ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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22魔法でミキサーを再現する

息巻いているところ、悪いのだが無理だと思う。

 

先ず魔法についてなあんにも、地球人は知らない。

 

一部の人間しか異世界のことを認知していない。

 

あと、地球じゃ戸籍ないと職を探すのが壊滅的。

 

タロンはやらせれば良いんじゃ無いかというがそんなことをさせられまい。

 

いや、させても向こうの人がびっくりするじゃん。

 

というと、彼はじゃあどうするんだよと言ってくる。

 

そんな事を言われても。

 

リズベッタは一度もそういう経営理念などに重きを置いたことがなさ過ぎて、こっちこそどうすれば良いのか深く考えてない。

 

ただ、魔法の石を生成して売れば良いやと軽く、羽の様に軽い思考で完結させていた。

 

彼らが意欲的に働きにいこうとするなんて、夢にも思わなかったのだ。

 

とりあえず向こうの世界とは魔法石で取引をすることで合意しているウマを伝えてみる。

 

それならばとみんなユルイ気持ちでポンポン作り始める。

 

それを止めようか止めまいか迷う。

 

なんせ、大量になるもん。

 

どうやって処理しようかさらに頭を悩ませる首脳陣だろう。

 

この魔宝石と呼ばれるものは単に美しい宝石だ。

 

魔力を扱える人が魔法を使うために備蓄しておく用のバッテリー。

 

故に地球人には使えない。

 

砕いても輝きは止まらないので、明かりくらいにはなる。

 

地球人が求める魔法が使えるという考えは無理だ。

 

そもそも、そういうものを渡す予定は皆無。

 

軍事利用がいちばんの理由かな。

 

私の今居る世界は争いがない世界なのでほんの僅かでもこちらのもので争いが引き起こされたなんてことになれば、異世界交流が閉ざされるし、私も閉ざす。

 

なんせ、ここの人たちは大層気に病む。

 

ここの人たちが喜ぶからと地球のものをなんとか買おうとしているのに、落ち込ませたり、気負わせるのは本末転倒。

 

そして、やはり懸念通り彼らはまるで私を魔宝石のボックスのように扱い、私の目の前にころりころりと置いていく。

 

グラデーションは人によって違うので、全て同じではなく、似ていても僅かに違う。

 

タロンもころりと、グラデーションで言うとバイオレットを作り出す。

 

お捻りかなにかのつもりなのかな?

 

続々と集まる。

 

それを集めてアイテムボックスに入れておく。

 

あの防衛大臣さんのところに持っていけば現金に変えてくれるでしょ。

 

リズベッタは何も考えず、単にお金を得て家電を買うためだけに真っ直ぐ前だけを見続けていた。

 

私は魔女。

 

魔女は自由に振る舞うのがルールというか、マナー。

 

縛られたら世界が停滞するのだという言い伝えがあるとか、ないとか。

 

魔女達が、住人たちが寄付してくれたそれを大切に仕舞い込むと、前にスーパーにて何故かわらわらと貰った食材をどうすればいいのかという質問をされる。

 

それならばとそこに向かって歩むと住人たちがなにか面白い事が起こるのかなと観にくる。

 

料理番組のような気持ちになるのは、実際の料理番組の現場を一度も見た事がないからかなぁ。

 

今行くと伝えるリズベッタに魔女達が期待に満ちた声をあげて、私のほっぺを突く。

 

「バナナとりんごと蜂蜜を魔法でミキサーするね」

 

魔法でミキサーを具現化させ、不透明なカーテンの様なものの中に果物達を入れる。

 

ブウウン、と回って液状になる様を住人達も楽しげに眺めていた。

 

イベントって、誰にとってもお祭りみたいに思えるみたい。

 

こういうミキサーの魔法は前々から試行錯誤をしてできる様に努力はしていた。

 

まあ、たまに練習するくらい。

 

なんせ、人生が長いから急ぐ気もなかった。

 

タロンもダラダラしながら見て、真似たりしていたので彼もやろうとしていたら出来るかもしれない。

 

リズベッタはタロンを頭に乗っけたいつもの状態でドロッとしたような液状にしたあと、魔法の石を削ったものだったり、木材をくり抜いたなんちゃってウッドカップにどろっとしたものを入れる。

 

全員分は……うん、貰ったのを全て液状にしたら足りる。

 

他にも梨とか、オレンジ、キウイなどが買い物袋に入っており、袋にはスーパーの名前のロゴとマークが入っていた。

 

それを見て、中のものを魔法のなんちゃってミキサーにごろっと丸ごと入れる。

 

そこに向かって期待に満ちた顔を浮かべる全員に配る。

 

最後にスライムに渡してようやく、突然のテレフォンショッピング風の食べ物紹介は終わった。

 

溶かすタロンも美味しそうにしている。

 

糖分が果物に既にあるからなくても美味しい筈。

 

現代人には甘くないかもしれないが、原種の食べ物しかないこちらの世界からしたら、驚く程甘い。

 

 

まったりとっくり異世界でのルーティンを繰り返していると、リンリンと魔法のベルが鳴る。

 

「はいはーい。こちらリズベッタでえす」

 

気の抜けた声で対応すると、向こう側から良かった、とホッとした声が聞こえてくる。

 

「花村さんどうしたの?」

 

「いや、そのー、うーんと」

 

相手は花村だ。

 

連絡手段を渡している。

 

悪用したら私の権限で即ベルを消滅出来るのと、相手に痛い思いをさせる魔法をかけてあるベルなのだ。

 

痛いことに、なることは伝えてない。

 

仮に、花村からベルを取り上げた人を痛い思いをさせる可能性の方が特大だし。

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