遊戯王OCGデュエルモンスターズ【白の物語】 作:とーふ@毎日なんか書いてる
エクレシアとアルバスが
しかし、二人はそれから一度も地上へ戻ってきてはいない。
その事実が
エクレシアと親しい訳ではない
そう。
それは、この世界の支配や破壊という様な即物的な野望ではない。
ただ、古き友との約束であり、世界を正す野望である。
「……さて、どの様に動くべきか」
まずは
そして、大霊峰全体を管理すうる為に、見回りの状況を確認している
さらに
一人、一つとゆっくり遠見の鏡で確認していた
が、そこで違和感を感じた
「何者だ。名を名乗れ」
静かで冷徹なその言葉は、聞く者の体を震わせる様なものであるが、その侵入者はその程度で怯える様な事はない。
空間に赤き亀裂を入れると、そこから這い出てくる様に姿を見せるのだった。
「……見慣れぬ者だな。名を名乗れ」
再び
しかし、返答はなく、そのまま斬り捨てようとした……。
だが、デスピアの
「随分と久しぶりになってしまいましたね。
「お前だったか」
「お前がここに来るとはな。計画が動き始めたという事か? まだ猶予はあると思ったが」
「えぇ。本来はその予定だったのですが、少々予定外な事が起こりましてね」
「想定外な事?」
「上の世界から来たんですよ。白の竜王の子供が」
「ほぅ」
「しかも、それであの子が外の世界へ出てしまいましてね。今も何処にいるか分からないのですよ」
「その子というのは、エクレシアという名前ではないのか?」
「っ! 知っているのですか?」
「あぁ。つい先日の事だが、こちらに来た。
「
そして、一つの言葉を
「では、我らの計画も早めるとしましょうか」
「良いのか? あの少女は」
「えぇ。こうなった以上は仕方ないでしょう」
「そうか。では私も始めるとしようか」
そして、
「では、私はエクレシアと白の烙印を手にれるとしよう」
「お任せします。私も計画を進めるとしましょう」
「あぁ、分かった」
しかし、
「そういえば、フルルドリスが
「そうですか。分かりました」
その背中を
しかし、そう思っていたのは二人だけであり、二人の密談はアルベル達によって監視されていた。
「やれやれ。困ったものだね」
「アルベル?」
アルベルは空中に映した
そんなアルベルを見て、クエムは首を傾げた。
「あぁ。裏切者のね。動きを見ていたんだ」
「裏切者ですって!?」
「そうだよ。って言っても、裏切者っていうのもまた違うのかもしれないけどね」
アルベルは窓際に座り、静かな笑みを浮かべながら遠い空を見据えた。
そして、これから先どうするか考えながら、小さく息を吐き出す。
「でも、状況はあんまり良くないね。こっちはまだエクレシアの居場所を見つけていないワケだし」
「私が、動きましょうか?」
「いや……その必要はないよ」
「……」
「僕が行く」
「そんな! 危険よ! アルベル!」
「まぁまぁ。僕の花嫁なんだから、僕が迎えに行くべきだろう?」
アルベルは心配だと声を上げるクエムに、何でもない事だという様に言葉を返し、右手を軽く振った。
「貴方は王じゃない。王なら、命令を下して配下を動かすべきじゃないかしら」
「確かにね」
「っ! そうでしょう!?」
「でもさ。僕は王である前に一人の男だからね。男なら格好いい所を見せたいだろう?」
少年の様に笑うアルベルに、クエムは言いづらそうに言葉を濁し、語り始めた。
「でも、あの子は、カルテシアじゃないわ」
「知ってるよ。今はエクレシアっていう名前なんだろう?」
「名前だけじゃない。貴方と過ごした時間も何も、覚えていないのよ」
「まぁ、しょうがないと思うよ。何せ転生って奴をしたんだしね」
「……」
「でも、僕と会えば、話をすれば思い出すだろう? それが愛って奴じゃないかな」
フフフと楽しそうに笑うアルベルに、クエムは非常に困って言葉を詰まらせてしまった。
それはそうだろう。
まだアルベルはエクレシアと会った事も話した事も無いのだ。
だからこそ、ある意味で想像だけの存在としてエクレシアを作り上げてしまっている。
カルテシアを失った日に削り取られた己の心を埋めようと、カルテシアの延長戦にエクレシアが存在すると信じている。
それが、何か悪い事に繋がるのではないかと、ただ……クエムは恐ろしいのであった。
「アルベル。もしも、もしも……よ?」
「うん」
「もし、エクレシアが貴方の事を思い出さなくても、落ち込まないで」
「……」
「エクレシアも色々とあったから、もしかしたら記憶が戻らないかもしれないの。今のあの子は普通の子だから……」
「あぁそういう事か」
「アルベル?」
「なら、大丈夫だよ」
アルベルはカラッとした少年らしい笑顔で微笑み、クエムの不安を吹き飛ばす様に明るい言葉を放った。
「僕だって全てが全て上手くいくとは思っていないさ。記憶は……まぁ、最悪は諦めるよ」
「……そう」
「でも、そうだね。確かに記憶が戻らない可能性はあるか……なら、うん。早く会った方が良いかもね」
アルベルは自分をそう納得させると、エクレシアの居る場所へ向かう準備をする。
そして、おそらくは