千手最強の忍とうちは最強の忍は、個性と英雄が蔓延る世へと生まれ落ちる   作:天叢雲剣を捧げるスサノヲ

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お待たせしました!第十五話です!投稿が長いこと遅れてしまい大変申し訳ありません。作者は別に死んでいませんのでご安心を!
さて、今話にて個性把握テストの回は終了となります。どうぞよろしくお願いします!それにしても、作者自身がオリジナル展開について色々と考えていたらマダラが爆豪の師匠で、爆豪がマダラの弟子になるという、中々に熱いオリジナル展開をつい咄嗟に思いついてしまった作者がいました。ま、とりあえず第十五話どうぞ。


第十五話:個性把握テスト・後編

 

 

〈第4種目:反復横跳び〉

 

 

 

 

柱間「木遁・木分身の術!」

 

 

メキメキメキ…

 

 

シュン!

 

 

タタタタンッ!

 

 

第3種目の立ち幅跳びが終わった後、今現在は第4種目の反復横跳びが行われていた。そんな反復横跳びの測定で柱間はどう対応したかというと、答えは至って単純(シンプル)。柱間は木遁・木分身の術によって、自分の細胞を元に樹木でできた自分の分身を五体ほど召喚し、反復横跳び専用の線の中央の線に一列で並んだ。そして…

 

 

柱間「よし!俺の木分身たちよ!俺の動きに合わせるのだ!行くぞ!」

 

 

「「「「「了解ぞ!」」」」」

 

 

シュタタタタタタタ!!

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

 

柱間と柱間が出した木分身が反復横跳びの測定をするために動き始めた。その時の動きは正しく俊敏そのもので、最早相手が残像さえ視認できるほどであった。因みに、その動きの絡繰も至って単純(シンプル)てあり、ただ柱間(本体)柱間の分身(木分身)たちが瞬身の術を用いて途轍もない速さで横に動いているだけである。そう説明している内に、柱間の反復横跳びの計測が終わった。

 

 

柱間「えーと…、俺の記録は…、おお!4000回か!ま!俺にしては結構頑張った方だの!さて、次はマダラだからマダラを呼ぶとするかの。おーい!マダラ〜!!」

 

 

結果はなんと!4000回という無個性の常人ならばまずありえない記録であり、さらに柱間本人は気づいていないが、反復横跳びに対して一番自信を持っていたエロ葡dゲフンゲフン!…峰田実という雄英高校1年A組の生徒の反復横跳びの記録の約十倍ほどの記録を叩き出していた。流石全身柱間細胞の化け物、恐るべし。

因みに、この時の峰田はこう思っていた。柱間の反復横跳びの測定の仕方を見て、怨嗟の嘆きのように大声でこう言った

 

 

峰田「せ、千手の野郎…!あのスペックで無個性って…、一体何モンなんだよォォォォォ!?もおおおおおおおおおッ!!チクショー!!爽やかそうなイケメン顔と純粋無垢で豪快で優しそうな性格なだけに飽き足らず無個性なのにあんなカッケー芸当までできるのかァァァァ!女子から滅茶苦茶モテそうで実に羨ましいィィィ…!!」

 

 

柱間の長所に対して嫉妬し、騒ぎ出して暴走する峰田。そして、親切過ぎることに比較的地味な髪型をしている1年A組のクラスメイトの瀬呂範太と、漢気や熱血などを連想させるように赤い髪色を持つ棘々しい髪型をした同じく1年A組のクラスメイトの切島鋭児郎が暴走しまくる今の峰田をまあまあと言うように落ち着かせる。

 

 

瀬呂「ま、まあとりあえず落ち着けよ峰田。あの千手って奴はお前よりもずっと凄かったけどよ、お前も充分凄かったって、反復横跳びの記録。」

 

 

切島「そうだぜ峰田!何もそれだけで決まるもんじゃねぇだろ?お前にはお前にしかねぇ良さがあるんだからそんな嫉妬すんなって!漢らしくなくなっちまうぞ?ほら!それより千手の次の奴…、あの飛び抜けた宣言をしたあのクラスメイト、たしかうちは…、だったか?もう一つお前が見たがっていたもんが今始まるぞ!」

 

 

峰田「ハッ!?なっ、何ィィィ!!そいつは本当か!?だったら見せろ切島ァ!オイラたちに対してあの飛び抜けた挑発をしやがった、あの千手とやけに仲が良い奴、うちはの「除籍」という死刑宣告はこのオイラが直々に見届けてやるよォ!」

 

 

切島「やっぱり前言撤回だぜ、それは流石に漢らしくねぇぞ峰田……。」

 

 

瀬呂「ま、峰田だったら案の定こうなるよな。」

 

 

下衆で下劣な笑みを浮かべながら、これから反復横跳びの測定を行うマダラに釘付けな峰田。その峰田に対して、「やれやれ。」と言いながら切島と瀬呂もマダラの反復横跳びが一体どんな感じになるのかじっくりと見る。一方で、これから反復横跳びの測定をする本人であるマダラは、「(やはりこの競技においても柱間どころか俺とですら張り合えない脆弱な砂利共ばかりか…、結局この競技も所詮俺の児戯に等しいただの小さな戦い。フン、今現在では全く持って実につまらんな。)」と内心で心底思いながら反復横跳びを行う場へ立つ。そして……

 

 

マダラ「影分身の術」

 

 

ポンッ!

 

 

峰田「…へ?」

 

 

シュンシュンシュンシュンシュン

 

 

マダラ「さて…、さっさと終わらせるか。」

 

 

その瞬間、マダラも影分身の術を発動させたまま瞬身の術を用いて、相手が残像を視認できるほどの素早さで反復横跳びを行った。

 

 

シュタタタタタタタ!!

 

 

そして、その行動を何度か繰り返している内にマダラの反復横跳びの測定は終了し、マダラは(柱間より上か確認するために)反復横跳びの結果を見始めた。

 

 

マダラ「なるほど、3990回か。しかしあと4秒ぐらいあれば柱間の反復横跳びの記録の4000回を超えられたな。だが、やはりこんな調子じゃ柱間より上なんか絶対超えられねェ。とりあえず少しでも身体が鈍らねェように俺もしっかりと精進しないとな。」

 

 

柱間「そうかの?お前も他の生徒らの成績に比べれば充分好成績ぞ。ま、俺にはギリギリ敵わなかったがなマダラ!」

 

 

マダラ「どんなに好成績だとしても俺の目標は柱間、お前を俺自身の力だけで超えてやることだ。だからその場限りの二位なんて俺にはどうでも良いんだよ。」

 

 

マダラは、柱間のその桁外れな戦闘能力を超えるため、敢えて自分に鞭を打って柱間の賞賛を突っ撥ねる。だが柱間は、マダラのその対応に対して親友らしく少しからかってやろうと思い、ニヤニヤと不敵な笑みを浮かべながら柱間は口を再びマダラに向けて開く。

 

 

