シャーレにお迎えしたハナコが何か違う   作:みやびさん

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前回の続きから
先生のシャーレ就任直後、ハナコを募集で引き当てた時の一幕です

変な事を口走ってしまった先生

果たしてこんな有り様でハナコを口説く言葉できるのでしょうか?


ハナコをシャーレにお迎えした日 (2)

"どうか、うちへ来てくれないか?きっと楽しいと言わせてみせるし、そのための努力は惜しまない"

"そして、君を理解したいんだ"

 

は……ハァ!?!?

何を言ってるんでしょうこの人は?

 

急に愛の告白が始まり意表を突かれてしまった

思わず見開いてしまった目を閉じ、息を整える

 

不快感が先に来ただけで先制攻撃をした罪悪感から

少し下がっていた警戒心を引き上げ目の前の男を観察する

 

忌み嫌っていたこの能力を意図的に使おうとする日なんて、二度と来ないと思ってたのに……

 

----

 

私、ハナコには厄介な能力がある(2回目)

相手と目を合わせると今何を考えているのかが理解出来る

まるで風景画が創り出され鑑賞できるかのように

 

自分語りはそこそこにしておこう

さて、この男の考えてる事は……

 

急に映し出される素肌にワイシャツを羽織っただけの私

そして目の前の先生が隣同士座っている

 

「ナッ……!!!」

 

クソデカ声が漏れた気がするが、何とか口を閉じて耐える

なんて……は、破廉恥な!!

 

でも……その二人は……

私がしたことない表情をして

男も今迄私が一度も向けられたことのない表情を向けて

まるで恋人が語り合っているかのような……

 

落ち着こう……

そうだ、この男は何らかの物語越しに、私がこれから歩むかもしれなかった道を見知り、思い出しているだけだ

私が、自分の意思で、あんな破廉恥な格好で誘って、男性と二人きりで……

 

その割には男の反応が妙では?

自分で言うのも無粋ですが、こんな破廉恥な格好してるスタイルの良い美女に呆れ半分、慈しみ半分の顔を向けるなんて

男の余裕のありそうな表情にイラっとしかけるが

 

あっ……

も、もしかして……アレかも……?

 

----

 

忘れてなかったわけじゃない

これはトリニティを退学する為のプランの一つの決行後だ

 

期末試験で白紙の解答用紙を出しながら

水着で徘徊し問題行動として取り上げさせる

 

エデン条約の締結に向けてティーパーティーの上層部が忙しく走り回っている

 

急にホストとなったナギサさんがエデン条約を掲げ始めた時はなんだと思ったが

ゲヘナ憎しで反対意見を言う生徒を焚き付け、ホストを揺さぶり、不信感を煽れば強引な手を使って排除しようとするのでは?

彼女には申し訳ないという気持ちが無いわけではないが、とっくの昔に愛想が尽きた学校に留りたくはない

 

そして、色々と考えましたが

他人をけしかけて退学となると中々良い策も見当たらないものなんですよね

流石にキヴォトス人としてヘイローを奪うというのは罪が重すぎるし……

 

これが単なる物語だったならば、BAD ENDの文字で片付くのかも知れない

当事者・被害者はその後も人生は続く……続いてしまう

 

もし、もしも……そんなBAD ENDのその先でこの人に拾われたとしたら?

私はどのように振る舞い続けるだろう

素直にありがとうと言えるだろうか

 

私はこの恩人を困らせ続ける厄介な子供なのでは……

 

胸の奥に小骨のようなものが刺さった気がした

 

----

 

「こほん、先生の熱意は伝わりました」

「ですが、それだけで私をここまで呼んだのではないですよね?」

「何を要求しているか、教えてもらえますか?」

 

"いいや、なにもしなくていい"

"お茶菓子を用意しよう、好きに飲み食いして欲しい"

 

"当番の子も交代で来てくれるんだ"

"みんな裏表のない良い子だよ、ハナコともきっと仲良くしたいと思ってくれる"

"ただ、ここへやってきて好きに過ごして欲しい"

 

嘘……ですよね……?

