから覗くのは恐ろしいほどに澄み切っている青い瞳。手には螺旋を描く黒い槍が握られている。

 夢に出てきた男だと直感した。

 

「お前は……」

「これこそ、この世界に訪れる未来だ」

「なに?」

 

 男の言葉にアクトは耳を疑う。これがオンパロスに訪れる未来だと?

 

「あのメモキーパーの小娘から聞かなかったか?オンパロスは三重の運命に縛られていると」

「ブラックスワンの事か?聞いているが……」

「そしてつい先程、末王(『終焉』のテルミヌス)がオンパロスに目を向けた」

「……なんだと?」

 

 今度こそアクトは目を見開いた。『終焉』がオンパロスに視線を向けた?そんなの大惨事に決まってるほんとクソ。

 

「其が視線を向けたその意味、知らぬ訳ではあるまい」

「……終わりがやってくるって言いたいのか」

「テルミヌスは未来から過去へ逆行し、あらゆる預言を各地に残した。いずれ来る終末のために──其の預言は実現する。ヌースの『時』と同じように」

 

 だから貴様にも伝えてやろう、と男の目が不思議な光を宿す。

 

 

 

『血が滴り、輪廻が新生を迎える時に終末が訪れる。『時』が刻まれ、首無き者が戴冠を迎える』

 

 

 

 息を、呑んだ。それはなんて救いのない未来だろう。何者かは分からない。しかし『終焉』の行人として分かることがある。

 その預言は間違いなく引き起こされる未来であり、自分はその渦中に立つのだと。

 

「これこそがテルミヌスが齎したオンパロスの預言。『四末説』に至る『記憶』の預言だ」

「記憶が?壊滅、虚無、調和は判明しているが四つ目は不明瞭だったはず……」

「数多ある可能性の一つに過ぎん。『運命の奴隷』であればより多くの選択を見通せるのだろうがな」

 

 忌々しいやつめ、と男が吐き捨てる。そして男が槍の柄で地面を突くと空間の一部が割れ、そこから外の世界が映った。

 

『メデイモス、血を浴びて王となるがいい!!』

『黙れ。今は奴を返してもらうぞ』

 

 モーディスが『紛争』の眷属たちを薙ぎ倒している。近くには星と丹恒の姿もある。

 

「行くといい。問答はここまでだ」

「……何が目的だ?」

「私に裏があるとでも?」

「俺は『厄災前衛』は信用しないって決めてるんだ」

 

 きっぱりと言い切ったアクトに男は掌で顔を覆い、笑みを浮かべる。

 

「く、クハハハハハ…!!ああ、まったく気に食わん言い方だ…だが良い。貴様がそう言うのであれば私はもう何も言うまい」

 

 光の向こうへと消えていくその背を男は見届ける。(アステル)の名を持つ者が、『終焉』の愛し子が破滅していく様を視るのは気分が良い。

 だがあの男には生き残ってもらわねばならない。使令となって首無き者を蹴落としてもらわなければ。

 

 そして男は……「ラプラス」の名を冠する男は傍らに一つの肉体を現出させる。

 逆行し、足掻いてもなお徒労に終わった『未来のアクト・アステル』の肉体。とっくに死んでいるそれの首根っこを掴んで引きずり、やがて轟々と燃え上がる炉の中へと放り投げた。

 

「さあテルミヌスよ、供物を受け取るが良い。これでこの若造を捧げるのは何度目か…腐り落ちた枝のアクト・アステルも捧げ、炉に焚べた。全ては其の預言の通りに──」

 

 

 

 

 

 

「そして、私がいつの日か『星神』という不完全な概念を消し去るその日のために」

 

 

 

 

 

 

「モーディス、後ろ!」

 

 その頃、試練でニカドリーの眷属たちと戦闘を繰り広げていた星と丹恒、モーディス。

 数は多いもののようやく終わりを見せ始めた時、天罰の先兵を建創者の槍で弾き飛ばした星がモーディスに注意を促す。その声に気配を感じたモーディスが振り返る頃には白銀の煌めきと共に剣がその腹部に突き立てられ──

 

 

 

 

「ッ、ギリギリだったみたいだな…!」

 

 何処からともなく現れたアクトが剣を抑え込むように握り締めてその動きを止めた。

 しかし『紛争』の狂気に充てられたファイノンは血走った目のまま、剣を突き立てようとさらに強く力を込める。

 

「まったく世話の焼ける!」

 

 ズプリ、と剣の切っ先がアクトの脇腹に深く突き刺さる。しかしアクトはそれを気にせず、ファイノンの手首を掴んでこちら側に引き寄せて体勢を崩させるとその腹に拳をめり込ませた。

 そのあまりの衝撃にファイノンの体がくの字に曲がり、胃液が撒き散らされる。そんな彼の手首をモーディスがしっかりと掴んだ。

 

「見つけたぞ」

 

 金糸が周囲に張り巡らされた。




そして今日は崩壊3rdのエリシアの誕生日

愛を尊ぶ真我、ピンク色の綺麗な少女…お誕生日おめでとう!!
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