千手最強の忍とうちは最強の忍は、個性と英雄が蔓延る世へと生まれ落ちる 作:天叢雲剣を捧げるスサノヲ
・雄英体育祭 スタジアム・
チアガール騒動が終わり、スタジアムの熱気は最高潮に達していた。
メインステージに立つミッドナイトが、鞭を振るいながら高らかに宣言する。
ミッドナイト「さあ!いよいよ最終種目よ!予選を勝ち抜いた16名による、ガチンコトーナメント!!くじ引きによる抽選の結果、組み合わせは……こうなったわ!!」
ドォォォォン!!
巨大スクリーンにトーナメント表が表示される。
それを見た生徒たちは、どよめき、そして息を呑んだ。
【第1回戦 組み合わせ】
① 緑谷出久 vs 心操人使
② 轟焦凍 vs 瀬呂範太
③ 上鳴電気 vs 千手柱間
④ 飯田天哉 vs 発目明
⑤ 芦戸三奈 vs 千手扉間
⑥ 八百万百 vs 常闇踏陰
⑦ 切島鋭児郎 vs うちはマダラ
⑧ 麗日お茶子 vs 爆豪勝己
上鳴「げっ……マジかよ……!!」
自分の名前の隣にある「千手柱間」の文字を見て、上鳴が頭を抱える。
上鳴「いきなりラスボス級かよぉぉ!!俺の運命力低すぎじゃね!?」
柱間「ガハハハ!!上鳴か!手加減はするが、全力で来るのだぞ!」
柱間が豪快に笑いながら上鳴の肩を叩く。
一方、マダラの対戦相手となった切島は、武者震いするように拳を打ち合わせた。
切島「うおぉぉ……!!相手にとって不足なしだ!マダラ!俺の硬化がどこまで通用するか、試させてもらうぜ!!」
マダラ「フン。良い心意気だ。砕け散る覚悟があるならかかってこい。」
マダラは不敵に笑う。
そして、B組の扉間の相手は、A組の芦戸三奈。
芦戸「ええ〜!?扉間君!?あのクールで強そうな人じゃん!アタシ勝てるかなぁ……」
扉間「(酸を使う個性か……。水遁との相性はどうだかな。)」
それぞれの思惑が交錯する中、レクリエーションが、トーナメント前に行われ、それが終わった後、いよいよトーナメントが開始される。
・第1試合:緑谷出久 vs 心操人使・
リングに上がる二人。
緑谷は緊張した面持ちだが、心操は不敵な笑みを浮かべている。
心操「……へぇ。運が良いな、緑谷。あのバケモノたち(忍)と当たらなくて。」
緑谷「心操君……」
心操「俺はヒーロー科に入りたい。その為には……ここで結果を出すしかないんだよ。」
ミッドナイト「スタート!!」
開始の合図と共に、心操が口を開く。
心操「あの尾白って奴、騎馬戦で――」
緑谷「(挑発……!?何か喋らせようと……ッ!!)」
緑谷は口を閉ざし、突っ込む。
だが、心操は焦らずに言葉を続ける。
心操「お前、恵まれてるよな。個性があって、オールマイトに目をかけられて……」
その言葉に、緑谷の心が揺れる。
「無個性」だった頃の記憶。そして、自分を救ってくれたオールマイトと、師匠である扉間の顔がよぎる。
緑谷「違う……!僕は……!」
心操「(かかった!)」
緑谷の思考が停止する。心操の個性『洗脳』が発動したのだ。
心操「……場外へ歩け。」
緑谷の身体が勝手に動き出し、場外へと向かう。
会場がざわめく中、観客席の扉間が静かに呟いた。
扉間「……緑(みどり)。その程度で終わるつもりか?俺がお前に教えたのは、体術だけではないはずだ。」
緑谷の意識の中で、歴代継承者の影が揺らめく。
そして――
ドッッッ!!!!
