──外郭第2エリア 次元エンジンルーム前
「ふぅ……」
私はプレナパテス先生の所で傷を癒やした後
外郭第2エリアの次元エンジンルーム前で待ち構えるべく移動していた
「もう笑い方なんて……とうの昔に忘れたと思ってたんですけどね」
手持ち無沙汰で私のほっぺたをムニムニ揉む
パラレルワールドの別人だったとしても
コハルちゃんと逢えただけで泣きそうになってしまった
船の中でヒフミちゃん、アズサちゃんを見つけた時もうるっと来た
私達がアトラ・ハシースを攻略した時は、補習授業部は私だけだったから……
ミカさんは流石直感で動く女、行動が早かった
召喚された方のミカさんにも、私の秘密を暴かれてしまったかもしれない
それがプレイヤーさんに伝わっていたら、きっと厄介な対策を講じてくるはず……
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先生の中に感じていたプレイヤーさんの気配が無くなってから早数ヶ月
それでもキヴォトスの時間は進み続ける
私達のキヴォトスは脅威に晒され続ける内に、先生が倒れた
そこからは早かった
アビドスが消え、トリニティが烏合の衆になり瓦解
ゲヘナやミレニアムの学区に難民が雪崩込み治安が崩壊
ヴァルキューレも連邦生徒会も消滅……滅亡は秒読み段階
先生を失ったあの日以降、私は後方支援に徹していた事を後悔しなかった日は無かった
補習授業部のミカさんの交戦時でも別に私が攻撃に専念すれば
シスターフッドの方たちが何人かやられる内にミカさん「程度」ならば簡単に取り押さえられるだろうと見積もりはしていた
あの時も、その時も……優秀な先生や他の生徒達が結果を出してくれる
そう楽観視し続けて本気を出さなかった結果がこの様
もし仮にこのキヴォトスを滅亡させてやり直しても、絆や想いの力を重ねても
先生や生徒達の性根が変わらない以上、得られる結果は少しマシなだけの絶望の未来
そのうち先生を失い、生徒たちもバタバタと倒れて滅亡する未来が半ば約束されている
「だからこそ、こちらの先生が託せる人なのかを見極めなくては……」
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「はぁ、やっと来ましたか……」
随分と時間を掛けますね、サンクトゥムタワーが顕現しちゃいますよ?
……まぁアロナちゃんのリソースの大部分を貫かれた船の修復に充ててるから進捗は芳しくないんですけどね
ざっと中を見渡した感じ、私が居ない分リオ会長を動員したり
船の防衛でアバンギャルド君が活躍しているのも確認して工夫してる様子が見て取れた
案外私一人の存在なんて不要で、居ても居なくても同じ運命を辿るように出来ているのかも知れない
「ふふっ、お待ちしてましたよ♪先生?」
あんな流れ作業みたいな編成で
これからの脅威を突破出来ると思わない方が良いですよ?
詰まらない戦いを続けるようであれば
さっさとキヴォトスを潰して、私もプレナパテス先生も宇宙の藻屑となってやり直しましょう
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私は涙目で敗走していた
「なんなんですか?あの嫌がらせは……」
どれどれ、ちょっと揉んでやろうと上から目線で交戦した外郭第2エリア
プレイヤーさんの生徒の運用は上手すぎた
ひっきりなしにミネさんがインファイト戦を仕掛けてきて
アルさん、イオリさんが交互に超遠距離から狙撃してくる
ミネさんをフェイントで抜き去って一人撃破……
その直前、僅かなタイミングでカヨコさんのピストル音
ゾクリとした嫌な予感が脳裏を駆け巡る
後ろを振り返っている間にスナイパー二人に距離を取られ
ミネ団長とのマークが再開される
隙を見つけて遠距離から撃っても救護車両やら戦車やらで射線を遮られる
おまけに先生のドヤ顔"いや、別にドヤ顔してるわけじゃないんだが……"
思考を読みながらどう対処するのか参考にさせてもらおう……ですって?
──はぁ?私が、試す側、なんですけど???
