千手最強の忍とうちは最強の忍は、個性と英雄が蔓延る世へと生まれ落ちる   作:天叢雲剣を捧げるスサノヲ

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お待たせ致しました!第三十八話となります!では、どうぞ!


第三十八話:炎の修練場と龍の巣の交差

 

 

 

 

 

・職場体験 二日目 朝・轟家 食卓・

 

 

爽やかな朝日が差し込む、立派な日本家屋の広い和室。

そこには、昨晩の「氷解」を経て、どこか穏やかな空気が漂う轟家の食卓があった。

 

 

柱間「おかわりぞ!! 冬美! この焼き鮭、絶妙な塩加減で飯が進むわ!! ガハハハ!!」

 

 

冬美「あはは! いっぱい食べてね、千手君! はい、大盛り!」

 

 

山盛りの白米を片手に、豪快に鮭を頬張る千手柱間。

長女の冬美は、彼が「冬美殿」から「冬美」と呼び捨てに変えた(家族としての距離を詰めた)ことにもすっかり慣れ、嬉しそうにご飯をよそっている。

 

 

夏雄「おい千手、お前朝からよくそんなに食えるな。体育祭の時もそうだったけど、胃袋ブラックホールかよ。」

 

 

夏雄が、呆れたように笑いながら麦茶を啜る。

 

 

柱間「うむ! 忍にとって食事は生命の源! 特に俺の木遁は自然エネルギーと己のチャクラを練り合わせるゆえ、腹が減るのだ! 轟! お主ももっと食え! 炎と氷の循環にはスタミナが必須ぞ!」

 

 

轟「……わかってる。千手、俺の卵焼き取るな。」

 

 

轟焦凍もまた、いつもより少し多めに盛られたご飯を、不満のない顔で口に運んでいた。

そして、その食卓の上座。

No.2ヒーロー・エンデヴァーは、腕を組みながら、静かに、しかし確かな「変化」をその目で見つめていた。

 

 

エンデヴァー『(……焦凍が、俺のいる食卓で、普通に飯を食っている……。冬美も夏雄も、笑っている。……俺が何年もかけて壊したものが、たった一晩で……)』

 

 

彼の視線の先には、満面の笑みで轟家の中心に座る柱間の姿がある。

 

 

エンデヴァー『(……千手柱間。底知れぬ力を持つ男。だが、それ以上に……この「陽」の気。……俺には、一生手に入らんものだ。)』

 

 

「「「「ごちそうさまでした!」」」」

 

 

冬美たちが手を合わせ、朝食が終わる。

エンデヴァーも静かに立ち上がった。出勤の時間だ。

 

 

エンデヴァー「……行くぞ、焦凍。千手。」

 

 

轟「……ああ。」

 

 

柱間「うむ! 今日もパトロール、気合いを入れていくぞ!」

 

 

三人が玄関へと向かう。

冬美が、いつものように「気をつけてね」と控えめに見送ろうとした、その時。

エンデヴァーは、玄関の敷居を跨ぐ直前で、ピタリと足を止めた。

 

 

エンデヴァー「…………。」

 

 

冬美「……? お父さん?」

 

 

エンデヴァーは振り返らない。

しかし、その広くて分厚い背中越しに、低く、しかし確かな声で言った。

 

 

エンデヴァー「……冬美。……朝飯、美味かったぞ。」

 

 

「「「「ッ!!?」」」」

 

 

冬美の目が、限界まで見開かれた。

夏雄も「は?」とフリーズし、焦凍も驚きに目を丸くする。

あの、家庭を顧みず、力のみを追い求めていた父親が、料理の感想を言い、あまつさえ「美味い」と褒めたのだ。

 

 

冬美「……お、お父さん……っ。……うんっ! いってらっしゃい……!!」

 

 

冬美の目に、うっすらと涙が浮かぶ。

エンデヴァーは何も言わず、ただフンと鼻を鳴らして外へと歩き出した。

 

 

柱間「(……ニヤリ。)」

 

 

柱間は、エンデヴァーの背中に向かって、誰にも見えないように親指を立てて「グッジョブ!」のサインを送った。

轟もまた、親父のあり得ない変わりように驚愕しつつも、何処か憑き物が落ちたかのように、安心した微笑みを浮かべていた。

 

 

轟「(……少しずつ、変わっていくのかもしれねェな。……こいつのおかげで。)」

 

 