指先だけでワン・フォー・オールを発動し、その激痛で洗脳を強制解除する。
土壇場での機転。
心操「なっ……!?解いただと……!?」
正気に戻った緑谷は、痛みを押して心操に突撃する。
体術の攻防。だが、扉間に鍛えられた緑谷の動きは、普通科の心操を圧倒していた。
緑谷「うおおおおお!!!」
背負い投げ一本。
心操は場外へ叩きつけられた。
ミッドナイト「心操君、場外!緑谷君、二回戦進出!!」
ワァァァァァァァ!!!!
心操「くそっ……!!また、力技かよ……!!」
悔し涙を流す心操に、緑谷が手を差し伸べる。
そして、観客席からはプロヒーローたちが心操の個性を高く評価する声が聞こえてきた。
心操「……俺は、まだ諦めないからな。」
緑谷「うん!またやろう!心操君!」
熱い友情の芽生えと共に、第1試合は終了した。
・第2試合:轟焦凍 vs 瀬呂範太・
続いての試合。
轟は父・エンデヴァーとの確執でイラついていた。
瀬呂「ドンマイ!」
開始早々、瀬呂がテープで轟を拘束し、場外へ投げ飛ばそうとする。
速攻勝負。悪くない判断だ。
だが――相手が悪すぎた。
轟「悪ぃな。」
ズドドドオオオオオオオオオッ!!!!!
一瞬にして、会場全体を覆いつくすほどの巨大な氷塊が出現する。
瀬呂はおろか、客席の一部まで凍りつくほどの規格外の氷結。
ミッドナイト「せ、瀬呂君……、動ける…?」
瀬呂「う、動ける訳ないでしょ……」
圧倒的な力の差。瞬殺。
会場が静まり返る中、轟は静かに氷を溶かし始めた。
柱間「むぅ……。あやつ、凄まじい氷の使い手ぞ。だが……何やら迷いを感じるのぉ。」
マダラ「フン。親への反発心だけで戦っているうちは、俺の足元にも及ばん。」
・第3試合:上鳴電気 vs 千手柱間・
ついに来た、A組のマダラ塾生と、最強の忍の対決。
上鳴「うぉぉぉ……!やるしかねぇ……!やるしかねぇぞ俺!!」
上鳴は自分を鼓舞しながらリングに上がる。
対する柱間は、いつもの穏やかな笑顔だ。
柱間「ガハハ!上鳴よ、顔が強張っておるぞ!もっとリラックスするのだ!」
上鳴「できるかよ!!相手はお前だぞ!?」
ミッドナイト「スタート!!」
上鳴「先手必勝!!マダラの旦那直伝!!収束雷撃ッ!!」
上鳴が指先に電気を集中させ、レーザーのように放つ。
以前のような無差別放電ではなく、明確に狙いを定めた鋭い一撃。
バチチチチッ!!!
柱間「おおっ!?」
柱間はとっさに木遁で壁を作るが、雷撃はその壁を貫通し、柱間の頬を掠めた。
柱間「ほう!見事ぞ上鳴!雷の性質変化……いや、個性のコントロールが格段に上がっておる!」
上鳴「へへっ!まだだ!これならどうだ!」
上鳴は走り回りながら、的確に雷撃を放ち続ける。
アホ化のリスクを抑えつつ、ヒット&アウェイで攻める戦法。マダラの指導が活きている。
柱間「うむうむ!素晴らしい成長だ!だが……!」
柱間が印を結ぶ。
柱間「木遁・皆布袋の術!!」
地面から巨大な木の手が複数出現し、上鳴を包囲する。
上鳴「うわっ!?でかすぎんだろ!!」
上鳴は必死に回避するが、木の手は意思を持ったように追いかけてくる。
上鳴「くそっ……!こうなりゃ最大出力だ!!130万ボルトォォォ!!」
上鳴が捨て身の大放電を放つ。
だが、柱間は冷静に術を変えた。
柱間「木遁・榜排の術!!」
鬼の面を模した防御壁が出現し、上鳴の電撃を完全にシャットアウトする。
そして、電撃を撃ち尽くしてフラフラになった上鳴を、木の手が優しくキャッチした。
