ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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17スーパーと美女達の組み合わせ(宣伝効果)

お店のペットボトルよりスーパーの方が安い。

 

よし、スーパーに行こう。

 

スーパーも久々。

 

地元のスーパー派だったんだよね。

 

100円堂から出ようとして、魔女たちが出たくないわと呟く。

 

100キンはなんでもあるし、キャラクターとコラボ品なんてものもあり、掘り出し物は多い。

 

見ているだけでも楽しいのだろう。

 

「リズベッタ、どこ行くの?」

 

「スーパーに行きます。食べ物が売ってます」

 

「私達もそれなら分かるわ」

 

と、楽しそうに入った先で彼女達は一塊になって、立ち止まる。

 

「やっぱり、分からなかったわ」

 

と、恥ずかしそうに告げてくる赤い顔、プライスレス。

 

意気揚々と入っていたら規模も人も多くて、ものも溢れていたので脳が疲れたのだ。

 

スーパーに入るとまた視線を総攫いして、私達は進む。

 

「この赤いのはなに?」

 

早速、魔女レーダーが反応した?

 

「白雪姫のりんごだよ」

 

「これが!あのりんごなのねっ」

 

「赤いやつね。本当にあったのねぇ」

 

彼女達はつやつやの赤い果物を全員手にする。

 

「ジャリジャリするのよね」

 

「シャリシャリよ、シャクシャク」

 

「ちょっと硬いわね」

 

「これは赤い皮を剥くのよね」

 

「剥くのね、剥いたら白いらしいわね」

 

「美味しそうねっ。早く食べたいわ。え、買わないの?そんなぁ」

 

今日は何度も「そんなぁ」を聞いた。

 

うーん、耳にねっとり残るのに可愛い。

 

りんごは意外と高いから……また今度。

 

後ろ髪を引かれる顔でりんご売り場からどかないので、私は取り敢えず置いて行ってペットボトルを買う。

 

10個買うともう流石にお金が尽きる計算になるので、やってこない様子を見て、再度りんご売り場へUターン。

 

「って、味見コーナーができてる!?」

 

昔はあったけど今はめっきりみなくなった光景に驚く。

 

昔はウインナーの味見コーナーがあったりして、プレートで店員が焼いたものを爪楊枝で食べていた。

 

懐かしいけど、まさかのりんごとは初めて見たんだが?

 

美味しい美味しいともりもり食べる見目麗しき女性達に配る年配の店員らしき人と、横に居てニコニコ笑う店長っぽい人。

 

側には色んな年齢の女性達が居て、りんごを買って行く。

 

宣伝を狙ったものか、魔女を餌付けしたくなったのか。

 

魔女らはお客にこれ美味しいわよ何故か言っている。

 

どういう役割を求められているのか察したようだ。

 

「リズベッタ、こっちよ。貴方もりんごをお食べなさい。甘くて香りも良い、質の良い果物ね。お金があったら全て買いたいわ」

 

「中の濃い色は蜜というのですって、品種改良という魔法を使っているらしいの。とっても甘いわ」

 

異世界の果物は一部を除いて原種なので、あまり甘くなく、無味が多い。

 

甘いのは熱い場所にあるかもしれないと、私も探しに行ったんだけど、暑すぎて無理だった。

 

そもそも、果物が実るような良い感じの温度などなかった。

 

草一本も生えない地獄みたいな光景。

 

りんごを一人で3つ食べた魔女は満足そうに他の果物を見ていた。

 

もうお腹いっぱいじゃないの?

 

バナナやオレンジを見て、美味しそうねぇ、と顔を赤く染める。

りんごが甘かったから期待に胸がドキドキしているのだろう。

 

気持ちは分からなくもないが……って、店員さんが揉み手をして味見しますか?と聞いている。

 

「長居は無用。私達は帰りますので」

 

「「えええ」」

 

と、魔女達は言うが、帰ろうと急かす。

 

相棒が「早くしろ、ゲートを開け」と準備を始める。

 

レジに行くと私達は並び、清算。

 

店を出る前に袋を渡される。

 

店員じゃなくお客さんだ。

 

「これ、食べて。美味しいのよ」

 

「このお魚、鍋に合うわ」

 

「牛乳は飲んだことない?やっぱり!じゃぁ、飲むと良いわよ」

 

「これもあげる」

 

「持って行って」

 

「奢るわ」

 

「どうぞ、少ないですけど」

 

男性も照れながら渡していく。

 

「ありがとう、親切な地球の方」

 

魔女達は笑みを浮かべてお礼を伝える。

 

「皆さんありがとうございます」

 

リズベッタはぺこりと頭を下げて、お店を出て角に曲がる。

 

「ゲートを作ります」

 

曲がるとそのままゲートを作って渡る。

渡ると異世界に切り替わる。

 

「帰って来たわ」

 

切り替わるとそこは異世界に行く前のまま。

 

「このままテーブルに広げましょう」

 

テーブルがあって、お茶会を催した状態で放置されている。

 

「私はみんなに麦チョコを配るね」

 

魔女たちが後で来てねと笑って見送った。

 

見送られ、リズベッタは住人達に麦チョコを配る。

 

配られた住人達は「地球?」と首を傾げて麦チョコを見る。

 

黒くて爪程の大きさのころんとしたもの。

 

口に入れるには勇気がいるが、先ほどから鼻に入ってくる甘ったるい香りがそれを許してくれない。

 

男の子はそれを口に入れて食べると破顔。

 

美味しさに唸ると他の人達も、もぐっと食べる。

 

「うまー!」

 

「美味しい、美味しいぞっ」

 

「これはチョコというの?」

 

「ウマッ!ウマッ!」

 

食べ方は違っても味覚は地球の人と似ているようで、美味しいと感じているらしい。

 

タロンにも渡して溶けるのを見る。

 

溶けていくのを見るのは楽しくて、ついつい溶かしてもらう。

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