ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】 作:苺のタルトですが
例えば木の実とか。
「美味しいな」
「美味しいでしょ。直ぐ溶けた?」
「溶けた。甘くて柔らかい」
「ふふ、地球のお菓子を食べさせたくて。やっと食べてもらえて嬉しい」
「ああ。聞いていた通り、美味しいものが多くて、楽しいところも多そうだ。おれはあの警察署というところ、好きだ。強そうな集団が居るな」
「そうなの?好きなの?あそこは法律とかを取り締まる所だよ?威圧感も出してたし、私も苦手だけど。次から貴方が問いに答えて」
「軽い感じならな。少しは付き合ってやっても良い」
と、クールに答える。
「次はもうお買い物をして帰るけどね。毎回は流石に無理。付き合えない。向こうは言いたいこととか、質問したい事が有り余るっていうのは分かるけどね」
「そうは言っても聞きにくるから逃げられそうにないだろ」
(魔法のこととか知りたいんだろうね)
タロンは皆のところへ行って、皆と麦チョコについて語る。
甘かったね、とかフワッとした食感だねとか言い合っているので、微笑ましくなった。
聞いていても、見ても、やはり地球へ行って良かったと強く実感。
「リズベッタちゃん、美味しいものをありがとうね」
リズベッタはいつも頑張っているね、と声をかけてくる女性に礼を言われて照れながら頷き、また持ってくるねと伝えた。
「ふふ。いつも頑張ってるわね」
「お姉ちゃん、甘くて蕩けたよ。こんなに美味しいもの、あるんだね」
「うん。地球っていう場所の食べ物だよ」
「チキュー?どんなものがあるの?」
聞いてくるので、タロンが代わりに説明してあげる。
優しいスライムだ。
心がほかほかである。
魔女達は、それを遠隔の魔法で見て可愛いわと全ての住人に向けて笑う。
可愛いのは魔女達だなと遠隔魔法を察して、自分も笑みを浮かべる。
麦チョコ感想会から離れて、魔女達に顔を出して、マニキュアを塗ってあげた。
それを凄く感動して、私たちも!と皆にコツコツマニキュアを塗る。
乾かすのに時間が掛かるというと、魔法で乾燥していた。
風魔法の微弱でやったのだろう。
流石は魔法使いのエリート集団。
やはり、彼女達は凄い。
私はまだまだ細かな状態で使えるかどうか。
マニキュアを退かしてしまう。
魔女達は感嘆の声を唱え、リズベッタにも塗ってあげるわと言われ塗り塗りされる。
勿論、初めてゆえにはみ出しまくりだが、楽しいし優しさしか無さすぎて上手いと言いながら褒める。
しかし、自分の爪を見てはみ出しが失敗と知ってしまい、ちょっとしょんぼりとなっていた。
だが、それでも初めてなのだから当然で、皆そうなるのだと言う。
もし、今度機会があればネイルサロンに押し込めよう。
押し込めるのは、私がやるつもりがないからね。
絶対にリズベッタもやりましょうよ、とか言われてネイルされるのがオチ。
人生で一度もしたことがないから、やる自分を想像出来ない。
きっと何度も誘われる。
「今度、予約をなんとか取ろう」
花村のスマホでも借りるか、公衆電話か。
公衆電話の方が手っ取り早い。
タロンが魔女達から離れたら戻ってきて、リズベッタの頭に乗る。
もったりと。
今や慣れた重みだ。
重みと言っても帽子の重さもない。
可愛い重さ。
リズベッタはタロンに報告する。
とても盛り上がる世の中を期待しているのだ。
異世界も地球も。
異世界に関してはのんびりを維持出来るが、地球はどういうふうになるのか私にも分からない。
「タロンにもマニキュアしようか?模様みたいになるよきっと」
「いらん」
タロンはきっぱりいう。
オスだからあんまり興味がないのかもしれない。
メスだったらあるってこと?
それはそれで気になる。
いつかはペイントさせてもらおうと企む。
だって、スライムにマニキュアってなんだか可愛くておしゃれになるかなって。
うちのスライムには最先端を走ってほしい。
タロンはぷよっと一度跳ねて、邪悪な思考を敏感にキャッチしていた。
*
地球に再び現れた魔女達はリズベッタを先頭に美容サロンへ向かっていた。
好き勝手、という地球のことを知っている女の子があれやこれやと出来るので地球側の組織も魔女達を追跡できずに後手に回っていた。
地理を知り尽くした、地球出身者が異世界人という前提はマニュアルにない。
そんなこんなで、地球人側は、あとになってその存在を知る事になるのだ。
地球のサロンへ向かう中、またパフォーマンスで金子を得る面々。
スマホ撮影で行われるものには特に制限はかけていないので、あっさり場所は割れるものの、それを邪魔するのは憚られた政府側。
2回も面会に失敗しているのでこれ以上機嫌を損ねたり、イメージを悪くしたりしたくないという名の下、押し入る訳にもいかない。
「リズベッタ、見てー、桜っていうんだって!」
「こっちは金箔を使ってるらしーわよぉ」
桜とか金箔とか名前だけで、何か知らずに言っているのがわかるくらいの棒読みだった。
店員さんも煌びやかな顔に対して、純粋な女性達に目を白黒させているが、そこは接客中だと笑顔を保っていた。
私には真似できない程のプロ根性。