ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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16麦チョコとマショマロ

やはり上がるのは悲痛な声だ。

 

「えー!もっと買いたいわ!」

 

「まあまあ、まだ見てないところも沢山あるでしょうから。きっと買いたくなるので」

 

宥めていても、嫌々と首を振る。

 

さらさらと髪が乱れるものの、その美貌は乱れない。

 

流石は長年保ち続けられている光。

 

私には真似出来そうにない。

 

魔女イコール美しいというわけじゃないけどね。

 

「リズベッタ、買って買ってー」

 

「ダメダメー」

 

マニキュアを選ばせ、他のブースに行く。

 

タロンもなにか欲しいものはあるのかと聞くが、わからないと言われ、そりゃそうかと笑う。

 

なんせ、初めて来たんだからね。

 

「なにを見にいくの?」

 

他の魔女達を回収しながら向かう。

 

「ねえ、見て!この髪留め?というもの可愛いわっ」

 

見つけた人はシュシュを手にしていた。

 

瞳をウルウルしていて、欲しがった。

 

「欲しいわねぇ、買っていーい?」

 

「どうぞ。他にも髪を結ぶ以外、髪を留める事が出来る物もあります」

 

それを手に取っておでこに当てる。

 

「前髪が垂れなくて視界が良くなります。これは……鏡です」

 

「「鏡!?」」

 

鏡も異世界では再現されておらず、鏡はあくまで魔力で作れる。

 

物理的に見るのは初めてだろう。

 

自然豊かな異世界は自然のものからしか作られてないから、異世界は緑が多い。

 

「ねえ、皆!来て!来て!」

 

「え、なぁに?」

 

「ん?」

 

「どうしたの?」

 

散らばっていた魔女達を集める。

 

「これ、鏡なんだそうよ!見て!光沢があって、私達を良く写してるわ!」

 

「え?これがリズベッタのお話に出てくる白雪姫の鏡?」

 

「ホラーのお話で出てくる鏡なのね?」

 

白雪姫もホラーも私が話した。

 

娯楽がないからと試しに話してみたら皆凄く面白がっていて、毎回何かしら話を聞かせていた。

 

質の良い鏡など、見たことはないだろう。

 

これが100円。

 

「これ、いくらなの?私達で買えるの?」

 

不安そうにこちらを見ては鏡を元の場所に戻そうとする。

 

「そのシュシュやマニキュアと同じ値段です」

 

「「「なんですって!!」」」

 

全員目を落としそうな程、目を見開く。

 

「そうと分かれば私たちが買うべきなのは」

 

と、全員鏡を見る。

 

「あ、買いません。買うならもう少し大きいのを買うので。進めたのはあくまでこういうのがあると紹介する為だし」

 

水をスパッと刺す。

 

魔女達は鏡を見つめても、リズベッタに背中を押されて美容関係のブースから出た。

 

美容関連ならばドラッグストアの方が種類も多く、選択肢も増える。

 

何度か鏡ブースに行こうとする彼女達を引き連れて、今度はどこのブースに行こうかなと目を動かす。

 

ワークブース、またはノート関連のあるブースが良いか。

 

そこへ行くと魔女達にノートについて説明する。

 

「あらぁ?タロンみたいなものが載っているわ」

 

スライムじゃなくて、お菓子のグミに見立てた模様。

 

「この世界にもスライムが居るの?」

 

「居ません。無機物の科学合成物質があるだけですね。この子の魂がないようなものです」

 

「なんてカワユイの。ノートというものの材質も信じられないくらい良いわ?買おうかしら」

 

女性達は塊になってノートを見る。

 

地球の人達も姦しい様子のこちらをポーっとなって見ている。

 

服装はとんでもなく浮いているのにポーッとなるんだ。

 

ちょっとツッコミたくなる。

 

そこには触れないのか、見えないのか?

 

顔さえ良ければ服装はもう何でも良いらしい。

 

リズベッタは二冊ノートをカゴに入れて、ペンも買う。

 

ノートを掴んだまま、女性らはペン売り場にひよこのようについて行く。

 

スライムの彼に何を買おうかと吟味する。

 

何を買おうかな。

 

お菓子が良いかなぁ。

 

ハイチ〇ウが良いかなとカゴに入れる。

 

やはりスライムを頭に乗せるビジュアルは衝撃的らしく、ギョッとした顔をした様子で通り過ぎたり、一瞬立ち止まってぷよぷよを凝視。

 

慣れるしかないのだろう。

 

慣れたのなら、気にしなくてよくなるのかなぁ?

 

慣れる日は来ない気がしてきた……。

 

他にお土産的な感じで買おうかなと、大人数でも良さそうなものを見遣る。

 

業務用の麦チョコを見つけ鷲掴み、カゴへ。

 

それなに、と直ぐに聞いてくる好奇心魔女にお菓子で甘くて美味しいのだという。

 

「花村に今度買わせようかしら」

 

「花村の方がお金を持ってそうね。お礼は魔力宝石でいいわよね?」

 

タダで貰おうとしないところは、リズベッタも納得の異世界の人達の人柄。

 

本当に純粋なのだ。

 

異世界がそう言うふうに育てているのではと、転生して思った。

 

「タロン、貴方に麦チョコね。帰ったら食べてね」

 

「ああ。お前が言うんなら美味いんだろ」

 

麦チョコ、サクサクして食べやすいし、小粒で良い。

 

あと、袋詰めマシュマロも買う。

 

リズベッタはマシュマロをカゴに入れたのを見て、それを見て白いわ、ふわふわとしているわ、と触る。

 

「これはどんな味?」

 

「感触はどう?」

 

「フワフワです。味は甘いという以外ありません。チョコとはまた違いますよ」

 

語るリズベッタは、フワッとした語録でいう。

 

正直マシュマロなんて小さな頃に食べたきりで大人になってからは食べる機会もなく、お店にあってもわざわざ食べなかった。

 

懐かしいから手にしたのだ。

 

魔女達は楽しみねと笑う。

 

お茶はどうしよう。

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