アビドス高校の生徒達も次々と参戦してきて、これはもう完全に勝ち目ゼロ
うううう、悔しい……悔しい……!
1年後の強い私を!もう対策して完封してくるなんて!
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外郭第3エリアでは、ゲリラ戦法をしかけました
道中だからと効率重視の為に範囲攻撃の生徒ばかりで固めているのが見て取れる
私はボス部屋で待ち構えるだけのゲームキャラじゃないんですけど?
直ぐ側までワープして放水で吹き飛ばしてワープで逃げる
あんまりワープの精度が上げられないのと、2連発が限度なのが歯がゆく感じる
死角を瞬間移動し続けて後方支援の生徒を片付ける事は出来ない
演算リソースを使うのでサンクトゥムタワーの顕現も遅れに遅れている
大体の範囲攻撃の生徒を仕留めはしたものの
今度はスナイパーや戦車を主軸に据えて来た
ワープ位置が良くてもスナイパー持ちに上手く射線を遮られ逃げ切られてしまう
対応が早い、流石は神の視点で俯瞰し続けてたプレイヤーさん……
見るからに攻略が面倒ですね……
もっと知恵比べ的なやり取りの連続を期待しましたが……
AR1本とグレネードランチャーしかなく、対応の幅が限られるのが悔やまれます
もう第3エリアの次元エンジンルーム前ですか……
ここでも何人かの戦力は削り取っておかなきゃいけませんからね……
……
あの必殺技を解禁しちゃいましょうか
生徒にあたっても一発くらいならヘイロー壊れたりはしないでしょうし
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──外郭第3エリア 次元エンジンルーム前
私の世界線ではシロコさんを助ける為にアビドス高校のみんなが立ち向かったが
なんで「私」の為に同じ熱量で立ち向かって来れるのだろう?
何の接点もないはずなのに、何故?
ホシノさんを観察している間に
海の家の外見をした遮蔽物が降ってくる
今度はこれで持久戦をする算段ですか……
でもまぁ、必殺技の前ならこんなのはただの掘っ建て小屋ですけどね
普段はこの放水攻撃、ちょっと細めて横長に水を射出していますが
神秘で少し蓋をして……
「えい!ウォータージェット攻撃♪」
バスンバスンと音を立てて掘っ建て小屋に穴を開ける
「ほらほら、早く出てこないと■■■を貫かれてしまいますよ♪」
ふと、風穴を開けた隙間からプレイヤーさんと目が合う
──なんで、こんな危険なところに?
──この攻撃がかすっただけで腕や足の1本簡単に千切れて吹き飛ぶんですよ?
──貴方が倒れたら、どれだけの生徒が悲しむことか
──どれだけ私が悲しんだか、知りもしないで……!!
怒りに任せてこの掘っ建て小屋を蹴り倒してやろうかと思ったが
怯んだ隙を見逃すわけもなくホシノさんが飛んで来る
怒りと悲しみで頭がぐちゃぐちゃになったまま、銃弾が飛び交う戦場をホシノさんと踊る
遠距離から脳天に撃ち込まれるライフル弾が思考の邪魔をしてくる
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気がつくと私はうなだれていて
プレナパテス先生の元に帰還していた
知らない内に溢れていた涙を拭いて立ち上がる
「ごめんなさい、先生……次の迎撃の準備をしないと……」
フィナーレを迎えるまで、私が倒れる事は許されない
もう一人のハナコさんはプレイしていたゲームの同一人物で
滅亡した未来からやってきました
ハナコさんは普段おっとりさんな喋り方してますが
バッドエンドスチル見る限り絶対一人だと早口でブツブツ言ってます!
無事キヴォトス滅亡を迎えて自分一人生きてるだけのハナコさんは心をすり減らし続けています
情緒不安定ですね
もう既に壊れているのかも知れません
そしてこっちの先生は指揮力で明確に劣る為に
原作先生より部隊の側で指揮を取ることで補っています
単純接触効果って奴ですね、本当か?
危なすぎるだろこいつ、もう一発ビンタしても良いと思います