褪せ人が行く!ふかふかダンジョン!【完結】   作:No_46

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夜目に写ったのは

 人は視覚から知覚の約8割に値する情報を得ている。

 それを理解している暗殺集団、黒き刃の刺客はまず視覚を封じるため身隠しのヴェールを身に纏った。

 残念ながら狂い果てた狭間の地では離れた場所にいる貴方に気付き、攻撃を仕掛けてくるのは遠距離武器を持った者のみ、それも特定のルートを通った者だけ。

 

 このタリスマンは使われることも無かった。

 何より時間制限すらあれど超低コストで立ったままでも姿を消せる戦技:暗殺の作法や魔術:見えざる姿が有用すぎた事も大きいだろう

 

 長時間、狂ってない存在が貴方を発見し攻撃を仕掛けてくるかもしれない場所を移動する時、しゃがむという制約はあれど有用なタリスマンだと言える

 定期的にしゃがみ移動を繰り返せば少しの移動でも見失う可能性は高いだろう

 

 移動する時は動きから少なからず音が伝わる。

 それは視覚の次に知覚するものだ。

 褪せ人はしゃがむと音を消すことができる

 だが円卓の暗部は密使を兼ね、しゃがみながら移動することは無為に時間をかけることを意味していた。

 

 だからクレプスの小瓶は装備者の立てる音を完全に消すものだった。

 

 貴方の踏みしめる地面の音は消え、ただ自然の音のみが流れている。

 前述した黒き刃の刺客が着用していた鎧には音を消す効果があるが、貴方は鎧を変えるつもりが無い。

 

 放浪騎士装備に盾と直剣ですべての敵を斬り伏せた貴方はこだわりが強かった。

 

 上質特化の貴方は精神力(FP)も直剣と盾の戦技を使用する以外に全ての遺灰を使える最低限の23、恵みの青雫のタリスマン(FP自動回復)のように精神力が自動回復できる手段はあるが限られていることから直近の危険がない今、暗殺の作法などの戦技を付与した直剣を使うつもりはなかった。

 

 随分歩いたが地図を見ても殆ど移動できていない。

 日も暮れてきて周りが暗くなる。

 褪せ人である貴方は食事も休息も不要だが暗い状態では地図のおかげで方向を間違うことはなくても障害物にぶつかる可能性もあるだろう。

 敵なら意識を向けることで見つける(ターゲット固定)事も出来るが動きが見えないのは致命的だ。

 

 腰にランタンを付け周りを照らす。

 

 身隠しのヴェールで透明化するときは周りから見て光も透明化されている。

 立っている時に見つかっても一撃で殺されない限りは大丈夫だろう

 最悪しゃがんで進めば良い。

 

 貴方は明るくなった森を進み続ける。

 

 月光も星明かりも無い

 夜が来た。

 

 歩き続けて幾ばくか

 夜も更けてきた中、地図を確認するとようやく道のようなものが見えた。

 

 目覚めた場所から今の場所ほどの距離の先でようやく道に出ることができるだろう。

 道に出れば馬に乗ることも出来る、この暗黒大陸は狭間の地と比べてかなり広い。

 

 祝福もその分遠いのだろうか、最初の場所から未だに一つも見つけることができていない

 

 馬ならば十全にこの大陸を回ることができるだろう

 導きが示すものは何なのか、未だにわかっていない

 早く馬に乗りたいものだ。

 貴方がそう考えていると

 

 ボッ! 

