ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

20 / 24
20高い家電・日本の大臣に会う

予想通りの対応に柔らかく笑みを浮かべる。

 

今すぐというわけではないものの、恐らくもっと増えるだろう事を仄めかす。

 

皆に家電を与えるには、お金をどれほど浮かせられるかに個数が掛かっている。

 

店員と緻密に話し合うためにテーブルへ座る。

 

「纏まったものが用意できた時はぜひ買いたいと思ってます。他にも〇〇や〇〇も買いたいのですが、追々になります。そこまでは確約出来ませんが」

 

店員は電卓を指で弾いてこちらに見せてくる。

 

しかし、やはり高い。

 

どれだけ魔女のマジックショーをすればこれだけ稼げるのか分からないや。

 

早く魔法の宝石が売れるようになってほしいのになあ。

 

そうすれば溢れんばかりに家電が買えるのに。

 

はーあ、と内心ため息。

 

タロンはよしよしと頭をスライム的に撫でてくれる。

 

優しいぃ。

 

家電を見て、羨ましさを感じる。

 

あー、欲しい。

 

とっても欲しい。

 

リズベッタは電気屋から去る。

 

真後ろに、政府の人達が引っ付いている。

 

困ってる様な、困ってない様な。

 

タロンもうにょりと動き、ビビビとウニみたいに尖る。

 

どこに行けば良いのか分からないけど、どこに行かされるのか謎なところが不安なんだよ。

 

私もタロンも政府の人と少しだけ向き合う。

 

「リズベッタさん、少しお話を伺いたいのですが」

 

リズベッタは名前を呼ばれ、にこりと笑みを浮かべる。

 

「1時間だけです。それ以上は話を切り上げます」

 

リズベッタはきっちり時間を区切るのは際限など無くなるのだ。

 

政府などに行ったら、何日缶詰にされることか。

 

そんなことで時間を潰したく無い。

 

何度も何度も同じことを聞かれるのはうんざりになるからね。

 

「条件は、1時間。同じ質問には答えない。それでいいなら構いませんよ」

 

そう告げるリズベッタはイエスかノーかと聞く。

 

「良いですか?」

 

「私達では判断は出来ません」

 

「では今すぐに聞かれては」

 

「そ、そうします。その間」

 

「いえ、待ち時間込みで1時間なので」

 

「お、お待ちをっ」

 

待ち時間無限にしては、待ち時間に質問をされたり無駄に引き延ばされたりするのも有りになってしまう。

 

そんな時間は無理だ。

 

段取りなくこちらに接触したわけでもないだろうし、許可云々を理由にするのはこちらの事を考えてないという事になる。

 

私の勝手な考えだが、時間にお金を払ってもらいたい。

 

無限にこちらにいるわけでもないし、数時間で私のことを分かるとも思えない。

 

これから時間をかけて理解してもらえれば十分。

 

私達は観光にやってきたのであり、説明するためでも、地球側に求める為に来たわけでも、魔法を教えるためでも無い。

 

あくまでビジネスのことを念頭にしている。

 

ボランティアは普通に嫌だとなる。

 

そして、やはり金欠が痛い。

 

もし、地球に居てはいけないと言われたら、違う方法を取る術はすでに考えてあるので、ダメと言われても仕方ないとアプローチを変更するのみ。

 

「きょ、許可が取れましたので!こ、こちらへ!」

 

どうやら上から許可を得たらしい。

 

転移や浮遊を使えるから逃げる事は簡単。

 

車に乗る様に言われて乗り込み、連れてこられたのはデッカい建物。

 

看板がない。

 

中に入るとエントランス。

 

中にはいかにもそうな男性達が私を出迎える。

 

それを淡々と答えて、偏らないようにする。

 

よく小説、漫画などで愛想良くしてという描写があるが、あれは聴取を義務などと言った体で受け入れているからだ。

 

私は自発的に参加も同意もしてない。

 

あくまで地球側からの一方的な言葉。

 

リズベッタは遊びに来たのであって、外交をしにきたのではありませんよと他人事に対応。

 

対応が後手後手になってしまうのは分かるとして、その皺寄せをこちらに全て押し付けようしている空気を感じて、イマイチ協力的になれない。

 

役割とか、肩書きだとかは心の中とか、頭ではガッツリ理解しているけど、流石に、私は異世界の人間側なので全力で地球側にニコニコ対応は出来かねる。

 

連れてこられるまで既に合計30分経過しているので後30分だ。

 

時間延長は私の気分となる。

 

多分延長して良い気分にはならないだろうなぁ。

 

エレベーターに乗せられて「これ、なんですか?」と聞く。

 

タロンもこれは何だろうとキョロキョロしている。

 

「これは、えーっとエレベーター、です。何かと言われると、えー、動く物です」

 

「??」

 

「具体的なものは私にも分かりかねます」

 

気まずい空気の中、キッパリ言われる。

 

私もなにかと聞かれると同じ様な内容になるので、彼を責められない。

 

確かに何かと聞かれたら、移動させるものっていう他ないよねえ。

 

うんうん、よし、これ以上聞かないでおこう。

 

世の中、中身を知っていて使う人など極小だろうし。

 

下に動くエレベーターを降りると、タロンもまた目でウロウロさせて、部屋を見る。

 

「防衛大臣が居ます」

 

「防衛大臣?」

 

名前は知っているけど、それ以外知らない。

 

そんな人が会うのか。

 

いきなり首相とかないのかぁ。

 

タロンもふるりとふるえて攻撃態勢にうつる。

 

何故ならどういった態度で居るのか謎なのだから。

 

リズベッタも頷く。

 

「どうぞこちらへ」

 

私は開けられた扉を潜る。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。