上鳴「うぇ……うぇ〜い……(アホ化)」
ミッドナイト「上鳴君、行動不能!勝者、千手柱間!!」
柱間「ガハハ!よくやったぞ上鳴!あの一撃は中々にヒヤリとした!」
柱間は気絶した上鳴を抱え上げ、保健室へと運んでいく。
その姿は、勝者というよりは、出来のいい弟子を褒める師匠のようだった。
マダラ「フン。まあ、あいつにしては上出来か。」
観客席のマダラも、微かに口元を緩めていた。
・第4試合:飯田天哉 vs 発目明・
飯田「正々堂々と勝負だ!!」
発目「見てください!この愛らしいベイビーたちを!!」
サポート科の発目明は、飯田を実験台……もとい、プロモーションのパートナーとして利用しまくった。
飯田の足に勝手に装備をつけ、会場中を走り回らせ、自作のサポートアイテムの性能をマイクパフォーマンス付きで解説する。
飯田「な、なんなんだ君はぁぁぁ!!」
発目「いい動きです!その加速、私のベイビーのおかげですね!!」
一通りの宣伝を終えると、発目は満足げに場外へ出た。
発目「ふぅ、満足しました。企業の方々、オファーお待ちしてます!」
ミッドナイト「発目さん場外!勝者、飯田君!」
飯田「だ、騙したなァァァァ!!!俺は利用されただけじゃないか!!」
悔しがる飯田。
だが、その様子を見ていたB組の席で、扉間が目を光らせていた。
扉間「……ほう。あのサポート科の女子……発目と言ったか。中々に面白い発想をする。」
拳藤「え?扉間、あの子に興味あるのか?」
扉間「ああ。あの機動力補助のアイテム……、俺の飛雷神と組み合わせれば、あるいは……」
忍具開発の才能もある扉間にとって、発目の独創的なアイテムは興味の対象となったようだ。
(後に、二人は技術提携を結ぶことになるかもしれない)
・雄英体育祭 スタジアム・
トーナメント第一回戦も折り返し地点。
飯田天哉と発目明の、ある意味で波乱に満ちた(プロモーション活動的な意味で)試合が終わり、スタジアムの熱気は冷めるどころか、次なる強者たちの激突を求めてさらにヒートアップしていた。
ミッドナイト「さあ、どんどん行くわよ!第五試合!登場するのはこの二人!!」
プレゼント・マイク『ヒーロー科1年A組!酸の個性で溶かして滑るアシッドガール!芦戸三奈ーー!!』
プレゼント・マイク『対するは!ヒーロー科……じゃない!1年B組の委員長!クールな銀髪に隠された実力は底知れず!千手扉間ーー!!』
歓声の中、リングの両サイドから二人が上がる。
芦戸は柔軟運動をしながら、少し緊張した面持ちで扉間を見据えた。
芦戸「う〜……!相手はB組のトップかぁ!しかもあの千手君の弟君だもんね。強敵だけど、アタシだって負けないよ!」
扉間「………」
対する扉間は、静かに腕を組んで佇んでいる。その目は冷徹に芦戸の身体能力、重心、そして個性による変異(肌の色や角)を分析していた。
扉間「(酸を分泌する個性……。溶解液か。粘度や溶解度を調整できるタイプと見るのが妥当だな。)」
ミッドナイト「準備はいい?…スタート!!」
開始の合図と共に、芦戸が動く。
芦戸「先手必勝!!」
ビュッ!!
芦戸は足裏から溶解液を出し、地面を滑るようにして高速移動する。
トリッキーな動きで距離を詰め、両手から酸の散弾を放った。
芦戸「溶解液(アシッド)ショット!!」
扉間「(……軌道が読める。)」
扉間は慌てることなく印を結ぶ。
その速度は、芦戸の動体視力でも捉えきれない速さだ。
扉間「水遁・水陣壁!!」
ザバァァァァァァン!!!