 

 何かが強力な力で放たれる音

 すぐにローリング回避をすると先程立っていた場所に高速で大矢に似た矢が通過した。

 

 放たれた場所にはまたしても見たことのない鹿のような脚を持つ亜人? 集団そのまま走って向かってきた。

 身長は小さい、吹っ飛ばしや怯みはしやすそうだ。

 先頭で先程大矢を放ったらしき亜人は足以外、マントに包まれていて謎のお面を被っている、それを見て見て翁を思い出した。

 

 そんな感傷に浸る間もなく距離を詰めた仮称鹿脚、使用するのは槍だが突きだけでなく薙ぎ払いなどを上手く織り交ぜて距離を詰めることができない。

 

 後ろに下がりながら防げてはいるがやりにくい、スタミナ消費はまだ少ないがいずれ枯渇する、そう思うと同時にまだ多くの鹿脚が来ている現状さっさと倒さなければならない。

 

 まだ祝福どころかマリカの楔すら目にしていない。

 なんなら今もステータスにマリカのマークはない

 殺されたらまたこの距離を徒歩でしゃがみながら歩かなくてはならない。

 

 さすがにそれは面倒すぎると貴方はロングソードの戦技使用を決断した。

 精神力が少ないのであまり使いたくはないが背に腹は代えられない。

 

 戦技 構え

 

 鹿脚の攻勢が緩んだ隙に使用する

 行動を止めようと鋭い突きが向かうがすでに発動は完了し姿勢を下げることで躱し一気に距離を詰める。

 

 途中援護のように周囲から矢が放たれるが踏み込みの速さについてこれず殆ど当たらない。

 だが偶然当たった1本の矢を鎧が弾いた。

 弾いた? 

 

 そんな疑問が出てくるも目の前には渾身の突きを外した鹿脚、好機を逃すわけもなく剣が身体を貫いた。

 踏み込む勢いで貫いた鹿脚を吹っ飛ばす。

 入れ替わりで攻撃してきた鹿脚はかなり近い、後ろにローリングして攻撃を誘いつつ構える時間を稼ぐ

 そのまま踏み込みからの切り上げでこちらも処理できた。

 だが

「pyda)4t@7o;q!」

「:Zb4z9e」

「xgf@douew@!」

「3d,o4!」

 

 今度は4人の槍を持った鹿脚が貴方を円を描くように走りながら取り囲む

 

 観察すると女のようだ、槍の扱いは最初の鹿脚程ではないが連携は良い、敵意はマシマシ、会話も出来るようだがすでに二人殺した手前、交渉も望み薄だ。

 そもそも何を言っているのかすらわからない、次は攻撃を受けてもすぐに殺さず会話を試してみようか。

 

 緑亜人やこの鹿脚然りこの大陸にはちゃんと連携できるほどの知恵を持っている存在が多いのか

 

 自分の攻撃の届かない中距離武器で連携をして自分を追い詰めようということからもわかるだろう。

 

 囲んで殴る、実際それは褪せ人に対する最適解に近い

 こういう囲まれた状態で連続で攻撃を食らうような連携をされると途端に自分たち褪せ人は弱いということを貴方は知っている。

 

 だからこそ

 

 こういうタイプの対策は既に用意してある。

 

 ロングソードの構えを解きブロードソードに切り替える

 ロングソードよりも少し刀身が短いが幅が広く威力が高い

 

 だが入れ替えた理由はそこではなく戦技にあった。

 こういう時のため、入れ替えた戦灰による攻撃範囲外の相手を強制的に自分のフィールドへ引きずり込むための戦技

 

 振り上げたブロードソードに踏み込みを警戒した鹿脚共が警戒し避けるように後ろへ体重を傾けるが地面に突き立てたことでそれはすぐに困惑へと変わり、そして驚愕に至る

 薄く紫に地面が光ったかと思えば突き立てた場所には黒紫の闇が生まれると、瞬きする間もなく縮小しすべてを引き寄せた。

 

 戦技 グラビタス

 

 後ろに傾けていた体重を無理やり引き寄せられると共に魔力のダメージで蹌踉めいた鹿脚共は既に貴方の攻撃範囲に入っている。態勢を立て直す前に一体を斬り下ろしそのまま3体を薙ぎ払った。

 

 驚愕と何が起きたかもわからない表情で斬り伏せられ、息絶える姿を見て鹿脚共は一斉に下がり始める。

 

 だがまるで闘志は消えていない

 必ず殺してやるという殺意を感じることから周りの鹿脚共は遠距離で戦うことを選んだようだ。

 

 やはりこの世界では損耗を重視している。

 

