ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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26 悪用したら絶対に悪用じゃないですと言い始められる言い回し

色々してもらって知らんぷりもできなくはないが、これからも気楽に地球に行き来出来るようにしておきたいもん。

 

「ありがとうございます。悪用しないとお約束します」

 

(悪用って意味が広いよね)

 

悪用したら絶対に悪用じゃないですと言い始められる言い回し。

 

私はひと足先に他のお店を探して、魔女や住人達に色々買い込む。

 

今の会話で代金が発生したらしく、いそいそと箱風のお金をもらった。

 

これは、オダイカンの金の丸く細いもののやり取りっぽくて楽しい。

 

正当な報酬なのでありがたくもらう。

 

無銭状態だったからね。

 

どのお店なのかと言うと、文房具の店。

 

「タロン、本とか、紙とかあるとこ」

 

「何故そこに行く」

 

「紙と鏡を買いたくて」

 

「鏡?関係あるのか」

 

「文房具の店に鏡は多いから」

 

説明していると、鏡ブースへ行く。

 

鏡が見回すばかりにある。

 

「全て鏡なのか!?」

 

「うん。全部鏡」

 

「そんなこと、あり得るのか?鏡が物理的に存在出来ているだなんて、どんな魔法が使用されているんだ」

 

「魔法なしだよ。科学だから」

 

いつ見ても驚くリアクションは見ていて良い。

 

凄く優越感と幸福感が満たされていく。

 

凄いでしょう、もっと知って!と思える。

 

売っていたワニの緩い絵がプリントされたTシャツを購入して来ていく。

 

タロンにはエコバックを購入してその中に入れる。

 

「幾つ買う。おれもほしい」

 

文房具屋に服がある、そのあべこべ感も懐かしさで終わる。

 

「分かった。そうだなぁ、どれくらいが良いかな?全員分は無理だしさ」

 

「遊び大会でも開いて、上位者にやればいい」

 

遊び大会とは、私が現代知識を元にした方法を大会と称して広めるための催し。

 

例えば地面に文字を書いて遊ぶとか、木をタッチする徒歩を競ったり。

 

しりとりをしたり、手遊びだったり、ダンスを真似してだれが上手いか決めあったり。

 

腕相撲なんて人気の大会だ。

 

今年は花村がくる前から考えていた大声大会をやろうと思っていたけど、地球と交流を出来るようになったのだから地球のものを使用したものを大会に起用しようと思っている。

 

スプーンに円状のものを乗せて競争する遊びの方がいいかな。

 

その間に家電の運用をさらに早める為に色々実験をしたい。

 

楽しませつつ、生活を豊かにしていきたいよ。

 

と、彼に語ると他の魔女にも手伝わせろともっともなことを言われる。

 

まぁ、分かってはいるよ?

 

でも、どうせ今直ぐとはならないからさ。

 

私なりにゆったりやっていけば良いかなと思って。

 

地球からしたらさっさとやってくれと背中を突きたいだろうが、寿命っていうのはそれだけ大きいもの。

 

「おい、このお笑い芸人ってやつ、見たい」

 

ゲートをテレビのある場所に繋いで見ていたスライムはある日、テレビ内の人間を指して要望を訴える。

 

「お笑い芸人なんて、私でさえ生で見たことないんだけど……どうやって見れるんだろう」

 

地球の電波を拾い、ネットサーフィンが出来る施設を使って調べると、小さな施設でライブをしていると表記してあった。

 

そこへ行けば見れるんだ。

 

初めての事態に私でさえドキドキした。

 

入場料は一人なので安く済む。

 

地球の法律では、スライムは科学物質らしいし、二人分払うってのも変に思われる。

 

普通にそこへ行って相棒とライブ会場へ行く。

 

「ライブ会場ここだって。ここで色んな芸人さん達がコントやるんだって」

 

「楽しみだ」

 

タロンが楽しそうにいうので、彼はそれを気に入ったのだなと嬉しくなる。

 

「お、出て来たよ」

 

耳に響く音楽と共に出て来た二人組。

 

それを観客達は拍手で迎える。

 

私も習う。

 

こういうノリの場所に来たのは初めてだ。

 

お金を払うのは精々映画館だが、それも幼い時であって、さらに年を経てそういうところにも行かなくなった。

 

リズベッタは二人でコンビのコントを眺めて、スライムなりの大笑いを頭の上、ではなく流石に腕の中に収めて感じていた。

 

タロンは凄く楽しそうに過ごしていた。

 

そのままぶっとうしで3時間留まる。

 

全てを楽しんだスライムはかなり大満足だったらしい。

 

また行きたいと語るので行こうねと同意した。

 

次もスケジュールを見て、次はいつが良いかなと貼られているカレンダーに目を向けて、メモ用紙にスラスラカリカリと内容を書き記す。

 

そうしておかないとスケジュールをインターネットで見るのは面倒だと分かっているからだ。

 

タロンはヨシ、とメモする私を褒めた。

 

彼にしては珍しく上擦った声でよくやったと言われずとも分かった。

 

そんなに楽しみならば頻繁に赴かせてあげたい。

 

もしよかったら彼を人に擬態させても良いかもしれない。

 

それならば私が同伴しなくとも好きに行き来出来るし。

 

スライムを人に思わせるための道具を作らねば。

 

リズベッタは新たなる課題を己に課す。

 

家電の実験を重ねてようやく実を結ぶ。

 

漸く滑らかに家電を使えるように改良を重ねたので、家電を住人達に大放出することにした。

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