ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

19 / 24
19爪でおしゃれ・これ、コスプレですから(大嘘)

それに対してリズベッタは四季や金箔を知っているからこそ、褒め言葉を繰り出せる。

 

「桜ならこれからの季節ですね。金箔って煌びやかでぴったりです。花見もいいですね」

 

褒めてきた子供に魔女らはメロッとなりながらも花見とは?と問いかけてきた。

 

花見について説明しようとするが、他の魔女達はもう少し複雑なのがいいわねと競い出す。

 

メニューにある模様がすごくて全て試したくて堪らないのだ。

 

しかし、全ては予算がない。

 

自分たちで補うしかないのだ。

 

リズベッタは花見をするのも良いアイデアだと思うが、お金はどうしようという問題に行き着く。

 

花村に換金をお願いするべきかなぁ。

 

「花村に会いに行くか?」

 

タロンが分かっていると言わんばかりの態度で話しかけてきて、ふふと笑う。

 

なんだかんだで気に入っているのだろう。

 

男だからかな?

 

サロンで爪を変身させた魔女達が異世界へ戻るのを見送る。

 

花村に連絡して地球に来たことを言い、花村はまたか、と苦笑。

 

トラブルは聞いた事はなく、普通に過ごしているようだ。

 

花村よりも馴染んでいる。

 

花村に頼むことをしないことも検討していたので、無理なら断ってほしいと言っておく。

 

これは、私たちの世界でのことで、たまたま異世界に流れ着いた花村は関係ないだろうし、と付け加える。

 

「いえ、リズベッタさんの頼みなら聞きます。それに、職場から頼まれたんですよ」

 

それは命令となにが違うのだろうと思わなくもない。

 

それを機微に察した魔女は目を尖らせる。

 

「花村さん。私が花村さんに迷惑をかける人たちをなんとかするから、嫌になったら即言って」

 

そもそも異世界の橋渡しを一介の警察官に委ねるなどリスクを一つに纏めすぎる。

 

そこは分散させておこうよとなるのだが。

 

電話でこちらのやる気を伝えると花村は大丈夫、と伝えてくる。

 

なにが平気なのかいまいち分からないが、花村は男の人なのでやり方が違うのかな?

 

私ならバッと魔法で無かったことにするけど。

 

お金を稼ぎたいという要請を求め、花村に魔法宝石について相談する。

 

自分では手に負えないことなので、どうしようもないと言われた。

 

では、近くにへばりついている政府の人にやってもらえばいいのかな。

 

てくてくと家電がある電気屋に向かう。

 

(見るだけならタダだから!)

 

ショッピングはなにも買うだけではない。

 

「すみませんっ」

 

「リズベッタさんですよね?頭の上のスライムさんはタロンさんであってますか」

 

「いいえ、違います。これ、コスプレだし、このスライムは作り物です。この間のコスプレを見て真似て作ったんです。そっくりでしょ?」

 

といって、政府の黒スーツの人たちの合間を通る。

 

黒服の人たちはシャジャッと懐からスマホを取り出して本人がどうか確かめようとしていたが、私はさらりと電化製品を売っているヤマ丸電気に向かう。

 

他にもあるけど、近場はそこなのだ。

 

花村の住むこの街は都会でも田舎でもない程よい人口が居る町。

 

おかげで行きたいところへのアクセスも行きやすく、私も足が軽い。

 

もし、魔女と広く認められたら空飛ぶなにかを使って移動しよう。

 

後ろからついてきている足音が聞こえる。

 

もし無理に連れて行くのならこちらにも考えがあるが、果たして?

 

一応ついてくるだけに留めているらしい。

 

うんうん、私が買い物に来たと察したんだね。

 

それなら良いのだ。

 

邪魔をしないのなら。

 

何時間も居座ると言う訳じゃないから、待たせることもないよ。

 

ヤマ丸電気を潜り、家電売り場へ行く。

 

そこで家電を舐めるように見る。

 

ふむふむ、やはり進化しているっ。

 

お金が貯まったら何を買おう。

 

異世界じゃ電気がないから家電が使えないと皆は言うかもしれないが、私なりに長年電気について研究し、電気に変換できるアダプターの魔法を組んだ。

 

プログラミングのプの字も知らぬ私だが、魔女達に電化製品を見せたらきっとどうにかして使おうとすると、私は確信している。

 

何故なら美容の家電もあるから。

 

必死になって使おうとするのが目に浮かぶ。

 

というわけで、かなり破れかぶれなやり方ではあるが、家電を使う当てがある。

 

それを内心、取らぬ狸の皮算用しながら、眺めてはパンフレットを取った。

 

写真付きで説明すれば分かりやすい。

 

魔女達に購買させれば尚、電気についてなんとかしてもらえる可能性が向上するのではないか。

 

「これは最新の──AIの──」

 

「値段は──で──ですよね。一つ前のモデルのパンフレットを下さい」

 

「分かりました」

 

店員さんに訊ねると隅から隅まで、角まで掃くような丁寧な接客にリズベッタもつい、熱が入る。

 

頭にいるスライムに関してはコスプレだからと、誤魔化しておく。

 

気になるのだろうが、そこはグッと抑えて欲しい。

 

なんせ、このスライムは飾りじゃなく立派な顧客なのだから。

 

スライムが気に入れば、私も購入を検討するので、良いお客だと胸を張って言える。

 

タロンもむっちりもっちりと同じく、パンフレットに同じように顔を向けているのを感じるので、気にはなっている筈。

 

「前モデルなら──なので──をお勧めします」

 

「仮にの話ですが、これを10個以上購入する場合の割引についてなのですが……」

 

と、多めの単位を示せば相手は思った通り驚いた態度で「10個でしょうか?」と聞いてくる。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。