 貴方は戦闘が始まってからタリスマンを入れ替えていない

 

 しゃがんで身隠しのヴェールの効果を発動させてすぐに敵の比較的少ない方向、外周側に歩き出す。

 

 しゃがんだ瞬間見失って周りを確認するように視線を動かす鹿脚、近づこうとして止められる鹿脚

 やはり相当目に自信があるようでこの闇の中お互いの位置もしっかり見えているようだ。

 

 その停滞を待っていた。

 

 貴方はランタンを消し、ブロードソードを君主軍の直剣(致命補正が高い)に切り替えるとターゲット固定済みの近くにいた鹿脚から致命の一撃を叩き込む。

 

 いきなり背後から刃を突き立てられた鹿脚は驚愕するもすぐに反撃しようと槍を振り回そうとする、その前に足で蹴り飛ばすように刃を抜いた。

 

 立ち上がることはできない、腰の中心に食らわせた刃はそこから臓腑を抉り傷付けた。

 あなたも何度か受けたことがある、あれは短剣だったか。

 

 そんなことを思いながら倒れた場所を囲まれる前に移動してまた離れた場所にいる鹿脚に致命の一撃を加えていく

 いくら夜目が効くと言ってもなんの音もせず背後に近づくまで見えない貴方を見つけることは至難だ。

 特に敵が前にいると思っている相手には。

 

 実際には近接戦主体で隠密を熟した訳ではない貴方を見つけることは出来る。

 不自然に揺れる草や動く石、本当にうっすらと見える姿

 だが貴方の攻撃で鹿脚側が有利なはずの夜に既に6人が死んでいる。

 

 それでも動揺が大きすぎると感じたがお陰で冷静になっていなかったのが幸運だった。

 追加で6人ほど殺してやると漸く撤退を判断したのか周りから鹿脚が凄まじい速さで消えていく。

 

 残ったのは死体だけだった。

 

 今回は追わずに最初の目的である導きの先に行く為、死体を観察するだけにした。

 緑の亜人の時は死体すら観察できなかった。

 ドロップ品があったかもしれない。

 

 何よりあの速さは遠距離主体ではないと殲滅は難しいだろう。

 貴方は学ぶことのできる褪せ人なのだ。

 

 始めての暗黒大陸のドロップアイテムを確認するが生憎と誰一人ルーンから物質化したものはなかった。

 

 そもそもこの世界のモンスターはルーンがないのではないか? そんな考えすら浮かんでくる。

 よく見ると死んだ鹿脚は異常に衣服が薄い

 というかほぼ無い

 

 容易く殺すことのできた彼女達がだ。相当戦闘には自信があったのか? 

 

 狭間の地にいた全裸で協力や侵入してくる奇人は異様に強かったがこちらではそういうわけでは無いのかもしれない。

 

 それよりも重要なことがある、全裸になっても脱がない胸元や股間部分が丸見えで何もつけていないのだ! 

 貴方は驚愕し、死体を確かめる。

 

 特に衣服は丸見えなことで特殊な効果でもあるのかと気になってしまう。

 周回したいがあの逃亡速度、遠距離戦技でなんとかというところだろうか。

 

 考えながら貴方は残った死体を転がして遊ぶ

 そんなことをしていると衣服がスルリと落ちた。

 

 そう落ちたのだ! 

 狭間の地ではモンスターの装備を剥ぐことはできない。

 武器も含めて存在がルーンとして一つに成っている。

 この世界では違うのだろうか? 

 

 簡単に調べた結果、この世界ではルーンが取得できない代わりに確実に死体を全て剥ぐ事が出来るようだ。

 

 取得したアイテムはルーンに変換できないのでは? と思ったが幸い狭間の地のドロップアイテムと同じようでルーンとして所持品に入れることができた。

 衣服を取得するため何度も周回する必要がないのは素晴らしい! 

