ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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24店員にあなたは石油王女だったのですか?と問われた。アイアム魔女です

それに関して特に帰りたいわけでもなかったのが幸いだったというべきか。

 

情報共有した時に、地底人はパラレルワールドではないという事になっている。

 

歴とした私の知る、花村の故郷。

 

現に花村と地底人ケセランパサランの異世界の波長は同じだった。

 

花村をすぐに返せた理由はそこにもあったのだ。

 

ケセランパサラン星人(?)が異世界をとても気に入り定住してくれたおかげで地球談義は出来るには出来るが、現代のお話は別口。

 

なんせ、相手は地底住み。

 

私は真ん中の地面住み。

 

こうなると次なる存在は空でも飛べるかもしれない。

 

「やっぱり木材でスライムなんて良いですよ。おれ、いや、わた、ちが、僕買います」

 

ちょくちょく言葉を変えようとする男、花村が熱弁する。

 

スライムという未知の生物にファンタジーへの渇望が見て取れる。

 

花村のアドバイスに従い、スライムの彫刻を渡す事にした。

 

 

 

内心、こんなの大人が欲しがるわけないと分かってはいたが、代案もなく、他になにか当てがあるわけもなく、これにする他なかった。

 

魔法で地道に彫刻していき、スライムのものを作り込んでいく。

 

リズベッタとタロンはスライムというモデルになってもらい、見事な水分感を再現出来ている。

 

とても良く出来たので複製した。

 

複製したものを部屋に飾る。

 

気に入ってしまった。

 

大臣との約束を花村を介して行い、再び会って互いに友好の証を渡し合う。

 

スライムの流動感がある彫刻を見て、大臣はスライムがお好きなんですねと笑う。

 

どちらかというと、木材が目的。

 

彫刻に使われている木が異世界独自の植物だと彼に言えば、目を白黒させ、彫刻をマジマジと見る。

 

「成程、友好を示すために」

 

大臣はふむふむと嬉しそうにしていた。

 

まあ、パフォーマンスができるからこそ、その地位があるので、外交が上手いのは当たり前だろう。

 

「はい。花村さんに相談したんです」

 

「花村というと、そちらの世界に向かった男ですね。我が国民を救ってくださりありがとうございました。伝えるのが遅れて申し訳ない」

 

「いいえ。私もパニックになっている事は分かってます」

 

「そちらの木材を使えばいいと助言したのですね」

 

「はい。うちにはそれくらいしか考えられない程のものしかありません。自然豊か、豊かすぎて人工物が無いですから」

 

楽しく会談し、家電についても質疑応答する。

 

くれた家電はヤマ丸電気に聞いたもので、そこの担当者の人から大量に買い上げてくれたらしい。

 

ここでもらっても買うつもりではいたが、たくさん買うという言葉が現実になったので、店員さんは嬉しい悲鳴と、実はお金持ちとか、アラブの石油王女だったんですか?と聞かれたらしい。

 

石油王女!

 

まあ、そう思うのも納得するほど大量に買い上げてきたのだから驚くのだろう。

 

タロンも家電の一つにピッタリ張り付き、色々見ている。

 

擬態するのでは?

 

「緻密な箱だな」

 

そんな所を見ながら、大臣が私との交流を発表してもいいかと言われて首を傾げる。

 

それは私に関係あるのだろうか?

 

公開されようと、なかろうと、地球にバンバン来るよ?

 

リズベッタはお好きにどうぞと言う。

 

でも、公開されたらタロンも遂に好きな様におしゃべり出来るよね。

 

彼に良かったねと伝えるとそうだなと少し嬉しそうにする。

 

可愛い。

 

実は彫刻のモデルにスライムを選んだのも嬉しがっていたのかもしれないね。

 

知らずにいた事実に、もっと彼を見ていればよかったと勿体無く感じた。

 

「家電を送りましたが、電気の問題は大丈夫ですか?一応大型のバッテリーもご用意していますけれど」

 

「それは助かります。魔宝石から差し引いておいてください。それも持って帰りあちらの皆にデモンストレーションを行います」

 

電気の充電が可能になるかもしれない。

 

家電に直接よりもバッテリーの方が良いかもね。

 

思案していると大臣が人の良い笑みで「そちらの世界に技術者を送ることも可能ですよ」と提案してくる。

 

そういう体を成した何かしらの提案がされることは予期済み。

 

「いえ、無理です。花村は運良くと言って良いか分かりませんが、スルッとこちらの世界に生命体が入れるのは稀有なんです。型が違う穴に入れてしまったのは本当に奇跡の様な確率です。私があなた達を招こうと思っても世界と世界の間は明確な別世界。入ろうとしても弾かれるだけですよ。意地悪とか、そちらのことを警戒してなどと言う意図も全くありません」

 

花村にも説明した。

 

しかし、お上は納得してないのだ。

 

どうせ、私が嘘をついていると思い込んでいるのだろう。

 

困ったものだよ。

 

真実も同じ。

 

無理なものは無理。

 

たまたまとか、稀にとか、運悪く通れてしまった花村が例外なのだ。

 

例の地底人だってあちらの世界に来て既に何十年経過している。

 

それだけ長生きなのは魔力に順応しているからでは、と我々は推測しているが、データが全く無い様なものゆえに、あくまで空想の域を出ない。

 

タロンがうにょんとなり、周りの人はびくりとなる。

 

異世界に行きたいという意図を、攻撃を察したこちらに危機感というか、侵略を目的とした提案をしたと思われるのを恐れているのだろう。

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