TS転生した上に美少女の幼馴染までついてきたぜ! 勝ったな(勝っていない)   作:鐘楼

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厨二だぜ! 新装備

 「よ、要望というのはつまり……?」

 「キミの嗜好を聞く機会がなかったから、キミの言う『かわいい』に完璧に合致している確証はないと思ってね。気に入って貰えたようだが、意見を取り入れればもっとキミの理想に近づけるだろう」

 「エッ……!」

 

 それって、もっと俺好みの女の子になりたいってコト!? そ、そんな……いけませんよそんなの……げへへ……でも結構完璧に近いからあんまり言うことないな。なんというか、レフバーちゃんのキャラデザとしては完成されているというか。ここから俺の癖をねじ込んでも余計になる気がする。

 

 「いやぁ……容姿に文句はないかなぁ。センス良すぎだって」

 「そういうものかい?」

 

 ──ちょっと、バカハナビ! いつまでデレデレしてんのよ。必要なものならあるでしょもっと!

 

 「えー、なんだろ。お楽しみタイムかなぁ」

 

 ──死ね。いいハナビ? 次ソレに発情したらもう口利かないから。

 

 「ごめんなさいでした……」

 

 リュッケの今までに聞いたことない冷たい言葉が頭に響き、流石に引き下がらざるをえない。今のはマジのガチトーンだった。キレるときも可愛かったリュッケはどこ……?

 

 ──祝詞よ祝詞。ソイツは誰より起源書を持ってるはずよ。ハナビを戦力にするつもりなら、強力な祝詞が使える起源書を貸しなさい。

 

 「なるほど。尤もな指摘だ」

 

 俺を介さずにリュッケと話し始めたレフバーちゃんは、無からいくつかの起源書を出現させた。俺は疎外感を感じた。

 

 ──それと、仕掛けるのは今すぐじゃないとダメ? できるなら一日寄越しなさい。起源書は夢の中でハナビに覚えさせる。

 

 ……なるほど、確かに夢の中でリュッケたちと話すあの空間には、今まで読んだ起源書がそのまま置いてある。そこで一夜漬け方式で起源書を読むことで、使える祝詞のレパートリーを増やすってわけか。

 

 「望界書苑の特性を利用するのか、なるほど……だが」

 

 ──アタシの……界喰みの起源書は渡せないんでしょ? 分かってるわよ。アタシはハナビが生き残る可能性を少しでも上げたいだけ。

 

 「えっ……好き……」

 

 ──……ハナビは黙ってて。で、どうなの? 一日くれるの?

 

 「良いだろう。一日くらいならば界喰みが大きく動くこともない。ハナビが強くなるメリットの方が大きいと判断した」

 

 交渉成立、のようだ。創獣族制圧は明日にズレることになった。

 

 「……あぁ、そうだ」

 

 と、そこでレフバーちゃんが思い出したかのように呟き、俺の()()を手に取った。

 ……左腕!?

 

 「ちょちょちょちょいちょい!」

 「あぁ、心配する必要はない。冥王の腕といえど、漏れ出ている程度の力で私が誘われることはない」

 

 ……って、そうだった。ザラさんにこの腕で人間に触ったら死ぬぞって言われてたから過敏になっていたが、冥葬族の即死祝詞を無効化したのもレフバーちゃんだった。対策も心得ていそうだし、そりゃ触っただけで死ぬような相手じゃない。

 

 「これ、むき出しでは不便だろう?」

 「え、まぁそうっすね」

 

 俺が首肯すると、レフバーちゃんはまたも何もないところから何かを取り出した。

 

 「それは……布?」

 「封遮布(ふうしゃふ)。これを巻いておくと良い。これで冥王の力は遮断できるし、キミが必要だと思えば手を動かさなくとも剥がれる代物だ」

 「おぉ~かっけぇ……」

 

 言われたとおり、封遮布を左腕に巻き付ける。これで人に触っても大丈夫らしいが……この様相はまさに。

 

 「腕士郎じゃん……!」

 

 後で"────ついて来れるか"ごっこやろ。ザラさん一緒にやってくれるかな。

 

 

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