扉間の口から吐き出された大量の水が、瞬時に円形の壁となって彼を囲む。
芦戸の放った酸は、水の壁に阻まれ、ジュッという音と共に薄まり、洗い流された。
芦戸「ええっ!?水!?どこから!?」
プレゼント・マイク『出たァァ!!兄の方と同じく、彼もまた“水”を生み出す!!火に木に水!忍ってのは自然災害か何かかァー!?』
扉間「酸は水で薄めれば効力を失う。単純な理屈だ。」
扉間は水壁を解除すると同時に、瞬身の術で間合いを詰める。
芦戸「速っ……!?」
芦戸が反応するよりも早く、扉間は彼女の背後を取っていた。
だが、扉間は攻撃をしない。
代わりに、芦戸の襟首を掴み、流れるような動作で足を払った。
扉間「終わりだ。」
ドサッ!
芦戸「きゃっ!?」
芦戸が背中から地面に倒れ込む。
その場所は――既に場外のラインの外だった。
ミッドナイト「芦戸さん場外!勝者、千手扉間君!!」
一瞬の決着。
スタジアムがどよめく中、扉間は乱れたジャージの襟を正し、淡々とリングを降りる。
芦戸「うわ〜ん!何もできなかったぁ〜!」
緑谷「(す、すごい……。酸の相性を瞬時に判断して、水遁で無力化。そして最小限の動きで場外へ……。扉間君の戦い方は、本当に合理的だ……!)」
観客席で見守っていた“弟子”の緑谷は、師の鮮やかな手並みに改めて尊敬の念を抱いていた。
・第六試合・
ミッドナイト「続いて第六試合!このカードも注目よ!」
プレゼント・マイク『何でも創り出す万能の優等生!1年A組、八百万百ーー!!』
プレゼント・マイク『対するは!漆黒の影を宿すクールガイ!同じく1年A組、常闇踏陰ーー!!』
リング上で対峙する二人。
常闇は静かに構え、黒影(ダークシャドウ)を顕現させる。
常闇「八百万……。お前の創造、厄介だが……速攻で決めさせてもらう。」
黒影『イェーーイ!ぶっ飛ばすぜぇ!!』
一方、八百万の表情は、以前のような迷いや不安の色は消えていた。
その瞳には、師と仰ぐマダラから叩き込まれた“覚悟”と“自信”が宿っている。
八百万「(思考を止めてはいけません。ですが、迷ってもいけません。イメージするのです……。工程を、構造を、瞬時に!)」
マダラ「……フン。見せてもらおうか、八百万。俺の稽古の成果をな。」
観客席のマダラが、腕を組んで鋭い視線を送る。
その隣では、耳郎と上鳴が祈るように手を組んでいた。
耳郎「ヤオモモ……!頑張れ!」
上鳴「見せてやれ!マダラの旦那直伝の凄さを!」
ミッドナイト「始め!!」
常闇「行くぞ黒影!!」
黒影『オララララララ!!!』
開始と同時に、黒影が伸びる。物理攻撃に特化した速攻。
通常ならば、八百万は「何を創るか」の選択に迷い、その隙を突かれて敗北していただろう。
だが。
八百万「(来ますわね……!速い……ですが、見えますわ!)」
八百万は一歩も引かない。
彼女の脳裏に、マダラの言葉が響く。
――『想像しろ。完成形ではない、それが生まれ出る“過程”を。そしてそれを、反射の域まで高めろ!』
八百万「創造(クリエイト)!!」
ガキィン!!!
黒影の爪が弾かれる。
八百万の左腕には、いつの間にかタングステン合金製の強固な大盾が創り出されていた。
常闇「(何っ!?思考のラグがないだと!?)」
八百万「まだですわ!!」
盾で防いだ次の瞬間、八百万の右手からは閃光弾(スタングレネード)が零れ落ちる。
八百万「閉眼!!」
カッッッ!!!!!
