人食いアンドロイドは夢も食む 作:knk
これは飽くまで思考実験だ。
まず、家の軒先に誰か倒れているとしよう。背丈が小さい15歳前後の少女だ。暗色系の地味な外套と桜色のフリルが入った貴族が好むようなスカートというアンバランスな組み合わせの恰好で、外套のフードから覗かせている相貌はその上下の着合わせからは想像が付く容姿の10倍以上は可愛いものとする。貴族が晩餐で使う高級銀食器のような発色の良い銀髪が頭から地面に向かって木の根みたいに長く伸びており、ミルクのような色白の顔立ちは日を知らない令嬢の肌を思わせた。瞼は安らかに下りており、呼吸は無く、しかし時折寝返りを打つようにして顔を動かしている。
ここまではまだ行き倒れのただの美少女だ。
重要なのはここからである。
少女の口元には血肉が付着したのを拭ったような痕跡が薄っすらと見て取れて、しなやかな女性らしい優し気な形をした右手の甲には同じく朱色が付着している。近くで嗅げば内臓が蠢くような重い血の匂い。察するに、何か生肉を食べて、汚れた口元を右手で拭ったのだろう。更に少女は怪我をしている。細く華奢な右足は相当強く転んだのか皮膚が捲れ上がり、中から少女の頭髪の色と同じ鈍く輝く鉄色の骨格が現れていて、ただの人間ではないことが分かる。いわゆる人の形をした機械、
銀髪少女。
そして
口には血肉の跡を携えて。
身に纏っているのは目立たない服装。
それらの情報を組み合わせると、どうしても昨今この街を賑わせるニュースに結びついてしまう。
『少女連続食人事件』。
名前からして物騒なこの事件は、しかし、誰一人として死人が出ていない事もあってこの町の現在最もホットなトピックになっている。
被害者の共通点は性別や年齢ではなく、誰もいない通りを1人で歩いていた人達だった。状況さえ合致すれば誰でも構わない、無差別な犯行ということだ。被害者の証言によれば、知らない間に後ろから歩み寄られ、気付いた時には肩や腕の肉をガブリと食い千切られたとか。被害者はその後全員無事治療院に搬送され、元の生活に戻っている。
犯行時パーカーのフードを被っていたために顔は判明していないが、四肢の細さや肩幅から犯人は女性とされており、犯行直後の現場には長い銀色の髪が落ちていたとされている。だが情報と言えば本当にそれだけで、ここベイル地方に住む人間の多くは銀髪や金髪のため髪色も大した手掛かりにはなり得なかった。なので「これはきっと新種の魔物の仕業だ」「食人鬼に違いない」とかあれこれと根拠のない噂が広がり、それを面白がった新聞記者が更に脚色を散りばめてゴシップを再拡散し、今や正確な情報を知る人間の方が少なくなって都市伝説の様相を成していたりするのがこの『少女連続食人事件』のが異様である。
以上の事前知識を踏まえて再度行き倒れた少女を観察することとする。
問題は口と右手に付いた血痕だ。明らかに赤色で、それは人間誰しもに流れる命の色をしている。ジャムとかソースでは出せぬ色合いだ。
でもそれを人肉を咀嚼した証拠と解釈するのは早計な気も確かにする。
そもそも人肉の色を僕は正確に知らない。加えて人間ではなく動物の肉の可能性も大いにある。何故血の跡を付けて生き倒れになっているのかと言われれば解釈が難しいけど、それでも僕の中ではまだ彼女はただの生き倒れの可能性がある。
だからこそこれは思考実験だ。
目が覚めるまで、僕の中でこの少女は人食い
悩ましい。
悩ましいが、僕には判断を後押しする決め手となる、ある事情があった。
実のところ僕は定食屋を経営している。定食屋の名前を『月草の藁』と言った。名前自体は僕が決めたのだが、特に店名に意味は無い。意味は無いが、一応適当に付けた理由は二つある。
