ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】 作:苺のタルトですが
外へ向かい、道から外れた箇所へ行くと花村が徐に袋を渡してくる。
「はい、どうぞ」
「えっ?」
「見られたりするの嫌でしたよね。だったら私のカードの記録に残るのでリズベッタさんの買った記録にはなりません。もし、問われたら女心を学ぶためにって言います。それと、ほかの方達にお土産を渡したって言います」
「でも、知られちゃいますね」
「大丈夫です。他のジャンルも同じくらい入れておいたので、私の判断でゲームを売り込むためだけのために、買ったと誤魔化せます。誰がどのゲームをしたかまでは、上も分かりませんよ」
彼は、イタズラを仕掛ける子供のように笑う。
ありがとうございます、と言いながらソフトと本体を受け取る。
魔女や住人達も喜ぶだろう。
その後、雑談をしてから異世界のゲートを開き、帰還。
花村に手を振って互いにお疲れ様を言い合う。
異世界に戻ると、目の前に魔女が二人並ぶ。
彼女達は双子の魔女。
どうしたのかと聞けば、なにやら他の魔女達も待っているのだと手を引かれた。
こんなにガンガンしている双子は珍しい。
活発ではあるが、わざわざ手を引くほど急いでいるという点であまり見ない。
どうしたのと聞いても、道中に説明するとはならず兎に角、袖を引っ張られた。
リズベッタは、連れて行かれるままに移動する。
連れて行かれ場所は、魔女達が待っていた。
「なになに?どうしたの?」
歩きながら問いかけていく。
彼女らは嬉しそうに笑っている。
来てきて!と手を振る姿にこちらも手を挙げる。
彼女らが居るテーブルの前に来ると期待している、キラキラした目がリズベッタを見つめる。
なにも理由が思いつかないので、どうしたのだと聞く。
魔女らは、リズベッタにどうだったのよと質問してくる。
美味しい魚を食べてきたことを教える。
魚とは何かという質問を受け、魚について説明。
タロンが魚の形になるという細かな芸を披露してくれることによって、説明が簡単になる。
「すごーいっ」
タロンはやはり、細やかに補助してくれるので頼りになる。
周りにすごくすごく、持ち上げられてボールのように空に打ち上げられるスライム。
やめろと聞こえるが、やめてくれるわけがない。
笑って眺めた。
タロンが解放される頃には、誰かの胸の上に抱き抱えられていたので、ウニョウニョしている。
イヤイヤでも、暴れたりしない心の優しさにほっこり。
「おい、助けろリズベッタ」
「楽しそうだから、いいかなって」
「いいわけないから、助けて欲しいと言ったんだぞ」
「うんうん、ごめんごめん」
と言っても、特になにもしないこちらにスライムは飛び上がる。
そのまま、リズベッタの頭にどっしり降りてきた。
やっぱり、やろうと思えばやれるじゃん。
頭の重みに、彼へ笑うとふにょんと揺れるボディ。
向こうで買ってきたゲームを皆に披露する。
「まぁ!すごいわぁ!」
皆はゲームソフトを手に取り裏表にしながら、読み込む。
「なんのゲームなの?」
「やってみた方が早いよ」
「やりたいわぁ」
乙女ゲームのパッケージを見せて、それをセットする。
音量を上げていけば、男達の担当声優が当てた声でタイトルを読み上げられた。
「なぁに?声が聞こえたわ」
「言葉を唱えてくれるのかしら」
画面をじっとみて、きゃあきゃあと騒ぐ面々。
「うんうんうん。こういう反応を期待してたんだよね〜っ」
乙女ゲームをやろうと思ったのはまさに、こういう反応を待っていたのだ。
リズベッタは彼女らの反応に満足した。
男性にはハーレムものの恋愛ものをあげた。
「これは?」
「これは女性と恋愛できるゲームです」
丁寧に教えると乙女ゲームとギャルゲームを揃えて見せる。
男性達も魔女や魔法使いと呼ばれるのだ。
なので、男性に向けてゲームを見せていく。
「ねえっ。リズベッタ!これはボタンを押せばいいの?これを?」
コントローラーを手にウキウキしている。
今回は携帯ではなく、据え置きを買ってきた。
皆が見れるように。
本体は流石にスライムで代用できないので、ちゃんと本体を用意している。
「男性が何人もいるわね?」
「それは、選べる?」
「動く絵本って感じ?」
「動くの?凄いわ」
現代の地球に向かった人達は、どれだけ向こうが凄いのか知っているので、今回もそういうものなのだろうと全員さらりと納得している。
男の人も女性達がしているゲームの方を興味深そうにみている。
この次にギャルゲームをやるから、どちらでも変わらないだろう。
ゲームを進めていくとプロローグを読む面々。
今回は世界観的に入りやすい魔法世界のものにしておいた。