柱間「ほれ焦凍! 置いていかれるぞ! ガハハハ!」

 

 

こうして、少しだけ前進した轟家を後にし、熱き修練の二日目が幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

・東京都 港区・

 

 

一方、その頃。

港区の洗練されたオフィス街を、華やかな一団がパトロールしていた。

ドラグーンヒーロー リューキュウ(竜間龍子)、波動ねじれ(ネジレチャン)、うずまきミト(ウズマキノヒメ)、そして、うちはマダラ(ウチハノミコト)。

 

 

リューキュウ「皆さん、おはよう。今日も平和ね。」

 

 

波動「やっほー! みんなお仕事頑張ってねー!」

 

 

ミト「ごきげんよう。ふふ、九喇嘛も皆様に挨拶を。」

 

 

九喇嘛『ケッ。朝からぞろぞろと群れやがって。』

 

 

三人の女性ヒーローの周りには、今日も朝からファンたちが殺到していた。

そして、その後ろを歩くマダラ――『ウチハノミコト』。

昨日の「デフォルメ完成体須佐能乎イラスト事件」以降、彼のファン層は爆発的に拡大していた。

 

 

「ああっ! マダラ様!! 今日もかっこいい!!」

 

 

「昨日サイン貰った子が羨ましい!! 私にもください!!」

 

 

「罵ってください!!」

 

 

マダラ「…………。」

 

 

マダラは腕を組み、不機嫌そうに舌打ちをする。

 

 

マダラ「……チッ。朝から騒々しい砂利共だ。……いいか、サインは一人一枚だ。押し合うな。」

 

 

「「「「キャアアアアア!! マダラ様が仕切ってくれたァァ!!」」」」

 

 

なんだかんだ言いながらも、マダラは文句を垂れつつ、持参した筆で流れるようにサインを捌いていた。

その光景を、前を歩くリューキュウが微笑ましく振り返る。

 

 

リューキュウ「ふふ、マダラ君。すっかり慣れたみたいね。」

 

 

マダラ「……勘違いするな。無秩序に群れられると歩く邪魔になるから整理しているだけだ。……それに、お前ら女共がチンタラしているからだろうが。」

 

 

リューキュウ「あら、厳しい。でも、ちゃんと『マダラ君』って呼ばれても怒らなくなったわね?」

 

 

マダラ「ッ……!! いちいち指摘するな!!」

 

 

マダラは顔を僅かに赤くして、筆を乱暴に走らせる。

 

 

マダラ「テメェ……! 良い奴なのか悪い奴なのかハッキリしねェなコラ! 後ろからニヤニヤ見られてっと、調子が狂っちまう繊細なタイプなんだよ! 俺は!」

 

 

ふと、マダラの口から、少年期の頃のような、あるいは親友である柱間にしか見せないような「砕けた口調」が飛び出した。

それは、彼がリューキュウという存在に対し、完全に心を許し、気を許している証拠であった。

 

 

リューキュウ「えっ……? ふふっ! あははは! 何それ!マダラ君、口調が全然違うわよ?可愛い!」

 

 

波動「あー! マダラ君、今ヤンキーみたいだった! 不思議!!」

 

 

ミト「あらあら。マダラ様、昔のクセが出てしまいましたね。フフフ。」

 

 

マダラ「……しまった。……忘れろ!! 今の言葉は忘れろ!! テメェで水切りしてやろうかァ! ゴラァ!!」

 

 

マダラが顔から火が出そうなほど赤面して怒鳴り散らしていると。

 

 

柱間「おおおおおお!!! マダラではないかぁぁぁ!!!」

 

 

ドゴォォォォン!!

 

 

突如、凄まじい地響きと共に、炎を纏った巨漢と、深紅の甲冑を着た男が、ビルの角を曲がって現れた。

 

 

「「「「エンデヴァーだぁぁ!! センジュノヌシもいるぞォォ!!」」」」

 

 

エンデヴァー事務所のパトロール部隊――エンデヴァー、バーニン、轟、そして千手柱間が、偶然にも港区の境界線でリューキュウ事務所の部隊と合流したのだ。

 

 

マダラ「……柱間。貴様、何故ここにいる。」

 

 

柱間「ガハハハ!! パトロール中にたまたま通りかかったのだ! おお、ミト! 元気にしておったか!!」

 

 

ミト「ええ、柱間様。貴方も相変わらず騒がしいですね。」

 

 