 

 緑の亜人達は逃げた奴を追った為、死体の確認などをすることができなかった。

 そもそも死体が剥げることに気付けなかった。

 

 この世界では今までと違い直感が働かない。

 狭間の地では何ができるのか、どういうものなのか

 説明はなかったが直感で理解していた。

 これも祝福の一部だと思っていた為、祝福が薄くなった弊害だと考えていたが、そもそも世界の仕組みが違うのか? 

 

 この世界のことを1から調べる必要がある。

 

 刺さらず弾かれた矢や緑亜人戦の時、簡単に抜けた矢も調べる必要があるだろう

 どこか体を休める場所で所持品の動作も確かめなければならない。

 

 だがその前に新たに手に入れた装備だ。

 貴方はワクワクしながら服を剥ぎ説明を見る

 

 

 

 レッドキャップ雌の戦衣装

 

 マントと布を体に巻き付けるように纏うだけの衣装

 レッドキャップの雌が着る

 まるで体を保護する気が無いようなそれは、雌が戦う時に

 胸などが暴れないよう、最低限の要素で作られている。

 そしてあわよくば身体を魅せて隙を窺うために。

 

 

 

 ふむ

 

 レッドキャップ、これは雌と書いてあるから種族名だとわかる。

 身体を魅せる? 

 貴方は考える、つまり……同情を誘ってそのすきに殺すための装備なのか? と

 

 特に効果はついていない。

 説明から読み取れたのはそれだけだった。

 同情を誘うということはそれができる相手が多いことを意味している、この世界では狂った存在は珍しいのかもしれない

 

 貴方は裸で戦う趣味はない

 だがコレクションにはいいだろう

 とりあえず貴方は褪せ人の老指でメッセージを書いた。

【剥ぎ取り万歳!】

 

 

 服や帽子、装飾品をルーンにして保存し歩き出す。

 

 次あった時はどうやって殺すか、考えながら

 

 そうして夜も明け、日差しが眩しくなった頃

 

 貴方はトラップを見つけた。

 糸に触れることでくっついている鳴子から音を出し侵入者を発見するのだろう。

 

 貴方はそのトラップを踏み抜いた。

 

 

 side:レッドキャップ

 

 いつも通り視界がよく通るようになった夜

 冒険者を何人か狩ることが成功した帰り道

 先行していた仲間が不思議な動きをする光源を見つけた。

 

 最初は病気猿(人間)の軍隊でも行進しているのかと考えたがその光源は時々消え少し離れた場所で再び灯る。

 レッドキャップの夜目が効く事実は人間にも知られているはずだ、それこそこんな星光もない曇り夜には人間は街や砦から出てこないか出てきてもその場で作った隠しシェルターに引きこもり、光も最小限に抑えようとする(それでもレッドキャップには丸見えだが)

 

 そんな夜に目立たせるように光源を消したりつけたりするのは異常だ。

 戦士長が警告の為に立てていた足音を消すように指示を出し光源の下へ近づく。

 時々いる森に慣れてレッドキャップの夜目を過小評価した阿呆だろうか。

 

 そして見つけた光の元は一人で動いている全身鎧だった。

 何故光源を持ちながら真夜中こんなとこに居るのかは知らないが、食料はあって困ることはない

 周りには隠れている伏兵も居らずそれに対して此方は夜目の効く集団だ。

 光源も戦闘では問題ない程度の明るさ、相手はこちらに気付いていない。

 真っ先に長が音を立てないように走りレッドキャップの投槍(弓引き投げ)を放つ。

 それは通常の矢よりも太い大矢が番えられ引き絞られた状態から、レッドキャップの鹿の足によるスピードと合わさり投げるように放つことで通常以上の威力を放つ必殺技である。

 

 その矢を全身鎧は地面に転がって回避した。

 異様な回避方法に意表を突かれるが迷わず素早く近づきそのまま槍で追撃を開始する。

 

