千手最強の忍とうちは最強の忍は、個性と英雄が蔓延る世へと生まれ落ちる 作:天叢雲剣を捧げるスサノヲ
柱間「むぅ……、こうなってはもう止められんか。皆の者!巻き込まれぬよう、できるだけ壁際へ下がるのだ!!死ぬぞ!!」
緑谷「し、死ぬって……柱間君!?」
麗日「えええ!?なんか柱間君が言うとシャレに聞こえへん!」
飯田「総員退避!!シェルター室へ急げ!!」
クラスメイトたちが大慌てで退避する中、マダラとオールマイトの間には、ピリピリとした重圧が満ちていた。
マダラ「行くぞ、平和の象徴!!」
ダンッ!!!
マダラが地面を蹴る。その初速だけでコンクリートが爆ぜ、爆音と共にオールマイトの眼前へ肉薄する。
手にした軍配団扇を横薙ぎに振るう一撃。
オールマイト「速いッ!!」
ガギィィィン!!!
オールマイトはクロスした腕でそれを受け止める。衝撃波が周囲へ走り、演習場の窓ガラスが一斉にビリビリと震えた。
マダラ「ほう、生身で受け止めるか。硬さも中々のものだ。」
オールマイト「ヌゥン!!」
オールマイトが腕を振り払い、強烈な右ストレートを放つ。
それは風圧だけで人を吹き飛ばすほどの一撃だが、マダラは写輪眼で軌道を見切り、紙一重で躱す。
マダラ「だが、単調だ!」
躱した勢いのまま、マダラは印を結ぶ。
マダラ「火遁・豪火滅却!!」
ボオオオオオオオオオオオオッ!!!!
マダラの口から吐き出されたのは、等身大の人間から放たれたとは思えない、津波のような広範囲の火炎。それは視界を埋め尽くすほどの炎の壁となり、オールマイトを飲み込もうとする。
切島「うおっ!?なんだあの火力!!?災害だろアレ!!」
轟「!?(俺の炎熱とは……規模も質も違う……!)」
圧倒的な熱量に生徒たちが顔を覆う。だが、その炎の壁の中央に、風穴が開いた。
オールマイト「TEXAS……SMASH!!!!!」
ドォォォォォォン!!!
ただのパンチ。その風圧だけで、マダラの豪火滅却が吹き飛ばされ、霧散していく。
マダラ「フハハハハ!!面白い!!ただの拳圧で俺の火遁を消し飛ばすか!!忍界でも体術だけでこれほどの領域に達した者は、"あの男"*1くらいしか知らん!!」
マダラは楽しそうに高笑いし、宙へと跳躍する。
オールマイトもまた、ニカっと笑いながらそれを追う。
オールマイト「エンジョイしているねぇ!うちは少年!!」
空中で激突する両者。目にも止まらぬ攻防。
一つ一つの攻撃が重く、速い。
マダラ「ならば、これはどうだ!?」
マダラの瞳が万華鏡写輪眼の紋様へと変わる。
彼の身体から、青色のチャクラが噴き出し、それが巨大な骨格を形成していく。
『須佐能乎《スサノオ》』
まずは肋骨だけの第一形態。その巨大な腕がオールマイトを鷲掴みにしようと襲いかかる。
オールマイト「おおっと!!エネルギーの具現化か!!」
オールマイトは空中で身体を捻り、須佐能乎の腕を足場にしてさらに加速する。
オールマイト「DETROIT SMASH!!!」
須佐能乎の肋骨に拳がめり込む。ヒビが入るが、砕けはしない。
マダラ「硬いだろう?だが、貴様の力なら砕けるかもしれんな。……もっとだ!もっと俺を楽しませろ!!」
マダラの中で、久しく忘れていた高揚感が湧き上がる。
この世界の人間は脆弱だと思っていた。個性という異能に頼り、身体の練り上げが足りぬと。
だが、目の前の男は違う。その肉体一つで、理不尽なまでの出力を叩き出している。
マダラ「(悪くない……。だが、そろそろ"格"の違いを見せてやるか。)」
マダラは一度距離を取り、地面に着地する。
そして、不敵な笑みと共に、膨大なチャクラを一気に解放した。
マダラ「遊びは終わりだ。……見るがいい、平和の象徴よ。これが俺の全霊……神の力だ!!」
ズオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!