柱間「クックックックッ…!」ニヤニヤ

 

 

マダラ「……何だよ柱間、急にニヤついて。」

 

 

柱間「ほれ、そういうとこぞ。相澤先生殿が言っていたこの個性把握テストという体力テストの開始前にあれだけ威勢の良い挑発を他の生徒たちに浴びせておきながらこの俺だけには浴びせない。やはりお前も何だかんだ認めているのだろう?マダラ自身の力だけではこの俺には勝てぬことをのぅ。であればマダラ、お前がこの俺をいつまでも越えられずにいて余りにも可哀想だからこのお人好しバカな俺がちょいと手加減してやろうかぁ?クックックッ!」

 

 

マダラ「ッ!!んだとゴラァ!!いちいち余計なお世話なんだよ!!つーかどうでも良いところでお人好し精神を発動してんじゃねェよ柱間ァ!!!兎に角一度でも俺に対して手ェ抜きやがったらブッ飛ばすぞ天然鈍感バカ!」

 

 

柱間「天然鈍感バカ……それはあんまりぞ……ひどいんぞ……。」ずうぅ〜ん…

 

 

ずうぅ〜ん…と上半身の力を抜くようにして上半身を前方に持って行きながら落ち込む柱間。それを見たマダラは「うげっ…、またいつものアレかよ…。」と言いながら一歩引いた。

 

 

マダラ「テメェはまた落ち込みやがって!別に事実を言ったまでだろ!てか、こんなところでまたいつもの落ち込み癖を発動すんなよ!此処には他の奴らもいるんだぞ!俺までまた変な目で見られるだろうが!」

 

 

柱間「俺は天然鈍感バカじゃないぞ!マダラは元々頑固で素直じゃない性格だから俺の愛が籠ったお人好し精神を素直に受け止められなかっただけぞ。マダラもマダラでそういうところ、実に面倒そうぞ…。」ボソッ…

 

 

マダラ「俺は新手のツンデレ扱いかゴラァ!!そもそも何だよ「俺の愛が籠ったお人好し精神」って!んな気色悪いボケかまし始めてんじゃねぇよ!ったく、さっさと戻るぞ!」

 

 

柱間「ま、どうせお主のことだ。先程俺が放った愛のお人好し精神を気色悪いボケだと突っ撥ねながらも何だかんだで、「俺は柱間に愛されているんだなぁ…。」って絶対内心で思っていそうぞ。」

 

 

マダラ「あ?一体何を急に馬鹿げたこと言ってんだよ。俺がそんなこと思う訳ねェだろうが。」

 

 

柱間「ガハハハ!!相変わらずマダラは甘いのー。ほれ、今さっき気づいたのだが、決定的な証拠としてマダラの手がブルブルと小刻みに震えておったぞ?となると、マダラは今動揺しておるということぞ。やはりマダラは素直じゃない頑固者よのぉ〜。」

 

 

マダラ「ッ!うっ!うるせー!!俺は動揺なんかしていねェよ!勝手に捏造して話を適当に盛ってんじゃねェ柱間ァ!」

 

 

柱間「クックックッ…!そもそも基本的な性格が頑固で素直じゃない性格の時点で既に面倒な奴の類ぞ。大方どうせ認めざるを得ない状況に陥っても認めたくないからこうしてずっと悪足掻きをしているだけに過ぎぬぞ。」

 

 

 

ブチッ!

 

 

 

マダラ「柱間ァァ!!テメェ今日という今日は覚悟しやがれェ!!!」

 

 

そして、いつものように組み手のような形で取っ組み合いの喧嘩を始める柱間とマダラの二人。

だが、いつも前世の世界である忍界にいた頃から喧嘩を止める役となってくれていた柱間の弟、扉間は今、雄英高校の入学式に出ていてこの場にいないため、代わりに柱間とマダラのことを少し遠くでずっと見ていた、柱間とマダラ以外の1年A組のクラスメイトの一部が、アワアワ…!としながらも喧嘩の仲裁に入ろうとしていた。

 

 

 

 

・雄英高校1年A組のクラスメイト視点1・

 

 

上鳴「うおッ!除籍が掛かってるこんな状況でいきなり喧嘩勃発かよあの千手とうちはって奴!どっちともなんか女にモテそうな顔していて糞ほど羨ましいけど!」

 

 

耳郎「アンタ…、たしか上鳴だったっけ?てか最後の方は一体何処を見てんの!ふざけてんのか?」

 

 

上鳴「何その辛辣な言い方!?理不尽ッ!!あ、そういやお前の名前はたしか、耳郎だったっけ?よろしく!…と同時に耳郎!もしよ、真剣に力を出した上でお互い除籍回避できたら放課後マックにでも寄らね?俺が全額奢るk「いや、結構。とっとと失せろナンパ男が。」ゑゑ!!?なっ!何でよ!?全額ちゃんと奢るって!」

 

 

耳郎「ほぼ初対面のクラスメイトに対していきなりナンパとかなんて普通引くのが当たり前でしょ?そんなことまでわからないほど頭が弱くなったの?アンタ。正直上鳴のナンパ行為はもはや可哀想なほどに痛過ぎて見てらんないわ。」

 

 

上鳴「うっ…!(グサッ!)結構な正論の暴力…、こりゃあキツい…ぜ…。」

 

 

そして、首を垂れてかなり落ち込む上鳴を無視して耳郎は一人でこう呟いた。

 

 

耳郎「全く、それにしても千手とうちはの二人は相変わらず仲が良いね。喧嘩もするほど仲が良いというか。…フフッ、ちょっと羨ましいかも。」

 

 

 

 

・雄英高校1年A組のクラスメイト視点2・

 

 

瀬呂「おい、あの二人なんか取っ組み合いの喧嘩をおっ始めちまったぞ?誰でも良いから止めた方が良いんじゃねぇのか?」

 

 

切島「マジか!?だったら仕方ねぇ!ここは漢らしく俺が千手とうちはの喧嘩を止めに行く!」

 

 

瀬呂「おいおい意気込みだけはご立派だけど、千手とうちはの取っ組み合いの喧嘩を食い止める算段はあるのかよ切島。あいつら二人、喧嘩は喧嘩でもかなりの腕前で喧嘩しているぞ?」

 

 

切島「いや、止める算段は今のところねぇ!けど、ヒーローってのは余計な綺麗事を実践する仕事だって聞いた!だからこそ俺はこんなところで喧嘩が自然と収まるまで指を咥えて大人しく見てなんかいられねぇ!それによく言うだろ瀬呂、考えるよりも先に身体が動いていた(・・・・・・・・・・・・・・・・)って!んじゃ、そろそろ俺は千手とうちはの取っ組み合いの喧嘩の仲裁をしてくるぜ!」

 

 

そう言い終わった後、切島はすぐ様千手とうちはの取っ組み合いの喧嘩の仲裁をするため、千手とうちはがいる方角へと走って行った。それを見届けた瀬呂は、切島の行動に対してやれやれと思いながらこう呟いていた。

