ポイズンスライムと地球に行く【オリジナル】   作:苺のタルトですが

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09魔女達も地球に行く

リズベッタを胸で潰していても、逆に可愛がっているつもりで頭を撫で撫でする魔女達は、年下で最年少のこの魔女っ子をとても気に入っている。

 

マレビトが流れてきたときは魔女見習いなのであり、一般人を出かけている位置にある女の子が、果敢にもマレビトと同じ言語を瞬時に理解して話しかけた。

 

それだけに終わらず、魔女達と協力してそのマレビトの世界をどうにかして探し出し、マレビト又は花村を送り届けた。

 

それはとても難しい物事なのに、見事やり遂げてしまった。

 

異世界など、繋げるのは簡単だがそこに行くのは別問題なのだ。

 

タロンと共に向かった彼女は難なくミッションをやり遂げた。

 

それなのにケロリとしていて、オマケに地球の品を持ち帰り、映画というものや、紅茶やそれに合う菓子を食べさせてくれるという、もしかしたら快挙を成し遂げているかもしれない。

 

タロンもタロンでリズベッタを信頼しているから、共に行ったのだろう。

 

という可愛い年下達の頑張る姿は魔女達に癒しを多大に与えてきた。

 

そんな子が、地球という地を褒めるので一緒に見てみたくなったのだ。

 

魔女の胸に挟まれる形で、リズベッタはぎゅむぎゅむとなりつつ、地球へ共に向かっていった。

 

ゲートなどと言い、まあ、魔法で繋げた場所をいろんな言い方をしているがまだちゃんと呼び名を決めてないからゲートと呼ぶ。

 

ゲートを潜り抜けた魔女達は周りを見渡すと、リズベッタを相変わらず挟みながら進む。

 

ここはどこだろうと思っているとギョッとした声が聞こえた。

 

「え?魔女みたいな集団が見える」

 

と、驚いていたのはなんと花村。

 

ここはどうやら花村の気配を辿ったからこそ行き着いたコンビニの前だったらしい。

 

ビニール袋を引っ提げて哀愁を漂わせている。

 

おそらく怒られたとかではないけど、みっちり聞き取りされたのだろう。

 

前回から大体15日を過ぎているが、解放されたのは最近なのだろう。

 

予測だが、また呼び出される予定をしているから、余計に疲れた顔をしているのだろう。

 

彼は命の危機があればゲートから引っ張る事を設定しているので、危険な事は今の所されてないようで、戻ってきてないのがその証拠なのだ。

 

リズベッタをみた花村は目をぱちぱちさせる。

 

「え!?リズベッタさん。帰ったんじゃ……」

 

「遊びに来ました」

 

「今回は随分と大所帯だね」

 

と話もそこそこに花村の住む社宅と呼ばれる場所へ招き入れられた。

 

その間に花村は魔女達の質問に窒息しかけていた。

 

あれやこれやというのは良いが、聞くことが多過ぎて、彼はとてつもなく困っている。

 

「あの光っているのは何?」

 

「あれはテレビ」

 

「服を来ているのは?」

 

「マネキンです」

 

辛うじて、なんとか答える。

 

タロンはそれを眺めながらそろそろリズベッタを離してやろうぜ、と念を送るが魔女達は命綱扱いの彼女を引き剥がすことは出来そうにない。

 

気分はまるで女子校に放り投げられたようなものだろうな。

 

楽しそうな魔女達を無視出来ない花村は良い男だと思う。

 

私なら質問パラダイスに無言になるだろう。

 

彼女が放置している間に、花村の社宅へ入った。

 

狭い狭いと楽しそうな女性らに疲れ切っていた。

 

さっきも疲れていたけど、更にげっそりしている。

 

質問というエネルギーに圧倒されたらしい。

 

花村は遊びに来たというセリフをちゃんと覚えていたみたいだが、本当に遊び来たんだと伝える。

 

気軽に遊びに来れるんだなと内心花村は思ったが、自分を異世界に送れるのだから当然かと納得していく。

 

部屋に案内したは良いが、決して整っているわけじゃない。

 

散らかった部屋だ。

 

そこに見目麗しき女性達を案内するのも心にダメージを負った。

 

しかし、魔女達を不慣れな地球の地に居させるのは心許ない気持ちになるのだから、仕方ない。

 

それにしても、遊びに来るなんてよく出来たなと不思議に思う。

 

警察の対応はかなりイメージが悪く、自分なら2度と来ないけどなぁ、と思ったが、リズベッタは漫画の本を読みたがっていた。

 

もしかしたら、異世界に流れてきた漫画などがあって、続編を読みたかったのかもしれない。

 

マレビトは滅多に居ないが、異世界の物質はそこそこ流れて異世界へくるらしいから。

 

「花村の部屋?ここって貴方の家なの?」

 

「社宅なんで借り物の住まいですよ。部屋はいっぱいあって、そのうちの一つに住んでます」

 

「リスみたいに木に穴を開けて住んでいるのに似ているわね」

 

翻訳はリスになっているが、本当は違う名称だ。

 

生態が少し違うのは異世界だからね。

 

異世界の生物に見立てられた花村は苦笑いする。

 

「リスって……いや、間違ってないかなー」

 

花村は疲れた脳で考えるのを辞めたのだろう。

 

気持ちはなんとなく分かる。

 

なんとなくね。

 

私も地球の人間の1人だからマンションには住んだ事は無いにせよ、団地には住んでたから。

 

集合住宅。

 

そうなると1人なのに1人じゃ無いという矛盾な住み方をしなきゃならなくて、でも寂しいから1人で暮らすのも無理。

 

ってなわけで、リスみたいになる。

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