【書籍化】S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった   作:ミズノみすぎ

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第47話【先生と混浴】

 俺は今、夢を見ているようだ。

 フランベール先生の家にお邪魔して、しかも今、お風呂にまで浸からせてもらっている。

 

 カティアさんに続いて先生とも!

 なんて幸運なんだ!

 

 今まさにフランベール先生が俺の隣で一緒に湯船に浸かっている。

 

 もちろん全裸だ。

 タオルなどの部位を隠すものは身につけていない。

 正真正銘の全裸だ。

 

 沸かしたお湯は綺麗すぎるほど透明なので、ちょっと視線を落とせば先生の大きな胸を直視できる。

 

 それだけじゃない。

 先生の美脚も見える。

 ちょっと視線を落とすだけで見える。

 綺麗だ。

 

「はぁ~……気持ちぃねぇ……」

 

「ええ。とっても……」

 

 フランベール先生のとろけたような口調が可愛い。

 そして先生の身体は凄く柔らかい。

 なぜ分かるのか?

 それは先生の身体と俺の身体が半身だけ密着しているからだ。

 

 なにせこの木桶。

 狭い。

 

「疲れてるのにワガママ聞いてくれてありがとうね」

 

「とんでもない。嬉しいですよむしろ」

 

 緊張で疲れなんて忘れた。

 

「こうして一緒に、お風呂に入りたかったの」

 

 俺も入りたかったけど、まさかこんな早く入れるとは思ってませんでしたはい。

 

「俺もです先生」

 

「ふふ……」

 

 フランベール先生は何を思ったのか、俺の肩に顔を乗せてきた。

 先生のクリーム色の髪が俺の頬に当たる。

 先生の柔らかい頬の感触が、俺の肩を通じて感じる。

 

 本当の本当に恋人みたいなことをしている。

 いや、もう、恋人だと思ってもいいんだろうな。

 でも、やっぱり、すげぇドキドキする!

 あと先生の胸からもなんか鼓動みたいな心臓の脈動音が聴こえてくる。気のせいか?

 

「うふふ、ゼクードくんの心臓の音すごいね」

 

「せ、先生こそ、ドキドキしてません?」

 

「あ、わかる? わたしもドキドキしちゃってて収まらないんだ。あはは」

 

 俺の肩で笑う先生。

 先生もこの状況にドキドキしていたのか。

 なんか、少し嬉しいというか、ホッとする。

 

「……ゼクードくん」

 

「はい?」

 

「このごろずっと足を引っ張ってばかりで、ごめんね」

 

 突然なにを言い出すのか。

 俺は肩にいる先生の顔を横目で見た。

 

「S級ドラゴン戦は結局ゼクードくん頼りで、わたしたちはなんのためにいるのか分からない。なにがS級騎士なんだろうって、なにが精鋭部隊なんだろうって、最近つくづく思ってた……」

 

「先生……」

 

「でもね、だからこそ逆に思うこともあるの。わたしたちは運が良いなって」

 

「え?」

 

「ゼクードくんが剣の天才だったから、今わたしたちは生きているんだって。──ゼクードくんがいなかったら、わたしは一年前のあの時すでに死んでたし、あの青いS級ドラゴンにも殺されてた。今回のあの黒いドラゴンにも……」

 

 一年前のあの時?

 なんのことだろう?

 

「今まさにゼクードくんの天才性に救われてる。わたしだけじゃなくて【エルガンディ王国】そのものが」

 

「そ、そんな大袈裟な」

 

「ううん。あなたのお父上である英雄フォレッド様も同じだったって聞くよ? とんでもない剣の天才だったって」

 

 さすが俺の親父。

 

「ドラゴンにも例外的なS級ドラゴンが生まれて、同じように人間にも例外的な天才が生まれて助かってる。今のわたしがまさにそうだと思うから」

 

 例外的な天才、か。

 確かにS級ドラゴンとかいう例外的なヤバいドラゴンが現れ、

 そのとき【エルガンディ王国】にはヤバいS級騎士の親父がいた。

 だから人類は助かったと。

 

「だから運が良いなって、凄く思うの。わたしは」

 

 本当にそうだなと共感する。

 

「ここに居てくれて、本当にありがとうゼクードくん」

 

「いえ、そんな……」

 

 こんな風に言われたのは初めてだ。

 素直に嬉しい。

 

「今日はこれをどうしても言いたかったの。ゼクードくんのおかげでみんな生きてるよって」

 

「そ、そう言ってもらえるのは嬉しいですけど、その、こんなお風呂で言わなくても」

 

「お風呂はその、助けてもらったお礼をしたかった、から……」

 

「ぁ、ああ……なるほど」

 

 キスはもうしてるから混浴で、ということか。

 大胆で最高のお礼である。

 ドキドキで動けないけど。

 

「それにもう、後悔したくなくて……」

 

 フランベール先生が姿勢を横にし、俺の胸に手を添えてきた。

 先生の豊満な胸が俺の腕を包む感触がして、鼻血が出そうなほど全身が熱くなった。のぼせそう。 

 

「黒いドラゴンに襲われたとき、凄く怖かったの。でもその恐怖はきっと死ぬことへの恐怖だけじゃなくて、ゼクードくんに何も残せないまま死ぬのが本当に怖かったんだと思う」

 

「残す?」

 

 疑問をそのまま口にしたら、先生は困ったように顔を赤くした。

 それも本当に照れくさそうに。

 

「もぅゼクードくんったら……そんなの子供のことに決まってるでしょう?」

 

 こ!

 

「こ、子供!?」

 

「うん。わたしはずっと躊躇っていたから、死にかけてようやく後悔したの。ゼクードくんに抱いてもらえば良かったって。ゼクードくんの子供を産みたかったって」

 

 え!?

 まさか、先生から俺の子供を生みたいって言ってくるなんて!

 っていうか、抱いてもらえば良かったって!

 

「抱い、子供……! せ、先生……それ……」

 

 思考がパニックになりかけ、なんて言えばいいのか分からなくなった。

 しかし次の言葉がトドメになる。

 

「ゼクードくんさえ良ければ……今夜はずっと一緒にいたい……」

 

 その言葉の意味は、15歳の俺でもわかった。

 そして思考は、結局ヤル気満々な自分がいることにも気づいた。

 憧れだったフランベール先生とそんな夜を過ごせるのなら、何を迷うことがあるのだろう。

 

「せ、先生」

 

「ゼクードくん……ダメ、かな?」

 

「いえ。俺も、今夜はずっと一緒にいたいです」

 

 思いきって言うとフランベール先生は本当に嬉しそうに笑った。

 

 そして「ありがとう」と先生は俺の身体を包み込んでくれた。 

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