【書籍化】S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった   作:ミズノみすぎ

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第352話【もっぺん言ってみ?】

 セレンが歩けるほどに回復したので、レイゼは彼女を連れて城のホールへ案内した。

 そこへネオ・ミオン・リベカが呼ばれ、ロジェールも呼ばれた。

 

 どうやらレイゼはセレンに娘ロジェールを紹介したいらしい。

 

 青い絨毯が敷き詰められた広いホールにゼクードとレィナは足を踏み入れ、セレンとレイゼが真ん中に立った。

 そしてレイゼはロジェールを引き、セレンの前へ立たせた。

 

「紹介しますお義母さん。こちらは私の娘です」

 

「あ、お初にお目に掛かります。ロジェール・シエルグリスです」

 

「セレン・フォルスです。……正直ビックリしました。ロゼにそっくりで」

 

「あ、よく言われます。お祖母様の髪と目の色を変えただけで見た目はそっくりだって」

 

「胸がちょっと足りねぇけどな」

 

 ドゴスッ!

 

「ぶほおっ!」

 

 レイゼの腹にロジェールの裏拳が炸裂した。

 一撃でレイゼが悶える裏拳の威力に、この場の全員がゾッとした。

 

 しかし当のロジェールはセレンに対してニコニコ笑顔だった。

 

「まさかこうしてもう一人のお祖母様に会えるなんて感激です! しかもゼクード様のお母様だなんて! さすがはお綺麗です!」

 

「ありがとう。ふふ……ロジェール、カーティス、グロリア、レミーベール……いつの間にかこんなにもたくさんの孫が居たなんて……私は幸せ者ね」 

 

 満更でもない笑みを溢すセレンにゼクードもつい嬉しくなって口を開く。

 

「もっといるよ母さん。俺のところで嫁たちが最近二人目を生んでくれたんだ。オラージュ、カレンティア、リィンベールの3人だ」

 

「あら! じゃあ私、孫が7人もいるの!? 凄いわね……」

 

「それだけじゃないぞ。レミーベールのお腹にも子供がいるんだ。カーティスの嫁さんも妊娠してる。だから母さんはもうすぐ曾祖母(ひいばあ)ちゃんにもなるんだ」

 

「あらあら……なんか、凄すぎて頭がついていかないわ……」

 

「ははは。まぁそのうち慣れるよ」

 

 笑ってると、ネオが話しかけてきた。

 

「ゼクードさん。話を割って申し訳ないのですが、あなたを負かした連中について聞かせてもらえませんか?」

 

 そうだった。

 奴らの事を説明しないとな。

 だから姉さんはネオやミオン・リベカも呼んでたのだろうし。

 

「ああ。奴らはどうも一家(いっか)らしい。ヴァルドレイク・ディアマードという男が大黒柱で、レグという息子が1人。あと5人の娘。計7人のドラグーンだ」

 

「ドラグーン?」っとネオ。

 

「奴らが勝手に付けた名前だよ。心臓移植に成功した者の総称にしたいらしい。ま、俺たちも名前があったほうが呼びやすいから今後はそう呼ぼうと思う」

 

「あいつらの動き……只者じゃなさそうだったけど。どこから来たの?」

 

 ミオンに聞かれ、ゼクードはすぐ答えた。

 

「【ハーティシオ王国】です」

 

「ハーティシオ?」っとミオン。

「聞いたことない国ですね」っとリベカ。

 

「【エルガンディ】からずっと北東にあったんです。今は滅んでますが、そこの生き残りが奴らです。なんでも三大貴族だとかなんとか言ってましたが……微妙に我々とは異なる文化の国みたいで」

 

「なんでそんな離れたところにいたのがこっちに来るかなぁ……」

 

 レイゼが頭を掻きながら言うと、それにセレンが答えた。

 

「あの人たちはその辺のドラゴンたちから情報を集めていました。それで【エルガンディ】の方角を把握してたんです」

 

「ドラゴンから情報を? 言葉が分かるっていうの?」

 

 ミオンに聞かれセレンは頷く。

 

「はい。……私も、ドラゴンの言葉は理解できますから……」

 

「あなたもドラグーンってこと?」

 

「そう、なりますね……」

 

 セレンが黙るとミオンはジッとセレンの事を睨んでいた。

 なにか思うことがあるのかもしれないが。

 

「あの……ミオンさん。母さんは味方です。それは信じてください」

 

「別に何も言ってないでしょ?」

 

「いやでも、なんか睨んでたんで……」

 

「違うわよ。ちょっと似た奴を知ってたから見入っただけよ」

 

「似た奴?」

 

「アンタには関係ない」

 

「あ、はい……」

 

 相変わらず壁を感じるミオンさんだった。

 そんな彼女はさておきと言わんばかりにリベカがゼクードに問う。

 

「……で、そのディアマード家の連中は何故ゼクードさんを襲ったんですか?」

 

「俺を襲ったのは母さんを返さないためです。奴らの目的は自分たちの王国を築くことなんですよ。そのために母さんを狙ってたんです。ドラグーンとドラグーンの子供を作るために」

 

「悪趣味な奴らね」

「まったくだ」

 

 珍しく意見の合うミオンとネオ。

 ゼクードはそのままレイゼに言葉を続ける。

 

「奴らが今後どういった動きをしてくるかは分からないけれど【シエルグリス】も警戒しておいた方がいい」

 

「そうだな。リベカ。みんなに警戒するよう伝えておいてくれ」

 

「はっ」

 

 リベカがすぐさまホールを去ると、ゼクードはネオに視線を向けた。

 

「ネオ。お前も狙われる可能性があるぞ」

 

「僕が?」

 

 ゼクードは頷く。

 ネオもそうだし、カーティスも狙われそうだ。

 

「あのヴァルドレイクって奴は建国のために優秀な男も探している。自分の娘たちに強い子供を生ませるためだろう。ネオも絶対に誘われるだろうから乗るんじゃないぞ?」

 

「いや乗りませんよそんなの」

 

「娘をやるからって言われても駄目だぞ?」

 

「女で釣られませんよ! あなたじゃ無いんですから!」

 

「なんだって?」

 

「あ、いえ……」

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