直感を働かせ裏の意図も汲み取るが

本当にそうとしか思ってない

 

目の周りに隈を作り、隠し切れない疲れを滲ませているのに

そこにある資料の山を才媛の腕力で片付けて欲しいのでは?

期待してない筈がないのに、渇望しないわけないのに……

 

「意味がわかりません……どういうことですか?」

 

"これは私の持論なんだけどね"

"自分より遥かに優秀な部下を持った上司は何を命令すべきなのだろう?"

"それは、責任は取るから好きに動け。と伝える事だ"

"実際には責任も押し付ける上司は多いんだけどね"

 

そう苦笑を漏らす、まだそんな歳ではないだろうに……

少し紛れた白髪が苦労を代弁している気がした

 

"凡人のぼくにはハナコを部下として扱い切れはしないだろう"

 

更に彼は言葉を紡ぐ

 

"そしてぼくとハナコはせめて対等な関係でありたい"

"単なるテイカーではありたくないと思うぼくなりの意地だ"

 

"だから、側に寄り添い楽しませよう、好きな時にシャーレにおいで"

"そして遠い未来、友人となったハナコが何かしたいと思ってくれたなら、やりたい思った方法で助けて欲しい"

 

本当に自分の能力が嫌になる

 

こんな……2、3言交わした初対面の人間の上辺だけの言葉が……

この人の人生が、苦労が、真心が、信じ裏切られた経験が、意思が、覚悟が流れ込んでくる

 

流れ込んだ意思が私の心を射抜いた事がわかったとき

私の頭は下がっていた

 

「わかりました」

「先生、よろしくお願いします」

 

"わ、え……泣いてる?ごめんね!!何か嫌なことしちゃったかな!?"




何だかんだで瞬殺でした
諸葛孔明ですら3回会いに行かないとダメだったのにチョロすぎませんかね?
察しと頭が良過ぎるのも考えものですね
作者が安易に読心能力を持たせたせいです、あーあ

他にも超えてはいけない線を越えた時、人は意固地になるようです
ミカ然り、ハナコ然り……
本編の時系列でハナコを射止めたい先生は長期戦覚悟で付き合って上げてください

ハナコさんは珍しく焦って早合点してしまいましたね
彼女が見た光景は水着ハナコの絆ストーリーです
コハルに素直に遊ぼうと言えなくて、調査の仕事を無理矢理作って連れてきた事を先生に告白するシーンです

本心を隠して困らせ続けてるどころか
隠し続けた普通の生徒だよという本心を明かして
甘え始める貴重なハナコさんが覗い知れる一番尊いシーンなんですが、そこまでは読めなかったようですね
ウイが「9割までは一瞬で到れる」と言っていたので、万能未来予知ではないという意図を含めてます

次に原作先生は極めて強い善性を持っているので
連邦生徒会長に見初められる訳ですが
この転生?先生も強い善性の持ち主であり苦労人さんだったようです

唐突にバラされる若年白髪ハゲ
永続的に効果を発揮する若返り薬の開発が急がれる

そしてハナコの様に察しようとする努力が伺えますが
所々汲み取るには至らないようです

例えば2話のライフル(約4kg)は一般成人男性には重いので胸に抱えて持ち運んでいましたが
ハナコの腕力なら片手でも余裕です
先生の温もりが欲しくて受け取った後に胸に抱え直しています

さて、ひっそりと公開して誰も読まないだろうけどいいやと思っていたのですが
あっと言う間に沢山の人に読まれてしまい
暖かい感想と共に高評価を何件も頂いてしまいました
正直理解が追い付いてません

キュンキュンするお話を求められて居そうなのと
私もイマジナリーハナコとイチャイチャしたいので明るい話を考えてみますね
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