 

 

瀬呂「ハハッ…、切島は相変わらず熱血思想なこって…。」

 

 

だが此処で一つ、絶対に忘れてはいけない雄英高校1年A組のクラスメイトが一人いる。そしてその雄英高校1年A組のクラスメイトは今何をしているのかと言うと、自身が一番自信を持っていた反復横跳びの測定にて、千手柱間だけでなく例の宣言を高らかに謳った、千手柱間と同じく無個性の雄英高校1年A組のクラスメイト、うちはマダラにでさえ予想外の(影分身の術)を繰り出されて自身の反復横跳びの記録を最も容易く越されてしまったためか、自信を完膚なきまでにへし折られてハイハイ歩きでもするかのように膝を曲げ、地面に伏せてずうぅ〜ん…と酷く落ち込み、その数秒後、再びイケメン二人(柱間とマダラ)に対して怨嗟の嘆きを吐きまくっていた。

 

 

峰田「チクショォォォォォ!!!うちはの奴!千手と同じく無個性なのに反復横跳びで千手が使っていたあのクソチート技と似たようなクソチート技を持っていやがったのかァァァ!!しかもこのオイラに、うちはだけだったら何とか勝てる!と、僅かな希望を持たせておきながらオイラに非情な現実を突きつけるためにあえてわざと「影分身の術」とかいう反復横跳びにとっちゃクソほどチートな技を見せつけてオイラにドヤ顔してきやがるなんて…!イケメンなのに性格クソ悪りぃぞォォ…!本来イケメンは女子に優しくするもんだろうがァァ…うちはァァ…!!」

 

 

瀬呂「あ、こっちも熱血思想だったわ。…まあ悪りぃ意味で。つーか、うちはは別にお前に対してドヤ顔なんかしていねぇだろうがよ…。あとそもそも似たような話、千手とうちはは最初の種目の50m走で無個性じゃまずありえねぇ記録を叩き出したんだから、千手とうちはの反復横跳びの記録なんてもう察せるほどにほぼわかりきってることだっただろ…。お前は一体何がしたかったんだよ峰田…。」

 

 

峰田「イ、イケメン…撲滅ゥゥゥ…!」

 

 

瀬呂「結局そっちかい!!」

 

 

 

 

・雄英高校1年A組のクラスメイト視点3・

 

 

麗日「アワワワワ…!千手君とうちは君の間でなんか取っ組み合いの喧嘩が始まっとる!緑谷君、アレどうしよ?止めた方が良いのかな?」

 

 

緑谷「あ!じゃ、じゃあ僕が千手君とうちは君の喧嘩の仲裁に行ってくるよ!取っ組み合いの喧嘩に巻き込まれるの、ちょっと怖いけど…。」

 

 

麗日「ええ!?緑谷君行って来るん!?けど大丈夫?千手君とうちは君の取っ組み合いの喧嘩、かなり激しそうだよ?」

 

 

飯田「そうだぞ緑谷君!千手君とうちは君の取っ組み合いの喧嘩を君が止められそうになければ、別に君まで無理に行かなくても…」

 

 

麗日と飯田が心配そうな表情をして緑谷を心配する。だが緑谷は、麗日と飯田の気持ちだけ受け取りつつも、「うん、心配してくれてありがとう麗日さん、飯田君。」と言った後に自身の理由を説明し始めた。

 

 

緑谷「けど、ヒーローを志す人だったら最初から怖いって言ったり、見て見ぬふりをしたりなんてしない。それに、前々から聞いたけど、ヒーローの本質は余計なお世話なんだって、麗日さん、飯田君。だから、ここは僕が千手君とうちは君の喧嘩を止めに行くよ。」

 

 

そう自身の思いを伝える緑谷。そして、その緑谷の思いにある覚悟を軽々しく否定できなかったのか、麗日は「私も一瞬考えてみたけど、確かにそうだよね緑谷君!じゃあ早く千手君とうちは君の喧嘩を止めに行ってきた方が良いよ!」と笑顔で返事を返し、それに続くように飯田も、「ああ、やはり俺も麗日君と同じ考えだ、ならば早く千手君とうちは君の喧嘩を止めに行くと良いぞ緑谷君!」と笑顔で返事を返してくれた。麗日と飯田から返事を貰った緑谷は、今度は笑顔で返事を返すために口を開いた。

 

 

緑谷「!…うん!ありがとう!麗日さん!飯田君!」

 

 

そして、緑谷も切島と同じように柱間とマダラの取っ組み合いの喧嘩を止めるために走り出した。

 

 

 

 

 

 

一方で、柱間とマダラの方はというと…

 

 

ドカッ!ドカドカドカ!!

 

 

 

 

ボカッ!!

 

 

マダラ「ぐあっ!チッ…!おい柱間ァァァ!!テメェさっきからちょこまかと人をおちょくった戦い方してんじゃねェェ!!余り舐めた戦い方しているとマジの本気でテメェの顔面陥没させるぞゴラァ!!」

 

 

柱間「ガハハハ!!そうかそうか!ならば俺の顔面もついでに殴ると良い!ま、殴れる余裕があればの話だがなぁ〜?それよりもほれ、どうしたどうしたマダラァ〜?やはり体術勝負でもお主は俺より下になってしまうのかぁ〜?クックックッ…!だがまあこれはこれで結局は俺の方がマダラより上という事実がついに完成してしまうがの〜!」

 

 

マダラに対し、これでもかと言うほど嫌らしい笑みを浮かべながら挑発をしまくった柱間。勿論、例のその挑発をされた本人であるうちはマダラは、我慢の限界に達したのか青筋を立たせまくったと同時に静かだが恐ろしい怒気を含ませながら自分へ挑発しまくった元凶の男、千手柱間へ一言こう呟いた。

 

 

マダラ「そうか、だったらちょうど良い…

 

 

 

 

 

 

 

俺も運良くテメェのそのアホでマヌケな顔面を陥没させる準備が整ったからよォ…!!!」ゴゴゴゴゴ…!!

 

 

そして、柱間とマダラの二人は再び体術勝負という名の取っ組み合いの喧嘩を開始した。一向に止まらない柱間とマダラの取っ組み合いの喧嘩に、この場にいる柱間とマダラを除いた雄英高校1年A組の生徒たちがアワワ…!としたりして怖がっていた…

 

 

 

 

が、その時!争いを鎮める救世主が現れたかのように柱間とマダラがいる方角へと走ってきた切島と緑谷が、柱間とマダラの取っ組み合いの喧嘩を止めるべく仲裁に入ろうとした。

 

 

切島「やめろ二人共!!」

 

 

緑谷「千手君!うちは君!一旦落ち着いて!!」

 

 

だが、二人が仲裁の言葉を掛けた時には柱間とマダラはお互いの間合いに入り始めていた。その光景を見た切島と緑谷は、再び仲裁の言葉を投げかけようとするが柱間とマダラには運悪くも届かない。その内に柱間とマダラのお互いの間合いの距離はどんどん近付いて行った。あと100cm、80cm、60cm、やがて40cmと…。そして、ついにお互いの拳が再びぶつかり合う…

 

 

 

 

 

 

 

 

ギロッ

 

 

相澤「…おい。」

 

 

柱間「ッ!?」ピタッ!

