【書籍化】S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった 作:ミズノみすぎ
走り去っていく父ゼクードをオフィーリアが追おうとした。
「行かせないっての!」
グロリアが飛び蹴りで割り込み、オフィーリアの顔面を狙う。
しかしオフィーリアはその蹴りを予測したかのように避け、次の瞬間その足を掴まれた。
「ちょっ!?」
驚愕したグロリアはそのまま片足を引っ張られオフィーリアに振り回された。
オフィーリアを中心に凄まじい遠心力が起こり、勢いが最大になったところでグロリアは投げ飛ばされた。
「うそおおおおおおおおおお!」
城壁に叩きつけられ、何度も亀裂が走ったそれはついに崩壊した。グロリアも倒れ、崩れた城壁の下敷きになる。
「グロリア!」
妹がやられてレミーベールが叫ぶ。
心配も束の間、オフィーリアはすでにレミーベールの目前に接近していた。
「っ!? くっ!」
レミーベールは飛び掛かってくるオフィーリアの顔面を思いっきりぶん殴った。
気絶を狙ったフルパワーの一撃だったが、当のオフィーリアは衝撃で顔を捻るもすぐにグリンとこちらに向き直ってきた。
効いてない!?
驚いたがレミーベールは攻撃を続けた。
なんとかして動きを止めねばと拳打を繰り出すも、その全てが捌かれた。
あげく拳を掴まれ、オフィーリアのとんでもない握力に拳が潰されていく。
「あ、ああああ! い、ああああああああああああ!」
メキメキとレミーベールの拳にオフィーリアの指がめり込み、押し潰されていく。
膝をついて悲鳴を上げるレミーベールは成す術もない。
「こんのぉおおおおおおおお!」
瓦礫を弾き飛ばして飛び出てきたグロリアがオフィーリアを殴り飛ばした。
ぶっ飛んだオフィーリアは空中を華麗に回転し、何事もなかったかのように着地した。
「おおおおおおおおおおお!」
その着地を狙ってグロリアが突撃!
オフィーリアを押し倒そうと全力のタックルをかました。
前屈みにダッシュしたグロリアは、オフィーリアの胴体にぶつかって背中に手を回し拘束。
そのタックルにオフィーリアの足が地面をスライドする。
このまま押し倒してやる!
──パワーには自信があるグロリアのタックルは、しかしオフィーリアには通用しなかった。
途中まで押していた勢いが死んで、オフィーリアのスライドが止まった。
嘘でしょ!?
思った次の瞬間にオフィーリアの膝蹴りが腹部を!
続けて肘鉄が背中に叩きつけられた!
「──がはっ!」
背骨がイカれそうになる激痛が走り、悲鳴を上げる前に腰を掴まれそのまま投げ飛ばされた。
飛ばされた先にはレミーベールがいて、彼女はグロリアを受け止めようと両手を広げた。
だが強すぎるグロリアの勢いに巻き込まれ結局倒れた。
なんとか妹を守りクッションになりながら地面を滑る。
重装甲の鎧を着ていたおかげで滑りのダメージは少なかった。
吹き飛びの勢いが収まり、レミーベールは胸にいるグロリアを見た。
「はぁ……はぁ……グロリア、大丈夫?」
「な、なんとか……はぁ……はぁ……」
共にすぐに立ち上がり、ゆっくりとこちらに向かってきているオフィーリアを見据えた。
「めっちゃ強いんだけどアイツ……」
「そうね……お父さん、こんなのと1対1で抑えてたなんて」
こんな時にも父の実力には驚かされる。
こっちは二人掛かりなのに……いや、数の優位を活かせてない。
連携しないと!
「バラバラに攻撃してちゃ負けるわ。二人で行くわよグロリア!」
「了解!」
そしてグロリアとレミーベールは同時に駆け出した。