【書籍化】S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった   作:ミズノみすぎ

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第439話【ゼクードVSレグ】

「出てこい平民ども! ここに居るのはわかってんだぞ!」

 

 レグの声だ。

 ギシギシと床を軋ませながら歩いてくる。

 こちらの部屋に近づいてくる。

 

 見つかるのも時間の問題か……

 

 ゼクードは【ブレイブエルガンディ】の柄を握った。

 

「グリータ隠れろ。奴を誘導する」

「わかった」

 

 グリータは即座に机の下に隠れた。

 レグが入ってくる方角からはちょうど死角になっている。

 これならすぐには見つからない。

 

 親友が隠れたのを確認したゼクードは木製の窓に向かって走り、飛び込んだ。

 バガァンと派手な破砕音を響かせ、ゼクードは館の外へと飛び出した。

 

 するとその音に釣られて入ってきたレグが、外へ逃げたゼクードの背中を見つけた。

 

「あれは……ゼクードか! ははっ! 逃がすかよ!」

 

 ギラリと目付きを変えてレグも窓から外へと飛び出した。

 背中の翼を羽ばたかせ加速していく。

 

 よし! 食いついた! 

 このままグリータが仲間を助けるまで引き付ける!

 

 そう思ったがレグのスピードはゼクードを遥かに超えていた。

 やはりカーティスとネオを倒したってのは本当らしい。

 もう追いつかれそうだ。

 

「生きていたのかゼクード・フォルス! 会えて嬉しいぜ!」

 

「久しぶりだなレグ! 男を追い掛けて楽しいか?」

 

「くっく! ああ! 心臓が張り裂けそうなほど喜んでる! お前を殺せと叫んでるよ!【ディアマードアーツ・ブレイドパーティー】!」

 

 街中を走るゼクードにレグが空から強襲する。

 それは腕をドラゴン化させた爪の一閃。

 その速度はまさに雷の如く!

 

「いっ!」

 

 空を蹴ってゼクードに到達するまでの攻撃速度が一秒もなかった。

 ギリギリのところで爪を躱したゼクードは冷や汗を流す。

 振り抜かれた爪の斬撃が飛んで近くの民家を木っ端微塵にした。

 

 たった一振りでどれだけの斬撃を飛ばしてるんだコイツ!

 

「【ディアマードアーツ・ランスショック】!」

 

 反撃の間もなくレグがさらに技を繰り出した。

 空中に戻って身を翻したレグは腕をゼクードに向かって突き出した。

 

 なにをしている? と思ったのも束の間!

 ゼクードの持ち前の反応で衝撃波が見えた!

 

「くっ!」

 

 咄嗟にロングブレードで受け止めたが、そのあまりの威力にゼクードは吹き飛ばされた。

 

「うおわあああああああ!」

 

 民家を軽く三件は貫通した。

 背中の骨が恐ろしく痛む。

 オリハルコンの鎧がなかったら骨が全てやられていた。

 

「く……! はぁ、はぁ……なんてパワーだ」

 

 速いとは聞いてたけど、これは予想の何倍も速い。

 目で追ってたら遅れる。

 

「はははっ! 大した見切りだなぁ? よく防いだもんだ。受けてりゃ上半身が無くなってたぜ?」

 

 余裕の笑みを浮かべながらレグが目の前に降下してきた。

 わざわざ空から降りてくるとは!

 

「油断し過ぎだ!【真・竜斬り・竜獄斬】!」

 

 十重二十重の斬撃がレグを襲う。

 射程内にあったレグを一撃で仕留めようと試みたゼクードの渾身の一撃だった。

 全ての斬撃をすれ違いざまに叩き込むと!

 ゼクードの脇から血が吹き出た!

 

「うぐっ!」

 

「油断じゃねぇ! 余裕って言うんだよこれは!」

 

 オリハルコンの鎧を軽く貫通して脇を斬られた。

 なんて野郎だ。

 手応えはあったのに、全力の竜獄斬がまったく効いていない。

 

「避けようと思えば避けれるし、避けるまでもねぇから避けねぇ。お前の斬撃じゃあオレの竜鱗は抜けねぇよ」

 

「そうかい!【ブラックホール】!」

 

「なに!?」

 

 ゼクードはレグに向かって【ブラックホール】を発動した!

 凄まじい吸引力に一瞬だけ足を取られたレグ!

 すぐに翼でその吸引から抜け出そうとするが、その一瞬をゼクードは逃さなかった!

 

「【真・竜突き】!」

 

 洗練された突きがレグの顔を目掛けて迫る!

 しかしレグもすぐに顔に竜鱗を纏わせて防御しようとするが、ゼクードの狙いはレグの眼だった!

 こんな一瞬で小さな的の眼を狙って穿つ!

 レグの眼にゼクードのロングブレードが突き刺さった!

 

「ぐあああああああ!」

「うおおおお!」

 

 突き刺したロングブレードをそのまま斬り上げ、レグの眼から脳まで斬り抜く!

 ブシャアと夜空に血が舞った。

 

「眼までは防御できないって知ってるんだよ!」

 

「……くくく! やるじゃねぇか。やっぱりお前だけは別格だなゼクード」

 

 コイツ……痛がりはしたが全然効いてない。

 眼から脳まで斬り裂かれたのに、それはあっという間に再生された。

 また再生能力か。

 こっちは傷が増えてくだけだってのに。

 

「お前さえ倒れれば平民共も! カーティスも! ネオも! みんな希望を失うだろう! さぁ首を差し出せ! そして高らかに掲げて言ってやろうじゃないか! お前らの英雄は死んだとなぁああ!」

 

「くっ!」

 

 急いでくれよグリータ!

 粘るだけ粘るが、たぶん長くは持たねぇぞ!

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