第一に名前に意味を持たせずとも飯が美味ければ人は来る。喉と舌と胃袋が齎す飽くなき食欲に、人類は抗う術が無いのだ。
第二にそこそこ洒落た名前にしたかった。僕にはネーミングセンスが無いから意味を考える余裕なんて当然存在しない。名前を思いついたのも馬の厩舎に引いてあるような藁の上で白昼の月を見上げている時だった。なんてことのない怠惰な昼の一場面だったが、月と藁という単語を適当に羅列するだけでも何故か男女が二人で食事を交わすような特別な雰囲気を内包している錯覚があることに僕は気付いたのだ。だからこそ『月草の藁』だ。どこから草が出てきたとか考えていはいけない。高尚な意味や歴史を当て嵌めて一皿の価値をより高める経営方法は貴族御用達の格式ある料理店に任せることとする。
まあそう言う訳で、自慢ながら僕の店は開店一年にして既に町一番の繁盛店として名を馳せている。
厨房を一人で回し、客へのサーブも僕一人で熟す。最初はそれでよかったが、徐々に頭数の限界を感じてきたのだ。
つまりウェイトレスが欲しい。可愛い女の子なら100点満点。賄いだってタダであげちゃう。
目の前で倒れている少女型
見た目は目鼻立ちがはっきりしているが柔らかさも併せ持った僕好みの美少女で、人間じゃないから酔った客との暴行沙汰になっても多分丈夫で頼りがいがある。個人的に雇いたい。雇った上で当店専用マスコットになってもらいたい。
だから、僕は血肉を見ないふりをして持ち合わせた手拭で黙ってふき取った。これは思考実験だ。もしかしたら犯罪者の可能性もあるが、それ以上に僕はただの行き倒れ
でもそうであっても僕は死なないだろうという推測もあった。被害者は全員五体満足、治癒魔法によって回復している。美少女の労働力と四肢を噛まれるリスクならば僕は前者を取ると言うだけの話だった。
僕は苦労しながらも少女の重い身体を引きずって店の倉庫に寝かせると、少女が目覚めるのを待つことにしたのだった。
寝かせた当初はもしかしたらいるかもしれない本来の持ち主が乗り込んでくることも覚悟していたが、幸い数日間はそういった人が来ることはなかった。来たのは定食屋の客だけで、僕の料理目当てだった。それから貴族の仕いも来た。どういう経路を辿って知ったかは分からないけども、何故かこの平民向けに開いている定食屋の料理の味を知っているらしく、定期的にお抱えのシェフにならないかと勧誘されるのだ。でも僕としてはただ今みたいにこうして和やかに暮らしたいだけだから全て断っている。
料理に精を出す傍らで、時折少女の様子も観察したがあれからずっと少女は眠ったままだ。たまに僅かな身動ぎはするものの目覚める兆候は欠片もない。栄養が足りていないのかと思って豆スープを飲ませてみたが、全く効果は無かった。
そもそも
でもそういえばこの少女は人間の肉を食べていた疑いのある
そう思って疑念を捨て去る意味でも僕はこの少女の形の良い唇に触れて口内を開くと、食べるには適しない自分の筋肉質な左腕を少女の口に触れさせる。歯に当てさせてみたが駄目だった。顎に一切力が入る様子もなく、僕は自らを餌とするのを断念する。左腕を離すと粘りっこい唾液が歯に触れていた箇所から糸を引くように橋がかって、思わず
それから大体10日ほど経っても状況が変わらなかったので、僕はようやく重い腰を上げることにした。事情が事情だから誰にも相談しなかったがどうも僕の手に余る。頼るは昔取った杵柄の仲だ。諦めて知り合いの冒険者に連絡を取ることにした。
手紙で連絡を取ると、翌日には返信が来て今日の夕方に行くと返ってきた。話が早くて助かった。
翌日の営業は昼のみで終えると、僕は閉店作業を始めた。