 

 

切島「!?」

 

 

緑谷「ッ!」

 

 

マダラ「………」ピタッ

 

 

ゾクッ……!!

 

 

ことはなかった。何故なら答えはいたって単純(シンプル)。柱間とマダラがいつまでも個性把握テストの進行を阻害しているせいで思うように進行しないことを理由に痺れを切らした相澤が、今まで見せた威圧が生ぬるいほどに感じるドス黒い威圧を吹き出させていた。その相澤の威圧を肌で感じ取った切島と緑谷は、その迫力に身体はおろか声を発することもできない状態になり、柱間とマダラは、恐ろしい悪寒を共に感じ、察知したのか、反射的に取っ組み合いの喧嘩を一旦止めた。さらに雄英高校1年A組のクラスメイトの一部が、「ひっ…!」と、恐ろしいものでも見たかのように声を出し、腰を抜かしてしまうほどに怯えていた光景もあるが、今時点で滅茶苦茶怒っている相澤にとってはその光景すらも全く気にしていなかった。

 

 

相澤「千手とうちは…、お前ら二人さっきからいい加減にしろ…!お前ら二人が行っているその取っ組み合いの喧嘩は俺が今行っている個性把握テストに対しての妨害行為か?兎に角このままじゃ一向に個性把握テストが進まなくて実に不合理的だ。もし次お互いを殴り合おうと行動に移したら、教師への完全な妨害行為と見なしてお前ら二人を問答無用で即強制除籍にするぞ…!」

 

 

ゴゴゴゴゴ…!!

 

 

 

 

柱間「なっ!?流石にこの俺もそれは嫌ぞ相澤先生殿!わ、わかった!俺ももうマダラをおちょくるのは止すぞ!相澤先生殿、迷惑かけてしまいすまぬ…!」

 

 

相澤「千手はすぐ察せて即答できたな。で?お前はこの様を一体どう思っているんだ?千手以上の問題児のうちは。」

 

 

マダラ「………」

 

 

相澤「………」

 

 

マダラと相澤、相変わらずの犬猿の仲な二人はお互いを見つめ、睨み合う。それが数分続くがその時、流石のマダラもこの事態は自分自身も悪いところがあると潔く自覚したのか、素直じゃない言い方で相澤に謝罪するため口を開いた。

 

 

マダラ「…わかった、だからもうそう怖い顔をして怒るな相澤。お前の顔に小皺がさらに増えても良いのか?」

 

 

相澤「余計なお世話だ、そもそも俺はまだそんな歳を取っていない。…ったく、お前って奴は。まあ良い、んじゃ気を取り直して…、次の第5種目はボール投げだ。さっさとやるぞ。」

 

 

「「「「「は、はいッ!!」」」」」

 

 

マダラ「柱間ァ、俺たち二人もそろそろ戻るぞ。こっからはあの個性把握テストとやらだけに集中だ。さっきのことは俺も悪かったがな。」

 

 

柱間「!おお!そうか!やはりお前は何だかんだで器が広い奴ぞ…!では!気を取り直して俺たち二人も再開と行こうぞ!ガハハハ!!」

 

 

マダラ「フッ…、ったくお前って奴は、相変わらず元気が有り余ってることで何よりなことだな。」

 

 

 

一方で緑谷と切島は、相澤先生の戦慄した威圧によって事態が意外にもあっけなく収まって行ったことに少し呆然としてしまっていた。

 

 

 

緑谷「な、なんか相澤先生のおかげで上手く収まっちゃったね…。それにしてもさっきの相澤先生、顔も声も怖かったなぁ…。

 

 

切島「あー…、まあ確かにそう思ったよな、緑谷も。俺も相澤先生のアレはマジで戦慄したし。あ!そうだ!俺の名前は切島鋭児郎、この後も個性把握テスト頑張ろうな!」

 

 

緑谷「う、うん!お互い頑張ろうね切島君!」

 

 

切島「おう!わかったぜ!じゃあそろそろ俺らも戻るか!」

 

 

そして数十分後、やっと個性把握テストが再開し、ボール投げから計測し始めて行った。

 

 

 

 

 

 


 

 

〈第5種目:ボール投げ〉

 

 

 

 

・マダラ視点・

 

 

さて、柱間を除く他の奴らのここまでの成績を一通り見てきたが、俺と柱間にとってはどれも小物程度の成績だった。全員、俺と柱間には絶対に敵わないという砂利同然の有象無象共…、少なくとも俺はそう思った。それと同時に此奴らには新しい期待どころかレベルや規模の低さに飽きも生じてきた。柱間は兎も角俺は此処から、相澤の奴がほぼ抜き打ちで始めたこの個性把握テストという実にくだらなくてつまらん児戯をさっさと終わらせようとするつもりだ。

 

 

 

 

 

 

だが、最初はそう思っていた。至って理由は単純、柱間を除いた砂利同然の有象無象共の中に一人だけ存在したのだ…

 

 

 

 

 

 

本気でうちはマダラを蹴落とそうとこの俺に挑戦する、余りにも真っ直ぐで綺麗な勇ましい覚悟を持ったあの茶髪の小娘がな。そうだろう…?

 

 

 

 

マダラ「お前はあの時、雄英高校とやらの教室のドアの近くで緑谷出久とかいう緑髪の小僧と楽しく喋っていた…、麗日お茶子とかいう茶髪の小娘か。で?この俺に一体何の用だ?そんな敵視するように俺を睨みつけて。」

 

 

柱間「!マダラ、初対面の者…、しかも年頃の少女に対してそういう辛辣な言い方は…「うん、確かにその通りだようちは君。だって私、うちは君に本気で挑戦するつもりやから…!」ッ!?」

 

 

突然過ぎる麗日のマダラ討伐宣言に雄英高校1年A組のクラスメイトの一部が驚愕する。それもそうだろう、今時点でマダラのあの宣言の対象外である柱間以外、雄英高校1年A組の誰もが全力で挑戦しても柱間の足元は愚かマダラの足元にも及ばなかったのにも関わらず、麗日は本気でマダラを負かそうと真剣な眼差しで第5種目であるボール投げに挑もうとしているからだ。そして麗日はそのまま話を続ける。

 

 

麗日「だからうちは君、この際だから正直に断言するよ…

 

 

 

 

ウチ、このボール投げだけは絶対うちは君に負けへんと思う。それぐらいボール投げに対して絶対の自信があるんよ。うちは君風に言うと、絶対に私の足元に及ばないほどに。」

 

 

緑谷「ッ!麗日さん…!」

 

 

緑谷は咄嗟に心配の声を出す。そしてマダラは、麗日を見つめながら口を開く。

 