 だが全身鎧は無駄のない動きで転がった状態から起き上がった。

 全身鎧から金属の擦れる音が響き直剣が抜かれる、剣は気づかないほど薄く、しかし鋭い殺気に満ちているが鎧自身はまるで平常という違和感

 異様な雰囲気を警戒し相手の間合いの外から突きや薙ぎ払いを織り交ぜて攻めるが、相手は片腕の盾で上半身を的確に守り、足を攻めようとすると跳んで下がる。

 全身鎧であるということを忘れるほど軽やかな動きはしかし、此方を攻め倦ねている相手を着実と削っていく。

 もしタイマンや集団戦だったなら脅威だっただろうが今は一対多数、仲間が周りを取り囲み数の暴力で間合いの外から殺せるだろう。

 相手に致命傷を与える攻撃だけでなく牽制の弱い攻撃すら全て防いでいるこの全身鎧はそれだけ体力の消耗も激しいはずだ。

 

 この時レッドキャップ達は油断していた、今の部族で最も強い長、その連撃に手も足も出ていない病気猿(人間)、後ろに下がるのを走りながら追撃することでスピードに乗った槍の攻撃は見た目以上の威力を出している。

 念の為レッドキャップの投槍は準備していたがお互いの動きが早く時々横に転がるような不規則な回避もしているため誤射の危険を考慮して誰も狙いをつけた状態にはされていなかった。

 

 近くに仲間が来た為、攻め手を緩め指示を出そうとしたその時、慣れた手つきで盾を後ろに仕舞うと共に全身鎧が直剣を水平に構える。

 その瞬間、直剣に薄く張り詰めていた殺気が増大する。

 

 不味いッ! 

 

 長が感じ、反撃も顧みず足を地面に叩きつけるように踏み込み必ず殺す意思を持って全身鎧の頭部に渾身の一撃を叩き込もうとする。

 援護するようにすぐさま狙いをつけた矢が周りから飛んでくる、だが

 

 ギュオッ! 

 

 突きは全身鎧が頭を下げて踏み込んできたことで外れ、矢も鎧を止めることは疎か傷つけることすらかなわない

 

 ズッ

 ドンッ! 

 

 その刃は長の体を貫くと同時、勢いのまま長を吹っ飛ばした。

 動揺が広がる間もなく構え直した鎧はすぐ近くに指示を仰ごうとしていたレッドキャップを切り上げる。

 

 瞬く間に二人の戦士を殺した鎧はしかし

 

「戦士長が殺られた!」

「結構強い」

「先走らないで!」

「脚狙う!」

 

 長の周りにいた4人で囲むことに成功する。

 

 まさか殺られるとは思っていなかった長の死に周りが殺気立っているがあの4人は連携術の達人級だ、長でさえ囲まれれば勝ち目はない。

 

 上手くいなしているが決着は直ぐだという予想は

 

 4人の死によって実現してしまった。

 

 何が起きたかわからない

 一瞬紫に光ったかと思えば

 

 グオォンッ! 

 

 という音と共に4人は全身鎧のすぐ傍へと移動していた。

 仲間が「避けろ!」と声を上げようとする前に

 

 ザッザンッ

 

 と4人は斬り伏せられていた。

 

 これは駄目だ。

 接近戦では負け無しだった双極を殺されたのだ。

 既に長やベテランを含めた複数人が死んでいる今追撃を選択するのは悪手だとレッドキャップは理解していた、それでもレッドキャップの掟は、等価報復を信条としているのだ、少なくともあの鎧は殺す。

 仲間は周囲に散らばりレッドキャップの投槍で仕留めようとする。

 

 その時今度はその全身鎧の姿が光源ごと消える。

 動揺が広がるベテラン等が落ち着かせて誰も近づかない、ただ周りを抜けられないように固めていた。

 

 ズドッ! 

 

 その音は後ろから聞こえた。

 振り返った先には仲間が倒れている。

 

 すぐ向かい確認するが倒れ既に事切れている。

 

 またあの音が

 

 仲間が死んでいる

 

 また

 

 また

 

 また

 

 また

 

 6度目に仲間が死んだ時

 我々は撤退した。

 恐怖で既に若兵はまともに動けていない。

 

 あれは人間じゃない

 人の形をした悪魔だ。

 

 仲間がそう呟いた。




心象が描写難しい
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