「あれ、もう今日は終わるの店主さん」
「ええ、少し予定がありまして」
「そうかそうか。まあいつも美味いもん食わしてくれてるからな、今日は不味い嫁の飯で我慢するわ」
看板を下げている途中にも客がやってきて、話しかけてきては和やかに帰っていった。そうだ、僕はこういう生活がしたかった。町の一員としてその空気感に溶け込んで、集団に埋没するように安寧を享受する。前やっていた冒険者家業なんかよりよっぽど心和やかで入れて、楽しくはないが安定した日々だ。定食屋を開業するのは本当に大変だったが苦労が報われた気分だ。
夕方になって1日の終わりが近づくと約束していた通り魔法使いがやってきた。店の木製の外扉がトントンと叩かれる。
戸を開ければ、僕より10㎝ほど小さな女が立っていた。
僕の冒険者時代の知人であるニィウ・ロールテッドである。
相変わらず冒険者というには小奇麗な格好をしていて、例えるなら荒野に咲く大輪の華だ。大空を落とし込んだ水色のセミロングの髪が綺麗に流れ、鎖骨当たりでくるんと毛先が丸まっている。
幼さすら感じる円らな瞳は森林の翠色を内包していて、釣り目がちだから意志が強そうな印象を受ける。実際に結構物言いが強いのでその印象は強ち間違いでもない。
仕事帰りだったのだろう、昔このダサいのは魔術の効率性の為に着てるだけだからねとか説いてきた灰色のローブを変わらず身に纏っては手に何製かも分からない太い魔法補助の長杖を持っている。
「久しぶりね。元気してた?」
「まあね。そっちこそ首尾はどうだ? 最近A級パーティーに入ったとか聞いたけど」
「もう冒険者辞めたっていうのに良く知ってるわね。あんた情報屋にでもなったの?」
「情報屋ってまさか。僕がここで定食屋構えてるの知ってたでしょ。辞める時は話したし」
「話してないでしょうが。手紙送り付けただけの分際でよくもそう大上段から言えるのね」
特に感情の籠っていない目をしつつも、ニィウは不機嫌そうに鼻を鳴らした。
「辞める時は店の開業のどたどたで忙しかったからしょうがないだろ。それに僕とニィウ、直近じゃ同じパーティーでも何でもなかったし、ニィウも開店してから一度もこの店来てくれてないじゃないか」
僕とニィウの関係性は五年前に遡る。ニィウも僕も地元からこの町にやって来た当時まだ14歳の若輩者で、同タイミングで冒険者初心者講習を受けたのが関係の始まりだ。一回り上の世代ばかりの中で僕たちだけが唯一年齢が一緒ということもあってそこでパーティーを組んで、以降はD級冒険者になるまでパーティーを続けた。その後は良くあることなのだが、或る程度習熟した魔法使いという人材は同業者からの評価が高い。ニィウは別の優秀なパーティーから勧誘を受けて、僕とはパーティーを解散。それからは不定期的に会っては生存報告を兼ねて近況報告していたけど、僕が冒険者を廃業して月草の藁を開いて以降は一度も会うことなく今日に至る。
「そ、それは………仕方ないじゃない。私だってA級になってから大変だったのよ。毎月毎月ドラゴン退治したり危険地帯に踏み入って貴重な薬草を採取したり、結局冒険者なんて汚れ仕事ばっか。やってらんないわ。さっさと魔法工房を開業する資金貯めて辞めてやるわ」
「あれ、そうなんだ」
「言ってなかったかしら。私もいずれは冒険者辞めて独立しようと思ってるから」
「ふーん」
聞いたことがなかったなあ。ニィウは冒険者稼業にいつも真剣だったし、冒険者として骨を埋める覚悟をしていると思っていたけど僕と同じような事を考えてたのか。
とか考えていると、ニィウはジトリと釘を刺すような顔をした。
「ふーんって何よ」
「何って………聞いたことなかったなぁって思っただけ」
