【書籍化】S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった   作:ミズノみすぎ

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第399話【まさかの挟撃!?】

「あなた達……あなた達は……! ゼクードさんの! 何なんですか!」

 

「「…………え?」」

 

 力いっぱい怒鳴られたが、カティアとローエにはフランベールが何を言っているのか分からなかった。

 あまりにご立腹のせいかフランベールは息が上がっている。

 

「いや……何って……」

 

 カティアが返事に困っているとローエが前に出た。

 

「急にどうしたんですのフラン? せっかく無事に会えたのに……ゼクードと喧嘩でもしたんですの?」

 

「わたしの質問に答えてください! あなた達はゼクードさんの何なんですか!」

 

 ゼクード……さん?

 

 おかしいな。

 いつものフランベールなら『ゼクードくん』と呼ぶはずだ。

 このフラン……なにかおかしい。

 

 そうカティアとローエは同じ考えに至り顔を見合わせる。

 

(カティア。フランはもしかして……)

(ああ。まさかとは思うが……)

 

「……おいフラン。私と彼女の名前を覚えているか?」

 

「知るわけないでしょう! 覚える気もありませんよ! ゼクードさんの浮気相手なんて!」

 

「「う、浮気相手ぇ!?」」

 

 さすがにカティアとローエは驚愕した。

 それと同時に確信した。

 

(ちょっとカティア! フランったら記憶を無くしてますわ!)

(ああ。信じられんが演技にも見えん。ゼクードの次はフランか……)

 

 カティアはやれやれと溜め息を吐いてフランベールの前に立った。

 

「いいかフラン。落ち着いてよく聞いてくれ。私はカティア・フォルス。そして後ろの彼女はローエ・フォルス。そして君はフランベール・フォルスだ。つまり――――」

 

「やっぱりゼクードさんの浮気相手だったんですね! ゼクードさんにとってわたしは……数いる女の一人でしかなかったんだ……」

 

 フランベールが崩れ落ち本気で泣き出してしまった。

 それを見たカティアが慌てて口添えする。

 

「いや! 違う! 違うぞフラン! 私達はみんな家族なんだ! 結婚してるんだ! 正式に!」

 

「バカ言わないで! なんで3人の女と結婚してるんですか! おかしいでしょ! 常識的に!」

 

 なんで記憶がないのにそっちの常識だけ残ってるんだ!

 それこそおかしいだろ! 

 っとカティアは突っ込みたくなったが堪える。

 

「言いたいことは分かるが本当なんだ! 私達の家族はちょっと変わってるんだ!」

 

「『ちょっと』ねぇ……」っと苦笑するローエ。

 

 たしかにちょっとどころではないが、そんなこと今はいい!

 

「いいかフラン。私達はみんなゼクードを愛して集まった3人の女だ。私にはゼクードとの子供が二人いる。そこのローエも二人いる。君もだフラン。我々フォルス家はいま夫のゼクードが一人。妻の我々が三人。そして子供が六人。祖母が一人という構成になっている。思い出せないか?」

 

「ああもう……目眩がしそう。結局どうなんですか? 本当の事を言ってください」

 

「本当のこと?」

「今さっき言いましたわよ?」

 

「カティアとローエ……だったわね?」

 

(よ、呼び捨て!? あのフランに初めて呼び捨てにされたぞ!)

(これはこれでレアですわね。敵意が半端じゃないですけど)

 

「あなた達もゼクードさんと一緒でわたしに嘘をついてるでしょ?」

 

「嘘だと?」

 

「わたしが記憶を失ったのをいいことに……みんなして浮気していたことをチャラにしようとしてるわね? そのためにわたしのことまで家族だなんだと言ってるんでしょ!」

 

「いやそんな器用な嘘をつくか! 面倒くさいわ!」

 

「んもぅフラン! いつもの優しいフランに戻ってくださいまし!」

 

「なにが優しいフランですか! あなた達のせいでこうなってるんでしょ! もう許せない! ブッ殺してやる!」

 

 フランベールがついに殴り掛かってきた!

 しかも本物の殺気を感じる! 

 フランベールはマジだ!

 完全に発狂している!

 

「ま、待てフラン! おちつけ!」

「おやめなさいフラン! いやホント待って!」

 

「うるさい! 死ね! ゼクードさんはわたしのなんだから!」

 

 凄まじい形相で迫ってくるフランベールにカティアとローエは慌てて逃げた!

 これはまずい!

 なんとかして取り押さえないと!

 

「おいローエ! フランを取り押さえるぞ! こんなところで暴れていたら――――」

 

「あ! ゼクードですわ!」

 

「なにぃ!?」

 

 ローエが指差す方向には火山から降りてくるゼクードの姿があった。

 しかし彼の両脇にはあのアグリスとドレスがいた。

 

 は!?

 なんでディアマード家の女騎士といっしょに!?

 

 さらに彼らの後ろからマグマを吐き散らすドラゴンさえも現れた!

 

 感動の再会どころではなくなった!

 

 目前には火山のドラゴン!

 後ろには発狂したフランベール!

 

 どうしろと言うのだこれ!?

 

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