もっと時間があれば…
走り出した騎士の褪せ人と追従する少女達を見て、呪いの褪せ人、ノロも死体を置き、黒衣の褪せ人、クロを手助けしに走り出す。
それを横目で見ていたクロはどうやらノロの手助けを手伝ってくれるらしいと、魔術を放ち続ける褪せ人に向かった騎士の褪せ人を見て一安心した時
「前見んか!」
ルイルの言葉に前方を向けば魔力の大弓から放たれた四本の大矢が正確に貴方へ飛んできていた。
不味い、避けきれない、このままでは背負っているルイルにも魔力の衝撃が届くかもしれない
ルイルは神秘が無ければ体の弱い幼女レベルの体しかもっていないのだ、盾で減らした衝撃でも致命傷になりえる、
どうするべきかと考えた時、
「ノロ!」
ノロが目の前に飛び出し、身を挺して貴方とルイルを守ったのだ。
鎧を外した状態でボーゲンと戦い、魔術:ローレッタの絶技を受けた、そのダメージはたとえ体力に多くを振っていたとは言え、耐えきれなかったようで
灰のようにノロは体がボロボロと崩れ出し、やがて消えた。
「な、なんで…ノロが…庇う必要なんてなかったじゃろ…
ただ儂が…勝手に仲間と呼んだだけなのに…
儂のせいで…また…」
ノロの死を見てどうやらルイルは落ち込んでしまったらしい。
顔を伏せぶつぶつと何か言っているがよくわからない。
まぁ自分のせいで迷惑かけちゃったし落ち込むのはわかる。
とりあえず騎士の褪せ人とその仲間が魔法を放っていた褪せ人の近くまで到着し、戦いが始まったようでこれでこれで一安心だと、ルイルを背に一息ついた。
そうして少しの時間休んでいると比較的早くに決着はついたようで、まぁ騎士の褪せ人は数が多かったしな、と納得しつつ、手を振る騎士に向けて歩き出した。
side騎士の褪せ人
「めちゃくちゃ破壊力ありますね、この魔法」
呟くように情報を共有するのはシンシア、螺旋を描く青白い魔法が避けたのちに後ろに居た亜人に穴をあけたのを見ての発言だ。
初めて見る同類に貴方はテンションが上がるが、とりあえずは殺してから話を聞けばいいだろうと戦技:真空斬りを射程内に入った純魔らしき褪せ人へ放つ。
バックステップで避けられるが魔法のリズムは崩した。
そこにセリアが槍の連続突きを放つ、純魔の褪せ人は剣を抜き回転しながら炎を巻き上がらせて連続突きを中断させる。
戦技:月と火の構えによる炎攻撃が終わった瞬間、貴方は大きく踏み込み既に切り替えていたグレートソードによる戦技:巨人狩りで体を打ち上げる。
やはり仲間は良い、通常ならこんな容易く入らないはずの巨人狩りが、容易く差し込めるのだから。
仲間の重要性に改めて満足しながら、貴方は打ち上げられた褪せ人の体にグレートソードによる振り下ろしを行う。
グレートソードが当たる直前に杖を持ち替え、魔術:カーリアの貫きによって貴方は貫かれるが、そのままグレートソードを振り下ろす。
グレートソードに体を半ばまで切り裂かれるが、純魔の褪せ人のカーリアの貫きによってできたダメージは小さくない、更に
ヴゥン…
杖から放たれた魔術:引力弾に体が引っ張られ、シンシアたちも巻き込まれる。
このままではシンシアたちが危ないと理解した貴方は、すぐに引力弾めがけて切り替えた盾を振り抜いた。
戦技:カーリアの返報によってかき消された引力弾は3本の輝剣に姿を変え、純魔の褪せ人を狙い飛んでいくが。
杖から青緑の力場を発生させ、すべてを逸らす。
魔術:トープスの力場か、貴方が追いかけようとしたとき、
「そのぐらいにしてくれないか?」
現れたのは青肌の女性、それは狭間の地で出会った、魔女レナの姿だった。
驚きと共に、彼女は敵ではないと各々武器を構えていたシンシアたちへ言葉をかける。
困惑しながらもシンシアたちは武器を下した。