「アンタって興味が無い時は露骨よね。そういうとこ、変えた方が良いと思う」
「興味がないだなんてことはないよ」
「どうだか。少なくとも私は一度もアンタの口から定食屋を開くだなんて夢を聞いたことなかったわ」
「そうだったかな」
「そうよ」
同じパーティーだった頃に話していたような気もするけど、思い違いしているんだろうか。もう覚えていないな。パーティを解散したのだってもう三年前の話だ。僕もニィウもあれから色々と経験をしてきた。忘れていても仕方がない。
「月草の藁、ねぇ。定食屋にしては素敵な名前だけど、考えたのはアンタ?」
ニィウは店内に飾られた店名の書かれた看板を読み上げながらそんなことを言う。
「ああ、まあね。夜空を見上げてたら脳に舞い降りてきたんだ」
「どうせ安直に思いついただけでしょ。名前でも考えようと思った時に草と月と藁が視界に入ってたんじゃない?」
「そうとも言うね。良く分かってるじゃん僕のこと」
「別にそんなんじゃない……一緒にパーティやってたんだから分かるわよ。比べて店内は大分名前負けしてるわね、本当にどこにでもあるような平凡な定食屋。月草の藁要素、一切無いじゃない」
「予算無かったからね。僕だってB級冒険者だったけど、ソロっていうのが良くなかった。結局あんまり効率的に稼げなかったしギリギリ開業資金を貯めるのが限界だった。パーティーの重要性を思い知ったよ」
「結構誘われてたんじゃないの? アンタだってそれなりにやれていたわけだし」
「金が貯まったら冒険者自体辞める気満々だったからパーティーに入るのは何となく申し訳なかったんだよ」
「私とは組んだ癖に?」
「あの時はまだ安定して貯金が出来るかも分からなかったし……あとノリとか勢いもあったかな。初仕事で僕と似た境遇の可愛い女の子が偶然いたから、つい声掛けちゃった。懐かしいね」
「可愛いとか思ってたんだ」
いや実際に可愛いだろ。今だって年齢よりも二歳は若く見えることだし、冒険者の大抵は男連中だ。職種柄的にも容姿的にも今だってニィウは引っ張りだこに違いない。
ニィウはふっと息を漏らすと、店内に視線を巡らせた。
「昔話は終わりよ終わり。それよりアンタが店の前で拾った
「それもそうだ。倉庫に置いてある」
僕はニィウを厨房の横にある倉庫に案内する。
倉庫には食材が詰まった棚が所狭しと並んでいて、そんな倉庫の端っこに凭れ掛かる形で銀髪
「……随分と精巧ね。アンタこれ、本当に
「これを見て」
僕は傷口を結んでいた布を解いた。痛々しい太腿の中から銀色が光った。
ニィウは屈むと、少女の傷口を人差し指で突く。
「確かに。義足でもなく、完璧に身体の一部だわ。材質的にマンタイト鉱石かしら」
「なにそれ?」
「魔力伝導性が高い鉱石よ。よく魔法具にも使われてるけど見たことない?」
「僕は剣士だったからなぁ」
「魔剣とか興味なかったの? あれとかマンタイトを使ってるけど」
「魔剣……魔封剣か。あれ高いじゃん。浪漫はあるけど一振りでこの店と等価な時点でね、あんまり興味ないかな」
魔封剣とはそのまま、魔法を封じた剣のことだ。剣によって封じられている魔法は違っていて、振る度に炎が刀身を覆ったり電気が迸ったり冷気が放出されたりと、そういう剣だ。一本で家が一つか二つは余裕で建つ。高級品なので持てるのは限られた冒険者だけだ。当然当時の僕はその枠に入っていなかった。
「マンタイトってことは動力源は魔力かしら」
「
「私も専門じゃないから良く知らないわよ。これどうやって動いてたの?」
「僕が見つけた時にはこんな感じだったから良く知らない」
「そう。取りあえず魔力注いでみれば?」