青いチャクラが天を衝く。
肋骨から筋肉へ、筋肉から鎧へ。
体育館内のみで入り切るほどの大きさだった須佐能乎が、さらに巨大化していく。
演習場の天空を覆い隠し、それでもなお巨大化は止まらない。
八百万「なっ……!?ま、まだ大きくなりますの!?」
上鳴「ウソだろ……!?ビルよりでけぇぞ!?」
緑谷「あ、あれは……!!」
そして現れたのは、山のように巨大な、深き青色の武神。
背には翼が生え、その大天狗のような仮面の下には冷徹な紅い眼光が光る。
『完成体 須佐能乎《かんせいたい すさのお》』
その身長、およそ100m。
演習場のビル群が、まるで積み木のように小さく見える。
その圧倒的な質量と威圧感に、避難していたA組の生徒たちは腰を抜かし、言葉を失った。
オールマイト「こ、これは……!!」
流石のオールマイトも、遥か頭上に見上げるその巨体には冷や汗を流す。
マダラ「どうした?平和の象徴。俺を見下ろすどころか、足元にも及ばなくなったな。」
マダラは完成体須佐能乎の額にある五角形のクリスタルの中に腕組みをして立ち、眼下のオールマイトを見下ろす。
マダラ「この剣の一振りは森羅万象を砕く……。手加減はしてやるが、死ぬなよ?」
完成体須佐能乎が、腰に差していた刀を抜く。
ただそれだけの動作で暴風が巻き起こり、周囲のビルが余波だけで崩壊していく。
オールマイト「(なんというエネルギー……!!これが"個性"だと!?いや、無個性だと言っていたが……、理屈じゃない!!)」
オールマイトは全身に力を込める。逃げるわけにはいかない。生徒たちが見ている。
マダラ「行くぞ!!」
ゴオオオオオオオオッ!!!!
振り下ろされる巨大な刀。
それは斬撃というよりは、絶対的な破壊の質量攻撃。
オールマイト「Plus Ultraーーーー!!!!!」
オールマイトは両拳を突き上げ、全力の風圧でその斬撃を迎え撃つ。
ドガァァァァァァァァァァァァン!!!!!
光と衝撃が世界を白く染める。
演習場の一区画が完全に消滅し、地形が変わるほどの砂塵が舞い上がった。
……やがて、砂塵が晴れると。
そこには、膝をつきながらも耐え抜いたオールマイトと、刀を止めた完成体須佐能乎の姿があった。
マダラは、オールマイトの頭上で刀を寸止めしていたのだ。
マダラ「……フッ。」
マダラは満足げに鼻を鳴らし、スゥ…と須佐能乎を解除していく。
巨大な鬼神が光の粒子となって消え、マダラはふわりと地面に降り立った。
マダラ「見事だ。あの巨刀を受け止めるとはな。……貴様の実力、認めてやる。」
オールマイト「ハァ……ハァ……、肝が冷えたよ、うちは少年……。君は……とんでもないな……!」
オールマイトは冷や汗を拭いながら、それでもニカっと笑う。
マダラ「ま、これ以上やればこの施設ごと消し飛ばしてしまうからな。今日のところは引き分けとしておいてやる。」
そう言って背を向けるマダラの背中には、隠しきれない高揚感と、圧倒的な「最強」の風格が漂っていた。
柱間「こらマダラァァァ!!やり過ぎぞお前は!!演習場が半分更地になってしまったではないか!!根津校長殿に怒られるのは俺たちだぞ!?」
マダラ「うるさい柱間。必要経費だ。」
こうして、伝説に残るであろう戦闘訓練は、あまりにも規格外な幕切れを迎えたのだった。
・戦闘訓練後、モニタールーム・
戦闘訓練を終え、生徒たちはモニタールームに集まっていた。
オールマイトによる総評が行われているが、クラスメイトたちの視線は、チラチラと柱間とマダラの方へ向いている。
緑谷「(すごい……、すごすぎる……!柱間君の木遁も凄かったけど、マダラ君のあの青い巨人……。オールマイトと互角……いや、破壊力ならそれ以上……?)」
緑谷はブツブツとノートにペンを走らせながら、二人のデタラメな強さを分析しようとしていた。(*原作の流れのような個性の反動による大怪我は、扉間に鍛えられているため、本小説では保健室にいないこととしています。)
八百万「(マダラさん……!あのような力を持ちながら、私たちには基礎から丁寧に指導してくださっていたなんて……!やはり、器の大きさが違いますわ!)」
八百万は、マダラへの尊敬の念を新たにしていた。
上鳴「へへっ……あんな化け物じみた強さのうちはの旦那に稽古つけてもらってる俺たち、実はすげぇ勝ち組なんじゃね?」
耳郎「ま、まあね……。あんなの見せられたら、もうビビる通り越して笑うしかないけど。」
そんな中、部屋の隅で一人、ギリギリと歯噛みをしている少年がいた。
爆豪勝己である。
爆豪「(クソッ……!クソッ!!なんだありゃあ……!!あんなの……勝てるわけねぇだろ……!!)」
彼のプライドは、完膚なきまでに粉砕されていた。
轟の氷結、八百万の創造、そして何より……柱間とマダラの、神話を具現化した力。
自分が「井の中の蛙」だったことを、嫌というほど思い知らされたのだ。
オールマイト「今回のMVPは……、まあ、全員だ!!全員それぞれに課題と成長が見られた!!」
オールマイトが強引に締めくくり、授業は終了した。
だが、生徒たちの心に刻まれた衝撃は、そう簡単に消えるものではなかった。
・雄英高校 校門前・
放課後、夕焼けが校舎を赤く染める頃である。
柱間とマダラは、雄英高校の敷地内にある自分たちの家(武家屋敷)へ帰るため、校門付近を歩いていた。
柱間「いやぁ〜、今日の訓練も良い汗をかいたのぉ!マダラも楽しそうで何よりだったぞ!」
マダラ「フン、まあな。だが、やはり柱間以外の相手だと手加減に気を使う。」
そんな会話をしていると、前方に二人の人影が見えた。
緑谷出久と、爆豪勝己だ。
緑谷「かっちゃん!!」
爆豪「……ああ?」
緑谷「これだけは、君には言わなきゃいけないと思って…!」
緑谷が爆豪を呼び止め、何かを必死に伝えている。
柱間とマダラは、少し離れた場所で足を止めた。
緑谷「僕の個性は……
人から授かった“個性”なんだ。」
爆豪「……!?」
緑谷「誰からかは言えない!言わない…、でもコミックみたいな話だけど本当で…!おまけにまだろくに扱えもしなくて………全然モノに出来てない状態の"借り物"で……!」
爆豪「………」イラッ
緑谷「だから…、使わず君に勝とうとした!けど結局勝てなくてソレに頼った!僕はまだまだで…!!だからーー」
そして、緑谷は何かを決意したかのように言葉を続けて発した。
緑谷「いつかちゃんと自分のモノにして、"僕の力"で君を超えるよ。」
緑谷の告白。それは、長年のライバルであり、いじめっ子でもあった爆豪に対する、初めての対等な宣戦布告だった。
緑谷「!(………騙してたんじゃないって言いに来たのに何を僕は…)」ハッ!
