ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】 作:苺のタルトですが
リズベッタは花村に聞き取りを受け、遊びに来た内容を具体的に言う。
「花村が買ってくれたというDVDをまた買い足したくて」
「花村、マニキュアはどこに売ってるのかしら?」
「いやいや、買うのはお好きにと言いたいんですけど、日本円持ってるんですか?」
「これじゃあダメなの?」
異世界通貨を見せると花村は無理ですよと困り果てた。
リズベッタも現金はどうしようかなと考えていた。
「路上パフォーマンスでもすればお捻りもらえるんで、やりに行きましょう」
「そうなの?魔法を見せればいいの?」
「なぁんだ!簡単なのねっ」
「えええ!ちょ、ちょっと!それは困るというか!怒られるというか!」
花村は先輩魔女達を掴もうとしたが、あまりにも肉体的にプロポーションが良過ぎて掴むのを躊躇した。
「や、やり難い!」
「花村、マニキュア買いたいわ」
「キューティクルが出るシャンプーを買ってみたいのよね!」
「お金が使えないのなら稼ぐしかありません。いきましょう」
と、リズベッタは花村の焦りをスルーして、路上へ向かう。
花村が困るのは、困るのが警察関係だろう。
「花村さん。現実的に警察に行ったら私達は欲しいものが直ぐに買えるんでしょうか?数日後じゃありませんよ?今、直ぐです。ここ重要ですよ」
「うっ……それは」
男は直ぐと言われて無理だと即座に考える。
「どうでしょう?また長時間待たされますよね?」
「ハイ、無理です」
リズベッタはうんうんと頷く。
「そうですね。あんなに待たせられたら次もってなりませんよねぇ」
花村はまるで、姉の尻にしかれるとはこう言うものなのだろうか、と言う不思議な体験をしている。
「えーっと、これからどこに行くのですか」
「取り敢えずお金がないのでどこかで換金したいんですけど。換金ショップですかね」
「異世界のものを先に一般人に流通させられたら困るっていいますか」
うん、そうだね?
初日に対応してもらった時に換金する予定だったのに、一言も口を開く事なく終わるなど、私も流石に予想外な時間だったんだよ。
その日に換金くらいはしてくれるかもと期待していたのに。
それが出来なかったら、今こうして換金するしかないんだろう。
リズベッタは相変わらず魔女に挟まれた格好で仕方ないと重い腰を上げることにした。
警察署に向かうべく。
花村が魔女みたいな集団といった、彼女達の服装は花染めしたシンプルな布を纏ったようなものといっていいのか。
ローマの昔の着方。
普通にズボン方式もあるから、気分によって着替える。
年中きこうが平均的なので服を着替える必要がない気候。
「花村さん。警察署に行きますから換金するように念押しして下さいね」
送った手紙にも書いておいた。
そういや、一度帰った後に花村宛に送った手紙は届いたのだろうか。
聞くと、貰ったけど警察の人たちに押収されたらしい。
「押収!?人の手紙を?」
「あー、まー、仕方ないんです」
「いえ、これっぽっちも良いわけありません!」
人のプライバシー、プライバシーマシマシの手紙を赤の他人が見たり調べたりするなんてっ。
恥ずかしい!
指を少し揺らして手紙を手元に持ってくる。
「あ」
花村の手紙だ、という意味の視線を受け止める。
もう全て読みましたよねと聞き、頷きをした彼の態度をしっかり見納めて、手紙を燃やす。
「人の手紙をベタベタに触ってっ。流石に呼んで良いか許可を得てからにしてほしいです。次から押収される前に言っておいて下さい。同意のない押収は品を焼却するように魔法をかけておきますので。花村さんの生活に影響がある場合を考慮して、文章のやりとりは紙じゃない方が良いですよね」
と、他人からは見れないようにしておく。
向こうに帰ったらその手紙にしようと決めた。
閲覧出来るのは花村だけ。
「取り敢えず警察署に行きましょう。パフォーマンスしながら」
「え!リズベッタさん!?」
「妥協しましたよ。私の計画では今日は買い物が出来る予定だったんですからね?」
「ハイ」
花村はしゅんとする。
彼には悪いけど、私は早く地球のものを買いたいのだ。
特に家電。
タロンもそろそろ、買い物に行きたいよね?と尋ねる。
彼はどちらでもいいという。
うーん、仕方ないか。
彼は地球のことは話でしか聞いたことがないから、そういうどっちでもいいという感想になる。
魔女達は美味しいものを食べたからか、どこか目が艶めいている。
あと、映画の影響かな。
昔の映画だったので、今とは風景が違うんだけど。
まだそういう説明もしてないのに、ついてきてしまったのだ。
魔女達は花村の静止などモノともしない。
リズベッタが行くと言うのならついて行く。
異世界なんだもの、楽しまなくちゃと魔女達はまだ見ぬ品を前に、好奇心を抑えていない。
花村はついて行くべきか否かを問答し、リズベッタに付いてこなくていいですからねと言われて、そんな訳にいかないと、持ち前のお人よしを発動。
日本人に、これを無視できる人は居るのだろうか?
花村はいや、と答えた。
「つ、ついて行くよ」
「そうですか?」
彼女はサラッと花村の部屋を出て、住宅街を通り、車の通りと人の通りを見て、人が集まるところを目指した。