バーニン「おっ! リューキュウじゃん! そっちの職場体験生はマダラか! なに、ウチの千手と知り合い?」

 

 

リューキュウ「ええ、バーニン。彼らは同じ『特別枠』だからね。それとエンデヴァー、お疲れ様。そっちも大変そうね。」

 

 

エンデヴァー「……フン。相澤の奴、とんでもない爆弾を俺に押し付けおって。……そっちも、随分と手を焼いているようだが。」

 

 

トップヒーローの二人が、互いの「規格外すぎるインターン生」に目をやりながら、深いため息を共有する。

その間にも、柱間とマダラは早速ヒートアップし始めていた。

 

 

柱間「そういえばマダラよ! お主、あの模型は持ってきたか!? 俺はもちろん持ち歩いておるぞ! 見ろ! この『仙法・木遁・真数千手』の雄姿を!」

 

 

柱間が背負っていたジュラルミンケースを開け、100cmの仙法・木遁・真数千手の模型を道端にドォン!と置く。

 

 

マダラ「フン。当然だ。俺も『完成体須佐能乎』の模型は常に携帯している。……だがな柱間、お前のその木彫りの置物よりも、俺の須佐能乎の方がLED発光ギミックもあって圧倒的に美しいぞ!」

 

 

マダラも負けじとケースから模型を取り出し、スイッチを入れて青く発光させる。

 

 

柱間「なんだと!? ギミックなら俺の木人も自動で歩くわ!! しかも俺のボイス付きぞ!! 『ガハハハ!』とな!!」

 

 

マダラ「喋るだけの盆栽が!! 俺の須佐能乎はドローン機能で空を飛べるんだぞ!!」

 

 

二人の伝説の忍が、まるで新しいオモチャを買ってもらった小学生のように、道端で模型を自慢し合って口論を始めた。

 

 

轟「……おい千手。道塞いでるぞ。」

 

 

波動「わあー! おもちゃ対決だー! どっちもすごーい!!」

 

 

マダラ「そもそもだ柱間! お前のその服の着方は何だ! 一番上のボタンまで留めて、息苦しくないのか!? 少しは俺のように着崩すという『美学』を学べ!!」

 

 

柱間「な、なんだと……!? 俺のこのカッチリとした着こなしが、ダサいと……!?」

 

 

マダラ「あぁそうだ! ダサい! その真面目ぶった着こなし、まるで説教臭い扉間のようだな!! この盆栽マニアが!!」

 

 

柱間「うっ………」ずうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅん…………

 

 

マダラの強烈な一言に、柱間の全身から色が抜け落ち、その場に四つん這いになって、暗いオーラ(どんよりとしたキノコが生えそうなオーラ)を放ち始めた。

 

 

バーニン「ちょっ!? 何!? 千手、急にどうしたの!? 急にめちゃくちゃネガティブになってるんだけど!!?」

 

 

轟「はあ……、やっぱり相変わらずだな。」

 

 

リューキュウ「えっ……? うちは君、少し言い過ぎじゃないかしら……?」

 

 

マダラ「……フン。放っておけ。こいつは昔から、少しキツく言うとすぐにこうなるのだ。……おい柱間! いつまでいじけている! さっさと立て!!」

 

 

柱間「……どうせ俺は盆栽マニアのダサい男ぞ……。マダラにも見捨てられる運命なのだ……。」

 

 

マダラ「誰も見捨てるとは言っていないだろうが!! めんどくせェ奴だな!! テメェ、さっさと立たねェとその仏像ごと焼き払うぞコラ!!」

 

 

柱間「ッ!! ほんとか!? マダラ、俺を見捨てないか!?」

 

 

スッ……

 

 

マダラの言葉に、柱間は一瞬で立ち直り、元の満面の笑みに戻った。

 

 

バーニン「……立ち直り早ッ!! 何このメンタル!! スライムか!!」

 

 

ミト「フフフ、お二人のこのやり取りを見るのも、数百年ぶりですね。」

 

 

カオスな状況。

エンデヴァーは頭を抱え、リューキュウは苦笑いを浮かべていた。

 

 

エンデヴァー「……おい、遊んでいる暇はないぞ。パトロールを続ける。」

 

 

マダラ「……チッ。誰が遊んでいる。俺は常に実戦を想定して……」

 

 

その時だった。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

・合同事件解決 その1・

 

 

「きゃあああああっ!! 泥棒!! 誰か捕まえてぇぇぇ!!」

 

 