フラ…
爆豪「何だそりゃ……?借り物…?訳わかんねェこと言って…、これ以上コケにしてどうするつもりだ……なあ!?」
爆豪は涙を堪えるように顔を歪め、震える声で叫んだ。
爆豪「だから何だ!?今日…、俺はてめェに負けた!!!そんだけだろうが!そんだけ……」
緑谷「ッ!」
爆豪「氷の奴《轟》見てッ!敵わねェんじゃって思っちまった…!!クソ!!!ポニーテールの奴《八百万》の言うことに納得しちまった…!そして、あのストレート長髪の奴《柱間》とボサボサ長髪の奴《マダラ》には、もう一生超えられねェって思っちまった!!負けたんだよ俺はァ!!!クソが!!!クッソ!!!なあ!!てめェもだ…!デク!!」
そして、爆豪も何かを決意したかのように言葉を発する。
爆豪「こっからだ!!俺は……!!こっから…!!良いか!?おれはここで、一番になってやる!!!俺に勝つなんて二度とねェからな!!クソが!!」
夕陽に照らされながら、涙を流して吠える爆豪。
その姿は、悔しさと、プライドと、それでも折れない強烈な向上心に満ちていた。
それを見ていた柱間が、感心したように呟く。
柱間「おお……、あのツンツン頭の少年、中々熱いものを持っておるではないか。緑との関係も、何やら複雑そうだが……青春ぞ!」
一方、マダラは黙って爆豪を見つめていた。
その脳裏に、ふと、ある人物の面影が重なる。
ゴーグルをかけ、いつも遅刻ばかりして、はたけカカシに負けては悔し涙を流していた、かつての同胞。
うちは一族の落ちこぼれと言われながらも、「火影になる」と叫んでいた少年。
――うちはオビト。
マダラ「(……あの爆発頭のガキ。口は悪いが……、根底にあるその悔しさと執着……。かつてのオビトに似ていなくもない、か。)」
マダラは、かつて自分が利用し、そして道を踏み外させたオビトのことを思い出し、ほんの僅かに目を細めた。
マダラ「……フン。負けを認め、そこから這い上がろうとする気概だけは評価してやる。精々足掻くことだ。」
柱間「ん?何か言ったかマダラ?」
マダラ「何でもない。行くぞ柱間、腹が減った。」
柱間「おお!そうだな!今日の夕餉は何にするかのぉ!やはりキノコ料理か!?」
マダラ「阿保かテメェは、いなり寿司だと言っているだろうが。」
二人の忍は、若きヒーローたちの激情を背に、自分たちの帰るべき場所へと歩き出した。
その背中は、かつての戦乱の世を生き抜いた者だけが持つ、静かで重厚な空気を纏っていた。
だが、彼らの日常はまだ始まったばかり。
雄英高校での生活、そして迫り来る「
柱間とマダラ、そして扉間の新たな戦いは、ここからさらに加速していくこととなる――。
ということで第二十一話でした。如何でしたでしょうか?完成体須佐能乎を早くも顕現させたマダラさんですが、その完成体須佐能乎の攻撃を何とか受け切ったオールマイトさんも中々のバケモンですね笑。全盛期だったらさらに良い勝負しそうです笑。
さて、次話についてですが、これは原作通りにしますが、とりあえずUSJ編には早く入って行きたいですね笑。
また、お気に入り登録や質問、評価も是非お待ちしておりますが、特に感想を、無理にとは言いませんが、時間があれば必ず頂けると、作者の小説制作のやる気向上などへと変わりますので、よろしければ是非よろしくお願いします!ですが、理不尽な誹謗中傷などの行為は流石にやる気やモチベーションが下がりますのでそれらは御法度です。何卒ご理解よろしくお願いします!では、第二十二話にて!