TS転生した上に美少女の幼馴染までついてきたぜ! 勝ったな(勝っていない)   作:鐘楼

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⚠️過去一倫理大崩壊注意⚠️
どうしてもあの世界がどうなったか知りたい人向け


こぼれ話  箱庭世界の後始末

 「……ニコも帰ってきたわ。弟を最後まで見届けて……アンタに感謝してる」

 「リュッケ」

 

 時間加速を終え、あっちの俺とキヌが添い遂げるのを見届けた後、リュッケが出てきてそんなことを報告してくれた。それは良かった……というか、勝手に実体化できるのか……。

 

 「あと、恩返しにこの身と心を捧げるとか言ってるんだけど」

 「へへ、愛い奴め」

 「ちょっと! やめさせなさいよ! 他の子にも影響が出ちゃうでしょうが!」

 「やだ! このままみんな俺のことを好きになってほしい!」

 

 界喰みはみんな繋がっているから、一人にした良いことが全員の好感度で返ってくる。お得だなぁ、なんて思っていると、不意にリュッケがじゃれ合うのをやめて問いかけてくる。

 

 「……ハナビ。これで本当に良かったの?」

 「ん?」

 

 浮かない顔で聞いてくるリュッケが何の話をしているのかと言えば、キヌの話だろう。キヌを騙すみたいな形になってしまう選択をした俺を案じているのだ。仮にも自分を焼いた相手なのだが、そこのところ、界喰みは仮初めの肉体を倒されたことは大して気にしないということだろうか。

 

 「ヒョウヤとの話聞いてただろ? キヌを幸せにできたんならそれがすべてじゃん?」

 「……そ。でも今ここにいるアンタは、二度とあの子と話せなくなったのよ?」

 「それはほら、俺にはリュッケたちがいるやん……」

 「……」

 

 茶化すついでに口説くと、リュッケは嬉しさを必死に抑え、ツッコまなきゃいけないと自分に言い聞かせ葛藤しているような、絶妙で面白い表情を浮かべた。

 

 「ところで、この世界を閉じたいのだが」

 

 そんなやり取りの中、レフバーちゃんが何でもないことのようにそう言った。

 

 「ん……? いや、え、なんて?」

 「ハナビとあの界喰みの人生は終わった。ならばこの世界は既に用済みだ、界喰みに対抗する手段を開発するにしても、既に捕捉されたこの場所でできることはないも同然。残しておく必要がないかな」

 「閉じるって、サーバー落とすみたいな意味で言ってる……?」

 

 聞き間違いとか認識の齟齬とかでもなく、レフバーちゃんはこの世界を終わらせる気らしい。これには意気消沈していたヒョウヤも目を見開き、リュッケも不愉快そうな目線をレフバーちゃんに向けていた。

 

 「ちなみに、閉じるってどんな感じ……?」

 「この世界は空間そのものを私が維持していてね。それを止めるのだから、すぐに容積が縮小して、やがては全てが押し潰されるように消えていくだろう」

 「うわグロ」

 

それは……さすがにあんまりだ。もう今の世界に知り合いはいないとはいえ、終わりがあまりに理不尽すぎる。

 

 「えーと……なんで? 別に用途がないにしても、残しておけばいいんじゃ……」

 「この世界の維持には、それなりのリソースを使っている。完成された料理を実に宿す植物、人間に資源を与えることに最大限最適化された動物、常に安定した気候。浄水の必要がない飲料水が、水源もなく流れる川。私が手を加えずに、ここまで人に都合の良い環境が維持できると思うかい?」

 「……たしかに……」

 

 正論だ……。なんか当たり前になってきてたけど、あのご都合環境はやっぱりレフバーちゃんが割と苦労して維持しているものらしい。で、今となっては利用価値もないのにそれを維持する意味がないと。

 

 「そもそも、キミの要望で人間から他種族を憎む本能を消しただろう? 生存率は上がるだろうが、それは唯一と言っていい死因が減少したということだ。いずれ増えすぎた人口がこの世界の潤沢な資源を食らいつくし、限られた土地を巡って争うことになる」

 「自分で創り出しておいて……」

 

 俺以外から、レフバーちゃんに嫌悪の視線が向けられる。ヒョウヤは黙ったままだったが、リュッケは普通に文句を口にする。折り合いをつけてもらったとしても、やっぱり相容れないのは変わらないっぽい。

 