近くの宝石店から、ガラスを突き破って複数の強盗ヴィラン(スピード強化系)が飛び出してきた。

 

 

強盗A「へへっ! 大量だぜ! このままズラかるぞ!!」

 

 

強盗B「ヒャッハー!! ヒーローが何人いようが、俺たちの足には追いつけねぇよ!!」

 

 

彼らは驚異的なスピードで、人混みを縫って逃走を図る。

 

 

エンデヴァー「チッ……! 俺の炎では周りに被害が及ぶ! 焦凍!!」

 

 

轟「……任せろ!!」

 

 

轟が氷結を放とうとしたが、強盗のスピードが速く、照準が定まらない。

だが、その時。

 

 

柱間「泥棒はいかんぞ!! 『センジュノヌシ』が成敗してくれる!!」

 

 

柱間が印を結ぶ。

 

 

柱間「木遁・皆布袋(ほてい)の術!!」

 

 

ドドドドドッ!!

 

 

強盗たちの進行方向の地面から、無数の巨大な木の手が出現し、彼らの退路を完全に塞いだ。

 

 

強盗A「なっ!? なんだこの木は!!?」

 

 

柱間「さらに!! 木遁・木分身の術!!」

 

 

柱間の木分身が複数体生み出され、強盗たちを瞬く間に取り囲む。

 

 

柱間(分身)「ほれほれ! 捕まえたぞ!!」

 

 

強盗B「くそっ! 離せ!!」

 

 

強盗がナイフを取り出して木分身に斬りかかるが。

 

 

柱間「危ないぞ! 『木遁・金剛拳』!!」

 

 

本体の柱間が、陽遁のチャクラで木遁を最大活性化させた拳を、強盗の足元の地面に叩きつけた。

 

 

ドゴォォォォォン!!!!!

 

 

凄まじい衝撃波が走り、地面がクレーターのように陥没する。

その余波だけで、強盗たちは平衡感覚を失い、白目を剥いて気絶した。

 

 

バーニン「マジか……! スピード系を、広範囲制圧と純粋なパワーで完全に封殺した……!」

 

 

エンデヴァー「……見事な判断だ。」

 

 

しかし、逃げ遅れたもう一人の強盗Cが、近くにいた女性を人質に取った。

 

 

強盗C「く、来るな!! こいつの命が惜しければ道をあけろ!!」

 

 

リューキュウ「しまった……!!」

 

 

プロヒーローたちが一瞬動きを止めた、その隙に。

 

 

マダラ「……遅い。」

 

 

マダラ――『ウチハノミコト』の姿が、フッと掻き消えた。

 

 

強盗C「え……?」

 

 

ドゴォッ!!!

 

 

次の瞬間、強盗Cの背後に回ったマダラが、一切の無駄がない、神がかった次元の洗練された体術――回し蹴りを強盗の首筋に叩き込んでいた。

 

 

強盗C「ぐ、はっ……!!」

 

 

強盗は人質を手放し、そのまま壁に激突して気絶した。

人質の女性が倒れそうになるのを、マダラが片手で無造作に支える。

 

 

マダラ「……怪我はないか。」

 

 

女性「あ、はい……! ありがとうございます、ウチハノミコト様……!!」

 

 

マダラ「……フン。これくらい、造作もない。」

 

 

瞬く間に、小・中規模の事件を無傷で解決した二人。

周囲からは割れんばかりの歓声が上がる。

 

 

「すげぇぇ!! センジュノヌシの圧倒的パワー!!」

 

 

「ウチハノミコトの神速の体術!! カッコよすぎる!!」

 

 

リューキュウ「……本当に、私たちプロの出る幕がないわね。」

 

 

エンデヴァー「……ああ。だが、頼もしい戦力であることには変わりない。」

 

 

二つの事務所の合同パトロールは、大盛況のうちに進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

・合同事件解決 その2・

 

 

午後遅く。

平和なパトロールは、突如として鳴り響いた緊急サイレンによって引き裂かれた。

 

 

通信『緊急事態発生!! 港区の大型ショッピングモールにて、数十人規模の大規模ヴィラン・グループが武装蜂起!! モール内には多数の一般人が取り残されています!! 重火器及び、強力な個性持ちが多数!! 近隣のヒーローは直ちに応援を!!』

 

 

エンデヴァー「大規模テロだと……!? 行くぞ!!」

 

 

リューキュウ「ええ!! みんな、気を引き締めて!!」

 