 

マダラ「ほう?ではその根拠は一体なんだ?」

 

 

麗日「うん、その根拠はウチの個性、『 無重力(ゼログラビティ)』と途轍もなく相性が良いからだようちは君。だからこの個性を使えばボール自体に重力が全て失われておそらく永遠に距離を伸ばし続けると思う。だけど…」

 

 

マダラ「なんだ?言ってみろ。」

 

 

マダラは麗日に話を続けて言えと促す。だが麗日は、本当に申し訳ないような顔つきになり、兎に角罪悪感のある言葉を放った。

 

 

麗日「だけどもし私がうちは君にそのやり方で勝ってしまったら、うちは君は実質相澤先生からの除籍がもう確定することになっちゃう。それも正直ウチ、滅茶苦茶罪悪感が出て嫌なんや…、まるで私からうちは君の雄英高校の入学を阻止してしまうような感じで。でも…、うちは君に勝つにはこの方法しかないんや!だからうちは君…、せっかくの晴々しい雄英高校の入学を私が阻止しちゃって、本当にごめんなさい…!!」

 

 

緑谷「麗日さん…」

 

 

飯田「麗日君…!」

 

 

柱間「麗日…!」

 

 

マダラ「………」

 

 

再びザワザワとざわめく空気。雄英高校1年A組のクラスメイトたちも、麗日の例のやり方でボール投げを行えば、今まで柱間以外誰も勝てなかったマダラに確実に勝つことができるかもしれない!と、自然と感じ取っていた。それは麗日の真剣な覚悟や度胸からも良く伝わって来る。また、他の者たちの中には、大変申し訳ない罪悪感でいっぱいになりそうな麗日を心配する緑谷や飯田と、マダラには勝てるけどせっかくの晴々とした雄英高校入学を全てなかったことに自分たちからしてしまうため、どうしても申し訳ない罪悪感がある雄英高校1年A組のクラスメイトたち。そして麗日お茶子という少女が、自分の親友であり戦友であるあのうちはマダラへ立ち向かう真剣な覚悟と度胸をしっかりと見届けている柱間もいた。そして、沈黙の表情をしていたマダラは麗日の言葉に対して、「フン…、そうか、ならば麗日よ。」と言った後にそのまま話を続けた。

 

 

マダラ「そんないちいち罪悪感に欠ける心配など俺には必要ない。寧ろそんな中途半端な思いを持ったままこのボール投げという種目のテストを行ったら余計俺は不愉快な気持ちになるぞ?それでも良いのか?それに勝手に手を抜かれたのも良いところになるからな。だから麗日よ…

 

 

 

 

罪悪感に欠けるなどと、くだらん戯言を言って無理矢理包み隠したりせず、お前が今できる最大限の全力…、そしてこの俺を負かす秘策をこの俺、うちはマダラに見せて見ろ。あと俺の前では決して手を抜いたりするな、それこそ余計な気遣いをしたと見なして許さんぞ…!後はもうわかったな?」

 

 

高圧的で偉そうなのは相変わらずだが、それでも何処か真剣な顔つきで、半端な気持ちである麗日を説得するマダラ。また、マダラの言葉を全て聞いた麗日は、内心罪悪感が全て吹っ飛んだのか、全ての覚悟を決めたかのようにマダラに対して感謝の微笑みを見せながら返事を返した。

 

 

麗日「ッ!!…そうだ、そうだね。確かにうちは君の言う通りや!やっぱりウチが考え過ぎていただけやった。それに、私が罪悪感のあるままじゃあ真剣にやれって言ったり決して手を抜いたりするなって言ったりして本気で叱ってくれたうちは君に失礼だし、何よりうちは君の真剣さを侮辱することになるしね!うん!」

 

 

マダラ「フン…、やっと気づいたか。しかしまあ、相変わらず何とも純粋無垢な性格の小娘だ、麗日は。ならばさっさと行け、そして早く見せてみろ、俺を個性把握テスト成績最上位という天上から雄英高校除籍という地獄に引き摺り落とすお前の策とやらをな。」

 

 

麗日「フフッ!うちは君ってやっぱり大昔の人が言うような古風の言い回しが大好きなんだね。うん!なんかちょっと変わってる!でもまあとりあえずボール投げの測定、行ってくるよ!そして、私はうちは君に絶対勝つ!じゃあまた後でね!うちは君!」

 

 

そして、麗日はボール投げの測定をするために、ボール投げの測定場所へと向かって行った。それを後ろで見届けていたマダラは、「全く、俺と違って随分とまあ感情が純粋無垢で眩いものだ…。」と静かに呟いた後、真剣な顔つきにすぐ様なり、こう言った。

 

 

マダラ「さて…、見せてみろ麗日…、この俺を負かそうとする貴様の覚悟を…!もう、このうちはマダラをこれ以上失望させるなよ。」

 

 

数分後、マダラがそう思っている内に、麗日のボール投げの測定の準備が整い、1年A組の担任の教師である相澤が麗日に「んじゃ麗日、投げて良いぞー。」と言って開始の合図をした。そして…

 

 

 

 

麗日「せいッ!!」

 

 

 

 

フワ〜〜〜

 

 

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

 

麗日が投げたボールは、麗日の個性である「無重力(ゼログラビティ)」によって物質に重さがなくなり、麗日が自身の個性を解除しない限りはフワフワと浮かび上がるようにほぼ永遠に飛び続けて行き、ボールがほぼ完全に斜め上方角へ等速直線運動をしていた。なので記録は当然…

 

 

ピピッ!

 

 

相澤「………」スッ……

 

 

(無限)であった。

 

 

 

(無限)!!?」

 

 

「すげえ!!(無限)が出たぞ!!!」

 

 

「しかし♾《無限》が記録として出たんだったらここまで俺たちの記録を遥かに上回ってきたうちはでもこれは流石にどうしようもないんじゃ…」

 

 

「まさかうちはの奴、とうとう除籍確定という死刑宣告を受けちまうのか…?」

 

 

「ああ、もし仮にそうなったらなんか俺たちが除籍へ追いやった感じがしてなんか良い気分じゃねぇよな?罪悪感があり過ぎてうちはになんか本当、申し訳ないっていうか…。」

 

 

 

雄英高校1年A組のクラスメイトたちは、麗日のボール投げの記録が♾《無限》ということに盛り上がると同時に、うちはの雄英高校入学初日からの除籍処分に対してやはりどうしても罪悪感が込み上げてきていた。おそらく殆どの生徒が高潔で清い善人の魂とヒーロー精神を持ち合わせているからだろう。何せ雄英高校へ入学するほどのヒーロー志望の子供たちだからであるからだ。

そして一方、少し遠くで麗日のボール投げを真剣に観察していた柱間は、此処までの想定外な記録を叩き出したことに物凄く衝撃を受けたのか、至極驚愕の表情で目を見開かせながら麗日の覚悟と度胸を講評していた。

 

 