 「ふむ……キミたちはやはり不可解だな。つい先ほどまで、この世界の住人ごと滅ぼそうとしていた立場で、なぜ彼らを案じているようなことを言うのか……」

 「っ! それは……っ!」

 

 ギスギスギスギス。やめてくれよレフバーちゃん。リュッケたちはその時々の感情で生きてて、そこがかわいいんだぞ。とまぁ、仲が悪いのは分かったから、そろそろ止めなきゃならない。

 

 「……レフトオーバー。どうあがいてもこの世界の放棄は確定事項なんだよな?」

 「その通りだね」

 「なら、ここは俺に免じて緩やかに滅ぼしてくれないか?」

 「緩やかに?」

 「ハナビ、どういうこと?」

 「……ちょっと考えを整理するから時間をくれ」

 

 そう言って、なにか手はないか考える。ようは、終末の方法が理不尽じゃなければいいのだ。こう、穏便な感じで……あ、そういやこの世界ってあれに似てるよな。ほら、ネズミに都市生活のシミュレーションさせたら勝手に滅んだって話……あれに則ると、何もしなくても勝手に滅ぶのでは……?

 

 結構簡単に時間加速できそうだったし、極限までスキップすればそれで緩やかに滅亡を迎えることが出来るのではないだろうか。いやでもな……百年以上かかりそうだし、なんでもありならもっと良い方法がある気がするんだよな。

 

 「おい、どうする気だ?」

 

 思い詰めてる場合じゃないと判断したのか、今まで黙っていたヒョウヤが声をかけてきた。続いて、リュッケもこちらにやってくる。

 

 「緩やかに滅ぼすって、そんな方法あるの?」

 「いや、もうちょっとで良い案が浮かんできそうなんだって」

 

 整理しよう。例のネズミの実験でも、階級社会ができて、色々あって少子化で滅んだ。滅びは滅びだが、平和ではある。結局の所、段々個体数が最も自然に減っていくパターンが平穏だ。だから、それを意図的に……はっ!

 

 「思いついた……!」

 「ふむ、聞こうじゃないか」

 

 俺の思いつきにはレフバーちゃんも興味があるらしく、三人全員が俺の言葉を待っている。俺は自信たっぷりに、最高のアイデアを披露する。

 

 「ずばり、新しい種族を創る!」

 「……それって、人間の天敵を創るみたいな話?」

 「いや、むしろ味方味方」

 

 挟まれたリュッケの疑問を否定する。たしかに、人々に共通の敵が現れれば、自然と結束が生まれるみたいな話はあるが、結局戦いがそこにある。俺のプランでは、血など一切流れない。

 

 「いいか、その新しい種族ってのはだな……」

 

 人を穏便に滅ぼすための、新しい種族。そいつらは全員もれなく本能で人間を愛していて、全員ハイスペックかつ美男美女で老いないが、ただ一つ。子供を残すことができない。

 

 するとどうだ、都合の良いスパダリの登場に人間たちは完落ち。こぞって伴侶に人間ではなく新種族を選ぶ。当然次の世代は生まれない。

 

 もちろん、いきなり現れた新種族に靡かず、変わらない愛を貫くカップルもいるだろう。だが、その彼らの子供はどうか。生まれたときから魅力的な新種族に言い寄られる環境で育つのだ。絶対堕ちる。

 

 結果、だいたい二世代くらいで人間は平和的に滅ぶ。完璧だ。

 

 残っちゃった新種族は人間がいなくなったら勝手に絶望して後を追うようにプログラムすれば解決! ドヤァ……。

 

 「…………」

 「…………」

 「面白い発想だね」

 

 語り終えると、こんなに完璧な発想なのにリュッケとヒョウヤにはドン引きされていた。だがレフバーちゃんは乗り気だったので、実行に移されることになった。

 

 結果、二世代とはいかなかったがだいたい三世代くらいですべての種族は滅んだ。レフバーちゃんは終始面白そうにしていたが、リュッケとヒョウヤの好感度は下がった。

 




早くこれになrゲフンゲフン


というわけで、読後感に配慮して後回しにした話でした
これで本作は終了となります。
あ、でもお気に入りは外さないでネ!一応ネ!

また、先日わざわざなろうにまで行ってくれた20人くらいの方、マジでありがとうございました。
こんな話書いておいてアレですが、まだしてない方は最後にここの評価もしてくれて良いんですよ(チラチラ


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