ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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21友好の証(ヤマ丸電気家電)

何人か部屋にいて、座っている人は1人。

 

立っている人の方が多い。

 

それに目を向けつつも、無言で相手を見る。

 

「初めまして。地球の日本所属防衛大臣の肩書を賜っています。〇〇〇〇と申します」

 

「初めまして。異世界から来たリズベッタといいます。頭の上にいる相棒はタロンです。して、お話とは」

 

「お座りください」

 

「はい。残り時間は25分です。それ以降は中座しますね」

 

しっかりと先に言っておき、座る。

 

座ると地球にようこそ、やマジックのパフォーマンスをしていたと聞きました、等、無難な内容を話す。

 

そして、花村にサンプル代わりにしておいた魔法製の宝石についても問われた。

 

私はやっとその質問が来たと、安堵。

 

それについて説明して、換金を頼む。

 

値段も話し合う。

 

早くお金がいるのだ。

 

早めにお願いしたいという。

 

ヤマ丸電気で家電について熱心に聞いていた事を、具体的に聞かれる。

 

家電を異世界に持ち込むという計画をちょっとだけ話す。

 

すると、思っていた事を言われた。

 

「我々から友好の証として送りたい」

 

「私たちは別に、無償で頂こうとはこれっぽっちも考えていないんです。これを話せば、渡してくることも考えていましたが、そういう場合、貰っておいた方が宜しいんでしたら良いのですが。税金から賄われるとなると、受け取り難いんですよね」

 

「そうか……なら、私や首相、それと国民の寄付ならばどうだろう。いずれ公表することになるので、その時に募金を募るのは」

 

「寄付ですか?それなら、魔女達も喜ぶでしょう。ありがとうございます。こちらも友好の証に何か考えておきますね」

 

「分かりました」

 

それと、マニキュアサロンについても聞かれる。

 

前回、地球の映画を見た時にマニキュアに興味を持っていたことを伝えて、彼女達も爪を綺麗にしたがっていたので、予約してそこでマニキュアをしてもらったのだと笑みを共に添える。

 

それと、自転車を購入するのも考えている事を伝えて、次回に纏まったお金をくれるという。

 

それと、今回話に付き合ってくれたお礼として封筒でささっと渡された。

 

これ、後に新聞系のネットニュースにすっぱ抜かれて、袖の下とか、賄賂とか言われるやり取りではないだろうか。

 

その時は、私が時間制で金額が発生すると言えば良いや。

 

ケチとか金の亡者とか言われようと、全くお金を持ってない異世界人には現金収入が必須だったのだ、と涙をポロリとすると決めた。

 

私には、魔女や異世界の住人達が待っている、という事を念頭に置いている。

 

自転車をそのお金を持って買いに行ったら、安いものを2台購入して異世界へ戻る。

 

タロンはその時も無言だった。

 

ようやくここに来て、たくさん話せるといった風に息を吐き出す。

 

やはりまだ公表されてないから、一般人の前じゃ話せないよね……。

 

ぷよりと自転車のカゴに入るタロンはただのスライムである。

 

私は久方ぶりの自転車を何回か練習し、何とかスムーズに乗りこなせるようになるまでになり、半日有した。

 

家電を買うのは今度。

 

貰った金一封では買えそうになかったからね。

 

ちりんちりーんと鳴らしながら街に向かう。

 

「道がアレでしゃーって進めない」

 

「そこは魔法でカバーすれば良い」

 

と、有能にアドバイスされ、それもそうだねと滑りを良くして影響されない様に自転車を浮かす。

 

整備をいつか、頼めるのか分からないが、今は魔法でゴリ押ししていくしかあるまい。

 

2個あるうちを私が使っていて、残りを相棒に渡そうかとしていたのだが、彼は乗らないとのことで、カゴにむっちり収まっている。

 

それを見ながら残りの一つは誰に上げようかと悩む。

 

先輩魔女か、魔女の集会の魔女達にお披露目用に置いておくか。

 

魔法石を付属させておけば誰でも浮かせられるので、魔力の少ない人でも自由に浮かせられて自転車を動かせる。

 

平らな場所なら魔力の無しで、自転車を走らせられる。

 

街中が一番通りやすいが、それをするには数を揃えねばならないから、まだ無理そう。

 

最初は反応を見る為に、魔女の一人にチリチリチリーン、と鳴らして自転車を見せる。

 

まあ、それは何かしら?と優しく目を細める魅惑の美女。

 

「自転車です。地球の乗り物でこう乗ります」

 

タロンをカゴに乗せて、くるりくるりと回る。

 

魔法無しと魔法有りバージョンを披露。

 

披露し終わると魔女先輩がキラキラと目を輝かせ「楽しそうねっ」とはしゃぐ。

 

自転車をじっくり見て、触って恐る恐る乗る。

 

魔法無しで乗る場合は練習が必要だと予め、言ってあるので怖いのだろう。

 

今は魔法で浮かせておいて良いだろう。

 

魔女の先輩が空を自転車で飛び回る日々を送り出しているので、住人や他の魔女らからアレはなんだ、という問い合わせが殺到している。

 

街の人たちの好奇心をすっかり忘れていた私は、慌ててアレについて説明。

 

地球の乗り物で、とか、本当は地面を平らにしないと使い難くて、とか言い繕う。

 

なんとか納得させられた時に言われたのは「地球のアスファルトをこちらに敷きたい」という要望。

 

それと、平らにするという要望。

 

自転車をもっと買ってきてくれと言う至極当たり前に出てくるだろう希望。

 

うん、お金無いよ。

 

お金がないという世知辛さをなんとかかんとか説明すると、みんなが私達が地球に行って稼いでこようと息巻いている。

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