柱間「ぬ!!?何と…!!♾《無限》…!!まさか♾《無限》という記録が出てしまうとはな…、しかもその記録を俺よりも小柄な年頃の少女に出されてしまったか…。ガハハハ!!!実に奇想天外で面白い記録を見せて貰ったぞ麗日よ!ならば俺も怠けてばかりではいられぬな!それにしても麗日は大変肝が据わっておるの!」

 

 

マダラ「………」

 

 

そのまた一方で、柱間とは打って変わっての表情をしたマダラは、何かを思ったのか少しばかり黙り込むように麗日を見つめていた。そうしている内に麗日がボール投げの測定を終えてマダラの元へと戻ってきた。

 

 

麗日「うちは君、今戻ってきたよ!因みにどうだったうちは君?私の全力の記録は?それなりに凄かったやろ?だからうちは君もウチの記録をどうか全力で上回って欲しい!だからうちは君、ウチ…、うちは君のことを応援「そうか…、ならば完敗だ。」……え?」

 

 

柱間「ッ!?マダラ…!一体何を…!」

 

 

緑谷「うちは君…!」

 

 

マダラは突然、完敗だと言った。その意図が掴めない柱間と緑谷は、内心ではすぐに意味を理解できなかった。何故なら、柱間が幼馴染の親友として古くから仲が深いあの唯我独尊な戦闘狂の性格で有名なマダラが自ら完敗などと、強者好きの人物にそぐわない発言をしたからだ。一方、麗日はマダラが今何を言ったのかがわからず、ついもう一度聞き返してしまった。

 

 

麗日「う、うちは君……?い、今なんて言ったの…?」

 

 

マダラ「聞こえなかったのか?さっきのお前のボール投げの記録に対して完敗だと言っただろう。」

 

 

麗日「か、完敗…!?あのうちは君が!?」

 

 

柱間「何!?完敗だと…!しかもマダラがか!?」

 

 

マダラ「そうだ。正直なところ俺は今此処にいる千手柱間以外の生徒たちには期待すらしていなかった。寧ろ俺と真なる戦いをやり合えるのは目の前にいる柱間一人だけしかおらんと内心で豪語し、鼻から見下していたほどに。」

 

 

麗日「ッ!!」

 

 

マダラ「だがそれは俺の見当違いだった。俺はお前ら…、特に麗日に教えられた、どんなに圧倒的な力で壁が立ち塞がっても決して屈せず、諦めない純粋で高潔な覚悟と精神をな。」

 

 

麗日「う、うちは君…!?まさか私のことをそこまで見てくれていたの…!?」

 

 

柱間「マダラ…!」

 

 

麗日は自分のことを実は良く見ていてくれたことに至極驚愕していた。また、すぐ近くにいる柱間も同義である。そしてマダラは、静かに笑みを浮かべながら麗日に再度口を開いた。

 

 

マダラ「ああ、だからこそだ麗日よ。」

 

 

麗日「な、何!?」

 

 

麗日がそう問い返すが、マダラは気にせずそのまま話を続けた。

 

 

マダラ「これはお前が俺から勝ち取った勝利だ。何、安心しろ、思う存分誇ると良い。お前は千手柱間以外の此処にいる奴ら全員の中で特に俺を楽しませてくれた存在。この俺うちはマダラも久方ぶりに柱間以外の強者の実力の一部を良く見れた気分で大変満足だ。しかもか弱い女であの想定外な記録を出せればまあ誰しもが驚愕するからな。兎に角此処(雄英高校)にはもう思い残すことはない。」

 

 

静かに笑みを浮かべながらそう話すマダラ。だが、それを聞いた麗日はボール投げで自分がマダラより上に立ったせいでマダラが除籍処分者に割り当てられてしまうことにやっぱりどうしても納得できなかった。だからこそ麗日は決死の表情でマダラの除籍処分の確定を何とかひっくり返そうと一度考え直すよう死に物狂いでマダラを説得した。

 

 

麗日「そ、そんな悲しいこと言わないでようちは君!うちは君は私よりもずっとずっと優秀なんだからまだまだ挽回の余地は絶対あるよ!だから…!だからそんなすぐに諦めちゃ駄目や!」

 

 

麗日は「こ、これならどうだ…!」と思いながらも必死になってマダラを説得する。「頼む…!」「一度だけでも考え直してくれ…!」「嘘であってくれ…!」などの様々な心情が込み上げて来る中、それを何度も何度も言葉で伝えた。だが…

 

 

マダラ「いや、到底無理だ。流石の俺でも(無限)などというあんな想定外の記録は俺が今まで培ってきた力を使ってもおそらく超えることはできん。そもそも俺と麗日が持つ力は根本的な原理がそれぞれ違う。所持している力の根本的な原理が違うのをどうやってお前のボール投げの記録に無理矢理匹敵させろという?それに、これは単純な根性論などでどうにかなる問題ではない。どの力にも「限界」という概念は絶対的にあるからな。だからこそ俺はそれを考えた末に、うちはマダラはボール投げにて、麗日お茶子という女に敗北したと既に潔く受け入れたのだ。理解したか?麗日の小娘よ。」

 

 

麗日「そんな……。」

 

 

麗日は、そう言った後、下唇を噛みながら凄く申し訳ないような顔つきになって暗い表情をしてしまう。それを間近で見ていた柱間と緑谷は、それぞれ複雑な心境を持った表情をしていた。

 

 

 

 

柱間「………(マダラ、お前は本当にこんなところで終わって良い存在だと言うのか?俺や扉間と共にこの世界の平和を守るため、天下泰平の世を創り上げる夢はただの絵空事だったのか…?)」

 

 

緑谷「!!(うちは君、君って人は…!)」

 

 

そして、マダラは最後に、自分暗く落ち込んでいる麗日と、自分の幼馴染のような親友である柱間に、何処か素直じゃない言い方でそれぞれ言葉を残した。

 

 

マダラ「…フン、まあそう嘆くな麗日よ。そもそもあの時の宣言は完全に俺から相澤に申し出ただけに過ぎん。実際の現実は強者が絶対勝つほどそう甘くなかっただけのこと。そこは少しずつでも俺自身で学んで行く。だからこそこの俺うちはマダラは、雄英高校とやらの除籍宣告は潔く受けてやるつもりだ。そして麗日よ…」

 

 

麗日「!!?」

 

 

 

 

マダラ「認めてやろう、あのボール投げの技。今まで俺が見てきたボール投げの技の中、ボール投げにおいてお前の右に出る者はおそらく誰一人としておらん!!このうちはマダラがお前をボール投げ最強と呼んでやろう!!!」

 

 

麗日「ッ!!!」

 

 

緑谷「ッ!麗日さん…!」

 

 

