【書籍化】S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった   作:ミズノみすぎ

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第19話【最低の経緯】

 翌日の午後になり、俺は【ドラゴンキラー隊】を集めて狩りに出発していた。

 今日の狩猟は対S級ドラゴン戦に向けた複数ならではの戦い方の考案だ。

 

 近くの草原に出現したドラゴンを何匹か狩り、このパーティの問題点をまず探る。

 

 ハンマーによる重い一撃を叩き込むパワーファイターのローエ。

 大盾での防御に長け、ピンポイント攻撃が得意なバスターランサー使いのカティア。

 そして百発百中の弓使いフランベール。

 

 彼女たちはぶっちゃけ単騎でもおそろしく強い。

 放っておいてもA級ドラゴンなら簡単に撃破してくれる。

 

 だがS級ドラゴンを相手にするなら彼女たちの力を1つにせねばきっと勝てないだろう。

 もちろん俺を含めての話だ。

 

 S級ドラゴンはあの親父でさえ相討ちになったほどの化け物。

 甘っちょろい考えで狩れる相手じゃない。

 おそらく連携こそ攻略の鍵になるはずだ。

 

「みんな! ちょっと集まって!」

 

 俺はローエさん達を呼ぶ。

 晴れた空の下、彼女たちはすぐに集合してくれた。

 

「どうしましたの隊長?」

 

 武器を納めたローエが言った。

 

「うん。さっきの狩りで分かったことなんだけど、みんな同じ部位を狙ってしまうから攻撃が被ってしまいますよね?」

 

 俺が言うとカティアが腕を組んで頷いた。

 

「ああそれだ。正直に言って危なっかしい。そこのお嬢様にいつぶん殴られるかヒヤヒヤしているほどだ」

 

「あら? それならずっと後ろに控えていればいいですのに。それかずっと味方の壁でもやっていればよろしいのですわ。得意でしょう? 大盾さん」

 

「黙れ鈍器」

 

 またケンカ始めた。

 こんなこと言い合ってるけど、この二人が一番うまく連携してるんだよなぁ。

 内心ではお互いのことメチャクチャ信頼してるはず。

 

 まぁそれでもやはり味方に攻撃を巻き込まないように細心の注意を払って行動しているせいか手数が目に見えて下がっているのもたしか。

 

「まぁまぁ二人とも。隊長の話を聞きましょう?」

 

 フランベール先生ナイスフォローです。

 

「みんなA級ドラゴン相手なら決まって頭部を狙いますよね? 頭部は一番ダメージを与えられますけど、一番火力を集中させにくい場所でもあるんです。それがネック」

 

「そうね。的がそもそも小さいものね」

 

 フランベール先生が言って俺は頷く。

 

「なので今後は頭部を狙うのはハンマー使いのローエさんに絞りたいと思います」

 

「あら、わたくしで良いんですの隊長?」

 

「良いんです。ローエさんのハンマーならドラゴンの怯みを取れる可能性がありますから」

 

 俺はそう言ってからカティアさんが何かしら不満を言ってこないか心配になった。

 が、どうやらローエさんが先行することには特に異論はないらしく。

 

「それで?」と続きを促してきた。

 

 俺は「はい」と返事をして説明を続ける。

 

「ローエさんが先にドラゴンに攻撃を仕掛け、怯んだところを俺がとっておきの剣技で攻撃します」

 

「とっておきの剣技? 例の【竜斬り】か?」

 

「いえ。あの堅いドラゴンの鱗を弾き落とす【竜めくり】です」

 

「ドラゴンめくり?」っとカティアさん。

「新技ですわ!」っとローエさん。

 

 いや、新技ではないんですけどね。

 使う機会がまったくなかったというかなんというか。

 倒すだけなら【竜斬り】だけでいいじゃん?

 

「この【竜めくり】でドラゴンの竜鱗を剥がし、味方が攻撃できる箇所を俺が増やします。竜鱗が剥がれた箇所をカティアさんとフランベール先生は攻撃してください」

 

「なるほど。了解だ」

「了解よゼクードくん」

 

 カティアさんとフランベール先生も納得してくれた。

 さっそくこの連携の練度を高めなければ。

 ドラゴン出てこーい。

 

「それにしても【竜斬り】だけかと思いましたが、そんな変わった剣技もあるんですわね?」

 

 俺の隣に来たローエさんが言う。

 

「そうですね。このドラゴンの防御力を下げるために発明された【竜めくり】は父が【竜斬り】から派生させたそうなんですけど、思い付いた経緯が凄いんです」

 

「何が凄いんですの?」

 

「【竜斬り】の練習をしてるように見せかけて、剣圧で風を起こし女の子のスカートをめくれないか思案してた時に思い付いた技だそうです」

 

「なんて最低ですの!」

「ひっどい経緯だな!」

 

「ま、まぁまぁ二人とも……一応英雄の剣技だから……」

 

 そうフランベール先生はフォローしてくれた。

 

 

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