「ふむ…顔を見せてくれるかい?」
そういわれた貴方は兜を外し顔を見せる。
すると、魔女レナは少し衝撃を受けたような表情をして
「なるほど、そういうことか」
とつぶやいた。
その後、合流した黒衣の褪せ人、エルフと呼ばれていた幼女と一緒に魔女レナによって簡易的なテントへ連れて行かれて、その中の椅子に座らされる。
テントにはあの魔術の褪せ人がいて、一触即発の雰囲気になったが、その張り詰めた空気は魔女レナに魔術師の褪せ人が何かを言われたことで容易く収束した。
そして、最初に口を開いたのは魔女レナだった。
「まぁ、恐らくお前たちの正体について、見当はついている」
そうして話を始めた。
「まず私たちが戦いを始めた理由としては、この砦が大きな襲撃を受けたことから始まる、我が王…私の隣にいるカーリア装備の褪せ人がその襲撃に対して、大規模だったことからモンスタースタンピードではないかと邪推し始めたのだよ。
私は神秘の気配を感じないから大丈夫だろうと言ったんだが心配は止まらず、勝手に宿を飛び出したかと思えば侵入してきていた亜人を手当たり次第に魔術で打ち抜いて、しまいには門の外から大量に押し寄せてくる亜人たちの集団をアステールメテオで殺していると、森から二人の少女が背負われて出てきたのだ。
その中でも耳が長い方にはうっすらと神秘がついていてね、我が王はそれが今回の大規模襲撃の要因だと勘違いした。
そして黒い方の褪せ人…クロというのか、クロと戦いに向かおうとした時、森が完全に炎上し、そこから狂い火の褪せ人が出てきたわけだ。
運よく竜祈祷を使う褪せ人によって押しとどめられているが、その時は一緒に出てきたのが悪かったのか、仲間だと思い違いをしたみたいだからな、耳が長くない普通の子供を下した直後に、魔法で攻撃し始めたのだ。
そこからは、お前たちが見た通り、この平原は戦場になって、せっかくの新婚旅行が散々な結果になってしまったということだ」
貴方は疑問を聞く、なぜそこまでわかっているのなら最初に止めず、自分たちが現れてから止めに入ったのか。
魔女レナは答える。
それは自分がその場に行ったのが先ほどで我が王が楽しんでいたからだと。
「それはな、私がその場に向かったのがほんの少し前だったということ、そして、私の王が戦いを楽しんでいたからだ。
ここに来て以来、王にとって、あれほどの規模の魔法を避けられる相手との戦いはなかった。私がいないことで周りを気にせず、魔法を連発することが思いのほか楽しかったようだ。
私はその王の気持ちを察し、しばしの間、このテントで休息を取ることにしたのだよ。
もっとも、アステールの流星が鳴りを潜めた頃、気晴らしが終わったと思って向かえば、随分と危機的な状況になっていたがな。
だが、相対する面々の顔をよく見れば、どうやら同族がいるようだ。だからこそ、今こうしてお前たちをここに呼び、話をしているのだよ」
そうして、魔女レナの本命ともいえる話が始まった。
「そう、同族、しかも瓜二つな顔の同族だ、そんなこと、あり得るのか?」
その問いに、貴方は答えられない。
「もちろん兄弟という可能性もあるが、私の王は独り身だと話していた、だからこそ、この仮説に辿り着いたのだよ。
お前たちはそれぞれが、狭間の地の王となった後にこの世界へと飛ばされた同一人物ではないかと、ね」
その衝撃的な推論に、周囲で聞いていた少女たちは貴方とクロの顔をよく見て、驚愕に染まる。
確かに言われてみれば、表情の作り方が違うだけで、ほとんど同じ顔であると
フードでよく見えてなかったことから気付かなかった少女たちは、不気味なものでも見たかのように、そっとクロから視線を外した。
感想めっちゃ待ってます。
ついでにアンケも始めてやってみました、投票よろしくお願いします。