緑谷は麗日を心配し、本人である麗日は、マダラの熱く褒め称える姿勢にかなり動揺していた。それもそうだろう、何せ戦闘向きとは決して言えない個性を持つ自分のことを、ここまで熱く褒め称えてきた人間(存在)が、千手柱間と何度も死闘を繰り広げたりしたあの戦い好きで有名なうちはマダラなのだから。そして、麗日に先程の言葉を残したマダラは自分の幼馴染のような親友である千手柱間の元へ行き、千手柱間の目の前で口を開いた。

 

 

柱間「ッ!マダラ…!お前は本当にこれで良いと言うのか?何ならこの俺が相澤先生殿へ直々に直談判をして考え直して貰うこともできるぞ!?それでも本当に良いのか?」

 

 

マダラ「よせ柱間、今更そんな姑息なことをしたところで俺の真なる強者としての誇りがただ傷付くだけだ。余計なお世話はヒーローとやらの本質なのだろうが、それでも余計なことをすれば親友のお前だとしても決して許さんぞ?兎に角俺は潔く雄英高校(此処)を出る。これ以上はお前と一緒にはいられん。俺は俺なりの平和的なやり方でお前が語った例の夢を、前世の忍界とは常識が全く違うチャクラが存在しないこの世界でお前とは違う形でより良く築くつもりだ…。」

 

 

柱間「マダラ…、お前…!」

 

 

マダラ「ヘッ、何て悲しげのある辛気臭い面してんだよ。テメェらしくねェぞ柱間。」

 

 

パンッ!

 

 

柱間「ぬおッ…!マダラ…?一体何故、デコピン、を…?」

 

 

マダラ「お前の親友であるこの俺がしょうがねェから直々にデコピンして目ェ覚まさせてやったんだよ。仮にもこれから壮大で偉大な夢を叶えて行く奴がたかが此処(雄英高校)を出る親友の俺如きに軽々しく申し訳なさそうにしてんじゃねェよ。」

 

 

柱間「ッ!わ、わかった…、わかったぞマダラ!すまぬ!心配させてしまって!」

 

 

マダラ「ヘッ、やっといつものお人好しなバカ面に戻ったな。ま、此処(雄英高校)を去って行く俺が余り言えることじゃねェが、とりあえず此処(雄英高校)の生徒として学校の生徒らしく高校生活を楽しんだり、ヒーローとやらの経験を積んだりして色々なことをたくさん学んで成長して来い。そしてその後もその話についていつかたくさん聞かせてくれよ。「次、うちはマダラ。」んじゃ、そろそろ俺の番らしいからボール投げの測定を、一時的にだが雄英高校とやら高校へ入学できた記念の一つとして行ってくるぜ。」

 

 

柱間へ伝えたいことを伝えたマダラは、ちょうど良いタイミングで相澤に呼ばれたため、そのままそそくさとボール投げの測定へと足を運んで行った。そのマダラの行動を後ろから見ていた柱間は、罪悪感がまだ少し残っているものの、後にこう呟いていた。

 

 

柱間「…マダラ、お前が先程のことのように望むのであれば俺はもう何も言わぬ。せめて…、せめてお前がこの新たなる世界の何処かで俺とは別の人生を幸せに歩めることを、マダラの幼馴染であり友であるこの俺千手柱間はいつまでも願っておるぞ…。あと、このことは扉間にも伝えておく。どうか達者でな…、マダラ。」

 

 

相澤「………」

 

 

また、柱間がマダラを見ている際に、相澤の視線がマダラの方向へさりげなく向いていた。

 

 

 

 

 

 

 

その後、マダラと柱間はそのまま全力でボール投げの測定をし、マダラは12000m、柱間は13000mと、物凄く優秀な成績を収めたが、麗日のボール投げの成績である、(無限)には遥かに遠く、麗日の言っていた通りマダラと柱間の二人は、ボール投げにおいて麗日の足元にも及ばなかった。その時の、緑谷や飯田なども含む雄英高校1年A組の生徒たちは、「うちはだけじゃなくうちはよりも優秀な成績を収めてるあの千手にすら打ち勝ったなんて凄い!」と、麗日を特に褒め称えていた。また、余談だが緑谷のボール投げの測定が終わった際、爆豪が執着心や敵意剥き出しで襲いかかってきたりしたが、相澤が持つ捕縛布によってすぐ様それは阻止された。また、その騒動が終わった後、痛々しく腫れ上がっている緑谷の指を見かねた柱間が緑谷へ気さくに声を掛け、根っからのお人好しらしくチャクラの力を使って腫れ上がった緑谷の指を完璧に直した。その際、緑谷は自分の指の怪我を治してくれた柱間に、「僕の指をこんなにも綺麗に治してくれてどうもありがとう千手君。助かったよ!」と感謝の言葉を言った後、チャクラという摩訶不思議な未曾有の力に興奮するほどに興味と好奇心が湧いたのか、自分の癖であるブツブツとした早口分析をいつの間にかしてしまい、緑谷がその癖に対して「ご、ごめん!千手君!!今のは僕の悪い癖で…。へ、変だよね!」と、柱間に突発的に謝罪をしたが、柱間は全然気味悪がらず、寧ろ「ガハハハ!!緑谷は物凄く面白い少年だの!うむ!その意欲と好奇心が詰まった心意気や気に入ったぞ!これからよろしく頼むぞ緑谷よ!」と、豪放磊落な言い回しで楽しそうにしていた。

 

そして、ボール投げが終わった後は、残りの個性把握テストの種目である持久走、上体起こし、長座体前屈を順番に全員こなして行き、これといった騒動も出ず、個性把握テストの全種目が終了した。

 

 

 

 

 


 

 

相澤「んじゃパパッと結果発表。」

 

 

個性把握テストの全種目が無事終了し、雄英高校1年A組の担任である相澤が、個性把握テストの結果発表を開始する。さて、除籍が既に確定したうちはマダラを除く、トータル最下位枠での除籍は一体誰となるのか?

 

 

相澤「トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する。」

 

 

相澤は、そう言った後、専用の小型端末機を使って自分が受け持つ生徒たちの個性把握テストの結果をホログラム式で公開した。

 

 

1 千手 柱間12 麗日 お茶子
2 うちは マダラ13 口田 甲司
3 八百万 百14 砂糖 力道
4 轟 焦凍15 蛙吹 梅雨
5 爆豪 勝己16 青山 優雅
6 飯田 天哉17 瀬呂 範太
7 常闇 踏影18 上鳴 電気
8 障子 目蔵19 耳郎 響香
9 尾白 猿夫20 葉隠 透
10 切島 鋭児郎21 峰田 実
11 芦戸 三奈22 緑谷 出久

 

 

 

 

峰田「よ、よしッ!ギリギリ助かったぜ…。」ホッ…

 

 

柱間「マダラ…。」

 

 

マダラ「………」

 

 

緑谷「ッ!!くっ……。」

 

 

麗日「緑谷君…」

 

 

大変努力はしたが結局は最下位となってしまった緑谷。果たして緑谷出久もこのまま雄英高校入学初日から除籍扱いとなってしまうのだろうか?

