【書籍化】S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった   作:ミズノみすぎ

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第240話【オーラ】

「ようこそ【シエルグリス】へ! 私はこの国の王女ロジェール・シエルグリスと申します!」

 

「よ、よろしく……あの、君……お母さんを吹き飛ば──」

 

「御名前をお聞きしてよろしいでしょうか!」

 

 めっちゃグイグイ食い込んでくるこの子!

 

「え!? あ、じ、自分はゼクードと申します。エルガンディ王国の騎士です」

 

「ゼクード様! なんて雄々しくて素敵な御名前なんでしょう! そのカッコいい容姿とピッタリですわ!」

 

 ゼ、ゼクード()!?

 しかもカッコいいって!?

 お、女の子にカッコいいって言われたの初めてかも!

 

 いつも嫁たちには可愛いと言われ、あげくのはてには娘にも可愛いとか言われてたから自信無くしてたのに。

 

 そうか……俺カッコよかったんだ。

 良かった。

 

「おいコラ」

 

 レイゼが戻ってきた。

 頭にデッカいタンコブをつくって。

 痛そう。

 

「あ! お母様! お帰りなさいませ! 見てくださいこのカッコいい人! お母様に似て男らしくて! 隻眼も素敵!」

 

 ゴン!

 

「痛い! なんで殴るんですか!?」

 

「まずオレに謝れバカ野郎! 頭から落ちてタンコブできたじゃねーか!」

 

 タンコブで済んでるのが凄い。

 

「え!? 何かあったんですかお母様!?」

 

 ゴゴン!

 

「痛い痛い! なんでまた殴るんですか!?」

 

「……ったくこの面食いは。ちょっとでも好みの男がいるとすぐこれだ」

 

 レイゼが呆れながら言う。

 

「ね、姉さん大丈夫? すげぇデカいタンコブだけど……」

 

「おう。頭割れそうだが大丈夫だ。とりあえず紹介するぜ。この色ボケ王女がオレの娘だ」

 

「よろしくお願い致します。わたしピッチピチの15歳です! ゼクード様はおいくつですか?」

 

 15歳か。若いなぁ。

 あのネオと同い年か。

 

 ここでこのまま17歳と答えると、後々たいへんかもしれないな。

 凄いグイグイくる女の子だし。

 

 よし。

 ()()()()()()()()

 

「35歳です」

 

 俺の放った一言はロジェールを凍結した。

 彼女だけではない。

 近くにいたエルジーや女騎士たちをも凍らせた。

 

「──……はい?」

 

「自分ピチピチの35歳です」

 

 ロジェールは目を丸くして、後ろのレイゼは笑いを堪え出した。

 

「んもぅゼクード様ったら御冗談を。そんな30代のおじ様には見えませんわ」

 

「よく言われます」

 

 俺は率直に返すと、ロジェールの疑いの眼が次第に確信の色に変わってきた。

 額から汗も流れ始める。よほど動揺しているらしい。

 

「……え? ほ、本当に35歳なのですか?」

 

「はい。あ、それから後ろの三人は自分の妻たちです」

 

「え!? 妻!? 三人も!? 結婚なさってらっしゃるの!?」

 

【妻】という言葉がよほど効いたらしく、ロジェールは今までで一番驚愕した。

 

「はい。子供も三人います。近い未来には六人に増えます」

 

「こ、子供……っ!?」

 

【子供】という言葉がトドメになってロジェールの身体がグラリと崩れた。

 俺は慌てて支えようとしたが、エルジーが先に支えた。

 

「王女さま! しっかり!」

 

「なんでわたし好みの男性はいっつもそうなの!?」

 

「え?」

 

「必ずと言っていいほど妻子持ちじゃない! もぉおおおおお! なんでよぉおおおおお! ぅあああああああああん!」

 

 いきなり泣き出してしまった。

 エルジーはオロオロし、俺もどうすればいいか分からず佇む。

 しかし彼女の母親レイゼは冷静だった。

 

「おいゼクード。アホは放っといてリベカとミオンに顔合わせに行こーぜ」

 

「え……泣いてるけどいいの?」

 

「あ~イイのイイのいつもの事だから」

 

「酷いですわお母様! うわあああああああああん!」

 

「うるせぇな。男ならネオで我慢しとけ」

 

「嫌ですよあんな根暗で自信過剰で気遣いもロクにできない顔だけの男なんて!」

 

 顔は合格らしい。

 

「まず女性に優しくない時点でダメです! 論外です! でもゼクード様からは優しいオーラが出てるんですよ! 女性に優しいオーラが!」

 

「え? オーラ出てる? 嬉しいなぁ~」

 

 自分では分からないからこのオーラが出てるという情報は嬉しい。

 

「そんなオーラあるかバカ。早く行くぞ」

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