強烈な閃光がスタジアムを白く染める。
光に弱い黒影が、悲鳴を上げて萎縮した。
黒影『ギャアアアア!!眩しいぃぃぃ!!』
常闇「ぐっ……!!目眩まし……!?」
常闇が腕で顔を覆う。
その隙を、今の八百万が見逃すはずがない。
八百万「(攻めます!)」
八百万は走り出しながら、手元で長大な棒術用の棍(こん)を創造する。
マダラから教わった体術の基礎。腰を入れて、踏み込み、突く!
八百万「はあっ!!」
ドゴッ!!
常闇「ぐふっ……!?」
八百万の突きが常闇の腹部を捉え、後退させる。
会場がどよめく。あの万能型の八百万が、肉弾戦で常闇を押しているのだ。
マダラ「……ほう。」
マダラの口角が微かに上がる。
常闇「(強い……!以前とは別人のようだ……!だが、負けん!)」
常闇は体勢を立て直し、萎縮した黒影を無理やり前へ出す。
常闇「黒影!防御しつつ押し出せ!」
黒影『アイヨッ!!』
復活した黒影がラッシュを仕掛ける。
八百万は盾と棍を巧みに使い分け、防ぎ、いなし、反撃する。
その姿は、単なる「創造の個性持ち」ではなく、立派な「戦士」のそれだった。
一進一退の攻防。
だが、持久戦になれば「脂質」を消費する八百万と、闇があれば無尽蔵の常闇では差が出る。
八百万の呼吸が荒くなる。
八百万「(くっ……!やはり常闇さんは強い……!ですが、まだ……!)」
八百万は最後の賭けに出る。
彼女は背中から、巨大なカタパルトのような射出装置を創造し始めた。
常闇「何をする気だ……!?」
八百万「これで……決めますわ!!」
ネットを発射する捕縛兵器。
だが、その巨大な物体を創る一瞬の隙。
常闇はその「創造のタイムラグ」を、野生の勘で見切った。
常闇「そこだ!!」
黒影が八百万の死角から伸び、彼女の身体を弾き飛ばす。
八百万「きゃあっ!!」
八百万は受け身を取ろうとするが、勢いが勝り、場外のラインを越えてしまった。
ドサッ……
ミッドナイト「八百万さん場外!勝者、常闇君!!」
ワァァァァァァ……!!
激闘の決着。
八百万は悔しそうに唇を噛み締め、立ち上がる。
八百万「……負けましたわ。常闇さん、お強かったです。」
常闇「……いや。肝を冷やしたぞ、八百万。あの速攻と体術……、以前のお前とは違った。素晴らしい成長だ。」
常闇は敬意を表して頭を下げる。
そして八百万が客席を見上げると、そこには腕を組んだマダラの姿があった。
八百万「(マダラさん……。私、負けてしまいました……)」
申し訳なさそうに俯く八百万。
だが、マダラはフンと鼻を鳴らし、ボソリと呟いた。
マダラ「……悪くない動きだった。少なくとも、以前のような迷いは消えている。次があるなら、次は勝て。」
その声は届かなかったかもしれないが、マダラの表情は決して不満げではなかった。
隣で聞いていた耳郎と上鳴が、嬉しそうに八百万に手を振る。
耳郎「ヤオモモ凄かったよ!超ロックだった!」
上鳴「惜しかったなぁ!でもマジ強くなってたぜ!」
八百万は涙を拭い、晴れやかな笑顔で応えた。
・第七試合・
ミッドナイト「さあ!続いてはこのカード!!」
プレゼント・マイク『熱血硬派な漢気野郎!1年A組、切島鋭児郎ーー!!』
プレゼント・マイク『対するは!圧倒的武力で予選を蹂躙した特別枠!1年A組、うちはマダラーー!!』
「「「「「うおおおおおおお!!!!」」」」」
会場のボルテージが最高潮に達する。
あのマダラの試合だ。何が起こるか分からない期待感と恐怖感が入り混じる。
切島「へへっ……!ついに来たぜこの時が!相手にとって不足なしだ!」
切島は拳を打ち合わせ、全身をガチガチに硬化させる。
マダラ「フン。良い面構えだ、赤髪の小僧。」
マダラはゆらりとリング中央へ歩み出る。構えすら取らない自然体。
ミッドナイト「スタート!!」
切島「行くぜェェェ!!」
ダダダッ!!
