遊戯王OCGデュエルモンスターズ【白の物語】 作:とーふ@毎日なんか書いてる
座っている状態でもアルビオンとほぼ同じくらい大きなその男は、エクレシアとアルバスを静かな目でジッと見つめる。
「
「……そうか」
そして、エクレシアとアルバスへと静かに語り掛ける。
「よくこの
「アルバス君の事を知っているのですか!?」
「無論だ。
「
「そうだ。かつて白の世界で命を落とした
エクレシアは
「
「……」
「故に、まずは力を見定める
「今より【
「見極め……!」
「そうだ。お前たちの力が、善に向かうのか。悪に向かうのかを見定める。悪に向かう者に力を授ける訳にはいかない」
エクレシアは僅かに白を混じらせた金色に。
そして、アルバスは燃える様な赤い色に光る。
「……ふむ」
「えと……」
「
「いきなり
「問題ない。この私、【
「分かった。では連絡を取ってくる」
遺されたエクレシアとアルバスはどうすれば良いのか分からないまま、キョロキョロと周囲を見渡してしまう。
「……落ち着け。エクレシア。アルバス」
「あ、あの、ごめんなさい」
「謝る様な事ではない。お前たち二人はこの世界の希望になる可能性がある。己の心を見極め、
「っ、は、はい!」
言われている言葉の意味は殆ど分からずとも、
感情を顔に出す。
そんな未熟な二人を見て、
そして起こる事が分かっている波乱と、食い止める為の策も考えるのだった。
透き通る様な水の体と、女性の様に柔らかく微笑むその者を。
「あら。初めましてかしら。私は
「アクティさん。私はエクレシアと申します。こちらはアルバス君です」
「そう。エクレシアにアルバス」
アクティはふわり、ふわりと浮く様に歩き、エクレシアの前まで来るとその手をキュッと握った。
突然の行動にビックリするエクレシアであるが、不思議と不快な気持ちはない。
まるで水浴びをしている様に、どこか安らぐ様な気持ちを感じるのだった。
「エクレシア。そう。貴女がエクレシアなのね?」
「……アクティさん?」
「水を通して貴女の事が視えるわ。貴女は水浴びが好きなのね。ふふ。昔の貴女は水浴びばかり」
「えと」
「水には全ての記憶が残っているわ。貴女と触れ合った水は全てね。だから、どれほど昔でも私には視えるの。フルルドリスと一緒に水に触れて、笑う貴女が見えるわ」
「……お姉様」
エクレシアは懐かしい事を思い出す様に微笑み、アクティもまた、そんなエクレシアを見て微笑むのだった。
そして、アクティはアルバスの記憶も視ようとしたが、生憎とアルバスはこの世界に落ちてからの記憶しかなく、あまりにも強く焼き付いているエクレシアとの思い出ばかりを語ってしまい、エクレシアを赤面させてしまうのだった。
それから、話を無理矢理中断させたエクレシアに頼まれてアクティは
イニオン・クレイドルは
水の中だというのに、呼吸が出来る不思議な世界で、エクレシアとアルバスはアクティの背を追うように水の中を進んでゆくのだった。
「ここは私たち
アクティの言葉通り、水に潜ってからのエクレシアとアルバスは言葉で会話をしていた時よりもずっと心が近くなり、何も語らずとも心が通じ合ってゆく。
そして、それはアクティに対しても同じであり、またこの世界に住まう他の
「あら。アクティ。随分と可愛らしいお客様ね」
「そうなの。可愛いでしょう? エクレシアとアルバスよ」
「そう。あなた達がそうなのね。私は【
「ティノーラ」
「ほらね」
ティノーラは無表情の様な感情の見えない顔で揺れると、多くの
その美しい姿にエクレシアもアルバスも見惚れてしまう。
そして、ティノーラに別れの言葉を渡し、水底へと進んでゆくエクレシア達は、そこで静かなる
「あら。今日は少し騒がしいわね」
「あの、ごめんなさい! 私……」
「知っているわ。エクレシアとアルバスでしょう? 私は【
大きな水の塊に座っているトレモラは、長い三つ編みを揺らしながら頬に手を当てて小さく息を吐く。
疲れているのか、呆れているのか、表情からは見えないが、エクレシア達を邪見に扱っている訳では無いようだった。
ただ、エクレシア達が来る前と変わらず、大きな水の流れを見て、いくつかの魂を拾っては自分が座っている水の塊に取り込んでゆく。
その行為にどんな意味があるのかエクレシアには見当もつかなかったが、あまり邪魔をするのも良くないと、アクティと共にトレモラの元から離れてゆくのだった。
「あら。もう行くのね。人間はせわしないわ」
「え、あの」
「気にしないで。コスモクロアとエジルはこの奥よ」
無表情のまま手を振るトレモラに手を振りながら、エクレシアはアクティと共に