遊戯王OCGデュエルモンスターズ【白の物語】 作:とーふ@毎日なんか書いてる
ゴルゴンダでエクレシア達と別れたフルルドリス達はかつてドラグマがあった場所にたどり着いた。
そして、すっかり変わってしまった母国の状態に、思わず立ち止まってしまうのだった。
「おい。フルルドリス、こいつは思っていたよりもヤバい状況なんじゃないのか?」
「その様だな」
「一度下がって、状況を見極めるという事も出来ますが」
「いや……」
アディンの言葉をフルルドリスは短く否定しながら、正面を見据えた。
そして、その仕草にテオとアディンも正面に視線を向ける。
「ようやく戻りましたか。フルルドリス、テオ、アディン」
「……
フルルドリスは何もかもが異常の中にあるドラグマの中で、平然と立っている男を見据えて腰の剣に手をかけた。
しかし、
あまりにも異常――
「
「ふむ。話す事は数多くありますが、まずは二点訂正させていただきましょうか」
赤に染まったドラグマの正門を開きながら、
両手を広げ、世界の狂気を演出しながら、だ。
「一つ。もはやここは
「
「そして、私は神の下でその意思を執行する劇場主。この世界を! 神に捧げる舞台として演出する舞台役者! 全ての命は、喜び、怒り、哀しみ、楽しんでいただく。そう! この私! デスピアの
「ふざけるな!! 誰がお前の思い通りになど……させるか!!」
フルルドリス達は、砂漠で出会ったエクレシアを胸に、そしてドラグマで生きていた仲間、国民たちを頭に思い浮かべて、白き
しかし、フルルドリスの振り下ろした剣はデスピアの
歴戦の戦士であるフルルドリスはデスピアの
「逃げるのか!」
「無論そのつもりです。貴女と戦うのは分が悪いですからね」
「くっ!」
挑発しても、デスピアの
だが、彼らは切っても切っても、何事も無かったかの様に立ち上がってしまう為、ただの時間稼ぎである事は明白だった。
「フルルドリス!! ここは俺たちに任せて、お前は行け!」
「テオ……! 良いのか!?」
「あぁ。だが、死ぬんじゃねぇぞ! お前が死んじまったら、俺がエクレシアを貰っちまうからな!」
「……それは何が何でも生きて帰らねばならないな。すまない!!」
フルルドリスは近くに居たデスピアの
そして残されたテオとアディンは背中を合わせながら、周囲を油断なく見渡す。
「まったく。他に言い方は無かったんですか?」
「あん? 無い事も無いがな。アレが一番アイツには効くだろ」
「それは確かにそうですが」
「じゃあ何か!? 生きて帰ってきたら結婚しようぜ! とでも言えば良かったか!?」
「それはいけない。フルルドリスが自ら命を絶つかもしれません」
「この野郎……! 流石に言って良い事と悪い事があるだろ!」
「ご自分が言い始めた事でしょう!?」
「それはそうだがな!!」
二人は言い争いをしながら、近づく敵を切り捨て、殴り飛ばし、力を奪って、遠ざけた。
騎士団で鍛え、
少なくともここに二人を倒す事の出来る存在は居ない。
だが、倒しても、倒しても一向に減らない敵に、流石のテオとアディンも限界は近かった。
「こりゃ……ちょっと、やべぇかもな」
「そう、ですね」
呼吸を荒くしながら、疲れをみせ、それでも戦い続ける二人に周囲を囲むデスピアの
所詮人の限界などこんな物だと。
嘲笑い、踏みつける。
そして……デスピアの
「くそっ、たれ! おぉおおお!!」
「テオ! 挑発に乗るな!!」
それは、普段であれば鼻で笑う様な挑発であった。
デスピアの
そして、エクレシアをまるで神に捧げるとでも言うように、天に向けた事。
ただ、それだけだ。
たったそれだけの事が、テオには我慢できない事であった。
何故なら、ドラグマという国が正しくないと思っても、テオはたった二人の、小さな幸せを守る為に騎士団で戦ってきたからだ。
「ぐっ、あっ!?」
「テオ!!」
だから、テオは怒りのままに拳を振り下ろし……デスピアの
アディンの叫びも届かない。
そして、一人残されたアディンはデスピアの
テオとアディンが、追い詰められている頃、フルルドリスはデスピアの内部を駆け、ようやくデスピアの
デスピアの
それゆえ、デスピアの
このままではマズイとデスピアの
デスピアの赤く染まった建物の上で、フルルドリスは剣を構えながら、デスピアの
次の一撃で終わりにするという意思で。
「まさか、ここまでとは思いませんでした」
「そうか」
「ですが、どうでしょう。このまま貴女が剣を振り下ろせば私も手段を選べなくなる」
「私は元より手段など選んではいない。お前をここで仕留められるならば、それで十分だ」
「神はどうするのです。もう地上に降臨されているのですよ?」
「その様なもの……この剣で同じ様に切り捨てるだけだ」
フルルドリスの答えにデスピアの
そんなデスピアの
「フルルドリス。貴女では神を殺せない」
「……ならば、どうだというのだ。お前ならば殺せるというのか?」
「えぇ」
「フン。信じられるものか。ここは神の国なのだろう? そんな神の国で、そんな発言、あり得ない」
「信じてはいただけませんか」
「当たり前だ」
「……それは残念です」
フルルドリスは地面を蹴り、常人では捉えられぬ速さで