「じゃあそうするよ。……で、どうやって魔力を注げばいいの?」
「アンタまだそんな基礎的な事すらできないの」
「だから剣士だって。それに定食屋じゃ使わない技術だからなあ」
「……本当にもう冒険者じゃないのね」
ニィウは溜息を吐くと、床と擦れたローブをぱんぱんと払って立ち上がる。
「魔法なら任せて。私が補助してあげるわ」
「手間じゃなければニィウやってよ」
「嫌よ。これで魔力流して、魔力登録しました貴方が私のマスターです、とか言われても私は面倒見れないから」
「随分と詳しいんだね。もしかして
「伊達に冒険者やってないっての。ともかくそういうことだからほら」
そう言ってニィウは右手を差し出した。冒険者をやっているというのに良く手入れしているのか、肌白いな。握るとニィウの手がぴくりと一度震えた。軽くにぎにぎしてみる。あ、すべすべだ。
「ちょ、ちょっと? もっと普通に触ってくれない? その、困る……」
「え、ごめん。普通に触るよ」
「その言い方キモイから止めて」
どういう意味だろう。普通に触れと言われたから言葉を繰り返しただけなんだけども。
何故か諦めた顔をしたニィウが肩を落として、持っていた杖を壁にかけた。
「片方の手を
「なるほど、じゃあ僕は右手で君と手を繋いで、左手でこの子に触ればいいんだね。他にやることは?」
「無いわ。アンタの役割は言わば火のついた導火線そのもの。ぼーっとしてればそれでいいわよ」
「爆発するの?」
「アンタは額面通りに解釈するの止めろ。
僕は少女の頭に手を乗せた。サラリとした優しい髪の毛に、指が微かに埋もれる。少しだけ撫でてみる。どう触ってみても少女のそれだ。これが人間じゃないなんて信じられないな。
「起きるかな?」
「さあね。私も確証があってやってる訳じゃないし」
「でも助かるよ。僕だけじゃ思いつかなかった法だ。ありがとうニィウ」
「……まだ起動するか分からないんだから感謝するなアホ。じゃあ魔力流すわよトンチンカン」
思わず僕は首を傾げた
なぜ二回も罵倒されたんだ僕。
不思議に思っていると、右手から不思議な感覚が伝わってきた。温度はないのに何処か温もりはあって、酩酊した時のようなふわふわとした波長が流れ込む。これが魔力か。胴体をそのまま直線で経由すると、僕の左手で魔力が飛び出すのを感じる。白い魔力光を伴って、少女の頭へと吸い込まれていく。魔力光が水飛沫みたいに散らばって少女の相貌を照らすその光景は幻想的だった。
ふと僕は思いついて口を開く。
「これ、どのくらいやれば目覚めると思う?」
全然余裕があるみたいで、ニィウは気軽な感じで答える。
「分からないわよ。取り敢えず私の残存魔力が六割を切るまでは流してみる」
「了解」
「全く……冒険者の魔法使いで自分の魔力を仕事以外で使う奴いないんだからホント感謝してよね」
「感謝ならしてるよ。なんなら僕の店で食い逃げしてもいいよ」
「しないわよ! 御馳走するとからならまだしも、なんでそう犯罪的な言い方をするのよ!」
「ごめんごめん、つい可愛い反応をするもんだから」
「ああもう、それで揶揄ってるつもり!? 本当に爆発させるわよ!」
ジロリと緑色の目を引き絞って睨み付けられる。悪かったって。
改めて僕は少女に目を向ける。
白い残光の中で目を瞑ったまま、変わらず静止したままだ。
……まあ、そんな簡単なことじゃないよな。
ニィウには悪いが駄目で元々だ。僕には信頼して頼れる相手はニィウ以外いないし、
つまるところ誰に相談したとしても変わらない。だから僕は最も信頼がおけるニィウに相談した。ニィウが無理ならすっぱり諦めて衛兵に引き渡そうかと思う。僕としてもいつ延焼するか分からない火種を燻ぶらせておく趣味はない。