 

一行は直ちに現場へと急行した。

 

 

 

 

 

 

 

・大型ショッピングモール前・

 

 

 

モールは既に半壊状態であり、武装したヴィランたちが周囲の警官隊を圧倒していた。

ヴィランの数はざっと50人以上。何らかの組織的犯罪グループのようだ。

 

 

ヴィランリーダー「ヒャッハー!! このモールは俺たちが占拠した!! ヒーロー共、中に入れば人質ごと吹っ飛ばすぞ!!」

 

 

モールの入り口付近には、瓦礫の下敷きになって負傷している一般人が多数倒れていた。

 

 

緑谷(通信)『扉間君! 保須市で……ステインが……!!』

 

 

そんな緊迫した状況の中、ふいにマダラと柱間の脳裏に、扉間からの通信(後述)が過ったが、今は目の前の敵に集中するしかない。

 

 

柱間「マダラ! 俺が負傷者を助け出し、敵を拘束する! お主は制圧を頼む!」

 

 

マダラ「フン。指図するな柱間。……俺が全て蹂躙してやる。」

 

 

二人の忍が、同時に動いた。

 

 

柱間「木遁秘術・樹界降誕!!!」

 

 

ズゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!

 

 

コンクリートの地面を突き破り、巨大な森が瞬く間にモール前を覆い尽くす。

樹木は意思を持っているかのようにヴィランたちの足に絡みつき、武器をもぎ取り、次々と無力化していく。

 

 

ヴィラン「な、なんだこの木は!!? 撃て!! 撃てぇ!!」

 

 

ヴィランたちが重火器を発砲するが、樹木はそれを優しく受け止め、威力を殺してしまう。

さらに柱間は、瓦礫の下敷きになっている人々の元へ瞬時に駆け寄った。

 

 

柱間「案ずるな! 今助けるぞ!!」

 

 

柱間は木遁で瓦礫を持ち上げ、怪我人を安全な場所へと引きずり出す。

そして、その手に緑色のチャクラを纏わせた。

 

 

柱間「掌仙術!!」

 

 

神がかった無限大の才能を持つ、柱間の医療忍術。

傷口に手をかざすだけで、出血が止まり、骨が繋がり、細胞が驚異的なスピードで再生していく。

 

 

負傷者「あ、痛みが……消えた……!?」

 

 

バーニン「す、すげぇ……! 制圧しながら、同時に完璧な救助と治療までこなしてる……!! これが、センジュノヌシ……!!」

 

 

だが、ヴィランリーダーと数名の強力な個性持ちは、まだ抵抗を続けていた。

 

 

ヴィランリーダー「くそっ!! ならばこれでどうだ!!」

 

 

ヴィランリーダーが、巨大な炎の竜巻を発生させる個性を放とうとした。

 

 

エンデヴァー「させん!! 俺が……!!」

 

 

エンデヴァーが動こうとした瞬間。

 

 

柱間「待てエンデヴァー殿! ここは俺の十八番ぞ!!」

 

 

柱間が印を結ぶ。

 

 

柱間「忍法・お色気の術!! さらに、多重木分身からの……ハーレムの術ゥゥゥ!!!」

 

 

ボフンッ!! ボフンッ!! ボフンッ!!

 

 

戦場のど真ん中に、再びあの「超絶妖艶な美女(黒髪ストレート)」が大量発生した。

 

 

ヴィランリーダー「ブッフォォォォォ!!!??? な、なんだこのエロいネーチャンたちはァァァ!!!?」

 

 

ヴィランたちの動きが、鼻血と共に完全に停止した。

シリアスキラー、再び炸裂。

 

 

轟「(……千手、本当に容赦ねェな。)」

 

 

ミト「……柱間様、あれはナルトの術でしょうに。いつの間にあんなものを……。」

 

 

リューキュウ「え、ええっと……これは、どう反応すれば……?」

 

 

味方すら困惑させる柱間の行動。

だが、その「一瞬の隙」こそが、最強の死神を招き入れる合図であった。

 

 

マダラ「……くだらん茶番だ。さっさと終わらせるぞ。」

 

 

マダラが一歩前に出る。

その左眼が、永遠の万華鏡写輪眼へと変化する。

そして、彼はヴィランリーダーの放とうとしていた炎の竜巻の「起点」を視認した。

 

 

マダラ『国之常立(くにのとこたち)』

 

 

キィィィィン……!!