切島が突進する。単純だが、重く、硬い突進。
マダラはそれを避けない。
マダラ「硬化か。どれほどのものか、試してやる。」
ガゴォッ!!!!
切島の硬化した拳が、マダラの掌に受け止められる。
衝撃音が響くが、マダラは一歩も下がらない。
切島「受け止めた!?マジかよ!!」
マダラ「硬いな。だが……」
マダラの手が切島の拳を握り潰すように力を込める。
マダラ「脆い!!」
マダラはそのまま切島の腕を引いて体勢を崩し、強烈な膝蹴りを腹部に叩き込む。
ドゴッ!!
切島「ぐあっ……!?」
硬化した皮膚の上からでも内臓に響く衝撃。
だが、切島は倒れない。
切島「まだまだァ!!俺は絶対に折れねぇ!!」
切島は痛みを堪え、さらに硬度を上げて殴りかかる。
マダラはその気迫に、口元を歪めた。
マダラ「ハハハ!!良いぞ!!その意気や良し!!」
マダラはあえて忍術を使わず、体術のみで応戦する。
拳と拳のぶつかり合い。男と男の意地の張り合い。
柱間「うむ!切島を見ていたが、中々の根性ぞ!マダラの体術にここまで食らいつくとは!」
緑谷「(切島君の硬化と気迫……!でも、マダラ君はまだ……)」
数合の打ち合いの後、距離を取る二人。
切島は息が上がり、硬化にヒビが入っている。対するマダラは涼しい顔だ。
マダラ「楽しめたぞ。だが、そろそろ終わりにする。」
マダラの身体から、青いチャクラが噴き出す。
肋骨が現れ、マダラを包み込む。
『須佐能乎(第一形態)』
切島「出たな……!あの骸骨!!」
マダラ「砕け散るか、耐え抜くか。選ばせてやる。」
須佐能乎の巨大な拳が振り上げられる。
切島は逃げない。最大硬度で防御態勢を取る。
切島「漢なら!!正面突破だァァァ!!」
マダラ「見事!!」
ズドォォォォォォォン!!!!!
須佐能乎の一撃が切島を直撃する。
凄まじい衝撃波がリングを駆け抜け、煙が舞い上がる。
煙が晴れた時、そこには場外まで吹き飛ばされ、硬化が解けて気絶している切島の姿があった。
ミッドナイト「切島君場外!勝者、うちはマダラ君!!」
「「「「「つえええええええ!!!!」」」」」
圧倒的勝利。
マダラは気絶した切島の元へ歩み寄ると、見下ろして短く告げた。
マダラ「……悪くない硬さだった。精進せよ。」
それは、最強の忍からの最大限の賛辞だった。
・第八試合・
いよいよ一回戦最後の試合。
ミッドナイト「第八試合!このカードも注目よ!」
プレゼント・マイク『可憐な見た目に秘めたるガッツ!1年A組、麗日お茶子ーー!!』
プレゼント・マイク『対するは!圧倒的戦闘センスと爆発力!1年A組、爆豪勝己ーー!!』
リング上で対峙する二人。
爆豪は不機嫌そうにポケットに手を突っ込み、麗日は緊張で顔を強張らせている。
爆豪「……おい丸顔。痛ぇのが嫌ならさっさと棄権しな。」
麗日「……嫌だ。」
麗日は震える足を叩き、爆豪を見据える。
麗日「決勝で……デク君と戦うんや。それに……」
麗日の脳裏に、体力テストの時のマダラの言葉が蘇る。
――『お前は俺を楽しませてくれた』
――『ボール投げ最強と呼んでやろう』
麗日「(あのマダラ君が認めてくれたんや……!ここで逃げたら、女が廃るわ!)」
麗日「私は、勝つ!!」
ミッドナイト「スタート!!」
麗日が突っ込む。低姿勢で、爆豪の懐へ。
爆豪は大振りの右フック――に見せかけた小規模な爆破で牽制する。
ドォン!!