 

 

 

 

 

 

と、思ったその時!相澤がとんでもない爆弾発言をさりげなく言い出した。

 

 

 

 

相澤「因みに除籍はウソな。」

 

 

「「「「「…………!?」」」」」

 

 

相澤「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽。」ハッ

 

 

 

 

「「「「「はあああああぁぁぁぁぁあああ!!!!??」」」」」

 

 

ハッ、というしてやったりな顔でそんなことを言いだす相澤に、当然雄英高校1年A組のクラスメイトの大半は仰天と安堵両方の反応を同時にこなすという器用なことをしていた。

 

 

八百万「あんなのウソに決まってるじゃない…、ちょっと考えればわかりますわ…」

 

 

柱間「いや、それは違うぞ百よ。」

 

 

八百万「え?」

 

 

柱間「此処にいる者よりは相澤先生殿のことは知っているつもりだが、俺は雄英高校とやらの高校の入学初日からの除籍の件、やはり本気のような気がしていた。まるでやると言ったらやる(・・・・・・・・・)という無言の圧力が相澤先生殿に有ったのは確かぞ。」

 

 

柱間が八百万にそう説明している一方、マダラは相澤に対して少し睨みつけるように見つめながらも、内心ではかなり驚愕の表情をしていた。勿論、顔には出していないが。

 

 

マダラ「…………(!?…相澤の奴め、今のは一体何のつもりだ?)」

 

 

そして、相澤は「合理的虚偽」と言った後、すぐ様言葉を付け加えるようにして話を続けた。

 

 

相澤「…と言いたいところだがそういう訳でもない。最初はマジだった。千手とうちはは兎も角、千手とうちは以外のお前らのあの腑抜けた面構え…、ヒーローの卵として相応しくない言動…、個性把握テストのことをまるで遊びのようにしか思っていなかった未だに中学生気分でいるような態度…。その他諸々観察して思ったよ。俺も元ヒーローの卵として呆れるどころかこれからのヒーローの未来に対して失望したほどにな。」

 

 

「「「「「ッ!!!」」」」」

 

 

相澤は淡々と話を続けるが、口調は何処か冷徹さを感じていた。そのことに、雄英高校1年A組のクラスメイトは物凄く肌で感じ取っていたが、相澤は、冷徹な雰囲気をすぐ消し、再び話を続ける。

 

 

相澤「だがお前らの態度に真剣さが現れてきた時、俺も少しは考えた。入学初日の除籍をするかしないかの決定は、個性把握テストが終わった時点での結果と態度を見てから決めることにしてやるか、とな。」

 

 

「「「「「!!!」」」」」

 

 

相澤「その最終的な結果がさっきの合理的虚偽ということだ。よかったなお前ら…、と言いたいが、今は助かってもこれからの見込みがなければ即除籍は勿論するからな。心してこれから励めよ。」

 

 

「「「「「!はいッ!!!」」」」」

 

 

柱間「そ、そうだ相澤先生殿!まさか…、マダラの除籍もなしにしてくれるのか!?」

 

 

相澤「ああ、うちはの方も一応なしだ。そもそもうちはのあの提案は乗り気じゃなかったがうちはの奴が強引に決めようとするから仕方なくな。それにうちはの奴は此処(雄英)で基本的な言葉遣いなど、半分無理矢理にでも色々と学ばせるべきなことがたくさんある。アイツをあのまま除籍にして今の社会に放り出す訳にはいかん。」

 

 

柱間「お…、おお!!そうか!ならば本当に良かったぞ!大変感謝するぞ相澤先生殿よ!マダラ〜!良かったの〜!お前の分の除籍も取り下げてくれたぞー!」

 

 

マダラ「うるせェェェェ柱間ァ!!わかったから俺の手を握って腕ごとブンブン振りまくるのをとりあえずやめやがれェェェ!!」

 

 

相澤「ハァ、千手とうちはは相変わらずの仲だな…。ま、とりあえずこれにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ。明日からもっと過酷な試練の目白押しだ。あ、それとうちは。」

 

 

マダラ「?急に何の用だ相澤。」

 

 

相澤「ああ、そいつはな…、ほら。」

 

 

相澤がそう言ってうちはへと渡されたのは、読書感想文や小説作りなどに使われる原稿用紙×10枚分。渡された原稿用紙を見ても相澤の意図が良くわからなかったうちはは、当然聞き返す。

 

 

マダラ「…おい相澤、これは何だ?見たところ文章を書く大きな紙のようだが?」

 

 

相澤「他の生徒への暴言や恐喝行為、自分勝手な独断行動、そして何より教師に対しての粗暴な態度や俺のことを「相澤」と呼び捨てた回数が余りにも目に止まるため、俺はうちはに対して反省文を書かせるための原稿用紙を渡しました。ということでうちは、帰りのHR(ホームルーム)後から、真剣に反省しながら反省文を合計10枚分書き始めろ。制限時間は今日俺が帰る時までだ。文字数は最初から最後まで全て詰めて書けよ、少しでも手を抜けば全て書き直しにするからな。はい、ってことで書き終わるまで頑張って。あと応援ぐらいはしてやるぞー。」

 

 

マダラ「…………(してやられたか、相澤の奴め…!覚えていろ!)」

 

 

柱間「ハハハ…。(マダラ、それはドンマイぞ…。)」

 

 

耳郎「うわぁ…、これはなんか、うちはの自業自得…。」

 

 

八百万「ですわね…、耳郎さん。」

 

 

 

 

こうして、様々な騒動はあったものの、個性把握テストは完全に無事終了した。また、マダラがこれから反省文×10枚分を今日中に書き終えなければならないことに、雄英高校1年A組の大半が哀れみの合掌をしていたのはまた別の話。とりあえず柱間とマダラの雄英高校での学びが此処から本格的に始まって行った。

 

 




はい、ということで十五話でした。気づいたら18914文字まで書いていました笑。綺麗にまとめるのが相変わらず難しいです笑。さて、次の十六話ですが、そのまま原作の展開を入れた回にするか、それとも原作の展開の前にオリジナルの展開を入れたオリジナル回(*ヒロアカキャラの強化など)にしようか今悩んでいるのですが、もし良い案があれば感想などにお気軽にお伝えください。こちらのモチベーションの助けになります!
また、お気に入り登録や質問、評価も是非お待ちしておりますが、特に感想を、無理にとは言いませんが、時間があれば必ず頂けると、作者の小説制作のやる気向上などへと変わりますので、よろしければ是非よろしくお願いします!ですが、理不尽な誹謗中傷などの行為は流石にやる気やモチベーションが下がりますのでそれらは御法度です。
では、第十六話にて!


*SKIMAにて、海栗乃うにさんというイラストのクリエイターさんにヒロアカ風の千手柱間とうちはマダラと千手扉間を描いて頂きました!種類は、雄英高校の制服姿とヒーローコスチューム姿となっています!下記の挿絵表示から見れますのでどうぞご自由に見てください!よろしくお願いします!


【挿絵表示】




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