 

 

一瞬、世界の色が反転する。

時間を数秒間だけ物理的に戻す固有瞳術。

ヴィランリーダーが炎を放とうとした「その瞬間」へと時間が巻き戻り、マダラは既にその懐に潜り込んでいた。

 

 

ヴィランリーダー「え……? お前、いつの間に……!?」

 

 

マダラ「火遁・豪火滅却!!」

 

 

ゴオオオオオオオオオッ!!!!!

 

 

マダラの口から放たれた広範囲の火炎が、ヴィランの炎を完全に飲み込み、彼らを一瞬で黒焦げ(死なない程度のヤケド)にした。

 

 

マダラ「まだまだ。これでは遊びにもならん。」

 

 

マダラはさらにチャクラを練り上げる。

 

 

マダラ『完成体須佐能乎。』

 

 

ズオオオオオオオオオオオッ!!!!!

 

 

深い青色のチャクラが天を衝き、身長100mの鎧武者が港区に出現した。

その圧倒的な質量と威圧感に、残っていたヴィランたちは完全に戦意を喪失し、武器を捨てて土下座した。

 

 

ヴィラン「ひぃぃぃぃ!! 降参!! 降参しますぅぅぅ!!」

 

 

マダラ「……フン。脆い奴らだ。」

 

 

完成体須佐能乎が、逃げようとするヴィランの退路を巨大な刀の峰で塞ぎ、完全に制圧する。

一般人への被害はゼロ。

柱間の「優しくも絶対的な拘束と治療」、そしてマダラの「圧倒的かつ一方的な蹂躙」。

この二人が揃えば、いかなる軍隊であろうと数分で瓦解する。

 

 

波動「わあぁぁ!! すごーい!! マダラ君も柱間君も、強すぎー!! 不思議!!」

 

 

バーニン「ギャハハハ!! もう私らの仕事ねェじゃん!!」

 

 

エンデヴァー「(……これが、奴らの本気か。……到底、追いつける次元ではない。だが……背中を見失うわけにはいかん。)」

 

 

リューキュウ「お疲れ様、マダラ君。……本当に、頼りになるわね。」

 

 

マダラは須佐能乎を解除し、フンと鼻を鳴らした。

 

 

マダラ「当然だ。……俺たちを誰だと思っている。」

 

 

夕暮れの港区に、伝説の二人の名が、深く刻み込まれた瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その日の夕刻。

ホークス事務所で情報収集を行っていた扉間のスマートフォンに、一つの緊急通知が入った。

 

 

扉間「……ホークス。常闇。……見つけたぞ。」

 

 

ホークス「マジ? どこで?扉間君。」

 

 

扉間「静岡県……保須市だ。奴の殺気の痕跡が、監視カメラの死角で途切れている。」

 

 

扉間の赤い瞳が、冷たく細められる。

 

 

扉間「ヒーロー殺し、ステイン。……近い内に奴は必ず動く。」

 

 

同時刻。

保須市のマニュアル事務所で職場体験を行っていた飯田天哉は、先輩ヒーローたちの後ろを歩きながら、その拳を強く握りしめていた。

彼の瞳は、かつての真面目な委員長のものではない。

兄を傷つけた者への、ドス黒い憎悪と復讐心。

 

 

飯田「(……ステイン。この街にいることは分かっている。……絶対に見つけてやる。僕の手で、必ず……!)」

 

 

夕闇が保須の街を包み込む。

最強の忍たちの圧倒的な光の裏で、最凶の殺意が、近い内に牙を剥こうとしていた。

 

 




ということで、第三十八話でした!如何でしたでしょうか?エンデヴァー事務所とリューキュウ事務所による合同パトロールが中心でしたが、柱間とマダラのキャラ性がやけに濃過ぎる回でしたね!エンデヴァーが胃薬を常備する理由もなんとなくわかった気がします笑。
さて、次話についてですが、次話からはいよいよ保須市でのステイン戦へと突入すると思いますので、楽しみにしてお待ちください。
また、お気に入り登録や質問、評価も是非お待ちしておりますが、特に感想を、無理にとは言いませんが、時間があれば必ず頂けると、作者の小説制作のやる気向上などへと変わりますので、よろしければ是非よろしくお願いします!ですが、理不尽な誹謗中傷などの行為は流石にやる気やモチベーションが下がりますのでそれらは御法度です。何卒ご理解よろしくお願いします!では、第三十九話にて!
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