ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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01異世界人になりました

今日も今日でスライムと一緒に散歩をする。

 

だって、暇だからね。

 

スライムのタロンは近くで木に張り付いてなにかを見ている。

 

なにを見ているのかと聞くと、木が病気になってないかとか、なにか異常は隠れてないかとか、そういうのを確認しているらしい。

 

数年前に聞いたかもしれないが、理由をすっかり忘れていた。

 

結構自然について気にしているらしい。

 

「なんでそんなに気にするの?」

 

「反復してるからな。毎日やらないと落ち着かない」

 

彼はポイズンスライムという種類の生物で、この知性は元からついていた賢いスライム。

 

私が出会った時は慰めてくれていた。

 

そこから共に苦楽を共にしていて、共に暮らしている。

 

タロンはリズベッタを眺め、深い紫の体を揺らす。

 

「私の散歩にも付き合ってくれるし、タロンは本当に良いスライムだよ。こんな親切なスライム他に見た事ないもん」

 

「スライムなのと関係なくないか?」

 

「いやいや、いやいや、良いスライムはタロンくらいしかいないって」

 

彼は何度も言われて慣れてしまった。

 

慣れたからと、受け入れられるわけじゃない。

 

リズベッタはほんのりと道を歩きながら、遠い星のことを思い出す。

 

まあ、遠いかは知らないけど。

 

かつて、人間として生まれて過ごした星、地球。

 

地球、青い星。

 

惑星。

 

水の惑星。

 

銀河はある。

 

そんな薄い知識しかない。

 

それもあって、私は自分が異世界に転生したことを誰かに言われるまでもなく、実感して、噛みしめるように理解していた。

 

だからと言って、地球に帰りたいかと言われても首を傾げるくらいの思いしかない。

 

若くして亡くなったとかなら違ったのかもしれないが、かなり生きて亡くなったと記憶している。

 

流石にそこら辺は覚えてない。

 

この世界に生まれてまずまずになるが、この世界のことは薄っすらとしか分かってない。

 

そして、スライムとはもう20年以上の付き合いだから、会話も既に完成されている。

 

笑うリズベッタはスライムのことが大好きだ。

 

たくさん喋るし、話していて飽きない。

 

良いスライムというのは、地球じゃお目にかかれないしね。

 

スライムはクールなのに情が厚い。

 

他にスライムを相棒にしている人、見たことないけどね。

 

私は異世界で魔女と呼ばれる種族らしい。

 

魔力が豊富で魔力が多いから長生きな存在だという。

 

この情報は同じ他の魔女達から聞いた。

 

魔女は主に、各地に散らばっているが、ファンタジーものにお約束であるどこへでも行けるというのが可能なので時々集まっている。

 

多分一番若い世界がリズベッタとのことだ。

 

両親というか、里親はいる。

 

魔女という特殊な存在は短命種というのがダメと言われているのでおのずと長い種族になる。

 

私の義理の親は機械族と呼ばれる特殊なものだ。

 

多分、命の終わりがない方のメカだ。

 

それでいいのだそう。

 

自分は亡くなるとか悲しいのが嫌なので長命種が性に合っている。

 

スライムのタロンはスライムなので核がどうにかならないでもないと、死ぬことはない。

 

仮に核を無くしても分裂しているからリスク分散しているみたい。

 

相棒には地球の事を色々語っていて、前世のことも聞いてくれる。

 

地球のことは妄想と言われても可笑しく無い。

 

けれどは真剣に聞いてくれ、信じてくれた。

 

魔女の集いでも魔女達に可愛がられては逃げている。

 

あんなに美男美女が居るのに逃げられるといつも感心している。

 

魔女と言っても女だけではなく、男も同じく一括りで言われている。

 

魔女、魔のもの、魔人。

 

基本的に色々言われるのは情報網が統一されてないからだね。

 

地方とかなんてシャーマン的な言い方をされることもあるらしいし。

 

地球とは微塵もどうにも出来る気配がないまま、何の変哲もない時間が過ぎたけど、ある日、街に辺な格好をしたマレビトが現れたとの報告に私も魔女ゆえに呼ばれた。

 

ヘルプのヘルプ扱いだろうけどね。

 

正直助けに行くっていうよりも野次馬根性で行った。

 

を頭に乗っけて箒、は痛いから木の板に乗って魔法で浮かしてスイスイ進む。

 

道が整ってないと歩くの辛くて、出歩く気が削がれちゃうのだ。

 

そう思えば、地球は良く整備されてるよなぁ。

 

マレビトがいるという施設に到着して、そこへ入る。

 

人だかりが凄い。

 

有名人が来た時みたいにみんな集まってる。

 

そそくさと私は魔女特権で入るけどね?

 

中に入ると目につくのは魔女の装いをしている美女。

 

相変わらずプロポーションが良い。

 

私もああなりたいのだよ。

 

この町で一番長く勤めている魔女がこちらを向く。

 

「リズベッタ、早かったわね。いつもの散歩はもう終わったのかしら」

 

しゃらりと髪をかきあげる女性に頷く。

 

も返事代わりにぷるりと揺れた。

 

私達は今や2人でワンセットとされているので、頭上にスライムが居ても誰も驚かない。

 

魔女が少し横に退くと、椅子に座って意気消沈している男が見える。

 

(ええ!?)

 

「警官!?」

 

制服を見て、つい反射的に言ってしまう。

 

「??」

 

警官はこちらを見上げると頭を下げる。

 

「ケイカンって良く分かったわね?でも、ケイカンというのは名前じゃないみたいなの」

 

「は、はぁ、まあ?もしかして、この方がマレビト?」

 

マレビトというは異なる異世界から時折訪問してくる異世界人のことだ。

 

ライトノベルとかでいうトリップとか、異世界訪問だ。

 

ほとんどは異世界に意識してくるけど、地球では魔力もないので、どちらかというと飛ばされてきた、というのが正解だろう。

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