ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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14東京ドーム何個分という単位

手品の域を出ない。

 

何故ならここは空間がちゃんと存在しているから。

 

大きな事をこんな人もものもある中でやったら、どうなるか?

 

ボロボロになって、めちゃくちゃになって、穴が開く。

 

「というわけで、大規模なのは外でもないと無理ですし、町中、世界中大パニックになると思うのでお勧めしません」

 

「東京ドーム程の大きさはどうですか」

 

「東京ドームってなんですか?」

 

「花村からリズベッタさんは地球に詳しいとお聞きしてます。東京ドームをお知りでない?」

 

「んー。私は異世界に来たもので学んでいるのでとても偏っています」

 

「そう、ですか」

 

「東京ドームっていうのは、そうだな。異世界のドラゴンがギリギリ入れるか入らないかの大きさの建物だ」

 

「それは大きいわね」

 

魔女の1人が驚きに呟く。

 

リズベッタが知らないふりをしたのは、異世界のものだというリップサービスのようなものなので、深い意味はない。

 

「そうなのですね……そこで見せられるといえば、初日やったドラゴン演舞ですね」

 

「もしや、ドラゴンが地球上で目撃されたことをドラゴン演舞と言っているのですか?」

 

警察の人は目をぱちぱちさせる。

 

あれは楽しくて、ドラゴン達にも好評である。

 

「私達もリズベッタの演目は毎回楽しんでいるわ」

 

ドラゴン達も長生きだが、敬われていたのをつまらないと言っていたので、じゃあ私と楽しい事をしようじゃないか、と誘ったのだ。

 

長命種がつまらないと言ったのなら、相当長い間暇を持て余していたに違いない。

 

ドラゴン達は喜び、否、大喜びで大地を駆け回り、ジェット機や空を飛ぶ機会でいう回るという技を何度もやったりして、練習した。

 

練習したからこそ、演目として盛り上がった。

 

それを地球でも披露してくれた。

 

クルクル回ったとかではなく、小手調べで姿を現しただけだが、次こそは演目に見合った事をしてくれる事だろう。

 

スライムはなにかするのかという目をスライムに向ける人たちに、彼はやらないぞ、と強目にいう。

 

手品ショーは手伝ってくれるが、ソロはしないのがタロンらしいところだ。

 

タロンの台詞に魔女達はきゃっきゃっと楽しむ。

 

魔女達も各自の魔法を終えて、政府機関の警察官の人達にもう良いかしら?と聞く。

 

1時間を20分も過ぎているからね。

 

魔女達はスタスタと立ち上がって第二会議室を去ろうとする。

 

リズベッタらを引き止めるが、一瞬でいなくなる団体に周りは騒然となる。

 

瞬間移動など、魔力を持ってすれば簡単だと気付かなかったのだ。

 

花村はあちゃー、となる。

 

次は地球に来てもここには寄らないかもしれないなと心底落胆する。

 

同僚達に対してだ。

 

あれだけ時間に対して念押しして来たというのに。

 

穏やかな生活を好むリズベッタが理性的に対応してくれたのは一重に、こちらを尊重しているからだ。

 

こちらは多分政府の者たちが来るまで時間稼ぎを言われたのだろうから、引き伸ばしたがった。

 

しかし、時間切れとなった。

 

ここへは恐らく首相か、それに近いものが来ることになっていたのかもしれない。

 

それが、ダメになって同僚達も溜息を吐く。

 

花村は他人事に周りを分析していた。

 

リズベッタはリズベッタで花村に過分に気を遣っているのを感じているから、無意識に彼は異世界陣側の立ち位置に立っている。

 

助けてもらった恩もある。

 

全然返しきれていない。

 

更に、男が危機に陥ったら異世界に移動する魔法も既に掛けられている。

 

魔法はすごいと花村でも薄ぼんやりは分かる。

 

ははっ、と笑いが漏れた。

 

「花村!お前が引き止めるべきだぞ」

 

上司が命令するが、自分は非番なんだから、今は勤務外ですと困った顔を浮かべる。

 

それに、瞬間移動した相手をどう引き止めるのだと問いかけたが、答えは当然返って来ない。

 

そういうところが、花村も魔女たちも幻滅している部分のカケラなのだ。

 

花村、と何度も呼ばれるが非番なんだから帰ると伝えて彼は警察署を出た。

 

もしかしたら、辞めるべきなのかもしれないかな、とちょっぴり悲しくなった。

 

しかし、後日手紙でリズベッタから花村さんに日本の観光案内を頼みたいです、とのウマを送られて上層部が花村に頭を下げたことにより、マイナスがちょっとだけ上向きになった。

 

魔女は人心覇権に詳しいのだろうかとお偉方のつむじを目にするのだった。

 

 

**

 

 

商店街に移動した魔女集団はとりあえず服を見ようと、着替えようのお店に入ることにした。

 

勿論資金は心許無いので、ニーキュッパ!と書かれた張り紙のあるお店。

 

298円ならば沢山買える。

 

魔女たちには悪いけれど、安物Tシャツとかを着てもらう。

 

煌びやかな女達が、場違いな店に入ってきたと知る店員や客が凝視をしてくるのを、必死に知らないフリをする。

 

魔女らは全く気にせずに服を見ていき、リズベッタは適当にカゴに服を放り込み人数分を入れ終えるとレジへ向かう。

 

「リズベッタ。この靴が欲しいわ。買えるかしら?」

 

と、指を刺された先にはビーチサンダル。

 

服とあまり合わなくなるが、既に見た目で派手に見せつけてしまっているので今更か。

 

頷くとそれもカゴへ入れる。

 

すると、レジ前にあるキーホルダーの並ぶ所を目にして欲しがる一人。

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