麗日「きゃっ!?」
麗日は吹き飛ばされるが、すぐに体勢を立て直して再び突っ込む。
何度吹き飛ばされても、ボロボロになっても、彼女は諦めない。
爆豪「しつこいんだよテメェ!!」
会場からは「可愛そうだ」「遊んでるのか?」と爆豪へのブーイングが起きる。
だが、相澤がマイクを通して一喝した。
相澤『「遊んでる」だと?今遊んでるって言ったのプロか?プロなら帰れ。帰って転職サイトでも見てろ。あいつはここまで上がってきた相手を認め、警戒してるからこそ手加減なしでやってんだよ。だから油断も手加減もできないんだろうが…!』
そして、マダラもまた、真剣な眼差しで戦況を見つめていた。
マダラ「……フン。周りの有象無象には見えんか。あの女の目が。」
柱間「うむ……。死んでおらん。勝機を虎視眈々と狙っておる目ぞ。」
麗日がついに動く。
彼女はただ突っ込んでいたわけではない。爆豪に爆破させ、瓦礫を宙に浮かせていたのだ。
麗日「流星群(メテオ・ストーム)!!」
解除!!!
上空から無数の瓦礫が降り注ぐ。
爆豪の虚を突く必殺の一撃。
爆豪「チッ……!」
だが、爆豪は上空に向けて最大火力の爆破を放ち、全ての瓦礫を粉砕してしまった。
ドカァァァァァン!!!
麗日「なっ……、一撃……!?」
万策尽きた麗日は、魔力切れ(キャパオーバー)で倒れ込む。
ミッドナイト「麗日さん行動不能!勝者、爆豪君!!」
勝負は決した。
だが、会場の誰一人として麗日を笑う者はいなかった。
爆豪もまた、倒れた麗日を見て、小さく息を吐いた。
爆豪「……危ねぇトコだったわ。」
マダラ「……フン。」
マダラは静かに席を立つ。
マダラ「勝負には負けたが、戦士としての格は落ちていない。……あの女、やはりただの小娘ではないな。」
こうして、トーナメント一回戦の全試合が終了した。
ベスト8が出揃い、次なる戦い――二回戦へと進む。
【第2回戦 組み合わせ】
① 緑谷出久 vs 轟焦凍
② 千手柱間 vs 飯田天哉
③ 千手扉間 vs 常闇踏陰
④ うちはマダラ vs 爆豪勝己
ついに激突する、A組の怪物たち。
緑谷と轟の因縁。
柱間と飯田の委員長対決。
扉間と常闇のクール対決。
そして――マダラと爆豪の、最凶対決。
雄英体育祭は、ここからさらに激しさを増していく。
ということで第二十九話でした!如何でしたでしょうか?第1回戦について、最初は前半と後半に分けて投稿しようと思いましたが、文字数が結構少なかったため、仕方なく一括で一気に執筆することに決め、そのまま執筆してみました。さて、次話についてですが、次話はバトルトーナメント第2回戦へと入って行きますので、どうぞお楽しみに。特にうちはマダラvs爆豪勝己の試合は、結構力を入れたいと思っております笑。
また、お気に入り登録や質問、評価も是非お待ちしておりますが、特に感想を、無理にとは言いませんが、時間があれば必ず頂けると、作者の小説制作のやる気向上などへと変わりますので、よろしければ是非よろしくお願いします!ですが、理不尽な誹謗中傷などの行為は流石にやる気やモチベーションが下がりますのでそれらは御法度です。何卒ご理解よろしくお願いします!では、第三十話にて!